この度めでたく英国ナイトの称号を授与されたゲイリー・オールドマンの騎士叙勲記念、ヲタクが独断と偏見で選んだ出演作ベスト10、いよいよBEST3の発表です❗️
3位 「レオン」(1995)
これはもう紹介の必要もないくらい、稀代のカメレオン俳優ゲイリー・オールドマンの名を広く世に知らしめた1作。ベートーヴェンを口ずさみながらマシンガンを撃ちまくり、返り血が着ている高級ジャケットに飛んで「……ちっ、服が汚れた」とグチる狂気の麻薬捜査官スタンことノーマン・スタンフィールド。麻薬の売人を「抵抗したから」という理由で殺害してはその麻薬を自分の懐に入れる……という極悪非道ぶりは映画史上登場したヴィランの中でも5本の指に入るでしょう。しかし、ダンスを踊るようにマシンガンを撃ちまくるシーン、ヤクを噛み砕いて天井を見上げ身震いするシーンなど、インパクトはメガトン級で、タイトルロールを演じたジャン・レノはすっかり影が薄くなっちゃいました(^_^;)映画自体は2時間余の長編なのに、ゲイリーの出演時間は僅か17分❗️今では悪役スタンはもはや伝説、ヴィランの様式美の体現……というか、すっかりアイコン化しちゃった感がありますよね。
2位 「シド&ナンシー」(1986)
※実在のシド&ナンシー(右)と、彼らを演じたゲイリー・オールドマン&クロエ・ウェブ。クロエ姐さんも頑張ってたんだけど、ゲイリーのオーラが凄すぎて、ジャン・レノ同様すっかり霞んじゃった……(合掌)
伝説的パンクバンド、セックス・ピストルズのベーシストで、21才の若さで逝ったシド・ヴィシャス。作品はシドと恋人だったナンシー・スパンゲンの短く破滅的な人生を描いたものですが、ゲイリーはシドを演じて華々しい映画デビューを飾りました。ブリティッシュ・ロック(特にパンクロック)って、ある意味英国の厳格な階級制度に対する労働者階級の若者のプロテスト・ソング(…呪詛❓️)だから、ニュークロス出身で、その生い立ちから王立演劇学校入学も拒否され、様々な辛酸をなめたゲイリーにはピッタリな役柄だったと思います。
ジャンキーで痩せ細っていたシドになり切るため過度の減量を決行、栄養失調になってドクターストップがかかるなど彼のシド役へののめり込み方はハンパなく、映画を観たシドの母親が「息子が生き返った」と言って号泣したそう。(ゲイリーは何度もシドの母親を訪ねてはインタビューを繰り返し、役作りをしたのです)こういう演技への真摯な向き合い方は彼の1番の持ち味で、(プライベートではいろいろ問題はありましたが^^;)だからこそ後輩の俳優たちから慕われているんじゃないかと思います。
昔むかし吉本ばなながエッセイの中でこの作品について触れてたんだけど…。何ていうエッセイ集だったかな。彼女もかなりの衝撃を受けたらしい。
1位 「裏切りのサーカス」
※ゲイリーの、これぞ英国紳士❗️って感じのファッションも見どころの1つ。右はゲイリー演じる老練のスパイ・スマイリーを慕う部下役のベネディクト・カンバーバッチ(ベネさま、若い〜〜)
1970年代、米ソ冷戦時代の真っ只中。世界中のあらゆる場所にスパイが暗躍していた時代。この映画は、英国諜報部MI6の上司から特命を受け、重要な情報ごと西側に寝返りたいという東側のスパイと密会する為、ハンガリーのブダペストへ出向く一人の工作員(マーク・ストロング)の姿をカメラが捉えるところから始まります。この特命はなぜかソ連側に漏れており、彼はブダペストの路上で撃たれ、計画は失敗に終わります。この事件をきっかけに、どうもMI6の幹部の中にソ連と通じている二重スパイ(いわゆる「もぐら」)がいるらしい…という事実があきらかとなり、その隠密捜査の為に、一旦は引退した初老のスパイ、ジョージ・スマイリー(ゲイリー・オールドマン)がその任務に当たることになります。
スマイリーを演じるゲイリー・オールドマンがもう、その佇まいからお洒落の仕方からめちゃくちゃカッコよくて😍一見温厚な英国紳士に見えながら、MI6本部から重要書類を盗み出すよう部下のピーター・ギラム(ベネディクト・カンバーバッチ)に命じ、「まさかの時はお前が罪をかぶれ」と言い放つ非情さよ。かと思えば、上司のコントロール(ジョン・ハート)から絶大なる信頼を置かれていると自負していた彼が、ふとしたきっかけで自分すらも「もぐら」ではないかと疑われていたと知った時の表情❗無言のうちに静かな失望感とやりきれなさを滲ませて…秀逸です。
ゲイリーの演技も、作品自体もだんぜんBEST1のこの作品、ゲイリーをはじめコリン・ファース、マーク・ストロング、ベネディクト・カンバーバッチ、トム・ハーディ、トム・スチュワート……と、なにげに英国イケメン&イケオジが大集合してます(笑)