オタクの迷宮

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ジュード・ロウ ✕ ニコラス・ホルトの演技合戦が凄い〜Amazon Primeビデオ「オーダー」


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 ちょうど2年前に当ブログの「オタクの海外エンタメ通信」でお知らせした、ジュード・ロウ主演、そして我が推しニコラス・ホルトが重要な役で出演した映画「オーダー」が、いよいよAmazonプライムビデオで配信開始となりました〜〜〜❗️

 

 1984年、アメリカのフリーランド。反ユダヤ、反有色人種、白人至上主義を掲げる過激なネオナチ集団「オーダー」のリーダー、ボブ・マシューズ(ニコラス・ホルト)と、彼を追い詰めるFBI捜査官テリー・ハスク(ジュード・ロウ)の熾烈な攻防戦を描いたサスペンス映画です。マシューズは、富裕層の生まれでありながらヘイト主義によるテロ活動に身を投じた青年ですが、それを演じるのが、普段気弱で繊細な役を得意とするニコラス・ホルトだから……なんだか凄く……怖かった。ユダヤ人のDJアラン・バーグを自宅前で待ち伏せし、マシンガンで蜂の巣にする一方※、生まれたばかりの自分の赤ん坊は舐めるように可愛がるマシューズ。真正のサイコパスってこんな感じなんだろうか(((((;゚Д゚))))ガクブル)ニコラスの最大の魅力であるペールブルーの瞳が、今回ばかりは底の見えない冷たい沼みたいで恐ろしい……。元々「オーダー」の母胎であった政治団体「アーリアン・ネーションズ(所謂ヒットラーが提唱した白人だけの「アーリア人国家」の建設を標榜していた)」の集会で、「国会に議員を送り込もうなどという『アーリアン・ネーションズ』のやり方は手ぬるい、今こそ暴力革命を起こすべき」と参加者を激しくデマゴーグする場面のニコラスのド迫力は、さすが若手演技派の面目躍如❗️

※アラン・バーグ殺害事件(1984年)は実話で、オリバー・ストーン監督の映画「トーク・レディオ」(1988年)にもこの事件のことが出てきます。


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※普段は見ているだけで癒されるニコラス・ホルトのペールブルーの美しい瞳。ああそれなのにそれなのに今回は……(泣)ロバート・エガース監督の「ノスフェラトゥ」早く日本公開されないかなぁ……。

 

 主演のFBI捜査官を演じるのは、最近とみに演技の幅を広げつつあるジュード・ロウ。(彼が悪名高き暴君ヘンリー8世を演じる映画「ファイアーブランド」も日本公開間近。楽しみ❗️)妻子や周囲の人間に愛想を尽かされながらも、犯罪者を偏執狂さながらに追い詰めずにはいられない、そして頭の回線のどこかに何かが引っ掛かると怒りをコントロール出来ず爆発させてしまうFBI捜査官の「心の闇」を巧みに演じ切っていましたね。

 

 ストーリーは実話を元にしたものなのでドキュメンタリータッチで淡々と描かれており、ドラマチックなどんでん返し等はないのですが、マシューズが自らの幼い息子に、後年テロリストたちのバイブルになったと言われる小説「ターナー日記」を読み聞かせるシーン(考えようによっては、1番恐ろしいシーンだとヲタクは思う)や、彼が最後75人の警察隊に包囲され、退路を断たれた末に自ら焼死するシーンなど、実話ならではの衝撃に打ちのめされます。

 

 ニコラス・ホルト VS ジュード・ロウ、俳優として油の乗り切った2人の丁々発止の演技合戦、とくとご覧あれ❗️

 

★今日の小ネタ…「ターナー日記」

 アメリカ最大のネオナチ団体「ナショナル・アライアンス」の創設者ウィリアム・ピアーズ作の小説。ユダヤ人や有色人種を排斥して「白人だけの国」を作るためには、資材集め、人材集め、暴力革命、国内テロ、要人暗殺、ロープの日(最後の審判)という6段階が必要だとし、後世のテロ活動に多大な影響を与えたと言われる怪作。

 

 


ジュード・ロウ ✕ ニコラス・ホルト、『オーダー The Order』で初共演 - オタクの迷宮