Amazonプライムビデオとミステリー・チャンネルの見逃し配信にて、英国ミステリードラマ「警視グレイス」シーズン1と4観賞。英国、北欧、東欧等、ヨーロッパのミステリードラマに目がないヲタク。目ぼしい作品をいつも探していて、ミステリーチャンネルやWOWWOW、動画配信サイトでほぼ切れ目なく見ていますが^^;、先日記事にも書いたミニシリーズ「ヨルガオ殺人事件」を見終わった後、(次はどれにしよっかな〜)とあれこれ見ていて目にとまったのがコレ❗️英国ITVネットワーク(チャンネル3)製作の「警視グレイス」。ひゃー、主演はヲタク的には物凄くお久しぶりのジョン・シムくん。……そう、「ドクター・フー」(BBCの子供向けSF長寿ドラマ。初放送がなんと半世紀も前の話で、現在も放送中^^;)のマスター役。ヲタクはデヴィッド・テナントのドクター・フーが大好きでよく見てたんだけど、ドクターの幼なじみでライバル、ドクターの関心を惹きたいがために次々と悪事をやらかす「かまってボクちゃんヴィラン」マスターを演じてたのがジョン・シムくんだったんですねー。「頭の中で太鼓が鳴ってるぅぅ〜。ボクちゃん止められないんだぁぁぁ」とか叫んでローストチキン丸ごと一羽かぶりつくみたいなぶっ飛びキャラ。オトナの色気ムンムンのテナントさんと、首輪と拘束衣にうっとりしてるシムくんの「ドクター・フー」は、子供向け番組とは思えない出来だったわ……いろんな意味で(笑)
※でもさ、「ドクター・フー」公式も確信犯よ。当時シムくんの首輪と拘束衣の萌えスタイルがサイトの壁紙だったんだからね。
……って、何の話してたんだっけ❓️(笑)
あの童顔キュートなシム・マスターがすっかり渋いイケオジになってた英国ミステリー・ドラマ「警視グレイス」。ピーター・ジェイムズ原作の世界的ベストセラーを映像化したものなので、ミステリーとしての骨格はバッチリ❗️但し原作は、日本では翻訳されているのが第1作目の「1/2の埋葬」のみのようで、こうやってドラマ化されるのは、日本の英国ミステリーファンにとっては有り難いですよね。しかもしかも、脚本を担当しているのが、同じくITVミステリードラマの名作「刑事モース」と同じラッセル・ルイスですから見なきゃ損(笑)多数の人物が登場してそれぞれのエピソードが錯綜し、最後に全てそれが収斂していき、伏線が回収されてフーダニットに至る⋯⋯という展開はやはり、ラッセル・ルイスが「刑事モース」で使った手法を彷彿とさせます。
ヲタクは第1シーズンをAmazonプライムビデオで見て、ミステリー・チャンネルの見逃し配信で第4シーズン、同じくミステリー・チャンネルの再放送でシーズン2を見る⋯⋯という、かなり変則的なスタイルで鑑賞中(笑)日本での放送は1話完結で大体1時間半前後の長さがありますから、映画を1本見終わったかのような満足度。シムくんは最愛の妻に失踪され心に深い傷を負いながらも、警視という、彼にとっての「聖職」を全うしようとする1人の男の生きざまを、抑制の効いた演技で魅せます❗️特に第2シーズンでは、グレイスはイースト・サセックス警察署に新たに赴任してきた検視官助手のクリオ・モリー(ゾーイ・タッパー)と新たな恋に墜ち、妻の失踪によって受けた心の傷が次第に癒えていくさまが描かれているのですが、ヲタク的には2人の間で交わされる、ウィットの効いた大人の会話がツボ。そして分別のある大人であるがゆえに、なかなか結論がでない2人の恋の顛末もね(^_^;)
英国の俳優さんたちは、その演技の土台骨にまずシェイクスピアの舞台があるから、シリアスだろうがイッちゃってるコメディ演技だろうが、何でもござれで凄いよね。シムくんも確か、マスター役と同時期にハムレットの舞台を踏んでた記憶があるもん。シムくんはドラマの中で、超イケボで正統派のキングスイングリッシュを話しているので、吹替版より字幕版がおススメです。
※シムくんと並んでノーマン・ポッティング巡査部長役のクレイグ・パーキンソン(「ホワイト・チャペル」)のイギリス英語も正統派で惚れ惚れ。良い味の渋い演技で印象的でしたが、シーズン4を以て降板が発表されました。悲しい…(TдT)
★今日の小ネタ…「警視グレイス」の舞台はブライトン
ヲタク的に、英国の海辺の町ブライトンと言えばすぐ思い出すのがグレアム・グリーンが書いたノワール小説「ブライトン・ロック」。社会を恨み、いつもナイフを持ち歩く少年ギャング・ピンキーの悲劇を描いたこの作品は、血塗られた犯罪と海辺のリゾート地ブライトンの煌めく陽光との対比が強烈な印象を残しますが、「警視グレイス」も然り。グレイスが抱える心の闇と彼の担当する事件のおどろおどろしさが、映像が美しいほどくっきり浮き上がってきて、エグいです(;^ω^)英国…というより、北欧・東欧ミステリーに近いテイストかも。