相鉄ゆめが丘駅前のシネコン「109シネマズゆめが丘」にて、『木挽町の仇討ち』鑑賞。

★仇討ちに隠された驚愕の真実とは⋯❗️❓️
文化7年、ある雪の夜のこと。江戸の芝居小屋・森田座、「赤穂浪士の仇討ち」芝居がはねたばかりの時刻。芝居帰りの人々が見守る中、街でも鼻つまみ者のゴロツキ作兵衛(北村一輝)が、赤い着物の町娘の手を掴み、手籠めにしようとしますが、着物を剥がれたその下は、白装束姿の美濃遠山藩士・伊納菊之助(長尾謙杜)でした。作之助は、菊之助の父(山口馬木也)の仇。匕首と小太刀の激しい切り合いの末、菊之助は作之助の首を高々と掲げ、高らかに「父の仇、討ち取ったり❗️」と叫んだのです。
白皙の華奢な美男が、むくつけき大男を見事に討ち取った顛末は目撃者たちの心を打ち、稀に見る孝行者よと、美談として語り継がれるのでした。
ところがその2年後、菊之助の義理の兄を名乗る浪人・加瀬総一郎(柄本佑)がふらりと森田座に現れて、仇討ちの真相を探り始めます。総一郎が当時の関係者たち-------森田屋の木戸芸者(瀬戸康史)、立師(滝藤賢一)、衣装方(高橋和也)、小道具方(正名僕蔵)などに聞き込みをするうち、事件の全貌が徐々に明らかなっていきますが、果たして彼が知った驚愕の真実とは-----。
美談は本当に美談だったのか❓️
それは"裏切り"だったのか、"救い"だったのか❓️
真実は、雪の奥に埋もれている。
その1 雪に散る鮮血⋯日本の様式美
菊之助が作兵衛の首を掲げ、鮮血が純白の雪に飛び散るシーンは、この事件の裏にある悲劇性を一層際立たせていますが、映画『国宝』を観た方なら、否が応でも冒頭の、主人公(吉沢亮)のヤクザの父親が敵に撃たれ、雪にじわじわと真っ赤な血が滲んでいくシーンを思い出すことでしょう。また、舞台は芝居小屋だし(なんと『娘道成寺』の一場面も登場)、重要人物で渡辺謙も出てるしね(笑)
和製ミステリーの謎解きもさることながら、『国宝』同様、日本的な様式美が印象的な作品になっています。
しかし、『国宝』の血は、宿命・悲劇性の象徴。
『木挽町の仇討ち』の血は、虚構の象徴。
真実を覆い隠すための、美しく整えられた血。
----------観終わった後、私たちの胸に残るのは、はみ出し者の溜まり場「森田座」の人たちの熱い人情、そして笑いと涙と感動❗️
その2 キャスティング、見事なり

主役の浪人探偵❓️(笑)総一郎を演じる柄本佑、これ以上の適役はいないでしょう⋯っていうくらい見事にハマってます。日本人って、金田一耕助にしろ浅見光彦にしろ久能整にしろ「能ある鷹は爪を隠す」っていうか、普段はヌボーとしてるけど実は頭脳明晰っていうタイプの名探偵が好き。(それに比べて欧米の名探偵は、見るからに頭脳明晰なキレッキレタイプが多いの。シャーロック・ホームズとかエルキュール・ポアロとかね)
派手に推理をひけらかすのではなく、静かに真実を暴く。
それが日本の探偵の美学なのかも-------。
総一郎もまさに日本人好みのヌボータイプ(笑)でもそこはそれ、柄本佑が演じるから、ただのヌボーじゃなくて(笑)時折見せる鋭い視線や、ふとよぎる冷徹な表情に、(コイツ、只者じゃない)感を漂わせて、新しい探偵像を創り上げてる。サスガでございます。
事件のカギを握る若衆侍役の長尾謙杜(なにわ男子)。彼の演技はお初だけど、若衆姿が「水も滴る」美男っぷり、イメージぴったりでしたね。司馬遼太郎の新選組をテーマにした短編『前髪の惣三郎』とか、演じたらハマるだろうなぁ。着物の着こなしも上手なので、もっと時代劇演じたらいいと思う。
この2人の他にも、渡辺謙、北村一輝、滝藤賢一、イモトアヤコ、山口馬木也⋯と、これでもかっ❗️っていうくらいの豪華な布陣。それぞれがまた適役で、演技のアンサンブルもお見事。特に、女形崩れの衣装方を演じる高橋和也の「怪演」は一見の価値アリ(笑)『国宝』で存在感を見せつけた田中泯に負けてなかったよ、いやホント。
『木挽町の仇討ち』白い雪の上に残ったのは血ではなく、後世に語り継がれる熱い「人の情け」だった------。
江戸の名探偵・総一郎、そして愛すべき森田屋の面々。
あなたたちの人生のその後を、ヲタクは観てみたい。