オタクの迷宮

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「おい、太宰」見てきた〜三谷幸喜監督の全編ワンカット地獄❓️…いや、まさかの天国❗️


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 相鉄線ゆめが丘駅前のシネコン「109シネマズゆめが丘」にて、三谷幸喜監督の「おい、太宰」(劇場版)観賞。

 

 いやはや、ヲタク思わずタイトル見ただけでツッコんだよね、世紀の文豪に向かって「おい、太宰」って。ヲタクはドラマ版見てないから、何もかも新鮮。あっでもね、映画だけでもちゃんと完結しているからご安心を。

 

 思い起こせば50年前(なんと半世紀前)ヲタクが太宰にハマってたのは、地獄の受験生時代。太宰の作品、出版されてるやつはほぼ全部読破したと思います。特に「人間失格」や「道化の華」、「猿面冠者」読んで、(これ私のこと書いてるの❓️)って、悶々と悩んだり。しかしいざ志望の大学受かったら、何故かツキモノが落ちたみたいに太宰からは卒業しちゃって、突如としてコンパ三昧(笑)「案外適当な生き物だよな、じぶん」って再認識したヲタク(^_^;)え❓️それこそ「人間失格」ぢゃないかって❓️確かに❗️(笑)

 

 ……でもね、今作で松山ケンイチ演じる太宰に出会って、あの悶々と悩んだ、当時は出口がないと思っていたキツイ時期も、半世紀経って振り返ってみればムダじゃなかった…って今思える。確かに太宰は、ヲタクの青春時代のかけがえのない相棒だったんだって。

 

閑話休題

 

★全編ワンカット撮影にチャレンジした三谷幸喜監督の狂気(注・褒めてます 笑)


 三谷幸喜監督が今回挑んだのは、“全編ワンカット撮影の映画”という超チャレンジ企画。失敗は許されない、演者にとってはまさに地獄、罰ゲームみたいな企画だと思いますが、はてさてこの企画、演者、監督、スタッフともども無事に完走することが出来るのか❗️❓️

 

あらすじ

「太宰の心中を止めろ❗️未来から来たリーマン大奮闘」

 平凡なサラリーマン・小室健作(田中圭)は、妻の美代子(宮澤エマ)と結婚披露宴に出席した帰り道、太宰が恋人の矢部トミ子と心中未遂したことで知られる鎌倉の海辺へやって来ました。(結果太宰は生き残り、トミ子だけが死んでしまったのです)そこでナゾの洞窟を見つけ、出来心で中に迷い込んでしまった彼は突如時代を昭和5年にタイムスリップ、当の太宰治松山ケンイチ)とその恋人・矢部トミ子(小池栄子)に遭遇します。史実ではまさにその日、心中する運命にある2人。銀座のカフェの女給でコミュ力モンスターのトミ子に一目ぼれしてしまった健作は、あの手この手で心中を阻止しようと奮闘しますが……❗️

 

 まずもって主人公の健作が、「日本の誇る文豪を救う❗️」っていう御大層な大義名分のために動くんじゃなくて、太宰の恋人に一目惚れしちゃった……っていうユルイ設定なのがイイ🎵宮澤エマみたいに才色兼備な人が奥さんなのに、小池栄子にフラフラしちゃう……っていう設定が、演じるのがアノ田中圭だからリアリティあるしね……ってキツイ冗談はさておき(笑)、普段から殆どセリフ忘れがなく、現場に立つ時は脚本が全て頭の中に入っているという一流の舞台人、田中圭だからこそ出来る離れワザ。

 

松山ケンイチ無双説

 主人公の田中圭はじめ、1人でなんと3役をこなした梶原善小池栄子、宮澤エマ、キャスト全員適材適所なんだけど、最大の功労者は作品のキーパーソンである松山ケンイチではないでしょうか。

 

 太宰と同郷の松山ケンイチが、女性たちの耳元で語りかける津軽弁がめっちゃセクシーで(しかもイケボ❗️笑)、彼女たちがクラっと来るのもわかる……というオーラを放っています。彼の語り口を聴いていると、津軽弁がいかに美しく、音楽的な言葉なのかを再確認できます😍

 

 松山ケンイチはねぇ……ヲタク3年前のストリートプレイ「hana〜コザが燃えた日」(東京芸術劇場プレイハウス)、前からなんと2列目という奇跡のような良席で、ご尊顔を拝ませていただきやした。当時は推しの岡山天音クン目当てで行ったんだけど、TVの画面やスクリーンで見るよりずっとすらっとしてスタイルよくて、声は堂々と通るし滑舌いいし、「生ケン」のオーラは圧倒的でした(←浮気者 笑)

 

 ボーナスシーンでラストに加えられているのは、ドラマとは違う「もう一つの結末」だそうで、ドラマファンの方もお楽しみに🎵

 

 それにしても「全編ワンカット劇」という無茶ぶりを、ここまでエンタメに昇華できるのは、三谷幸喜監督だけかもしれないなぁ……。演者、スタッフにとっては地獄でも、観ている私たちからすれば、時を超えて古き良き昭和の時代と、イケメン太宰に逢えるステキな作品。三谷監督の異能の天才ぶりに改めて敬意を表したい。


 さあ、太宰好きも、田中圭推しも、松ケンファンも、演劇オタも……みんな一緒に、長閑な昭和初期の海岸で叫ぼう。

「おい、太宰❗️」ってね(笑)