かつて“弾丸で消費したヨーロッパ”を、今日は横浜でゆっくり味わう〜大人の再発見旅
ゴールデンウィークも早や中盤。
今日は横浜港大桟橋の近くにある北欧料理店「スカンディヤ」へランチにやって来ました。

オーナーの浜田八重子さんがデンマーク人のご主人とともに1963年に開店した、知る人ぞ知る名店です。特にヘルベルト・フォン・カラヤンや、美空ひばり(彼女は、横浜市滝頭で生まれ育った生粋のハマっ子です)、井上陽水をはじめとして、数多くの著名人が足を運んできたことで知られています。特に、ユーミンこと松任谷由実のお気に入りの店であることは有名で、彼女が夫の正隆氏との結婚に先立ち、両家が会食したレストランだったと言われています。(『海を見ていた午後』等でもわかるように、彼女の横浜びいきは相当なもので、正隆氏との結婚式は「カトリック山手教会」で行われ、披露宴は「ホテルニューグランド」で開かれました)
---------とまあ、そんなことをつらつらと考えながら、関内駅からのんびりお散歩して約10分、やって来ました「スカンディヤ」。人魚姫の像が目印です。

人魚姫と言えば、約30年前のベルギー赴任時代、ブリュッセルから夜行列車に乗ってコペンハーゲン入り、丸一日観光&お買い物、大量のロイヤルコペンハーゲンのテーブルウェアを抱えてまた夜行列車でブリュッセルへ帰る⋯という強行軍を挙行した場所😅一日の大半はロイヤルコペンハーゲン本店の2階、山積みになったアウトレット商品(通常品に比べ、30%ほど安い)の中から掘り出し物をや探しする時間に費やされ、観光と言えば、バスに飛び乗って人魚姫像をチラ見しただけ⋯っていうね(笑)

※スモーガスボードのランチメニューは、ニシンの酢漬け、サーモンのディル漬け、キャビアの玉ねぎみじん切り添え、鮪のタルタル、ローストビーフ、豚ひき肉のカツレツ、フリカデラ(北欧風ミートボール)の7種類
時は流れ、ヨーロッパ赴任時代には小学生だった娘たちは結婚して巣立ち、ゴールデンウィークに暇を持て余した私たち夫婦は、散歩がてら海岸通りに海を観に来た⋯というわけです😅

豪華な総木張りの空間が広がる2階席は、梁や壁面、木彫りのレリーフに至るまで、重厚な木材(オーク❓️)で覆われていますが、何より素晴らしいのはアンティークの照明器具から滲み出る、白熱灯の暖かな光です。ヨーロッパ赴任時代に通っていたヒンダーローペン(オランダの絵付け)の先生の古い邸宅や、ベルギー郊外の古城レストランを思い出します。本日のスモーガスボード、どれも素晴らしかったですが、特にディルを纏った肉厚なサーモンは、北欧の風を運んでくるような爽やかな一品でした。

スカンディヤのランチコースは食後カフェのみのため、デザートはお店の向かいにある横浜開港資料館併設のカフェPORTER'S LODGEで本日のケーキ(ミルフィーユ⋯クリームが生クリームではなく、バタークリームなのが、昭和世代の私たちには嬉しい🎵)を頂きました。天気が良いので、これまたヨーロッパふうに中庭に面したテラス席で。地元横浜にいながらにしてヨーロッパに瞬間移動したかのようなランチタイムでした。

※ジャックからスカンディヤに向かう途中、クイーン(横浜税関)の威容が左手に見えます。
★横浜三塔の一⋯横浜開港記念館(ジャック)

ランチの予約時間まで45分ほどあったので、スカンディヤから歩いて5分のところにある横浜開港記念館へ寄ってみました。ここは、キング(神奈川県庁)、クイーン(横浜税関)と並ぶ、通称「横浜三塔」のうちの1つで、呼び名はジャック。最愛の推し、ジャック・ロウデンと同じ名前なんで、中に入るだけで興奮します(⇐アブナイ人😅)
ゴールデンウィークの観光客は、ほぼみなとみらいや赤レンガ倉庫周辺へ行ってしまうので、開港記念館は閑散として、いつもながらの観光穴場でございました。

※黒船襲来当時は鄙びた漁村だった横浜(上)と『※咸臨丸の威風』(下⋯咸臨丸乗組員だった鈴藤勇次郎・作)
※咸臨丸⋯1860年(万延元年)、勝海舟は幕府の遣米使節団に随伴する軍艦「咸臨丸」の艦長として、日本人初となる自力での太平洋横断航海(品川~サンフランシスコ)を成功させました。外国人の手を借りずに航海を成し遂げたこの偉業は、後の江戸無血開城や海軍育成へとつながる勝の評価を決定づけました。
1917年(大正6年)に建造されたジャック(何度でも書きたい名前 笑)は、煉瓦の壁に鉄材を埋め込んだ「錠聯鉄構法(ていれんてつこうほう)」という当時最先端の耐震構造が採用されたため、関東大震災で市内の煉瓦造りの建物が次々と崩壊するなか、唯一当時の面影を残す、ハマっ子自慢の歴史的建造物なのです。

遠くへ行けなくなったのではない。
“遠くを感じる力”を手に入れただけ
行き帰り夜行列車で、殆んど寝ずに弾丸旅行⋯なんて荒業はもはや出来ないけれど、地元の横浜の街、コペンハーゲンと同じ人魚姫とシャンゼリゼ通りと同じイチョウ並木を見おろしながらのゆったりとしたランチタイム。
------これって、街角のカフェ席、日がな一日ワイン一杯または珈琲一杯で道行く人たちを眺めているヨーロッパのお年寄りの贅沢時間と同じだわ(笑)