オタクの迷宮

海外エンタメ情報から、映画・ドラマ・舞台レビュー、ケルト文化、滅びの美学、推し活のつれづれまで── 観て、感じて、考える。 "好きなモノ・人"についてしか語らない偏愛のブログ。そして今日もどこかで、ヲタクが迷走中。

彼女の涙に気づけなかった頃の私へ——映画『さよならをもう一度』(1961年)再訪

 昔むかし、若かりし頃のヲタクが胸ときめかせた名画たち。

記憶の中に棲むそんな名画たちも、今見返すと再び新たな魅力をもって蘇る。

 

今日ご紹介するのは、『さよならをもう一度』(アナトール・リトヴァク監督 1961年モノクロ)。日本では配信中止になっているようで(もはや契約が切れてしまったか⋯(T_T)、海外の映画配信サイトで鑑賞しました。

 

 彼女に見つめられると男はみんなセクシーになると、『カサブランカ』で共演したハンフリー・ボガードに言わしめたハリウッドの美神イングリッド・バーグマン。

 

 彼女は人気絶頂の頃、妻子のあるイタリアの映画監督ロベルト・ロッセリーニと恋に落ち、婚外子を出産します。ピューリタニズムが支配するアメリカの映画界はそれを許さず、彼女は仕事を干されてイタリアに渡ります。彼女がロッセリーニ監督と離別後、ハリウッド映画に復帰するのはじつに8年もの歳月を要しました。

 この映画の時、バーグマンは46歳。ロッセリーニ監督と離婚して3年後のこと。分別のあるアメリカ女性として登場します。パリで装飾デザイナーとして自立している女性ポーラ(バーグマン)は離婚経験があり、同じ年頃のフランス人、ロジェ(イヴ・モンタン)とは、付かず離れずの「大人の関係」。そんな彼女の日常は、15才も年下のアメリカ青年・フィリップ(アンソニー・パーキンス)との出逢いによって大きく変わっていきます。ひたすら若い情熱をぶつけてくる年下の男性に戸惑いながらも、次第に惹かれていく女性の心理をバーグマンがきめ細やかに演じています。

 

 ロジェは不倫の相手ですらもアマン(恋人)と呼ぶお国柄のフランス人ですから、ポーラというれっきとしたパートナーがいても、若い愛人をとっかえひっかえ^^; それに薄々気づいていながら、耐え忍ぶポーラは、フィリップの情熱に身を任せた後も、自分を責め続けます。

 

 フランスにいてもアメリカ人はアメリカ人。パリのアメリカ人社会で、親子ほども年の違う2人の関係は、次第に好奇の目に晒されるようになります。2人はレストランで偶然会ったアメリカ人家族にあからさまに無視され、その出来事が、ポーラがフィリップの将来を思って別れを切り出すきっかけになるのですが----------。

 

 アメリカ人家族の冷たい眼差しに耐えきれずレストランを出て行くポーラの姿に、石もて追われるようにアメリカを後にし、ヨーロッパへ渡ったバーグマンの姿が重なって、ヲタクは胸が締め付けられるようでしたよ。

 半世紀前に見た時には、純粋すぎる愛を拒絶されてしまうフィリップが可哀想で可哀想で、ラストシーン、別れの場面に涙したものでしたが、今回はポーラの心情にめっちゃ感情移入しちゃったヲタク。若い頃観た時には、(何なの、この浮気なオジサン!)って怒ってたロジェに対しても(しょうがないなぁ⋯。まあでも、男ってこういうとこあるよね)って、ポーラ同様、どこか苦笑いして許しちゃう自分がいる。

 

 年をとると、見方も感じ方も考える視点も、自ずと変わってくるものなのね⋯(笑)

 

 しかし、撮影当時46歳のバーグマンは、若い頃と同じくらい魅力的でキレイすぎて、彼女をあきらめられないフィリップに「I’m old!(私はもうおばあちゃんなのよ!)」って何度も叫ぶシーンに、いまいち迫力がないのが玉にキズ。あれじゃあ、いくら15才の年の差って言ったって、あきらめ切れないよねぇ…(笑)

 

 フィリップがポーラを「ブラームスがお好き?」と、コンサートに誘うことから二人の関係が始まるんですね。映画の中でも、ブラームスの交響曲第3番第3楽章の甘美で哀愁のあるメロディがアレンジされて繰り返し流れます。

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 映画の題名は『さよならをもう一度(Good bye,again)』ですが、フランスの作家フランソワーズ・サガンの原作は、フィリップの誘い文句と同じ『ブラームスはお好き?(Aimez-vous Brahms?)』。ヲタクは原作も読みましたが、主役3人がフランス人のためか、三者三様の恋の駆け引きが、エスプリの効いた筆致で描かれており、映画に見られるロマンティシズム、アメリカ的なピューリタニズムとはずいぶんと違った味わいになっています。

 

 映画の中盤、ポーラがロジェに別れを告げて車に乗りこみ、走り出すシーン。雨が降ってきた…と思ってワイパーをかけたら自分が知らずのうちに流していた涙のせいだとわかって、思わず自嘲の笑いを漏らすシーンは必見。「心に残るモノクロ 映画のワンシーン」なんていうアンケートがあったら、1票を投じたい。

 

 若さゆえの情熱も、分別ゆえの諦めも、どちらも等しく美しく、そしてどこか切ない。


 だからこそこの物語は、時間を経てなお、私の中で生き続けるのだと思う。

祝祷は与えられたのか——『Benediction 祝祷』とジャック・ロウデン、魂を削るラスト

 ———7年越しに辿り着いた“あの表情”に、すべてを持っていかれた。

 

 たった今、我が最愛とも言える推しジャック・ロウデンが最高の演技を見せたと言われる作品であり、また巨匠テレンス・デイヴィス監督の遺作ともなった『Benediction(祝祷)』(BBC Film 2021年)を観終わりました。作品の、そしてジャックの演技のあまりの素晴らしさに、ラスト10分くらいは震えが止まりませんでした。

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★『Benediction』とヲタク

 第一次世界大戦に従軍し、戦功を立てながらも戦地での悲惨な体験から反戦の詩を書き続けた英国の詩人ジークフリード・サスーン。『Benediction』は彼の半生を描いた作品で、英国では

"Staggering"(Variety)

"Spectacular"(Indi Wire)

