オタクの迷宮

海外記事をもとにしたエンタメ情報から、映画・ドラマ・舞台の感想、推し活のつれづれまで──観て、感じて、考える。ヲタ視点で気ままに綴るエンタメ雑記ブログ。今日もどこかで、ヲタクが迷走中。

ゆっくり味わう贅沢——クロード・モネ展と牛肉の赤ワイン煮込み

 古稀を迎えた今、なぜヲタクは夫と共に「モネの雪」に会いに来たのか---------。

 

 そぼ降る雨の中、今日訪れたのは京橋のアーティゾン美術館で開催されている『クロード・モネ 風景への問いかけ』展。

 

 本年2026年は、印象派の巨匠クロード・モネ(1840–1926)の没後100年。工業化が進み、写真技術が発達した19世紀末、まるで周囲の近代化に逆行するかの如く自然光の移ろいをカンヴァスにとどめようと生涯をかけたモネ。

 

 本展ではモネの作品41点を含む、オルセー美術館所蔵の約90点に、国内の美術館や個人所蔵作品を加えた合計約140点が展示されています。

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 ヲタクの今回のお目当てはモネの〈かささぎ〉❗️後にも先にも〈かささぎ〉笑(1869年)。モネにとって雪は白いキャンヴァス。その白い色は決して単調なものではなく、時刻や光の濃淡、周囲の色彩により、薔薇色や薄紫、碧色…と様々に変化していきます。

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 ヲタクは何を隠そう「雪マニア」(笑)若い頃スキーに凝っていたのも、雪や樹氷が朝焼けに染まる瑠璃色から、日が高く上って眩しい白銀の世界に変化するさまを見たかったから。-------むろんヲタクは全く画才というものが無いので😅ただただその自然の芸術に感嘆するほかなかったのだけれど。最近もYouTubeで「雪中キャンプ」や「雪見温泉」「ホワイトアウト」の動画ばかり見てる(笑)

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 モネの筆が雪の上にそっと置いた光と影。

 ヲタクは感動で打ちのめされ、彼が紡ぐ一連の雪景色の前に立ち尽くすのみでした。

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 これは、セーヌ川に張った氷が溶けていくさまを描いた1880年の〈氷塊〉ですが、真冬の雪景色とはまた一味違って、氷塊に柔らかな朝日や木々の色が映り込んで、どこかから春の足音が聞こえるような暖かみのある作品でしたね。

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※ブリジストン美術館時代からのシンボル的存在、クリスチャン・ダニエル・ラウホ(19世紀ドイツの彫刻家)作「勝利の女神」(左)

 

★Bistro Covellのフレンチ

  今日のランチは、横浜・馬車道の太田町通りと六条の辻通りが交わった角、小さなビルの2階にあるフレンチ・レストラン「ビストロ・コヴェル」で、黒毛和牛ホホ肉の赤ワイン煮込みランチコースを頂きました。

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※ランチコース

・前菜(パテ・ド・カンパーニュ、キャロットラペ、ラタトゥイユ、ポテトサラダ、リエット、キッシュ、イチジク)※まるで懐石料理の向附のような繊細さ

・人参とジャガイモのポタージュ※ピンクペッパーがアクセント

・黒毛和牛ホホ肉の赤ワイン煮込み※お箸でホロホロと崩れるほどの柔らかさ

・デザート(ピスタチオのアイスクリームと林檎のコンポート)※コンポートは林檎のシャキシャキ感が残っていて絶品❗️

 

 若き才能あるシェフが創作するのは、隠し味にお醤油を少し垂らしたり、牛ホホ肉もフレンチ式の香草煮込みではなく、日本酒を入れたお湯で何度か煮溢した後にワインで煮込む……という、和食の粋を取り入れたヌーベル・キュイジーヌ。

 

 シェフ曰く、開店当初はステーキを売りにしていたけれど、先輩から「君は本来煮込み料理が得意だったはず。どうして煮込み料理を出さないの?」と問われて、牛ホホ肉の赤ワイン煮をメインにするようになったのだとか。

 

 シェフのお話を聞きながらヲタクは、(ああそれって、モネの絵画への向き合い方と同じだ❗️)って思ったの。火の強弱を常に気にしながら、コトコトとお肉を煮込む「コヴェル」のシェフと、刻一刻と変化する同じ風景を、長い長い時間をかけてキャンヴァスの上に留めたクロード・モネと-----------。今日はモネ展に相応しい、素晴らしいお料理を頂くことができました。シェフ、本当にありがとう😆また、寄らせて頂きますね。

 

 そして、古稀を迎えた私たち夫婦も、今日はモネとコヴェルのシェフに大事なことを教えてもらった気がするのです。美術鑑賞も、若い頃ルーヴル美術館や大英博物館でしたように、駆け足でアドレナリン全開、目一杯詰め込むようなやり方はもうできない。

 

 しかし今は、お気に入りの絵の前で立ち止まり、心の裡に沸き起こってくる感情と向き合い、それを醸成して、噛み締める。

そして思考する。

 

 これからは旅も美術鑑賞も「選んで」

 数ではなく深さを大事に

 余白を楽しんでいこう。

 

★今日の小ネタ

その1…ミモザのカクテル

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※ミモザ…シャンペン(またはスパークリングワイン)とオレンジジュースを1:1でステアしたカクテル

 

 今日のお料理にヲタクが合わせたのは、カクテル「ミモザ」。このカクテルの名前を初めて知ったのは、ちょうど20歳の頃読んだ伊丹十三のエッセイ「女たちよ❗️」。伊丹十三が飛行機の中で必ず注文するのがミモザだって書いてあって、初めての海外旅行、香港行きキャセイパシフィック航空の機中で勇気を奮って頼んでみたものの、客室乗務員に怪訝な顔で首を振られて見事撃沈(笑)

 

 ヲタクの英語の発音が悪かったのか、はたまたエコノミークラスじゃミモザなんて洒落た飲物は置いてなかったのか---------半世紀経った今でもナゾのまま😅

 

 でも今日は、半世紀ぶりに話が通じて(笑)ミモザ頼めて良かった。

 

その2…ゲイシャコーヒー

 八重洲地下街(ヤエチカ)の「アロマ珈琲」で、人生初のゲイシャコーヒー飲みました〜🎵

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サイフォンで丁寧に淹れられたそれは、ぱーっと周囲にまで香り立つ華やかなアロマが鼻腔をくすぐり、口に含めば柑橘系の果実に似た爽やかな酸味が広がります。苦味は殆んど感じなかったな。一緒に頼んだアップルパイも甘さ控えめ上品なお味🎵

 

--------しっかしコーヒー2杯とアップルパイ1つで5,000円近くは目玉飛び出た🤯

 

深さを味わうって、時にお値段も深いのね(笑)