オタクの迷宮

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救いなき独白、それでも人は繋がりたい――NT Live『フリーバッグ』覚書

 今日は大晦日、2025年12月31日。朝も早よから、横浜の田舎から花の池袋にやって参りました❗️

 

 来年1月一杯で閉館の運びとなるシネ・リーブル池袋にて、「最後のNTLive(ナショナル・シアター・ライブ)」と銘打ち、これまで好評を博したNTLiveの名舞台を日替わりで上映しているのです。

 

 本日の演目は『フリーバッグ』❗️…そう、英国で一大ブームを巻き起こし、それが海外にも飛び火してエミー賞はじめドラマ部門を席巻したドラマ『フリーバッグ』のベースとなった、フィービー・ウォーラー=ブリッジの一人芝居。彼女は舞台でもドラマでも脚本・主演を務めており、その才人ぶりには舌を巻きます。

 

★あの大人気ドラマの原作

 ドラマの中のフリーバッグは、美人でスタイルばつぐん、洋服のセンスもイケていて、一見自信満々に見えます。男たちはそんな彼女の外見だけを見て近よってきて、安易に肉体関係を結ぶわけですが、フタを開けると彼女は、自己嫌悪や過去のトラウマ、対人関係の不器用さに悩んでいる設定。(フリーバッグとは、「みすぼらしい」の意)

 

 ニンフォマニアックに見えるのも実は、人とがっぷり四つに組んだディープな関係を結ぶのが怖いから。一夜の温もりさえあれば寂しさを埋められる…っていう。そんな彼女の自意識過剰さや不安が、現代の女性の心にめっちゃ響いたんですよね。

 

さて、舞台のほうは-------

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フィービー・ウォーラー=ブリッジ

驚異の一人芝居

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 モルモット・カフェを親友のブーと立ち上げた後、経営が行き詰ってにっちもさっちも行かなくなったヒロインのフリーバッグが、企業の面接を受ける場面からストーリーは始まります。なんと彼女は面接官に色仕掛け❓️という古典的な方法で迫るもあえなく撃沈、それをきっかけに、彼女が自らの過去と現在を語る「壮大なる1人語り」が始まります。

 

 ここでは書くのをはばかるほど禁忌の下ネタ、人種差別、コンプラ違反、動物虐待の大洪水。それをギャグ化して語り尽くすので、思わずヲタクバカ笑いしてしまってふと我に帰って(あ、あれ❓️今思わず笑っちゃったけど、倫理的道徳的に大丈夫だったかな)と思う場面もしばしば。なんだか自分が抑圧している差別観や不道徳性を掘り起こされちゃったみたいでさ。夫や友人と見に来なくて良かったよ…。

 

 でもその大洪水の中から、フリーバッグの抱える心の闇や圧倒的な孤独感が透けて見えて、めっちゃ息苦しい。特にヘベレケになって、今は再婚相手と暮らしている父親の家に夜中に押しかけ、父親に向かって「私は強欲で、倒錯、自己中心で、無関心で、冷笑的、堕落した、男顔の、倫理観の欠けた女なのよ❗️」と泣きながら叫んだ後、「娘じゃなかったら欲情する❓️」と尋ねる場面など、枚挙にいとまがないほど😭

 

 フィービー・ウォーラー=ブリッジ
これは演技ではなく、ほとんど告白だった。

 ドラマではフリーバッグの自己破壊衝動が随分ソフトに描かれていたし、笑いに紛れて見過ごしていた点も多かったけど、舞台は一人芝居なので、彼女の救い難い心象風景が剥き出しに描かれていてインパクト大。

 

逃げ場は殆んど---------無い。

 

 でもそんな中にも、ラスト面接後の場面では、微かな希望の光が描かれます。自分自身を丸ごと認めた時、初めて他人と本当の繋がりが持てる------脚本を書いたフィービー・ウォーラー=ブリッジが言いたかったことはこれだったのかと。

 

 今は池袋から横浜に帰る電車の中。この舞台を、2025年の大晦日に日本で観られた意味を、私はずっと考えています。

 

★NTLiveの『フリーバッグ』、日本ではもう観れないけど…。

 

 NTLiveの『フリーバッグ』、実は日本での上映契約が本年度で終了し、本日シネ・リーブル池袋での上映が最後となりました。

 

 NTLiveの舞台はもう日本で観ることはできませんが、ドラマ『フリーバッグ』(シーズン1&2)は、Amazonプライムビデオで絶賛配信中。

 

 映像なので台詞もかなり書き直されていて、ヒロインの人物像もかなりマイルドな印象。現代社会を風刺する辛辣なコメディタッチ。

 

 フリーバッグの突拍子もない行動にびっくりしたり笑ったり-----でも、最後には彼女の、(やっぱり誰かを真剣に愛したい、そして愛されたい)という魂の叫びにホロリとする、数々の賞を総ナメにしたのも納得の素晴らしいドラマシリーズです。

お正月休みにぜひ❗️

 

★本日のオマケ…ホット・プリースト(イケてる神父)アンドリュー・スコット爆・誕❗️

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 愛の迷子だったヒロイン・フリーバッグも、ドラマのシーズン2でついに真剣な恋のお相手に巡り合います。それがなんと、カトリックの司祭という大いなる皮肉🥲

 

 可愛くて男前で、慎重で大胆で、真面目でフザケてるホット・プリーストを演じたのは、ヲタク激推し、アンドリュー・スコット。神父だからって、こんな魅力的なイケメンに恋しなくてどーする❗

----------って思わず叫び出したくなるくらい(笑)

 

なもんで、ヲタク的にはシーズン2は特におススメです😉

 

★以前ヲタクがドラマ『フリーバッグ』に感動して書いた、渾身の❓️ドラマレビューはコチラ👇️

https://www.rie4771.com/entry/2023/07/16/%E9%9D%A2%E7%99%BD%E3%81%86%E3%81%A6%E3%80%81%E3%82%84%E3%81%8C%E3%81%A6%E6%82%B2%E3%81%97%E3%81%8D%E3%80%8E%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%B0%E3%80%8F%E3%81%8B%E3%81%AA%E3%80%82