と絶賛され、製作総指揮・主演を務めたジャックも、今作の卓越した演技で英国アカデミー賞とICS(国際シネフィル)主演男優賞、カンヌ国際映画祭ショパール賞受賞❗️-------なのになぜか、英国公開から6年も経つというのに、日本では劇場公開はおろか、配信もいまだにされていない⋯(泣)

 

 でもってついに堪忍袋の緒がキレたヲタクは(笑)英国から直接DVDを取り寄せることにしました。もちろん再生用にPAL方式対応のDVDプレイヤーを予め購入して^^; 待望のDVDは注文から3週間を経て、やっとヲタクの手元に届いたというわけです。昨夜、仕事から帰ってきたヲタクが、DVDの入ったFederal Expressのパッケージを見た時の狂喜乱舞ときたら❗️とても人にはお見せできない痴態でございましたことよ(笑)

 

★サスーンとウィルフレッド・オーウェン、運命の出逢い

 ユダヤ系大富豪の家系に生まれ、1913年27才の時に処女詩集を出版したジークフリード・サスーン(ジャック・ロウデン)。その後第一次世界大戦中、軍人として戦地に赴き大武功を立て、戦功十字勲章を授与されたにも関わらず、大戦の非人道性に憤り、多数の若者の犠牲を出し続けている政府を批判した文書を公開します。

 

 彼自身、軍法会議も辞さず犯罪に問われても構わない⋯という覚悟でしたが、結局は「彼は精神を病んでいる。治療が必要」という軍上層部の判断により、スコットランドの精神病院に強制的に入院させられてしまいます。

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 そこで彼は、ウェールズの労働階級出身で、詩人を志す若者ウィルフレッド・オーウェン(マシュー・テニソン)と運命の出逢いを果たします。サスーンを兄とも、師とも慕う純粋なオーウェンに、サスーンもまた深い魂の響き合いを感じるのでした。しかしオーウェンは病院で治療を受けている自分自身に忸怩たる思いがあり、「今一度お国のために役に立ちたい」と戦地復帰を自ら志願、終戦の僅か2週間前、25歳の若さで帰らぬ人となり-------❗️

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※戯れにサスーンとオーウェンがタンゴを踊るシーン。直後に彼らを襲う悲劇を思うと、2人が可愛くて切なくて悲しくて、ヲタク号泣😭実際2人の関係がどうだったかわかりませんが、作品中では純粋にプラトニックな関係として描かれています。

 

★ジャック・ロウデン、至高の演技

 サスーンを演じるジャックが、初めてオーウェンの詩『不能(Disabled)』(第一次世界大戦の最前線、オーウェンが凍死した戦友の遺体を見て感じた虚無感と無力感を描いた1918年の作品)を読み、感動に目を潤ませながら「君は天才だ❗️」と叫ぶシーン。

 オーウェンの前線復帰を知らされた時の絶望の表情。

 「彼(オーウェン)に初めて会った時、僕は彼のウェールズ訛りをからかった。なんて俗物野郎なんだ、僕は❗️彼の詩に比べたら、僕のなんてエゴの表出にしかすぎない」と、彼の治療担当の精神分析医に向かって呟く時の自嘲。

 そして最後の別れ。戦地に赴くオーウェンに向かって、「1分でも1秒でもいい、君をここに留めておきたい」と懇願するシーン--------。

 

 数えたらキリがないけど、何と言っても白眉はラスト❗️サスーンにとって最大の衝撃であり、その後のサスーンの人生を「虚無」に変えてしまったオーウェンの死は、映画の途中でサスーンのモノローグでさらりと語られるだけ。

 

 しかしそれはさすがの老練テレンス・デイヴィス監督の意図した"演出"であって、この映画は、最も残酷な瞬間を“最後まで温存”していたのです。

 

 ラストのクライマックス、オーウェン戦死の報を初めて知った時のサスーンの表情---------

 

 ひと言も台詞を発せず、怒りと悲しみ、絶望と救いの希求が渾然となったジャックの表情こそ、英国の映画評論家ジョーダン・ホフマン氏が

The last shot of the film—a single take in which Lowden’s face melts from emotional overload while his wartime poem is read in voice over—is one of the more devastating pieces of cinematic punctuation in recent memory.

映画のラストシーン‥‥彼の反戦詩が朗読され、ロウデンの、激情から解放されていく表情は、近来まれに見る的確な映像表現の1つと言える。

と絶賛した演技なのか-------❗️

 

 ヲタクがホフマン氏のこの演技評を読んで以来7年間、あれこれと想像(妄想❓️)し続けてきたジャックの至高の演技を実際に目にすることのできたこの喜びは、とても言葉では言い表せません。生きてて良かった⋯本当に。

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魂の空白を埋めるように、※アイバー・ノヴェロ(左…ジェレミー・アーヴァイン)との爛れた生活にのめり込んでいくサスーン(右⋯ジャック・ロウデン)ですが⋯。

※アイバー・ノヴェロは実在の人物で、20世紀の初頭最も人気のあった英国の作曲家、歌手、俳優。作品中、ノヴェロを演じるジェレミー・アーヴァインがAnd Her Mother Came Too』をピアノで弾き語りするシーンがあります。

 

 オーウェンほどの煌めく才が、戦争によって理不尽にも奪われた後、同性愛者であるサスーンは心の空洞を埋めるかのように、様々な男たちとの愛欲に溺れ、生活は荒んでいきます。自堕落な生活を一新しようと決意して結婚し、一子を設けたが家庭生活は上手くいかず、晩年(70歳頃)魂の救済を求めて、カトリックに改宗したと言われるサスーン。

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※名家の子女ヘスター(左⋯ケイト・フィリップス)はサスーン(右⋯ジャック・ロウデン)に惹かれ、彼が男性しか愛せないと知りつつ結婚しますが⋯。

 

 果たして彼はタイトル『Benediction(祝祷⋯主に教会の礼拝の最後に行われる、牧師や司祭が神の祝福を会衆の上に与える祝福)』の如く、神からの祝祷を受けることができたのか❓️

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※サスーンの晩年期を演じるのは、英国の名優ピーター・キャパルディ。サスーンの虚無、心の空洞を表現するいぶし銀のような名演。

 

 この作品において戦争は単なる背景ではなく、サスーンの想い人であったオーウェンの人生そのもの、ひいてはサスーン自身の魂を決定的に破壊した“原点”として刻まれているのです。

 

 脚本・監督を担当したテレンス・デイヴィス監督がこの作品完成の2年後、2023年に死去、還らぬ人となった今ではもはや、その意図したところも定かではありません。

 

