湘南テラスモール内のシネコン・109シネマズ湘南にて、METライブビューイング「アイーダ」観賞。4,000人以上の観客を収容でき、「METで成功できれば、世界中どのオペラハウスでも成功する」と言われるほどのオペラの殿堂、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場。その世界最高峰のオペラの舞台が映画館で見れるなんて……❗️見なくてどうする(笑)
METライブビューイング、ヲタクは直近では「蝶々夫人」、「トスカ」とプッチーニの叙情的な作品が続いたので、久しぶりのヴェルディは新鮮でございました。プッチーニって割とストーリーがメロドラマチックで日本人好みだと思うんですが(^_^;)ヲタクはどちらかと言えばヴェルディやワーグナーの、祖国愛や戦いをテーマにした壮大な作品が好き。特に今回の「アイーダ」、「凱旋行進曲」を聴くと背筋がゾクゾクしますね、やっぱり(笑)
敵国エジプトの戦いに敗れたエチオピアの王女アイーダ(エンジェル・ブルー)は捕虜となり、女奴隷としてエジプトの王女アムネリス(ユディット・クタージ)に仕えていました。しかしアイーダはアムネリスの想い人であるエジプト1の勇士・ラダメス(ピョートル・ベチャワ)と密かな愛を育んでいたのです。ラダメスの心がアイーダにあることを知り、烈しい嫉妬に駆られるアムネリス。そんな折も折、敗走したエチオピア軍の捕虜の中に身分を偽ったアイーダの父・エチオピア国王アモナズロ(クイン・ケルシー)の姿が。エジプトへの報復に燃えるアモナズロは、娘のアイーダがラダメスと恋愛関係にあるのを知り、エジプト軍の進路をラダメスから密かに聞き出すようアイーダに迫ります。祖国への忠誠とラダメスへの愛に引き裂かれるアイーダは……。
METライブビューイングの見どころは、※案内役が出演者やスタッフに行うインタビュー。エンジェル・ブルーが「我が祖国」を歌う時、20代でお父様を亡くした時の喪失感に想いを馳せる……と言ってましたね。彼女はまだその時の悲しみから完全に立ち直っていないようで、「我が祖国」を歌う彼女の眼からは涙が……。情感豊かな演技、名前そのままの透明感のあるエンジェル・ヴォイスはアイーダにピッタリでした。そしてアイーダの恋仇、エジプト王女アムネリス役のユディット・クタージはセクシーなオトナの女性の魅力に溢れ、ともすればアイーダよりアムネリスの歌声に聴き入っちゃった(笑)メゾソプラノってやっぱりヒロインの恋仇とか、悪女役が多いんですよね。主役を張れるのはカルメンか「サムソンとデリラ」のデリラくらいかなぁ……。クタージのダイナミックな歌声で、デリラ役観てみたいな。
※今回の案内役は、53回グラミー賞でベスト・トラディッショナル・フォーク・アルバムを受賞したアメリカン・ルーツ・ミュージック・グループ、キャロライナ・チョコレート・ドロップスのメンバーで、2016年に初来日を果たしたリアノン・ギデンズ。さすがMETライブビューイング、毎回音楽界の一流どころを案内役に持ってきますね。
※ラダメスに対する愛と憎しみ、王女という立場にありながら愛を得られぬ苦悩をダイナミックに歌い上げたユディット・クタージ。
METに出演し続けてなんと18年、16という多彩な役を演じ続けたベチャワの安定感ある歌と演技はサスガでしたが、今回ヲタクのお目当ては、エチオピア王アモナズロ役のクイン・ケルシー❗️同じくMETライブビューイング「トスカ」で警視総監スカルピアを演じた彼の、なんとも艶やかで深みのあるバリトンにすっかり参ってしまったヲタク。国王であり武人でもあるアモナズロ。クイン・ケルシー演じるアモナズロは男前な魅力に溢れておりました٩(♡ε♡ )۶
※祖国エチオピアのため、恋人ラダメスから軍の機密を聞き出せとアイーダ(エンジェル・ブルー)に迫るアモナズロ(クイン・ケルシー)
ヴェルディのために「アイーダ」草案を書き上げたというフランス人の考古学者オギュスト・マリエットをリスペクトした、20世紀と古代エジプトが交錯する新演出。照明やプロジェクターを駆使して過去と現在を表現する舞台装置も素晴らしく、一見の価値あり。METならではの豪華絢爛さは目を見張るものがあります。