オタクの迷宮

海外記事をもとにしたエンタメ情報から、映画・ドラマ・舞台の感想、推し活のつれづれまで──観て、感じて、考える。ヲタ視点で気ままに綴るエンタメ雑記ブログ。今日もどこかで、ヲタクが迷走中。

ミステリーではなくエスピオナージュ・エンタメとして——『セブン・ダイヤルズ』が示すアガサ新時代

Netflixのドラマ『セブン・ダイヤルズ』(3エピソード)鑑賞。原作はアガサ・クリスティの『七つの時計』(原題『The Seven Dials Mystery』)。SNSでは、

「登場人物も語り口も別物レベル——原作ファンを中心に賛否が噴出」

と、論議を呼んでいます。

 

 ヲタクも先日、当ブログで『没後50年記念/オタクが本気で選ぶアガサ・クリスティ映像化作品ベスト10』と題する記事をUPしたのですが、この『セブン・ダイヤルズ』、番外編で入れようかどうしようか迷って、結局止めちゃった(笑)

 

 でもね、お話そのものはとっても面白くて、特にラストのエピソード3は「あっと驚くどんでん返しの連続」なので、アガサファンならずともミステリーあるいはエスピオナージュ小説・映画・ドラマファンなら見逃すのは惜しい❗️

 

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◆ざっくり、あらすじ

 1920年、スペインのロンダ闘牛場。1人中央に佇む中年の男。紳士的な風貌で身なりも立派。そこに突然扉が開け放たれ、男に向かって猛牛が突進してきます。(それを俯瞰で撮るのが恐ろしい…)あえなく猛牛の角に串刺しにされる男。砂にジワジワと広がる鮮血--------。

 

男は一体誰なのか❓️

なぜ無人の闘牛場で牛に串刺しにされなくてはならなかったのか❓️

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※闘牛場のあるロンダ渓谷。ヲタクはじめ見た時、CGの架空の場所かと思っちゃった😅ホントにこんな断崖絶壁に建ってるのね。いながらにして世界旅行が楽しめるのも、映像作品の醍醐味ですね。

 

 あまりの衝撃的なオープニングに口あんぐりのヲタク(笑)

 

 そして5年後の1925年。

 壮麗なカントリーハウス・チムニーズ館の持ち主であるケータハム伯爵夫人(ヘレナ・ボナム=カーター)は、屋敷の経営に行き詰まり、時々屋敷を経財界人や外務省官僚の集うパーティー会場として提供していました。

 

 その夜も屋敷ではパーティー開催中。ケータハム夫人の娘で、貴族の令嬢ながら好奇心と行動力には誰にも負けないヒロイン・バンドル()は、外務省官僚のジェリー・ウェインスと熱々の恋人同士。ジェリーから「来週一緒にランチしよう。大事な話があるんだ」と言われ、ウキウキです。

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ついに待ちに待ったプロポーズをしてくれるんだわ❗️

 

 ところが翌朝、ジェリーの部屋で激しく時計が鳴り始めます。いつまで経っても鳴りやまないので、心配になったバンドルが観に行くと、彼はベッドで冷たくなっていました-----。

 

 睡眠薬の飲み過ぎによる事故死として処理されましたが、バンドルは猛反発。

ジェリーは来週私と大事な約束があったのよ❗️

致死量の睡眠薬なんて飲むはずない❗️

愛する人の死の真相を確かめるべく、事件を担当するバトル警視(モーガン・フリーマン)の止めるのも聞かず、ニワカ探偵として動き始めたバンドルでしたが、その裏には英国全体を巻き込む巨大な陰謀が蠢いていて---------。

 

◆見どころ

 欧州史上最も悲惨な戦争と言われた第一次世界大戦が、依然として英国人たちに無残な爪痕を残しながら一方では、若者たちが享楽的な生活に溺れていたジャズエージ。そんな時代背景が鮮やかに描かれていて、歴史好きには必見❗️

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 また、最大の見どころは、ヘレナ・ボナム=カーターの演技でしょう。しょっちゅう土いじりをしている人嫌いの変人-------って設定なんですが、いくら髪振り乱してても泥のついた服着ててもゴージャスな雰囲気が拭い去れず、どこから見ても生まれながらの貴族にしか見えないところが凄い(笑)

 

 それもそのハズ、ヘレナの祖母は女男爵で名を馳せ、他にも銀行頭取や政治家を輩出した名門家系。彼女自身が生まれつきのお嬢なんだよね😅

 

◆ミステリーと言うよりも

 アガサ・クリスティ原理主義の皆さま。マンガの実写化にも言えることだけど、この作品は純粋なアガサ・ミステリーと言うよりもむしろ、いつも大真面目なレイフ・ファインズが思い切りはっちゃけてた『キングスマン:ファースト・エージェント』みたいな、エスピオナージュ・エンターテイメントとして気軽に楽しんだほうがおススメかも😉

 

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👆️Netflix『セブンダイヤルズ』がお好きな方には超おススメの映画『キングスマン:ファーストエージェント』

 

そしてアガサ新時代へ

 没後50年。ヲタクが先日の記事『没後50年記念/オタクが本気で選ぶアガサ・クリスティ映像化作品ベスト10』で取り上げた作品のうち、『トミーとタペンス』と『終わりなき夜に生まれつく』は現代の英国に舞台設定を変えてリメイクされるとか。

 

 あくまでもアガサの原作の再現度を大事にする時代から、換骨奪胎、原作を踏まえて新たに時代に即したエンターテイメントに作り変える。そんな時代に入ったのではないかと、ヲタクは感じました。それだけアガサの作品って懐が深いんだよね。

 

 アガサ没後50年。これからも彼女の作品に忠実な作品はもちろんのこと、新たなるエンターテイメントが生まれてくることを期待してます。

 

 だからこそこの『セブン・ダイヤルズ』も、原作を愛する人ほど、一度肩の力を抜いて観てみてほしいなと思った次第です。

 

『没後50年記念/オタクが本気で選ぶアガサ・クリスティ映像化作品ベスト10』

はコチラ👇️

本ランキングは「原作再現度」ではなく、
映像作品としての完成度/人間心理の描写度/ヲタクの心を抉った度を基準に選んでいます。

https://www.rie4771.com/entry/2026/01/19/%E6%B2%A1%E5%BE%8C50%E5%B9%B4%E8%A8%98%E5%BF%B5/%E3%83%B2%E3%82%BF%E3%82%AF%E3%81%8C%E6%9C%AC%E6%B0%97%E3%81%A7%E9%81%B8%E3%81%B6%E3%82%A2%E3%82%AC%E3%82%B5%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%86