桜木町駅前のシネコン「ブルグ13」にて、『レンタル・ファミリー』鑑賞。
日本で暮らす、売れないアメリカ人俳優フィリップ(ブレンダン・フレーザー)。彼が、人生の大事な時期に友人や家族(役)をレンタルする会社にスカウトされ、LGBTの恋人と海外で結婚するためダミーの夫を必要とする若い女性(森田望智)の夫役、私立小学校お受験のための父親役、世間から忘れられた大御所俳優(柄本明)の励ましコンパニオン❓️役を務めることによって学んだ人生の真実とは--------❗️❓️

★外国人の視点から日本を見つめ直した作品
最初のエピソードで、LGBTの若い女性が、フィリップを雇って偽りの結婚式を挙げるのですが、フィリップにはどうしてもそれが理解することができません。(なんで真実を両親に話して、現実に向き合わないのか)というわけです。この最初のエピソードが、日本とアメリカ、異文化の違いを浮き彫りにしたという点において、ヲタク的には1番強烈だったかな。
キリスト教文化が思想の基盤にある欧米人にとって、嘘は罪、言葉は契約。当初は、日本人の本音と建前の使い分け、社会への過剰適応、白黒つけないファジーな灰色対応に困惑していたフィリップが、様々な体験を経て、ラスト、「どうしてあなたは私のお父さんだって嘘をついたの❓️」と尋ねる少女に、「誰かを守るための嘘もあるんだよ」と答える場面には、彼の中で芽生えた異文化への理解が滲んでいて、心がほっこりしました。
地下鉄で口を開けて爆睡しているオジサン(もちろん、日本の治安の良さの表現)、自分たちが使う教室を一生懸命雑巾がけする子どもたち、山のそこかしこにある道祖神一つ一つに手を合わせる行為(日本にはあらゆるものに神が宿っている⋯と聞いて、「日本には自販機より神様が多い」って呟くフィリップの台詞には笑っちゃいましたが)、天草地方の海の美しさ、満開の桜⋯等々、日本人の私たちでさえ、ともすれば忘れがちな日本的光景の美しさ、古き伝統を改めて気づかせてもらった気がします。
以前はあちらこちらの神様に手を合わせる老人(柄本明)を苦笑いして見ていたフィリップが、ラスト、神社でその神様の本体❓️を知り、思わず微笑むシーンがヲタクは1番好き❗️HIKARI監督の訴えたかったテーマが凝縮されていたように感じたよ😉
HIKARI監督は高校卒業後アメリカに移住してずっと海外で活躍されてきた方のようです。今作で彼女が描いた日本の原風景は、ひと昔前の、ちょうどヲタクが幼少期の頃のもので、なんだか見ているうちに、ノスタルジーで胸いっぱいになっちゃった(笑)
★ブレンダン・フレーザー最高
観る前に、ブレンダンの役が「日本に住んでる売れないアメリカ人俳優」って設定だって聞いただけで、ヲタクはウルウル😢
『ハムナプトラ』シリーズで一躍ハリウッドのドル箱俳優にのし上がったブレンダン。しかし同シリーズでの激しいスタントがたたって、手術やリハビリを繰り返し、第一線から退いている間に離婚、莫大な慰謝料の支払いに苦しんで10年。2023年『ザ・ホエール』で、演技派俳優として奇跡の復活を遂げ、見事アカデミー主演男優賞を受賞した時のスピーチでは、自らを「長い間海に潜っていた」と語っていましたね。
(ここからは少し個人的な話になりますが)
そんな彼の文字通り「苦節10年」を思い起こした時、今作『レンタル・ファミリー』での、ブレンダン演じるフィリップが、自分が偽りの役を演じることによって人々を励ますことができると知り、俳優の使命を再確認していくプロセスは、私たち観ている者の心にさらに深く、沁み入ってくるのです。
★日本で撮影してくれてありがとう❗️
今作『レンタル・ファミリー』だけではなく、あのプリンス・オブ・ハリウッドことティモシー・シャラメが最新作『マーティ・シュプリーム』のロケを昨年日本で行なったことについて
"僕らはどうしても日本で撮影したいという目的意識を持っていました。もちろんニューヨークでセットを組んで、日本のようにみせるチートはできるけれど、この作品には日本や東京という要素が大きく関わっているから、きちんと日本で撮影することがすごく重要だったんです。世界のみなさんがこの作品を気に入ってくれているので、日本のみなさんもそれに続いてくださるといいなと思っています"
(ジャパン・プレミアにて)
と発言したことで、マスコミの皆さんは「いよいよハリウッドでも日本ブーム到来か❗️❓️」って騒いでいるけど---------。
ハリウッドの日本ブームって、実は今に始まったことじゃないのよ。
日本特有の歴史、文化、近代的な建物と古い建築物が混在した独特の光景は、昔からハリウッドの映画人たちを限りなく惹きつけてきました。ただ、日本の場合撮影条件が極めて厳しく、税金の優遇措置もないので、なかなかそのハードルが超えられず、やむなくセット撮影や景色の似た東南アジアの国(台湾など)になる場合が多かっただけなんです。日本側スタッフに英語を喋れる人が少ない⋯っていうのも理由の1つだと言われています。
そんな中、様々な困難を乗り越えて日本ロケ(しかも長期😭)を敢行してくれたブレンダン、監督、スタッフの皆さん、本当にありがとう❗️
★今日の小ネタ…日本の小学生の雑巾がけ
数十年も前になりますが、家族でヨーロッパ赴任した頃、娘たちは現地の小学校に通っていましたが、もちろん教室の清掃は専門の清掃員さんの仕事。子どもたちが(どうせ後で掃除のおばさんがやってくれるから)と、お菓子の包紙を校庭にポイポイ捨てていくのにはビックリしました。
当時、欧米の人たちからすれば、教室を子どもたちに清掃させるのは一種の虐待ではないか…という意見もあったようです。一方で、清掃員が仕事を得るチャンスを奪ってるのでは❓️という疑問も。
しかし今は時代が変わり、小学校からの「自分が使った場所は自分たちで綺麗にする」習慣が、道路にゴミ箱がなくてもゴミが落ちていない、日本の高い民度に繋がっている…と称賛を受けるまでになりました。
日本古来の習慣が、何でもかんでも時代遅れ…と評価されていた頃を知っているヲタクのようなシニア世代にとって、近頃の日本に対する海外の再評価は嬉しくもあり、なんだかこそばゆい感覚も覚える今日この頃です(笑)
👇️ハリウッドと日本の長い関係について書いた過去記事はコチラ👇️
『プレイバック・プレイバック❗️ハリウッド映画と日本ロケの長い関係』