オタクの迷宮

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映画「聖なる胎動」〜修道院ホラーが突きつける「選民思想」の闇


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 小田急本厚木駅直結のミニシアター「あつぎのえいがかんkiki」にて、「聖なる胎動」観賞。上映のラインナップがいつもヲタク好みで(いつか来たいなぁ〜)と思っていたけど、なかなか機会がなくて(^_^;)今日は念願叶っての初来館です。

 

★恐ろしすぎるオープニング

 漆黒の闇に包まれた修道院。1人のうら若い修道女が、イビキをかいて眠っている修道院長のベッドの脇の引き出しからこっそり鍵束を盗み出し、鉄の門へとひた走ります。後ろからひたひたと追ってくる黒装束の集団。やっとの思いで門を潜り抜けたものの、片足を掴まれた❗️(いやーっ、離して❗️)思わず心の中で叫ぶヲタク。1人がナイフを取り出して彼女のか細い足に当てる。そして、皮膚を切り裂き骨に当たる鈍い音が⋯⋯

ぎゃーっ、痛い痛い痛い❗️

オープニングのシーンだけでもうヲタク、恐怖で卒倒しそう(泣)

 

★ざっくり、あらすじ

 一転して、イタリアのどこかの田舎の駅。アメリカから新天地を求めて、森深い修道院にやって来たセシリア(シドニー・スウィーニー)。神への感謝、夢と希望に満ち溢れた若い修道女です。その修道院の外観が、オープニングの舞台と同じことを知っている私たち観客は、恐ろしさと不安に身も凍る思い。なんでこんなとこに来ちゃったんだよ⋯⋯(泣)

 

 セシリアは誓願式で神に清貧と貞潔を誓い、修道院での厳しくもやりがいのある毎日が始まりました。ところがしばらく経った頃、彼女の体調に異変が。なんと男性経験もない彼女に妊娠の兆候が現れたのです。あまりのショックに体を震わせるセシリア。しかし彼女のショックをよそに、修道院の人々は彼女を聖母マリアの再来と崇め奉るように⋯⋯。(セシリアが聖母マリアのコスプレ❓️をさせられて祭壇に上るシーンは、アリ・アスター監督の「ミッドサマー」思い出したよ⋯ゾゾゾ)そんなある日、入浴中のセシリアは突然先輩の修道女イザベルに襲われてバスタブに沈められ、溺死寸前に。イザベルは「本当はあなたではなく私の筈だったのに」という謎の言葉を残して塔から身を投げます。それをきっかけに、セシリアの身の回りには次々と怪現象が起き始め⋯❗️

 

★史上稀に見るイヤミス

 はっきり言いましょう❗️次々と襲ってくる、ホラー映画特有のジャンプスケア(jumpscare)演出(突然大きな音を出したり、恐ろしい映像で観客を驚かせる)で私たち観客は、ギャーギャー(心の中で)叫ばされた後、ヒロインが「邪悪なる者」と戦う異能バトル的な流れにはなるんですけれども、ラストのタネ明かし、謎が解けた爽快感はまるでなく、史上稀に見る後味の悪さです(泣)

 

★ホラーを超える重いテーマ

ネタバレになっちゃうからこれ以上は言えないけど、宗教も科学も、突き詰めた先にあるのは、選ばれし者、優れた者だけが救われる⋯という選民思想(宗教)と、より優れた人類を生み出し、そうでないものは排除する⋯という優生学(科学)なのか❓️と、暗澹たる気持ちにさせられ、何だか単なるホラーを超えた、重い重いテーマを突きつけられた気がしました。

 

★ヒロインはMAGAのミューズ、シドニー・スウィーニー

 ヒロインのセシリアを演じるのはシドニー・スウィーニー、女優生命を賭けたかの如き捨て身の大熱演です。(特にラストの絶叫シーンは凄かった⋯)シドニーと言えば、彼女が出演するアメリカン・イーグルのCM〜シドニーは優良なジーンズ(=遺伝子)を持っている〜が、ヒットラー優生学思想(アーリア人至上主義)を連想させるとして大炎上、皮肉にも「MAGA」(トランプ大統領の政治スローガン「Make America Great Again(アメリカを再び偉大な国に)」の略称)のミューズに祀り上げられ、「トランプ大統領のお気に入り」のレッテルを貼られてしまいました。「聖なる胎動」のストーリー展開を考えると、彼女のキャスティングって大いなる皮肉に思えてくる(^_^;)


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※金髪(ホントはブルネットらしいけど 笑)碧眼の白人であるシドニー。Jeans(ジーンズ)がGenes(遺伝子)を連想させるというので物議をかもしたCM。ヲタク的にはその種の批判って、ポリコレが過ぎるような気がするけれども。

 

修道院はホラー&ミステリーの格好の舞台

 人里離れた場所にポツンと建ち、いわば1つの「密室」である修道院は、映像作品の世界でも、昔からホラーやミステリーの格好の舞台となって来ました。古くは「黒水仙」(1947年⋯デボラ・カー主演。修道院の厳しい戒律と自らの欲望に引き裂かれ、精神を病んでいく修道女の姿をリアルに描写)、「薔薇の名前」(1986年⋯ショーン・コネリー主演。中世イタリアの修道院で起きた奇妙な連続殺人の謎)、「死霊館のシスター」シリーズなど。次々と起きる怪現象のタネ明かしによって、ホラーとなるのか、はたまたミステリーになるのか⋯⋯。はてさて今回の「聖なる胎動」はどちらだと思います⁉️⋯⋯って、これ以上はネタバレになっちゃうから言えないけど、少なくともヲタクの予想は外れちゃった。マインドファックされて、いっそ清々しいわ(笑)

 

 ⋯それにしてもヲタク、7月以降観た映画のホラー率、凄い。酷暑の夏はエアコンの効いた映画館でホラー&ミステリー作品を観るに限るよね。この作品、もはや公開しているのは全国でも4館しかなくなっちゃったけど(kikiの他には東京武蔵野館、長崎セントラル劇場、桜坂劇場ホール(沖縄))、お近くに住んでいらっしゃる方は「聖なる胎動」を観て、いっしょにゾッと背筋を寒くして納涼体験致しましょ🎵

 

★「あつぎのえいがかんkiki」は椅子が最高

 ミニシアターの先入観を覆すような高級感のあるクッションの効いた椅子で、映画が見やすいように微妙に角度がついてるの❗️あまりの気持ち良さに、寝不足で行くとうっかり居眠りしちゃう恐れがあるからご注意を(笑)