相鉄線ゆめが丘駅前のシネコン「109シネマズゆめが丘」にて、映画『爆弾』鑑賞。そもそもヲタクがこの映画を観ようと思ったきっかけはとにもかくにも、熱烈推しの、日本の誇るシンガーでありアーティストである宮本浩次さんの新曲『I AM HERO』がこの映画のテーマ曲だから❗️……ですので、今回のレビューは、宮本浩次ヲタクの偏愛全開にてお届けします(笑)
……とは言え、そんなミーハーなきっかけで観たにもかかわらず、作品そのものは凄まじい完成度。テーマ曲と共に「圧巻❗️」の一言でございました。

★ざっくり、あらすじ
自販機を壊し、店主を殴って逮捕された「スズキタゴサク」と名乗る1人の中年男(佐藤二朗)。「私には霊感があります。これから東京のどこかで大変なことが起きます」スズキの予言❓️通り、秋葉原のある店で爆発が起きます。爆発劇は全部で3回起きると不気味に笑うスズキと、それを必死で阻止しようとする警察官たち──染谷将太、渡部篤郎、山田裕貴、筧一郎、坂東龍汰、伊藤沙莉──との、人命を賭けた死闘が始まる……❗️
★「何者でもない者」の悲劇
佐藤二朗演じる「スズキタゴサク」の身元は最後まで明かされませんが、これってつまり※「John Doe(ジョン・ドゥ)」をパロってるんですよね。
※英語圏で、容疑者や身元不明の男性の遺体を指す言葉として広く使われる言葉。
で、彼が「スズキタゴサク」と最初から名乗るということがすなわち、彼の犯罪を動機づける大きな伏線になっているわけです。(なーんてヲタク、わかったようなこと書いてますが、観終わって一連の事件の謎解きが終わった後、「あー、そうだったのか❗️あの時のスズキタゴサクの言葉の真意はそこにあったんだ」とやっと納得がいった次第 笑)
スズキは取り調べに当たる清宮(渡部篤郎)や類家(山田裕貴)に、爆弾を仕掛けた場所の謎解きゲームを仕掛けて彼らをさんざん翻弄します。これって『バットマン』の悪名高きヴィラン、リドラーを彷彿とさせますが、どこを切っても「邪悪な金太郎アメ」みたいなサイコ野郎のリドラーとは違い、スズキタゴサクには「誰にも愛されず、誰にも認められず」、それこそJohn Doe(名無しの権兵衛)のように生きてきた男の怒りと悲哀が漂い、演じる佐藤二朗の名演も相まって、観ている私たちの心に惻惻と迫ってきます。(本作は確実に佐藤二朗の代表作になるでしょう。ヲタク的には『The Killer Goldfish』(堤幸彦監督)の怪演と双璧をなすものだと思うワ)そしてこの人間味こそが、現代の社会に潜む疎外や孤独を描いた、「令和の松本清張ミステリー」とも言えるのではないでしょうか❓
だからこそ宮本浩次さんがテーマ曲の作者に選ばれたのではないかと。
★『I AM HERO』が作品のテーマを総括する❗️
スズキの取り調べや事件の捜査を通じて、それに関わる刑事たちの報われぬ野心や、それを達成できないことへの彼らの憤怒が次々と露わになっていきます。事件の謎解きと人間ドラマが見事に融合した作品と言えるでしょう。
映画全編を貫く「人生に伴う悶えと苦痛」そして尚、それを乗り越えて力強く生きていくことの決意は、ラストクレジットに流れる宮本浩次さんの新曲『I AM HERO』によって、見事に総括されているのです❗️
ガキからどでかい男目指して生きてきたつもりだった
今宵どうだい?俺はどうだい?
俺の衝動 俺の感情 流れる時に押しつぶされてなんか負けそう Oh, no
有り余る才能を持ちながらなかなか世間に認められず煩悶していた宮本さんが、その後誰もが認めるメジャーなアーティストになってもなお再び原点に還り、一から新しいバンド活動「俺と、友だち」を始めたその第1弾が『I AM HERO』。
『I AM HERO』がラストに流れた時、劇中の「スズキタゴサク」の悲哀、刑事たちの、法規制や自らの能力、様々な障壁に阻まれながらも尚任務を遂行する気概、そしていちアーティストとしての宮本さんの半生がないまぜになって、ヲタクは流れる涙を止めることができませんでした。それは最後のあの瞬間、どんな状況下にあっても人生を投げ出さないこと、生き続けることが真のHEROの条件なんだ、自分自身の中にも確実にHEROのカケラ😅は存在するんだと確信することができたから。
……そう考えれば、スズキタゴサクは「HEROになりそこねた男」ではあるけれど、彼の姿を通して私たちは自分自身の中に眠る「HERO像」に気づくことができたのかもしれないね。
ミステリーとしても人間ドラマとしても、キャストの演技も、そしてもちろん(笑)音楽も全てが一級品のこの作品、映画館の迫力ある大スクリーンでぜひ❗️