ららぽーと横浜のシネコン109シネマズにて、「ザ・バイクライダーズ」鑑賞。バイクを題材にしたロードムービーやアクションものは大好きなんだけど(「イージー★ライダー」とか「ターミネーター2」とか)、1960年代にシカゴに実在したライダーズクラブの若者たちが社会への不満から次第に凶悪なギャング化していく様を描いた映画……ということで、最近新規の仕事で疲れ気味のヲタクにはちと重い内容なんだけど、なんてったって愛しのマイク・ファイストご出演……ということで、早速行ってきました❗️
映画のベースになっているのは、アメリカ人の写真家ダニー・ライオンが、映画のモデルとなったアウトロー・モーターサイクルクラブの若者たちの日常を撮影した同名の写真集「ザ・バイクライダーズ」。ヲタク激推しのマイクは、ライダーズたちを時には温かく、時には冷徹に見守り、彼らの日常を写真に収めた当の写真家、ダニー役。(この映画の狂気に満ちた男たちの中で唯一マトモ 笑)
※このシーン、写真集の中でも1番有名な写真を模したものらしいです。ダニー・ライオンはライダーズクラブの若者たちと寝食を共にし、時には自らもバイクを駆って並走しながら撮影したそう。
ストーリーは、ライダーズクラブの寡黙だが狂犬のような男ベニー(オースティン・バトラー)と僅か5週間で結婚したキャシーという女性(ジョディ・カマー)の視点から描かれます。ライダーズクラブ「ヴァンダルズ」に集まる男たちはそれぞれが社会から拒否され、その憂さをスピードの快感で忘れようとする者たちが多く、定職があり家族もあって辛うじて「社会的な生活」を送っているらしいのは総長のジョニー(トム・ハーディ)だけ。最初は集団でツーリングを楽しむだけだったものが、次第に他のグループや街の不良との抗争に明け暮れるギャング化していきます。それを嫌ってメンバーを抜けようとする者には死に等しい制裁が下され、新旧メンバーによる分裂が始まり、クラブは次第に総長のジョニーによるコントロールが効かなくなっていきます。そしてある日、取り返しのつかない悲劇が……。
※最近プライベートでもゼンデイヤの影響で(映画「チャレンジャーズ」で夫婦役を演じた)カメラ小僧なマイク。写真家の役もサマになってたよ😉
……それにしても、年寄りのヲタクからしたら、幼少期の頃見ていた60年代アメリカのTV番組(※「奥様は魔女」「愉快なブレディ一家」など)に描写されるアメリカ人の豊かな生活って1種のプロパガンダで、じつは今回の「ザ・バイクライダーズ」や「ウェスト・サイド・ストーリー」に見られるように、社会の分断や貧富の差、怒れる若者たちの暴走は、既にこの時期から存在していたのだろうか……と思うと、何やら感慨深いです。「何かに全てを投げ打っても、所詮なるようにしかならない」というジョニーの台詞の根底に流れる圧倒的な虚無感。さすがジェフ・ニコルズ監督(「テイク・シェルター」)、単なるバイカーズ映画にはなっていません。
※実際この作品の中でも、怪我をしたベニーがベッドの上でキャシーと一緒に「奥さまは魔女」を観ている場面が出てきます。
※妻キャシー(左…ジョディ・カマー)の愛によって次第に変わっていくベニー(右…オースティン・バトラー)。ジョディ・カマーは、舞台劇「プライマ・フェイシィ」でトニー賞主演女優賞を受賞した演技派。イギリス人ですが、完璧な米語を喋っていてビックリ🙀
今回ポスターにもちっちゃくクレジットされてるだけのマイクだけど、ヲタク的にはスクリーンの隅にマイクがチラッと映れば素早くガン見のチッケム状態(笑)血と暴力に塗れたこの作品の中で、ダニー役のマイクの、インタビューでふと見せてくれる彼自身を彷彿とさせる柔らかな微笑みに癒やされるぅ❤やっぱりマイク、ヲタクにとってあなたは……
夢の中身は風まかせ
魚眼レンズで君を覗いて
自分勝手に空を飛ぶ
(エロティカセブンより)
そんな存在❗️
※人見知りなマイクだけど、オースティン・バトラーとはウマが合うみたい。楽しそう🎵(右は作品中でロスから来た流れ者のバイカーを演じたノーマン・リーダス……「ザ・バイクライダーズ」ワールド・プレミアより)
★今日の小ネタ……作品を彩る懐かしの名曲たち
作品を彩るBGMも、同時代(60〜70年代)の名曲ばかり。アニマルズの「Talkin’ ‘Bout you」、シャングリ・ラの「Out in the streets」、クリームの「I Feel Free」……。そしてそして予告編に流れるのはローリング・ストーンズの「Doo Doo Doo Doo Doo(Heartbreaker)」❗️