オタクの迷宮

海外記事を元ネタにエンタメ情報を発信したり、映画・舞台・ライブの感想、推し活のつれづれなどを呟く気ままなブログ。

ポン・ジュノ✕ロバート・パティンソンのタッグ「ミッキー17」をIMAXで


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 相鉄線ゆめが丘駅前のシネコン「109シネマズゆめが丘」にて、「ミッキー17」(監督 ポン・ジュノ、主演 ロバート・パティンソン)をIMAXにて観賞。

 

 近未来の地球。小さい頃から、何をやっても上手くいった試しがない究極の負け犬ミッキー・バーンズ(ロバート・パティンソン)。商売に失敗して多額の借金を抱えた彼は、怪しげな政治屋兼宗教家であるケネス・マーシャル(マーク・ラファロ)が計画した異星へのコロニー計画に、人造人間として何度でも生まれ変われる代わりに汚れ仕事を請け負う「人体レプリカント」として参加します。しかしその仕事内容は、原爆並みの放射線を浴びたり、謎のウィルスを体内に入れてワクチンの被験体になったり、人造肉を食して死にそうになったり……と、過酷過ぎるものでした。そんなある日、冬の暴風雪の中、星の先住生物であるクリーパーに襲われ死を覚悟した第17代目のミッキーですが、ナゼかクリーパーたちはミッキーを助けてくれた上、安全な場所に連れて行ってお見送りまでしてくれたのでした(;^ω^)九死に一生を得たミッキーですが、いざコロニーに戻ってみると、17は既に死んだことにされていて、部屋には新たなミッキー18(ロバート・パティンソンの二役)が……❗️

 

 過酷な労働条件下でボロ切れのように働かされる貧困層の実態、人々を言葉巧みに洗脳し、強大な権力を握って益々モンスター化していく独裁者夫妻(マーク・ラファロ)の存在、人間のクローン化や不死、産み分けに関わる人道的な問題、先住民族に対する差別など、今世界が抱える様々な問題を、もうこれでもかっていうくらいギュウギュウ詰め込みながらも(笑)皮肉と風刺の利いた一大エンターテイメントに仕上げているところ、「グムエル〜漢江の怪物〜」や「パラサイト 半地下の家族」同様、恐怖とコミカルな要素が絶妙にミックスしているところは、さすがのポン・ジュノ監督、その磨き上げられた職人芸に感服❗️ってカンジでしょうか。

 
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※星に住むキモ可愛いモンスター、クリーパーちゃん(可愛いだけじゃなくて賢く、ミッキーたちはさんざん振り回されます 笑)

 

 この作品の中で、ちょっと気弱な正直者、ホワイトミッキー17と、皮肉屋で暴力的なブラックミッキー18の二役を全編出ずっぱりで演じたロバート・パティンソン。「バットマン」以来、3年ぶりぃぃぃ〜〜。待ってたわよぉぉ、ロブ٩(♡ε♡ )۶レプリカントだから外見は全く同じなんですが、ロブは話し方、声のトーン、所作、表情をガラッと変えて二役を見事に演じ切っています。次回のアカデミー賞にノミネートされても良いくらいの名演技だと思うなぁ。ポン・ジュノ監督がロブをキャスティングしたのも超納得❗️

ちなみにヲタクはブラックミッキー(18)推し^^;


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 独裁者マーシャル(マーク・ラファロ)を陰で繰っているのが実は妻のイルファトニ・コレット)だった……という設定や、余りにも虐げられすぎて、DVの犠牲者みたいに自己肯定感がめっちゃ低くなっちゃったミッキー17が優秀な恋人ナーシャ(ナオミ・アッキー)に認められ、愛され、彼女のサポート役として生きがい=彼自身の幸せを見出していくプロセス等を見ると、ポン・ジュノ監督、昨今のハリウッドにおけるフェミニズムの潮流をちゃんと取り入れてますよね、「事件の陰に女あり」的な❓️(笑)この辺が、ツボを押さえた職人芸なんだよな。


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※「哀れなる者たち」以来、虚勢を張った情けないクズが当り役❓️になっちゃった感のあるマーク・ラファロのコメディ演技が秀逸で、彼を繰るトニ・コレットのイッちゃった暴走ぶりもコワイ、コワイ。ヲタク的にはトニ・コレさんと言えばどうしても「ヘレディタリー/継承」(アリ・アスター監督)を思い出しちゃうの。あの彼女の演技観た夜、悪夢にうなされたもん(笑)

 

 2時間余があっという間の1大エンターテイメントを映画館の大画面でぜひ❗️IMAXの臨場感はやっぱり別格でした。