Netflix発・現代版アガサ・クリスティとも言える
『ナイブズ・アウト』シリーズ第3作――『ウェイク・アップ・デッドマン』が、いよいよ配信開始〜〜〜、ぱちぱちぱち。
第1作の『ナイブズ・アウト:名探偵と刃の館の秘密』からヲタクは、カッコつけマンなのにちょっとオトボケで憎めない、ダニエル・クレイグ演じるブノワ・ブランの大ファンなので、この日を今か今かと楽しみにしていたんですが、2時間半の長丁場もあっという間。予想通り、いや予想以上の面白さ❗️ヲタクの私見なんですが、ダニエル・クレイグってジェームズ・ボンドみたいなキメキメの役より、『ナイブズ・アウト』シリーズや、『ローガン・ラッキー』
ナイーブでピュアな主人公が殺人事件に巻き込まれて容疑者扱いされ、その時にブラン探偵が颯爽と現れてポアロよろしく灰色の脳細胞をフル回転させて見事にナゾを解き、主人公を救う⋯という点は、前2作と同様の展開になっています。
ブノワさん、前2作ではマッチョな短髪だったけど、今回はサイドパートの長髪で、探偵というより大学教授って感じ。知性的な雰囲気を醸し出してます。

★ざっくり、あらすじ
若きジャド神父(ジョシュ・オコナー)は、行き過ぎた正義感から教区内で暴力事件を起こし、ニューヨーク州北部の閉鎖的な田舎町にある「絶えざる不屈の聖母教会」に左遷❓️されてしまいます。ところが教区を仕切るウィックス司教(ジョシュ・ブローリン)は、物欲まみれのどうしようもない俗物で、数少ない支持者たちから多額の寄付金を巻き上げて私服を肥やしていました。
副司祭として、ウィックスから搾取され、繰られている支持者たちの魂を救おうと孤軍奮闘するジャド神父でしたが、ある日、ウィックスが説教前の小部屋で、背中に深々鋭利な刃物で貫かれ、血塗れとなった遺体で発見されます。部屋は完全なる密室。しかも刃物の先には、ジャド神父の私物である「悪魔(ディアボロ)の頭」が❗️一転して容疑者となり、SNSに情報が流出してしまったことから、世間の激しい非難を浴びるジャド神父。そこに、地元警察の協力者として、あの伝説の名探偵ブノワ・ブラン(ダニエル・クレイグ)が乗り込んでくるのですが⋯。
冬の陰鬱な空の下、寒風吹きすさぶ古びた教会、ゴシックホラーみ満載のおどろおどろしい雰囲気。密室で起きた「不可能犯罪」のナゾを、果たしてブランは解くことができるのか⋯❗️❓️
★1番の見どころは、演技派俳優たちの激突❗️

画像左上から右回りに、ジョシュ・オコナー、ダニエル・クレイグ、アンドリュー・スコット、グレン・クローズ
ある特定の場所(密室)で起きた殺人事件のナゾを解くクローズドミステリーのお手本のような本作では、何と言ってもキャスト同士の丁々発止の演技合戦が見もの。特に主人公の、元ボクサーで試合中に相手を死なせてしまった罪悪感に苦しみながらも、神の愛を信じ、自らの使命を貫こうとする若き神父を演じたジョシュ・オコナーが素晴らしい❗️特にラスト、犯人の告解に向き合う彼の演技は必見。涙なしでは見れない名シーンです。
今回ダニエル・クレイグは抑制の効いた演技で、ジョシュ・オコナーのピュアな清冽さを盛り立てているように感じましたね。ヲタク激推し、アンドリュー・スコット😍今回出番は少なかったけど、主役脇役ちょい役何でもござれの芸達者な彼、売れっ子作家の悲哀と滑稽さを軽妙に演じていました。本当に上手い役者さんというのは、アンドリューのように、作品における自らの立ち位置を瞬時に掴み、演技のアンサンブルの中で最適解の演じ方をする人だと思う。⋯愛してるワ、アンドリュー(笑)グレン・クローズ姐御は、サスガの存在感で、「鬼気迫る」とはこのこと。
⋯そう言えば、舞台はニューヨーク州郊外なんだけど、ダニエル・クレイグもジョシュ・オコナーもアンドリュー・スコットも全員英国の俳優。今回みたいなゴシックホラーみの強い作品には、ゴシックホラー本場のイギリス人のほうがお似合い⁉️(笑)
★ブノワ・ブランはゲイ設定
第2作の『グラス・オニオン』で、ブノワがゲイで同性婚をしている⋯という衝撃の事実が明らかになりました。そしてなんと、パートナーはあのヒュー・グラントだったんですから、ヲタク思わずのけぞっちゃいましたよ(笑)今回はヒューの出番はなくて残念。
今回の作品では無神論者のブノワが、ひたすら神を信じるピュアなイケメン神父にラブラブな様子を、ダニエル・クレイグがちょっとした手の動きとか、視線で表現していて、ヲタクなんだかドキドキしちゃった。え❓️深読みしすぎじゃないかって❓️そんなことないわ〜、だって『クイア QUEER』でダニエル・クレイグが演じたジャーナリストのリーが、若き想い人ユージーン(ドリュー・スターキー)を見つめる、切なさと恋情が入り混じった視線と同じだったもの❗️何せ今回のお相手も、アノBL映画の名作『ゴッズ・オウン・カントリー』のジョシュ・オコナーだからねぇ。バリバリソッチ系でしょ(笑)
このように本作品、正統派ミステリーであることに加えクィア・コーディング
※性的少数者であると明示的ではなくても、そのように解釈できるような様々なサブテキスト要素(コード)を埋め込むこと
の謎解きも楽しめて、まさに「ひと粒で2度オイシイ」(⇐ふ、古い❓️^^;)
クリスティやディクスン・カーの流れを汲む正統派ミステリーとしても、
役者が激突する演技アンサンブル映画としても、
そしてクィア研究の視点から観ても、
いろいろな楽しみ方ができる副層的な作品と言えるでしょう。
第4作が待たれる❗️(⇐もうすっかりその気 笑)
〜『ウェイク・アップ・デッドマン』を観る前に、前2作をおさらいしておこう❗️〜
★第1作『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』レビュー
★第2作『ナイブズ・アウト グラス・オニオン』