
みなとみらい駅直結のショッピングモール「MARKISみなとみらい」5階にあるシネコン「ローソンユナイテッドシネマ」にて、インド映画「私たちが光と想うすべて」観賞。印象派の絵画を想わせる映像美の中、インド社会の矛盾を底流として描きつつ、新たな人生を模索するヒロインの姿を描いた作品で、2024年カンヌ国際映画祭でインド初のグランプリに輝きました。
★ざっくり、あらすじ
ムンバイで働く看護師プラバ(カニ・クスルティ)。自分にも他人にも厳しい彼女は、後輩から映画に誘われても一切拒否(^_^;)ひたすら真面目に、社会から後ろ指さされないように生きる毎日。実はプラバは夫ある身。親が決めた相手と(当日まで顔も知らず)結婚したものの、直後にドイツに出稼ぎに出た夫とは1年以上音信不通。彼女は年下の同僚アヌとルームシェアしていますが、アヌには密かに交際しているイスラム教徒の恋人がいます。インドではヒンドゥー教徒とイスラム教徒の結婚はおろか、交際すらもタブー。アヌの恋には、宗教の壁が暗い影を落としているのです。それでも隠しきれないアヌの想い。次第にそれは同僚の看護師たちの口端に登るようになり、巡り巡ってきた噂でそれを知らされたプラバは裏切られた想いで、激しい怒りをアヌにぶつけますが……。
★インド女性の生きづらさを描いた映画……だと思っていたけど
ヲタクはインド映画好きで良く観ます。昔はザッツ・エンターテイメントなボリウッド系も好きだったけど、実際の撮影現場はマチズモな世界らしくって。若い頃ボリウッド映画でヒーローの相手役で活躍していたシュリ・デヴィが「ボリウッド映画に出演する女優は大変。男性と違って着替え場所もないから、森の木陰でこっそり着替えをした」ってエピソード聞いてから、あんまり入り込めなくなった(^_^;)それからは専ら、インド映画界で社会問題を取り上げ、人権意識の高い作品を制作・出演することで知られる俳優、アーミル・カーンの作品群や、インド女性の「生きづらさ」を描いた小品を観賞してきました。
この作品も一言で言えば、そういったインドにおける女性の生きづらさを描いたものです。ヒロインのプラバに突然送られてきたドイツ製の高級炊飯器。宛名だけで送り主の名前も住所も書いてはありません。しかし、炊飯器がドイツ製であることから、きっと夫からのプレゼントだろうと電話をかけると携帯番号が変わっていた…。激しい絶望感に苛まれ、台所の片隅で声を押し殺してむせび泣くプラバ。(なんてヒドイ話❗️もしかしてプレゼントじゃなくて、手切れ金の代わり❓️インドではこれがフツーなの❓️)と観ているヲタクはムラムラと怒りが込み上げます。
……しかしプラバは、ヲタクみたいに目を釣り上げて怒ったり、権利を強硬に主張したりはしません。喧騒のムンバイを離れ、親友の生まれ故郷である海辺の村をアヌと一緒に訪れたプラバ。彼女は美しい自然と人情に癒され、また社会通念に反しながらも一途な愛を貫こうとするアヌの姿を通じて、自らの来し方行く末を見つめ直していくのです。自らが「光と想うもの」〜自分自身の価値や新たな人生、希望〜を信じて。
冒頭で述べたように、2024年カンヌ国際映画祭で、インド映画として初めてグランプリに輝いた良作です。上映開始してほぼ1ヶ月、上映回数は少なくなっていますが、まだ全国の劇場で公開中。できれば全世代の女性たちに観て欲しい❗️