早いもので、2024年もあと僅かになろうとしている今日この頃。ヲタクは昨日のクリスマスイブが仕事納めでした。昨年の年末は、体調不良になった方の代わりにシフトに入ったので30日まで仕事だった…(泣)今年は静かな年末年始を迎えられそう🎵……というわけで、当ブログでは毎年恒例行事になっております「オタクが選ぶ2024年洋画BEST10」❗️
★第10位 「DUNE 砂の惑星 PART II」
西暦1万190年、人類が大宇宙帝国を築き、厳格な身分制度が敷かれた遥か未来。皇帝の陰謀によって大領である父を殺され、国を追われたポール・アトレイダス(ティモシー・シャラメ)の数奇な運命を描く一大宇宙叙事詩のPART II。PART Iから引き続き主人公を演じるプリンス・オブ・ハリウッド、ティモシー・シャラメがその圧倒的なオーラとカリスマ性を出しまくりでしたが、それに立ち塞がる宿敵、フェイド・ラウサ・ハルコンネンを演じたのが、「エルビス」でアカデミー主演男優賞候補にノミネートされ、今や飛ぶ鳥を落とす勢い、プリンスの牙城に迫るオースティン・バトラー。ラスト、作品のクライマックスである2人の決闘シーンは、緊迫感がハンパない一方で、2人の圧倒的ビジュアル、立ち姿、所作、アクションの美しさが際立ち、後世語り継がれるべき名場面だとヲタクは思います。作品を見た誰もが、今後のハリウッドの未来は、この美しい男2人の肩にかかっていると確信したに違いありません。
※映画の中では宿敵同士でしたが、プライベートでは仲良しな2人。ティモシーがボブ・ディランを演じる「名もなき者」で、オースティンにぜひエルビス・プレスリーを演じて欲しいってこの時言ってたけど…。
★第9位 Netflix「伯爵 El Conde」
チリの鬼才、パブロ・ラライン監督の「伯爵 El Conde」。まずもってチリの悪名高き独裁者※アウグスト・ピノチェトが吸血鬼だった……というぶっ飛んだ設定に度肝を抜かれます。
※陸軍軍人だった彼は、チリ史上初めて自由投票により樹立されたサルバドール・アジェンデ政権を軍事クーデターで転覆させ、チリ全土に即刻戒厳令を敷き、人民連合系の市民2700名をサンティアゴ・スタジアムに集めて容赦なく虐殺、独裁政権を敷いた。
母国の黒歴史を、毒と風刺を込めたブラックコメディに仕上げたラライン監督の勇気に拍手❗️……ですが、その一方でビバルディやヴェルディの壮麗なクラシック曲が鳴り響く中繰り広げられるモノクロ映像は、タルコフスキーやタル・ベーラ作品に負けず劣らず耽美的で、そのギャップにヤられます(笑)
※伯爵が飛翔するシーンがなんと言っても美しい…。
★第8位 「ARGYLLE アーガイル」
※脇役陣も超豪華。アリアナ・デボーズ(「ウェスト・サイド・ストーリー」)のほか、敵国のスパイ役でデュア・リパもご出演。
スゴ腕エージェント・アーガイル(ヘンリー・カヴィル)が世界を股にかけ、強大な諜報機関の裏に潜む巨悪を暴く、その名も『アーガイル』シリーズで一躍超人気作家となったエリー・コンウェイ(ブライス・ダラス・ハワード)。ハードボイルドな筆致が人気を博していますが、素顔の彼女はシャイで自宅で飼っている猫が唯一の話し相手、しかも飛行機恐怖症で不安神経症という、自身が創り出したヒーロー・無敵のアーガイルとは似ても似つかぬオタク作家。しかし、そんなオタクな彼女が、アムトラック(全米鉄道)に乗って実家に行く途中で向かいに乗り込んできた、自らをスパイと名乗る怪しい風体の中年男(サム・ロックウェル)と知り合ったことから、「アーガイル」を地で行く空前絶後のスパイ合戦に巻き込まれることに…。ナゾがナゾを呼び、どんでん返しに次ぐどんでん返しのジェットコースタームービーです。3部作を想定しているらしいので、PART2が楽しみ❗️