 第一次世界大戦当時の戦場の目を覆いたくなるような実写フィルムや写真、一転して美しい英国の田園風景や上流階級の人々の豪奢な生活が交互に描写されるこの作品の中で、ヲタクの脳裏にはただただ、生への渇望、哀願、怒り、悲しみ、祈り-------人間のあらゆる感情を言葉ではなく、その瞳の色と視線の行く先、表情で描出し尽くした、不世出の演技者ジャック・ロウデンの素晴らしさが深く刻まれたのです。

 

 その瞳の奥に宿るのは、もはや言葉では掬いきれない祈りなのか、それとも——祈りすら失った魂の残響なのか。

 

『Benediction(祝祷)』というタイトルの意味を、私は今もなお、彼のあの表情の中に探し続けている。

 

★今日の小ネタ…実は豪華すぎた❗️共演陣

 スコットランドの病院で、サスーンの性的嗜好を薄々感じつつ温かな理解を示す精神分析医に、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』で反乱軍のパイロット、メリック将軍役を好演したベン・ダニエルズ、サスーンが同性愛者と知りながら彼と結婚する妻ヘスター(若い頃)にケイト・フィリップス、そしてサスーンの編集者にシェイクスピア俳優のサー・ラッセル・ビール…と、共演陣も超豪華。

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※撮影の合間に談笑する故デイヴィス監督(左)、ケイト・フィリップス(中)、ジャック・ロウデン。そう言えばこの映画、コロナ禍の真っ最中に撮影されたんでしたね⋯(遠い眼)

 

 ベテラン勢の他にも、ウィルフレッド・オーウェン亡き後、サスーンの男性遍歴❓️の相手役として、『ハンガー・ゲーム0』(2023年)で主役を張ったトム・ブライス、カラム・リンチ(Netflix『ブリジャートン家』セオ役)、ハリー・ローティー(『ジョーカー:フォリー・ア・ドゥ』ハービー・デント役)ら、英国のイケメン・ライジングスター総出演となっています。

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※今では英国内やハリウッドで大活躍中、『Benediction』に出演していた新人俳優たち。トム・ブライス(左)、ハリー・ローティー(右上)、カラム・リンチ(右下)

 

 はー、ストーリーも演出も映像も主役(ジャック・ロウデン)の演技も最高、共演陣も超豪華⋯なのになのに、なぜ日本で公開されないの❓️(⇐しつこい 笑)

 

史上最もアバンギャルドな花嫁『ザ・ブライド❗️』はなぜこんなにも危険で美しいのか❓️

 これは、“作られた女”が、自分の人生を奪い返し、真実の愛を見つける物語。

 

 相鉄線ゆめが丘駅前のシネコン「109シネマズゆめが丘」で、『ザ・ブライド❗️』(主演 ジェシー・バックリー&クリスチャン・ベール、監督 マギー・ギレンホール)鑑賞。

 

★衝撃のオープニング

 1930年代アメリカ、シカゴ。『フランケンシュタイン』の作者メアリー・シェリー(ジェシー・バックリー)が、警察のスパイとしてマフィアの情婦となったアイダ(ジェシー・バックリー)に「取り憑く」衝撃的なシーンから始まります。シェリー夫人に「取り憑かれた」アイダは街を牛耳るマフィアのボス、ルピーノに暴言を吐き、手下に階段から突き落とされて殺されてしまいます。

 

 同じ頃。自らの醜さを恥じて世間の目を避けて暮らしてきたものの、ついに孤独に耐えかねた人造人間フランケンシュタイン(クリスチャン・ベール)は、ユーフォロニウス博士(アネット・ベニング)に、女性の遺体を蘇らせて自分の伴侶を創ってくれと頼み込みます。フランケンシュタインと博士は夜中に教会の墓地からアイダ遺体を掘り起こし、「花嫁」を創造しますが------。

 

1930年代に生きる女性に、19世紀の文豪が憑依した❗️❓️

 殺された女性アイダは、マフィアに搾取され続ける愛人たちのためにボスを摘発しようとする正義感の強い女性。志半ばで彼女は殺されてしまうわけですが、そんな彼女に、小説『フランケンシュタイン』の作者であるメアリー・シェリーが憑依する-----という、ビックリ設定(笑)

 

 厳格なヴィクトリア朝の慣習から才能を抑圧され、しかも同性愛的傾向を持つ夫の詩人パーシー・ビッシュ・シェリーと、周囲の複雑な人間関係に翻弄れ、生涯忍従を強いられたメアリー・シェリーがアイダを使って、その怨念を晴らそうとするわけです。

 

 『フランケンシュタイン』の作者メアリー・シェリーこそ、創造し、奪い、そして復讐する“もう一人の怪物”だったのかもしれません。

 

★ジェシー・バックリーとクリスチャン・ベール、演技派2人の化学反応

 1930年代アメリカのミソジニー社会に中指を突き立てる「ザ・ブライド(メアリー・シェリー)」のパンクな貌に時折、薄幸なアイダの素顔が滲む複雑なキャラを演じ切るにはやはり、ジェシー・バックリーほどの演技巧者でなくては無理だったでしょう。

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 そして相手役のフランケンシュタインには、ハリウッドきっての演技派クリスチャン・ベール❗️今作のフランケンシュタインは、推しの俳優の古い新聞記事を後生大事に持っていたり、アイダに誘われてもさりげなくかわしたり、衣服のシミも自分で落とすようなジェントルマンで、母性本能をくすぐる、不器用で優しい怪物(笑)。生活費を稼ぐために一生懸命噴水の下の小銭を拾い集めるいじらしい姿に、アイダ同様ヲタクもホロッときちゃいました🥲

 

 どちらかと言えばエッジーな、イケイケ演技が得意な印象のあるベールですが、今作ではジェシー・バックリーに華を持たせる「受けの演技」に徹していて、いっそ清々しい(笑)

 

★『ロスト・ドーター』から『ザ・ブライド❗️』へ

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「女性は生まれながらに母性を持っている。否、持つべきなのだ」

という母性神話のタブーに、Netflixの『ロスト・ドーター』で果敢に切り込んだマギー・ギレンホール。そして彼女の言わんとするところを余すところなく見事に体現したヒロイン役のジェシー・バックリー。

 

 インタビューで2人は-------

人生でマギーに出会えたことは、世界一の幸運だと思うんです。同性の仲間としてだけでなく、芸術的な共同制作者として、そして死ぬまで共に成長し続けると確信できる存在としてね。

------ジェシー・バックリー

 

(俳優選びの基準について)

