Netflixオリジナルのミニドラマシリーズ『自由研究には向かない殺人』鑑賞。
舞台は英国の小さな※田舎町。ケンブリッジ大学を目指す真面目な優等生ピップ(エマ・マイヤーズ)は、夏休みの自由研究と称して、迷宮入りとなっている一人の少女の失踪事件解決に乗り出します。 少女の名はアンディ。交際相手だった少年サル・シンが遺体で発見され、「自分がアンディを殺した」との遺書があったため、警察は彼が少女を殺害して自殺したと発表していました。しかしアンディの遺体はついに発見されないまま。 いつもピップに優しく、心からアンディを愛していたように見えたサルが、アンディを殺すわけがない……。ピップの心の中には、5年間ずっと、そんな思いが燻り続けていたのです。ピップは、事件以来街の人々から白い目で見られ、心を閉ざしているサルの弟ラヴィ(ゼイン・イクバル)を相棒に独自の捜査に乗り出しますが、アンディとサルの当時の同級生たちはピップの追求に対して一様に口をつぐみ、あるいは当たり障りのないことしか話さず、何か重大な事柄を隠している様子。そんな時、ピップの元に「事件から手を引け」という脅迫状が届いて……❗️
※舞台はどこか、調べても情報がなかったので、「Filming Locations」という、映画やドラマのロケ地を公開するサイトを見たところ、ブリストル(英国西部の港町)郊外で撮影されたとのこと。
※共に事件解決に奮闘するピップ(エマ・マイヤーズ)とラヴィ(ゼイン・イクバル)。2人の、友だち以上恋人未満の関係が青春ドラマっぽくて、良き❗️2人の身長差にも萌えます。「小さな恋のものがたり」のチッチとサリーみたい(……わかる人いる❓️(^_^;)
英国でベストセラーになった原作のドラマ化だけあって、まずミステリとしてストーリーの骨格がしっかりしており、複雑に絡み合った伏線も最後には全てスッキリと回収されます。(最近はイヤミスなドラマが多いので、謎解きのカタルシスがわりと新鮮)また、単なるミステリでは終わらず、人種差別、青少年の薬物問題、富める者がその力を使って犯罪の揉み消しを計る構図、警察の腐敗など、社会派ドラマの側面も。また、ピップがラインやインスタ、GPSを駆使して犯人像に近づいていくプロセスを見ていると、インスタに映った残像だけで簡単に身バレしてしまう、SNS時代特有の怖さを感じたりもしました。
※エマ・マイヤーズの、湖のようなペールブルーの瞳に引き込まれそう😍
捜査を進めるうち、信じていた人たちの裏の顔が次第に明らかになり、ショックを受け、一時はひどく傷つきながらも、健気に真実を追求していくピップ役に、エマ・マイヤーズがもう、ピッタリ❗️❗️彼女のおかげで、このドラマの魅力が2割増になっていると思います(断言)。同じNetflixの大ヒットドラマ『ウェンズデー』で、人狼の家系に生まれながらその異能をなかなか発揮できず、劣等感に苛まれるウェンズデーの親友・イーニッドを好演した彼女、今作でも、正義を貫き真実を暴くためには多くの犠牲を伴うことを知って苦悩する17才の少女の心を繊細に表現していて、このドラマに何とも言えない陰影を添えています。今作品は、優れたミステリであると同時に、人の善性を信じ、誠実に向き合えば心は通じ合うと思っていた17才の少女が、どんな人間にも(言わんや自分自身の裡にも)条件が合えばたちまちに発芽してしまう「悪の種」が存在するという人生の真実を知る、つまり少女から大人への階段を登る、ほろ苦い青春物語でもあるのです。また、自ら優等生を以て任じながら、不法侵入や器物損壊をしてしまったり、自他ともに認める「Clever girl」でありながら案外間が抜けていたり(親友から「自分が思っているほど賢くない」って言われてた 笑)……と、若さゆえのピップの未熟さもちゃんと描かれているところが◎❗️
原作は3部作らしいですね。Netflixでもヒットしてるみたいだし、シーズン2はぜったいあるよね❗️❓️街一番のワルはお金の力を使っていまだに逃げおおせてるし、ピップはラスト、「あんたの罪を暴いてやる」って宣言したものね。それにヲタク的には、ラヴィとピップちゃんのその後が知りたいし(笑)