Netflixで、ミニシリーズ「オーレ殺人事件」(全5話)鑑賞。
待望の「オーレ殺人事件」❗️「Coming Soon」の告知があってから、ワクワクしながら配信待ってました。……というのは、オタクは元々原作者のヴィヴェカ・ステンのファンでして。彼女の1番有名な作品に、女性検察官ノラ・リンデが活躍する、スウェーデンのリゾート地であるサンドハム島を舞台にした「静かな水の中で」「夏の日射しの中で」「煌めく氷の中で」があるのですが、この3部作ですっかり彼女の書くミステリーのトリコに。舞台はスウェーデンなので、所謂北欧ミステリーの範疇に入るとは思うのですが、それまでヲタクがハマっていた、アナールデュル・インドリダソンやユッシ・エーズラ・オールスン(特捜部Qシリーズ)等に代表される暗く沈鬱なムードと、人の心の暗部と社会の様々な問題を鋭く抉ったストーリーを身上とする北欧ミステリーとは一味違った、かなりライトな味わいでした。
「オーレ殺人事件」も、そんなヴィヴェカ・ステンの原作の味わいが生かされたミステリードラマです。舞台はスウェーデンの有名なスキーリゾート・オーレ。ストックホルムの警察官ハンナ・アーランダー(カーラ・セーエン)は、ある事件がきっかけで内部調査の対象となり(その原因はサブストーリーとして作品の中で描かれます)、恋人との別れとも相まって上司から強制的に休暇を取ることを命じられ、姉の別荘のあるオーレにやって来ます。しかしその地である女子高校生の殺人事件が発生し、ワーカホリックな❓️ハンナは、地元警察が人手不足に悩んでいるのを知ると、自ら捜査に志願します。バディを組むことになったオーレ警察の刑事ダニエル・リンドスコグ(カルド・ザラーディ)はそんな彼女を少々持て余し気味。しかし、立場も置かれた環境も全く違う2人は互いに、ぎこちなさを感じながらも捜査を通じて歩み寄っていき……❗️
※北欧をはじめとしてヨーロッパのミステリーに登場する女性警察官って、体格のかなり立派な(笑)中年女性が多いんですよね。今回のように妙齢の美女がヒロインなのは珍しいんじゃないかな^^; 主役のカーラ・セーエン、北欧の女性には珍しく、日本人好みの可愛らしい小動物系。
※まるでお伽噺の舞台のようなオーレの冬
何と言っても見どころはスウェーデンの圧倒的に美しい雪景色でしょう。目に染みるような大自然と並行して、人間の心の闇や社会の暗部、そして主人公のドロドロした個人史や対人関係が描かれるのは北欧ミステリーあるあるですが、この作品ではどれもさらっと触れるに留め、気軽に見れるところがポイント🎵
※責任感が強く、事件解決のため時に突っ走りがちなハンナ(右)。パートナーと子育ての真っ最中で育児休暇を取りたいダニエル(左)ですが、ワーカホリックのハンナのバディとしてはそれもままならず……(笑)
全5話のミニシリーズですが、最初の3話、次の2話で別々のエピソードになっています。但し後半の2話(リゾート開発会社社長のバラバラ殺人に、カルト教祖による妻の虐待事件が絡む)ですが、雪中のバラバラ事件が題材になっており、ご遺体の描写がかなりエグいので気の弱い方は気をつけてね(^_^;)
ヲタク的には、ハンナとダニエル、そしてゲイの若手警官アントンの、男女の枠を超えた、いかにも「仲間・同僚」といった関係性がとても好ましい(ハンナが周囲の男性陣とヘンに恋愛カンケイにならないのが◎❗️)wiki英語版には、このドラマはヴィヴェカ・ステンのミステリー2作品「Hidden in Snow (雪に隠されて)」と「Hidden in the Shadows(影に隠されて)」をベースにしている……と書いてあるんだけど、他にも元ネタないのかしら。ぜひこれを機会にシリーズ化して欲しいものです。
★ヴィヴェカ・ステンの出世作「サンドハム島シリーズ」は、「凍てつく楽園」という題名でドラマ化されています。WOWWOWで何度か放映されているのですが、どこかの配信サイトで観ることができるかな❓️