アーティストとして、役を演じることで自分自身について、人間について深く考えてくれる人が必要でした。わたしと一緒に何かを学んでくれるような俳優たちと仕事がしたかったんです。ジェシーはわたしにとって間違いなくそんな存在です。

-------マギー・ギレンホール

とそれぞれ語り、芸術作品を創造する上でのパートナーとして、ひいては人生のかけがえのないソウルメイトとして、『ロスト・ドーター』の撮影時からさらに、お互いの絆が深まったことを感じているようです。

 

★マギー・ギレンホールの複雑な経歴

 マギー・ギレンホールはハリウッドの女優出身。父親が監督、母親が脚本家、弟が俳優のジェイク・ギレンホール…と芸能界のサラブレッドとして育ち、自身も英国の王立演劇学校で学んだ経歴を見ると、所謂正統派の舞台女優を目指していたのでは…❓️と推察されます。

 

 しかし、彼女が自身の女優歴で最も注目を浴びたのが、『セクレタリー』(2002)という、サイコでミソジニストな上司(ジェームズ・スペイダー)にオフィスで調教されるドM秘書という、トンデモ作品。ヲタクは当時ジェームズ・スパイダーのファンだったから観たけど、内容的にはかなりモヤモヤしたのを覚えてる😅

 

 監督に転身後の彼女に、この作品について聞く人はいないし、彼女自身も一切語らないところを見ると、もしかしたら彼女にとって『セクレタリー』は黒歴史…なのかもしれません。

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※上の写真…『ザ・ブライド❗️』撮影現場でのマギー・ギレンホール監督(左)とジェシー・バックリー(右)

下の写真…『セクレタリー』のマギー・ギレンホール

 

--------でも、芸能界のサラブレッドで王立演劇学校出身にも関わらず女優として注目を浴びた作品が『セクレタリー』で、その後監督に転身するという複雑な経歴を考えた時、彼女の人生の様々な体験が全て滋養となって、『ロスト・ドーター』や今作品『ザ・ブライド❗️』のような大輪の花を咲かせたのだと思わざるを得ません。

 

 監督は、ハリウッドの古典的作品『フランケンシュタインの花嫁』(1935年)を観て、タイトルロールにも関わらず、演じたエルザ・ランチェスターの出演時間はわずか2分、しかも口がきけない設定に強い衝撃を受けたのだとか。死んでしまったのに、見たこともない怪物の花嫁として人身御供のように強引に蘇らされた女性が、一体何を感じ、何を考えていたのか❓️

 

 それが、壊された存在が美しく反逆する物語-----『ザ・ブライド❗️』が生まれたきっかけだそうです。

 

 海外の映画評ではかなり賛否両論みたいですが^^;、ヲタク的には、圧制に対する反逆と女性解放のテーマ、美と暴力が共存するヒロインのキャラ、陰鬱なゴシック・ホラー的映像美、ラストに花咲く真実の愛の描写---------という点で、絶対的「賛」の立場であることを付け加えておきましょう(笑)

 

 史上最高にカッコよくて、パンクでアバンギャルドなダークヒロインの誕生を、あなたもその眼で目撃してみて❗️

 

★今日の小ネタ⋯ジェイク・ギレンホールとピーター・サースガード

 フランケンシュタインの長年の推し俳優(今作品のフランケンシュタインは映画オタクなんです 笑)ロニー役を監督の実の弟ジェイク・ギレンホール、裁判の証人であるアイダと「寝てしまった」情けない刑事役を監督の夫であるピーター・サースガードがそれぞれ演じています。

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※ワールドプレミアに豪華キャストが勢揃い❗️右端がピーター・サースガード、左端がジェイク・ギレンホール。

 

 インタビューで、今作品の資金集めにかなり苦労したと語っていたマギー・ギレンホール。夫と弟が一肌脱いだのかな❓️(笑)

 

横浜・大岡川の桜を静かに楽しむ〜上大岡「フォレスタリア」で大人のお花見ランチ

 今日は4月1日。

 ヲタクの地元・横浜の桜は、ちょうど満開を迎えています。
明日からは4連勤。となれば、今日が今年最後のお花見のチャンス——そう思い、ふらりと出かけてきました。

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 人混みを避けて、静かに桜を楽しみたい方へ。

 

 横浜を代表する桜の名所といえば、大岡川。神奈川県のお花見・桜名所人気ランキングでも1位に選ばれる定番スポットです。
お花見の中心となるのは主に3エリア。
・弘明寺(観音橋・さくら橋)周辺:桜の密度が高く、商店街の賑わいと華やかな景色
・蒔田公園:広い芝生でピクニックにも最適
・大岡川プロムナード(黄金町〜日ノ出町):映像作品にも度々登場。夜桜のライトアップが人気

……しかし最近、どうにも人混みと宴会の賑わいが苦手になってしまったヲタクは、あえてそこを外します(笑)
満開の桜の下で、騒がしさに紛れてしまうのが、少し惜しくて——。
今回やって来たのは、そのさらに上流。
地下鉄ブルーライン・京浜急行「上大岡駅」周辺です。
ヲタク的・大岡川の桜の名所は、むしろここ。

 

 満開の桜——と言えば、ヲタク的には坂口安吾の幻想怪奇譚『桜の森の満開の下』。
残忍非道な美女(正体は鬼)に翻弄され、愛欲地獄の果て、ついにはその手で愛しい女を殺めてしまう山賊。
その心象風景を夢想するヲタクにとって、飲めや歌えの賑やかな酒宴よりも——

やはり人気(ひとけ)のない場所にひっそりと佇む上大岡の桜に惹かれてしまう。

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※『桜の森の満開の下』は、野田秀樹によって歌舞伎化されています。

 

 本来なら川沿いをゆっくり歩きたいところでしたが、今日はあいにくの雨と強い風。そこで、大岡川沿いにあるイタリアンレストラン「FORESTARIA(フォレスタリア)」で、桜を眺めながらランチを楽しむことにしました。

※※フォレスタリアのテラスから眺める桜。雨のせいか人通りも少なく、静かな表情を見せていました。

 

 満開の、その外側で、桜は最も美しい瞬間にすでに終わりの気配を孕んでいる。
そんな一瞬に立ち会えるのも、またこの場所ならではの贅沢なのかもしれません。

 

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★本日のメニューは、桜の時期限定の特別コース

〜フォレスタリアドッチアチリエージァ2026〜

¥3,300-

【スープ】本日のスープ(海老のビスク)

