オタクの迷宮

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三島由紀夫没後50年~そして、三島と太宰のこと

  あの衝撃的な事件から早や50年…。ヲタクが三島の作品を夢中になって読み始めた頃には、既に彼はこの世の人ではなかった。

 

  …じつはヲタクの父親は当時海上自衛隊に所属していて、事件の直前に横須賀から市ヶ谷の防衛庁に転勤したばかり。父はちょうどその日は出張中で、後日同僚から話を聞かされて驚いたそう。ヲタクが父からその話を聞いたのは、事件から10年位経ってから。「豊饒の海」三部作や「禁色」「金閣寺」「仮面の告白」を読んで、その豪華絢爛な日本語に酔いしれていた頃。同僚から聞いたという父の話の内容は、その場にいた人しかわからない生々しさに満ちていて、ヲタクはしばらく三島の作品は読めなくなってしまった😅

 

  三島と同時期にヲタクが夢中になった作家に太宰治がいるのだけれど、どこかで三島が太宰治のことを忌み嫌っていて、なんと面と向かって「僕はあなたの文学が大嫌いです」と言い放ったというエピソードを読んで、驚いてしまった😮なぜって、ヲタクの中では、三島と太宰って同一線上の作家のような気がするから。

 

  太宰の文学に接するたびに、その不具者のような弱々しい文体に接するたびに、私の感じるのは、強大な世俗的な徳目に対してすぐ受難の表情をうかべてみせたこの男の狡猾さである。

  三島が太宰について書いた文章の一節だけど、なかなかに激しい(笑)…しかし女性は、その「受難の表情」にヨワイ😅

 

  三島って幼少期は虚弱体質で、それを心配したおばあさまに外で遊ぶのを禁じられ、家から一歩も出してもらえなかったって聞いたことある。後年の、ボディビルディングや武道への傾倒ぶりや盾の会設立等も、自らの内に潜む柔弱さや繊細さを乗り越えようとした反動がなせるわざ…だったのでは❓  三島の写真集『薔薇刑』なんて見ると、憂国の士…というよりむしろ、激しいナルシシズムを感じる(神田の古本屋で立ち読みした時にはあまりの衝撃に本取り落としそうになった😅)それって、太宰に感じるものと同じなんだよな…。

 

  蜷川実花監督の『人間失格太宰治と三人の女たち』で、太宰(小栗旬)が若き日の三島(高良健吾)に向かって「…本当はお前、オレのこと好きなんだろ?」って言い放って、三島が思わず絶句する場面。あれが全てのような気がする。またね、人たらしの太宰に小栗旬がぴったりで、高良健吾の、青い清廉な三島も良くて😍短いけど、大好きなシーン。

 

   三島も太宰も、自己愛を突き詰めた末に、自死という道を選んでしまった😢二人とも、願わくばその生涯のどこかの時点で、他者を愛することに目覚めて、歳を重ね、円熟した作品を書いて欲しかった…。

 

  冷え冷えとした晩秋🍁そんなことをつらつら考えるうちに憂國忌の夜は更けていく🌃