AppleTV＋でフランスのドラマシリーズ「カレーム 宮廷料理人」１〜４話観賞。
フランス革命を遡ること6年前、1783年に24人兄妹❗️の16番目の子として生まれたアントナン・カレーム。極貧の中で親に捨てられた彼は、肉屋の親父に拾われて必死で働き、さらに上を目指してパレ・ロワイヤルで店を開くパティシエ・バイイの養子となります。仕事の合間に図書館に通って王立図書館に通い詰め、建築学を独習した彼が最も得意としたのが、貴族やブルジョワジーの邸宅のパーティ等でサプライズで出されたピエスモンテ（工芸菓子。製菓材料を使った展示・観賞用の造形作品）。彼は建築の知識を生かした菓子作りの才能を見出され、時の外務大臣タレーランの厨房で働くようになります。
※カレームが考案したと言われるウェディングケーキ、クロカン・ブッシュ。
ドラマはナポレオン・ボナパルトの第一執政（総領）時代、アントナンが（おそらく）17〜18才の時代から始まります（ナポレオンは1799年「ブリュメール18日」のクーデターで権力を奪った後、事実上の独裁権力を掌握していました）。アントナン（バンジャマン・ヴォワザン）が仕えたタレーランは外交によって、英国をはじめとするヨーロッパ列強とフランスとの間のパワーバランスを保とうとする所謂「穏健派」で、武力でヨーロッパ全土を制圧しようとするナポレオンの強硬策とは相容れず、密かにナポレオンの失脚を画策し始めるのですが、アントナンはその料理人の腕と人誑し（女蕩し❓️笑）の才をタレーランに見込まれて、ナポレオンの動向を探るスパイとして暗躍する……というストーリー展開。フランスドラマらしく18禁なシーンもしばしば(^_^;)冒頭から、タレーラン家の侍女アンリエット（リナ・クードリ）とのラヴシーンなんですが、生クリームを使ったアノシーン、ミッキー・ロークとキム・ベイジンガー主演のアメリカ映画「ナインハーフ」（1986年）を観た時の衝撃を思い出しちゃったわ(^_^;)離婚反対を強硬に推進するナポレオンの妻ジョセフィーヌに、アントナンが媚薬を使って迫るシーンは……☆⇘#&£◑π@#↹↸（ピーーーー 笑）この時アントナンはまだ未成年だよねぇ……。さすがジャン・コクトー（「恐るべき子どもたち（アンファン・テリブル）」）やフランソワーズ・サガン（「悲しみよこんにちは」）ら、早熟の天才を生んだ国フランス。アントナン・カレームもまた、アンファン・テリブルの１人だものね。
しっかし、カレームを演じるフランスのライジングスター、バンジャマン・ヴォワザン、弱冠28才というのにこの滴るような色気はどうしたものか。日本の芸能人でいうと、平野紫耀くんや北村匠海くんと同い年かぁ……。ちょっと考えられない。彼らがカレームみたいな役を演じたらファンの人たちの阿鼻叫喚、大炎上だろうしね（笑）彼らは色悪なバンジャマンと違って、たとえ役の上でも清く正しく美しくあらねばならない。アイドルの宿命ですね。
古くはジェラール・フィリップ、モーリス・ロネ、アラン・ドロン等綺羅星の如きフランス・イケメンたちと同様、バンジャマンくんもまた、同じラテン系とはいえ底抜けに明るく陽気なイタリア男とは真逆の、どこか隠微な、冥い色気を纏っているところがお国柄を現して興味深い。
※秘密警察を組織し、政敵を次々と暗殺して国家の中枢に上り詰め、カメレオン（変幻自在な冷血動物）と言われたジョセフ・フーシェ（上）と、大貴族家出身でありながら政治家としても辣腕を振るい、長くフランス政府に君臨したシャルル＝モーリス・ド・タレーラン＝ペリゴール（下）。他にもナポレオンやその妻ジョセフィーヌ、美食批評家のはしりであるグリモ、思想家でフェミニストの祖とも評されるスタール夫人、亡命中のルイ18世等、実在の人物が次々登場、欧州史に興味のある方もぜひ❗️
初回は1＆2話配信済みで、それ以降は毎週水曜日に１話ずつ配信されていく予定のようです。共和制〜総領政府〜ナポレオン帝政〜帝政崩壊と、フランス史上最も激動した時代。アントナン・カレームはいかにして史上初の「シェフの帝王」に上り詰めることができたのか❓️
これからも益々目が離せません❗️