【サラダ】自家製ドレッシング三浦野菜サラダ

【前菜】アンティパストミスト

【ピザorパスタ】1人1品セレクト
・パスタ:3種類(マッシュルームのクリームソース、ボロネーゼ菜の花入り、しらす・アミエビ・春キャベツのアーリオオーリオ)
・ピザ:2種類(マルゲリータ、森のキノコ)

【メイン】牛肉のタリアータ

【デザート】ドルチェ盛り合わせ(桜アイス、ティラミス、パンナコッタ)

【食後のカフェ】コーヒー または 紅茶、カフェラテ

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 窓の向こうに桜並木を眺めながら、ゆっくりと食事を楽しむ時間は、外で賑やかに過ごすお花見とはまた違った、穏やかな満足感がありました。


 スパークリングワインに苺のコンフィチュールを合わせた季節のカクテル「スパークリング・フラーゴラ」も、爽やかで春らしい一杯。これはぜひおすすめしたいところ。

 

 桜の季節は予約をしておくと安心。
これから暖かくなれば、テラス席も気持ちよさそうです。テラスはペット同伴OKなのも嬉しいポイント。
“美味しいイタリアンを愉しみつつ、桜を観る”——少し贅沢で、どこか儚さを感じさせる場所でした。

 

 賑わいの中の桜もいい。
でも、少し離れた場所で出会う桜には、また別の美しさがあります。


今年最後の桜を、静かに味わってきました。

 

★フォレスタリア

FORESTARIA

フォレスタリア
住所
神奈川県横浜市港南区大久保1-20-56
 
アクセス
横浜市営地下鉄ブルーライン線 上大岡駅 徒歩4分
京急本線 上大岡駅 徒歩4分
電話番号
045-844-6644
営業時間
11:00 ~ 21:00(20:30)

※()内の時間はラストオーダーの時間です。

定休日
月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日火曜日定休)

 

 

桜の下には何が眠るのか——山手外国人墓地と生の悦び

 今日は3月27日。 横浜の桜満開時期は4月1日頃、あと5日後…との予想ですが、明日からまた地獄の連勤のため、一足早くやって来ました横浜・山手。

 

★生の悦びを喰らう〜山手十番館

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 腹が減っては花見は出来ぬ…というわけで、まずは山手と言えばここ、老舗のフレンチレストラン「山手十番館」へ。

 

〜平日限定のランチコース〜
・本日のスープ(新玉ねぎのポタージュ ビーツのフォームを添えて)
・前菜:鰆のコンフィ キャロットラペとアサリフォーム

・メインディッシュは下の4点から選びます
①名物タンシチュー 特製デミグラスソース
季節の温野菜と共に
②豚フィレのロティ 柚子胡椒ソース 
③寒鰤のグリル “いしり”ブールブラン 
④国産経産牛フィレ肉のポワレ 和風ソース 本山葵と共に

・本日のデザート(アップルパイ山手十番館風バニラアイス添え)

※平日は乾杯用のスパークリングワインが付きます。

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 明治の趣を感じさせる建物の中、ステンドグラスから差し込む光を浴びながら頂く洗練されたフレンチ。特にメインに選んだフィレ肉のポワレは、柔らかさと弾力の頃合いが絶妙。合わせたのは、山手十番館厳選の国産赤ワイン、塩尻メルロー(フルボディ)と丹波ワインの赤「小式部」(ライトボディ)。

 

 美味しいお料理に美味しいワイン、生きてるってステキ❗️どんなに辛い時でも食欲だけは衰えないヲタクだけど、こんな時には特に強烈に感じるの、生きてることの悦びを。

 

★外国人墓地の不穏な桜

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 美食の余韻に満たされながらふと外を見やると、
視界に入り込んできたのは、あまりにも対照的な風景でした。

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 山手十番館の通りの向こう側は、外国人墓地。

 

 「あら、外国人墓地にも桜があるんだっけ」

 店を出た後連れに声をかけて、ヲタクは何かに引き寄せられるように通りを越えて外人墓地へ-------。

 

 異国の御霊が眠る、普段はフェンスに隔てられて足を踏み入れることが出来ない禁忌の場所に、桜は不似合いのような気がしますが、ヲタクはふと梶井基次郎の短編小説の冒頭を思い出しました。

 

 桜の樹の下には 屍体が埋まっている。

これは信じていいことなんだよ。何故って、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。俺はあの美しさが信じられないので、この二三日不安だった。

しかしいま、やっとわかるときが来た。

桜の樹の下には屍体が埋まっている。これは信じていいことだ。

---------梶井基次郎『桜の樹の下には』

 この場所に眠る異国の人々は、火に焼かれることなく、ゆっくりと朽ち果て、土へ還っていくことを考えると、梶井が肺の病に侵された熱の中で生まれた妄想なのだと、ただ切り捨てることも出来ない気がします。

 

 1862年(文久2年)に起きた生麦事件で、薩摩藩士に斬殺された若き英国商人、チャールズ・レノックス・リチャードソン (当時29才)も、ここに眠っています。奇しくも梶井基次郎もまたリチャードソンと同じ年代、31才の若さで夭折しました。

 

 花の盛りの絶頂期、無理やり枝からもぎ取られるように、その生を終えた2人。

 

 しかし梶井は、花の盛りの美しさを人生に重ね、絶頂期が自分に訪れることを信じられず、訪れたとしても、桜が一気に散り果てるように、自らもまた破滅に向かっていくのだと頑なに思い込んでいたようです。

 

 梶井が死の直前、酒に溺れ、歓楽街で狼藉を働いたと言われているのも、どこかで自らの人生の儚さを感じ取り、自暴自棄になっていた為ではあるまいか----------。

 

 昔むかし、藤沢の遊行寺で見た一遍の聖絵にも、踊念仏と共に鉦を打ち鳴らし、阿弥陀如来をこの世に降臨させる場面で、桜が描かれていたっけ。
そこでは、桜は冥土=異界への入口として機能していたはず。

 桜の華やかさにタナトスの気配を感じ取ったのは、何も梶井だけじゃない…。

 

-------なーんて、いけない、いけない❗️

 このままフェンス越しに外国人墓地の桜を眺めていたら、意識があちらの世界に持ってかれちゃう(笑)

 

 ヲタクは連れに「早く行こ、港の見える丘公園へ。なんだか寒くなってきた」と声をかけ、急き立てるように外国人墓地を後にしました。

 

 春の陽に輝く港の景色を見て、早く生気を取り戻したい。ヲタクは100才くらいまでこっちの世界に居座るつもりだからね(笑)