※お久しぶり〜٩(♡ε♡ )۶なサム・ロックウェル。登場シーンの70年代ヒッピー風の変装はいただけないけど(笑)ストーリーが進むにつれ、どんどんイケオジの本領発揮。
★第7位 「トーク・トゥ・ミー」
母を亡くしたばかりの高校生ミア(ソフィー・ワイルド)は、母の死が睡眠薬の飲み過ぎによる自殺なのか、事故死なのか、はたまた一緒にいた父が実は母の死に関わっているのか、真相が知りたくても叶わないまま、鬱々とした日々を送っていました。人付き合いが苦手で、パーティでも1人浮いてしまうタイプの彼女は、たった1人の友人ジェイド(アレクサンドラ・ジェンセン)に依存気味で、彼女の家に入り浸っていますが、ジェイドにもBFができてあまり構ってくれなくなったため、寂しさを持て余していました。そんな時、ひょんなことからSNSで話題の「#90秒憑依チャレンジ」に参加することに。ルールはしごくお手軽で、セラミック製の小道具である「手」を握り、「Talk to me」「Let me in」と唱えると、一瞬で手を握った人に霊が憑依する……というもの。ただし注意点は、必ず90秒以内に「手」を離すこと。 90秒以上手を離さないでいると、霊が憑依したまま体外に出ていかない、それは本人が死ぬまで続く……というのです。麻薬にも似たそのスリリングな快感に、ミアはどんどんのめり込んでいきますが…。
ご存知、A24のホラー作品。アリ・アスターがこの映画を絶賛したらしいけど、(あー、わかるわかる)って感じ。だって、ヒロインであるミアの、対人恐怖と表裏一体になっているみたいな関係依存症、承認欲求の強さ、自己肯定感の低さがまるで『ミッド・サマー』のヒロイン(フローレンス・ピュー)の裏バージョンみたいだから(笑)何をやっても精神的に負のループに入って堂々巡り、それじゃもう、詐欺にも引っ掛かるし、カルト信仰にもつけこまれるし、霊にも取り憑かれるわ。A24のホラーって、元々人間誰もが持っている「脆弱な部分」(欲とか不安とか)が邪悪なものに付け込まれる…っていうパターンが多いから、いつか自分にも起きるんじゃないかってふと思わせるリアルなコワさがある。
★第6位 「関心領域」
ヒットラーの片腕として、事実上ホロコーストの1番の責任者といえる、悪名高きアウシュビッツ収容所所長ルドルフ・ヘス(クリスティアン・フリーデル)。彼は収容所のすぐ隣に邸宅を構え、妻(ザンドラ・フュラー)と子供たち、使用人と共に暮らしていたのですが、この映画は彼の所長時代の日々の生活を描いたもの。しかし作品を貫く淡々とした「日常性」…収容所の巨大な煙突から吐き出される黒煙を見ながら嬉々としてプール遊びに興じるヘスの子供たち、ガス室送りにされたユダヤ人女性の毛皮のコートを漁るナチス軍人の妻たちの姿…が、かえって観ている我々の恐怖をじわじわと増殖させていきます。そしてそれは、まるで黒いシミになって、私たちの身体に染みついてしまうのかと思うほど。
※広大な庭で短い夏を満喫するヘスと家族、友人たち。しかし、有刺鉄線を張り巡らした塀の向こうはアウシュビッツ捕虜収容所。今日も断末魔の叫びが聞こえる……。
見終わった後はしばらく精神的に参って辛くなりますが、目を逸らさず、一人でも多くの人に見てもらいたい作品。これも「トーク・トゥ・ミー」と同じくA24の作品。ひと頃と比べて勢いは弱くなった感は否めないですが、まだまだヲタク自身A24には絶対的な信頼感を持っています。「関心領域」も、エンターテイメント性を大事にしながら、今世界が抱える様々な問題を世に問いかけるA24らしい作品と言えるでしょう。
(第5位〜1位はまた後日❗️)