ダークなユーモア満載のユニークなスパイ・ドラマ『窓際のスパイ』(AppleTV+)。現在シーズン4の配信が始まったばかり。シーズン1は登場人物紹介も兼ねたストーリー展開で、原題よろしくSlowな展開、当時はさほど話題にもならなかったように記憶していますが、シーズン2に入って俄然スパイドラマらしくなり、昨年は英国アカデミー賞、今年はエミー賞にノミネートされ、世間の人気もじわじわ上昇中、シーズン1からのファンであるヲタクとしては嬉しい限り😂
そしてそして、その人気上昇ぶりに一役買っているのが、冒頭に流れるテーマ曲『Strange Game』ではないかと思うんですよね。歌っているのは、ローリング・ストーンズのフロントマン、言わずとしれたミック・ジャガー御大。彼はミック・ヘロンの原作の大ファンだそうで、今回作詞を手掛けています。ミックの詞って、※ミソジニーっぽいものもけっこうあって、作品によっては好きじゃないものも多いんだけど、この曲は、実際のスパイたちの、どうにもならない焦燥感やもどかしさが表現されていて、胸を打ちます。
※ミックが一時崇拝してたのって、「ウィリアム・テルごっこ」をしてて誤って妻を射殺しちゃったウィリアム・バロウズ(『裸のランチ』『おかま』『ブレードランナー』)だからなぁ……。ローリング・ストーンズの「音」は物凄く好きなんだけど、いまいち沼らないのは、個人的にこういうとこかな(^_^;)
MI6やMI5で働く実際のスパイたちは公僕たる国家公務員。しかし、常に家庭生活や自分自身(時には命さえも)を犠牲にして働かなければならない。大半は、歴史の塵に埋もれてしまう「汚れ仕事」。ミックは、そんなスパイたちの悲哀を歌い上げます。
Surrounded by losers, misfits and boozers
Hanging by your fingernails
You made one mistake, you got burned at the stake
You're finished, you're foolish, you failed
There's always a hope on this slippery slope
Somewhere a ghost of a chance
To get back in that game and burn off your shame
And dance with the big boys again
It's a strange, strange game
Strange, strange game
Such a shame, shame, shame
Yes, a strange game
You got to carry the blame
In this strangе game
You're out on a limb and you're trying to gеt in
It's a strange game
辺りを見回せば負け犬だとか,落ちこぼれとかアル中ばっか。
ギリギリ指の先だけでやっとこさつかまっている有り様さ。
たったの一度ヘマしただけで,まるで火あぶりにみたいな仕打ちを受ける。
バカで、落伍者で、人生終わってる。
でもさ、つるつる滑る坂にいても、希望はちっとくらい残ってるもんだろ?
チャンスのかけらだって残ってる。
だからまた現役に戻って、今までの汚名は火をつけて燃やしちまって、昔みたいに大物たちと面白おかしくやればいい。
本当に因果な商売。
とにかく妙な世界さ。
ああ、やんなっちまう。
そう、妙な稼業だよ
自分のせいじゃないのに責められて
どん詰まりのくせに、それでもやり抜こうとする
本当に妙な世界。
この歌の1番って、ジェームズ・ボンドに憧れ、正義感とヤル気満々でMI5に入局するも、現場訓練で同期にミスをなすりつけられ、落ちこぼれ部署「泥沼の家」に左遷され、スパイの現実に直面するリヴァー・カートライト(我が推し、ジャック・ロウデンが演じております😍)を歌ってるみたい……。
個人的にはこの『Strange Game』、『ピーキー・ブラインダーズ』の主題歌『Red Right Hand』(Nick Cave)に匹敵する名曲だと思うんですが……。『窓際のスパイ』のファンの皆さま、いかがでしょうか❓️
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『Strange Game』Official Lyric Video
https://youtu.be/tegw25qqbAs?si=pQzcNt_gU81e_ZQy