 

だけど---------

桜の木の下に眠る大勢の人々と

ワインに酔っ払いながら桜を眺めつつ歩くヲタクと…。

ここ横浜・山手では案外、その境界線は曖昧なのかもしれない-------。

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※元町公園の桜

 

 外国人墓地の桜は三分咲き…と言ったところでしたが、元町公園の桜は、碧天を背に美しく咲き誇り、港の見える丘公園の花々は春真っ盛り。

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※港の見える丘公園

 

 一方で、山手カトリック教会では信者の女性(ご本名の脇に洗礼名が併記されていたところを見ると、修道女の方…❓️)のご葬儀ミサが執り行われていました。

 

 横浜・山手はやはり、生と死が混在する不思議な場所--------。

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お茶は「エリスマン邸」にて。

※エリスマン邸
エリスマン邸は、生糸貿易商社シーベルヘグナー商会の横浜支配人格として活躍した、スイス生まれのフリッツ・エリスマン氏の邸宅でした。大正14(1925)年から大正15(1926)年にかけて、山手町127番地に建てられました。設計は、「近代建築の父」といわれるチェコ人の建築家アントニン・レーモンドです。------------「エリスマン邸」公式HPより抜粋

 

 

映画の余韻を持ち帰る夜〜JR東日本ホテルメッツ渋谷で味わう“大人の小さな遠征”

 今日はヲタク、横浜の田舎町からはるばる花の東京は渋谷のど真ん中へ------。

非日常を味わう"大人の小さな遠征"にやって来ました。

 

 第33回フランス映画祭(3/19〜22)の参加作品である『新凱旋門物語』(ステファン・ドゥームスティエ監督)のチケット、Getできたからです。

(ラッキーだったわ…💗今回のフランス映画祭、チケットGetできたのはこの作品のみ。ネットに1、2分繋がらないだけですぐ売り切れちゃうのよね😅)

 

★今日のベースキャンプ❓️は「JR東日本ホテルメッツ渋谷」

 コンサートや映画鑑賞で終了が夜遅くになる時は、体力温存のため、そして感動の余韻を壊さないために、必ず近くのホテルに宿泊するのが最近のヲタクのお約束。ホテルに泊まって、感動の余韻に浸るまでが一大イベントです(笑)

 

 ホテルメッツはJRの経営だけあって必ずJR線の駅チカに位置し、天気が悪くても濡れずに辿り着ける場合が多いので、とても便利。それにチェックイン・アウトの機械が数台(渋谷は3台)あるため、フロントに行列ができることもありません。

 

 ホテルメッツ渋谷は、JR新南口からホテルの3階まで徒歩5分ほど(フロントは4階です)。地上から歩く場合は宮益口が一番近いです。(その場合、徒歩10分ほど)

 

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※本日の宿泊は9Fスーペリアシングル。ヲタクは絶望的に寝相が悪いので、セミダブルベッドで嬉しい🎵

 

★ラウンジの珈琲は美味しい☕

 ホテルメッツ渋谷では、フロント前のラウンジにコーヒーマシンがあって、いつでも飲めるのが嬉しいポイント◎珈琲は何の種類か分からないけど、深みがあり、凄く香りが高かった。珈琲カップ持って部屋に入ったら、暖まった部屋に珈琲の香りが広がって、それだけで幸せ気分😘

 

 映画祭から帰ってきたら、この珈琲また部屋に持ち帰って、感想のブログを書こう。うん、そうしよう(笑)

 

 それにね、ネット情報によると、ここの朝食ビュッフェ、めっちゃ豪華らしいんですよ〜❗️メッツだから、分類としてはビジネスホテルだと思うんだけど、渋谷の場合、三ツ星ホテル以上の質の高さらしい…。

 

 宿泊者以外でも利用できるので、毎朝ビュッフェ目当てのお客さんが外部から詰めかけるとか。食いしん坊のヲタクとしては、今からワクワクが止まりません〜(笑)  

 

★夕食はホテルの部屋で崎陽軒のお弁当🍱

 フランス映画祭の開場時間は18時50分、まだ1時間半もあります。出かける前に、まずは横浜駅で買ってきた崎陽軒の「おべんとう春🌸」で腹ごしらえ。横浜市民ならみんな大好き崎陽軒。東京駅から新幹線に乗る時も、なぜか途中の横浜駅で崎陽軒のお弁当を買ってしまうヲタクです😅どれだけ好きなんだ…(笑)

 

 本当はガッツリ「シウマイ弁当」が食べたいけど、カロリーが700kcal以上あるのよねぇ…。カロリーコントロールアプリで毎日食事を管理しているヲタクとしては、目をつぶってエイヤッとガマン(笑)…去年の人間ドック、ちょいと中性脂肪が基準値越えてたからね、気をつけなくちゃ。

 

 こうして今日も、理性と食欲の戦いに見事勝利したヲタク。自分を褒めてあげたい(笑)

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※崎陽軒にはシウマイ弁当だけでなく、いろいろなお弁当がありますが、季節ごとに内容が変わる低カロリーのお弁当があります。今は「春」。ごはん(桜の花の塩漬け・山せり煮のせ)、花型豆腐しんじょの揚げ煮、青海苔唐揚げ、菜の花と筍姫皮の和え物-----と、春ならではの内容。こんなに充実した内容で、436kcal❗️メロンパンと同じくらい(笑)

 

★お楽しみはこれからだ

 さて一夜明けて、非日常イベントの最後を飾る朝食ビュッフェ🎵  

 

 和洋約40種類の個性的なメニューがズラリと並ぶさまは壮観❗️の一言。普段の朝食はごはん党のヲタクは、ホテルでの朝食は思い切り洋風(笑)こちらはメレンゲの卵かけご飯が評判らしいけど、今回はガマン。

 

 生ハム✕ウズラの卵、トマト・バジル・エメンタールチーズのオープンサンド、タンドリーチキンがめっちゃ美味でした。ジュース類も豊富。ヲタクはレモネードを選んだけど、季節のジュースもあって、今はイチゴ。

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 デザート代わりのフレンチトーストにはたっぷりメープルシロップを。ホテルの朝食ビュッフェはカロリー度外視(笑)

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 …窓が大きくて天井打ちっぱなしのこの雰囲気、昔泊まったロンドン・カムデン近くのホテルの朝食会場に似てない❓️ここは渋谷じゃなくてロンドン…って、さすがに妄想も行き過ぎてるか(笑)

 

 ------美味しい朝食、ごちそうさまでした🎵

フランス映画祭から都会のホテルの一夜。

充分エネルギーチャージできました。

これからまた、日常へと戻っていきます。

 

 若い頃のように無理はできないけれど、
こうして日常を少しずらすだけで、充分に非日常は味わえる。

 

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※翌朝の渋谷駅。昨夜の喧騒が嘘のよう。

★後書き

 非日常感をもうちょっと引き摺りたくて(笑)渋谷から横須賀線のグリーン車に乗りました。2階席に座ったので、並走する山手線が随分下に見えました。

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フランス映画祭『新凱旋門物語』〜フランスに愛され、フランスに捨てられた男の悲劇

今日はヲタク、横浜の田舎町からはるばる花の東京は渋谷のど真ん中へ------。

 

 第33回フランス映画祭(3/19〜22)の参加作品である『新凱旋門物語』(ステファン・ドゥームスティエ監督)のチケット、激戦の中Get❗️(2席だけ残ってたんです)

 

 宿泊先のJR東日本ホテルメッツ渋谷から会場のル・シネマ渋谷宮下まで歩いて15分かかりました。さすが花の大東京は広いのう😅

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理想を貫いた男はなぜ、破滅したのか❓️

 

 1983年。時のフランス大統領ミッテランが推進する国家プロジェクトが立ち上がり、フランスの威信をかけた新モニュメントの建設計画が発表されます。しかし、大方の予想を裏切って、設計者として抜擢されたのは、無名で、しかもデンマーク人の建築家ヨハン・オットー・フォン・スプレッケルセン(クレス・バング)でした。イタリア産大理石を使ったキューブ型アーチと、そのふもとに雲のような屋根が浮かぶ大胆なデザインを提示し、理想の実現に邁進する彼でしたが、予算の問題や政治的な圧力等、様々な困難が振りかかり-----------。

 監督はステファヌ・ドゥムースティエ。作品は第78回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品され、第51回フランス・セザール賞では8部門にノミネートされました。

 

 一言で言えば、自宅と4つの教会しか設計経験のなかった無名の新人スプレッケルセンが国際コンペで一躍スポットライトを浴び、時の大統領ミッテランに認められたものの、彼の理想が現実になろうとした矢先、選挙で左派のミッテランは大敗、閣僚は右派の緊縮財政派ばかりになったことで、スプレッケルセンは強力な後ろ盾を失ってしまいます。------まあ、メディチ家の庇護を失って没落したボッティチェリや、パトロンのスペイン王を失って失意のうちに死んだゴヤみたいなものですね。

 

 スプレッケルセンはあまりにも正直過ぎ、自らの才に自信を持ちすぎたために、その後坂道を転がり落ちるように破滅へと突き進み、悲劇的な結末を迎えるわけですが------。

 

 愛国心に満ちたプライド高いフランス人が、自国のシンボルである新凱旋門の設計をデンマーク人に任せ、さらにはその人の生涯を映画にするなんて…❓️❓️と思ったんですが、ラストを見て納得(笑)

 

 結果的に、自らの設計にこだわりすぎるあまり超高額なイタリア産大理石を勝手に契約しちゃうなど暴走ぎみなスプレッケルセンと対立、政府からの圧力と何とか折り合いをつけて、新凱旋門の建設を現実化しようと奮闘するフランス人建築家ポール・アンドリュー(スワン・アルロー)のほうが大人イケメンに見えちゃうし😅、何とか予算を工面しようと奔走する担当官僚(グザヴィエ・ドラン)は、スプレッケルセンのワガママに翻弄されて何だか気の毒に見えちゃうし…で、デンマークの人がこの映画見たらどんな感想を持つのかいな❓️と、ちょっと気になっちゃいました(笑)

 

★ステファヌ・ドゥムースティエ監督、舞台挨拶

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※ステファヌ・ドゥムースティエ監督(左)と、音楽を担当したオリヴィエ・マルグリ(右)。マルグリは作品中、スプレッケルセンの友人の画家役で、俳優としても出演されています。

 

 この映画のストーリーは、ジャーナリストのロランス・コセが手掛けた小説『新凱旋門物語 ラ・グランダルシュ』が原作だそうですが、キャラ設定は監督のオリジナルだそう。

 

 …なので、スプレッケルセンさんとフランス政府側に相当の軋轢があったのは事実なんでしょうけど、彼が途中で「私の設計が汚された❗️私はフランス政府に騙されたんだ。訴訟を起こす❗️」って叫び出すのにはビックリ🤯結局マネージャー役の彼の奥さんが止めに入ってそれは無しになるんだけど…。大統領官邸に「ミッテランに会わせろ〜」とか言って押しかけたり、拒否されると一晩中入口に座り込んじゃったりで、かなりの迷惑おじさんに。呆れた奥さんも家出てっちゃうし😅

 

 ああいうエピソードが事実なのか、それとも監督のフィクションなのか気になるところです。

 

 質問コーナーで手を挙げて聞いてみたかったけど、何となく気まずい雰囲気になりそうで止めときました(笑)

 

★そしてグザヴィエ・ドラン

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※眼鏡男子で、いつもの妖しい色気封印、シゴデキの若手官僚になり切ってたグザヴィエ・ドラン(左)と、『落下の解剖学』で苦境に陥ったヒロインを守る騎士のような弁護士役がめっちゃカッコよかったスワン・アルロー(右)奇跡のツーショだわ(笑)

 

 ストーリー展開やキャラ造型は、ヲタク的にはちょっとモヤっとした所はあったけど、でもいいの❗️今日のヲタクの1番の目的は、グザヴィエ・ドランさまの近影を拝むことだったから(笑)

 

 2009年、弱冠19歳で、映画『マイ・マザー』の脚本・監督・主演を務め、世界にグザヴィエ旋風を巻き起こした彼。その後創作意欲は衰えることを知らず、ヴェネツィア、カンヌ国際映画祭で数々の賞を受賞した早熟の天才。-----ああそれなのにそれなのに、3年前の2024年、突如監督業の引退を宣言。俳優は続けると言ってくれたものの、2023年『幻滅』(ヲタクはこの時もフランス映画祭で鑑賞)で、主人公(バンジャマン・ヴォワザン)の先輩ジャーナリスト役を演じて以来音沙汰なし😭

 

 それでも3年ぶりのドランさまは、過去の作品における危うい色気を封印、理想と現実の狭間で新凱旋門の建設に奔走する若手官僚をエネルギッシュに演じて、新境地を拓いた感。監督業の重圧から解放されたからか、演じることを純粋に楽しんでいるように見えましたね。

 

天才監督ドランではなく、天才俳優ドランが爆誕してました❗️

 

 本作『新凱旋門物語』は、7月17日〜一般公開されます。

凱旋門やエッフェル塔と違い、近代的な建物に埋もれてイマイチ観光名所になりきれていない感のある新凱旋門(グランダルシュ)。ヲタクもパリには2度行ったけど、存在も知らんかった…(ゴメンナサイ😅)

 

 しかしこの映画を見て、(裏にはこんなに人間くさいドラマがあったのか…)とみんなが認識すれば、また見る目が違って、新たな観光名所になるかも…です。

 

★今日の小ネタ…サンジェルマン・フィズ

 フランス映画祭の間だけかな❓️ル・シネマ渋谷宮下のカフェにお洒落なカクテルが登場。その名も「サンジェルマン・フィズ」。エルダーフラワーリキュールを炭酸で割った、春らしいフローラルなカクテルでした。

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映画の合間に楽しむ非日常。

飲めば気分はパリジェンヌ(笑)

 

 

春分の日、推しを讃える日——ジャック・ロウデン『フィフス・ステップ』NTL感想

 2026年3月20日(金)春分の日。ヲタクにとって生涯忘れられない日になるでしょう。何故かって❓️

 

我が推しジャクロことジャック・ロウデンが主演し大絶賛を博した舞台『フィフス・ステップ The Fifth Step』がNTL(ナショナル・シアター・ライブ)で上映され、今日が初日だからです❗️

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 なーんだ、そんな理由❓️って内心思ったそこのアナタ❗️

ヲタクの熱量をナメちゃいけません(笑)

 

 ここまで辿りつくのにどれだけの時間がかかったことか…😭

 

 アルコール依存症を克服しようと治療を受けている青年とその指導役(スポンサー)の心理的攻防戦を機関銃のような台詞の応酬で描く二人芝居『フィフス・ステップ』が最初に上演されたのは1年半前、2024年8月のこと。エディンバラ国際映画祭においてでした。ジャックは主人公のルカ役で、デイリー・テレグラフ紙から

ジャック・ロウデンは主役級のカリスマ性を持っている

と評されました。

👇️その時に書いた記事『ジャック・ロウデン、エディンバラ国際映画祭『フィフス・ステップ』の舞台に立つ』

https://www.rie4771.com/entry/2024/08/08/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%82%A6%E3%83%87%E3%83%B3%E3%80%81%E3%82%A8%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%A9%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3

 

 そしていよいよ本番、ジャクロが相手役のマーティン・フリーマンと共に昨年2025年5月、ロンドンの@Sohoplaceシアターの舞台に立つや、各界から絶賛の嵐❗️

 

 辛口劇評で有名なガーディアンやイヴニング・スタンダードが褒めてくれたのももちろん嬉しいけど、いちファンとしてヲタクが何より感動したのは、英国の名だたる演劇人たちがこぞって観に行ってくれたこと。

 

 毒舌で有名、英国アカデミー賞授賞式で米国のトランプ大統領をイジり倒して放送カットになってしまったデヴィッド・テナントはインタビューで

魅惑的な芝居だ。

2人の演技はまさにファンタスティックだぜ

ってウィンクしてくれたし、

 AppleTVのドラマシリーズ『窓際のスパイ』でジャクロと絶賛共演中、今ではジャクロの年の離れたマブダチ状態のゲイリー・オールドマンは

ジャックもマーティンも絶好調だな。最高❗️

おいみんな、絶対観に行けよ

だって(笑)

 ゲイリーの元奥さん、レスリー・マンヴィルも劇場に駆けつけてくれてたね。(レスリー・マンヴィル主演の舞台『危険な関係』も同じNTL(ナショナル・シアター・ライブ)で10/16〜上映予定。ジャクロ、ちゃんとこの舞台は観に行ってあげたかな❓️笑)

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※『フィフス・ステップ』に駆けつけた錚々たる人たち。(左から)デヴィッド・テナント、ゲイリー・オールドマン、レスリー・マンヴィル

 

 3月20日は春分の日。

 本来であれば「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日---------なんですが、今日のヲタクにとっては「推しをたたえ、推しをいつくしむ日」なんです、ハイ。

 

 それではこれから、上映劇場の「109シネマズららぽーと横浜」へLet's Go❗️❗️❗️

 

★冒頭でノックアウト

 もはやジャクロの登場シーンから悶絶(笑)

ヲタクはね、彼のSituationとかStewartとか「ステュ」の発音がめちゃくちゃ色っぽくて好き💗もちろん、笑った時頬に刻まれるエクボもだけど…。(まっ、今日の芝居はヒゲ面でエクボは見えず😅)

 

★破滅の予感を孕むスリリングな二人芝居

 長年、AA(Alcoholics Anonymous)によるアルコール依存症の12ステップ・プログラムに取り組んできたジェームズ(マーティン・フリーマン)は、新たに参加した青年ルカ(ジャック・ロウデン)のスポンサー(指導役)となりました。2人でコーヒーを片手に語り、過去を分かち合いながら、2人は次第に打ち解け、温かな友情を築いていくのでした。しかし、ルカが※“第5ステップ”――すべての過ちを打ち明ける告白の段階に差し掛かった時、それまでの2人の関係を根底から打ち壊すような危険な事実が明らかになり----------。

※AAプログラムでは、第5ステップで初めて「ハイヤーパワー(人知を超えた存在、神)」が登場します。ハイヤーパワーの前で、恥ずべき自分や過去の過ちを曝け出す段階。

 

 何せ2人が機関銃のように喋りまくる台詞の応酬に口あんぐり(笑)特にジャクロは凄くて、膨大な台詞量に、(台本は百科事典くらいの厚みなんじゃ…❓️)って😅最近、アカデミー主演男優賞にノミネートされたイーサン・ホークの台詞量(映画『ブルー・ムーン』)にのけぞったけど、その比じゃないよ。

 

 2人の対話を通じて、幼少期から実の父親による虐待を受けて育ち、アルコールに溺れることでしか孤独感を紛らわせずにはいられなかったルカが、自らを卑下し苦しみを吐露する場面にはヲタク、思わず涙😭だってジャクロ、ホンモノの涙流してるんだもん、もらい泣きよ(笑)こうやって推しの泣き顔がバッチリ見れるのもNTL(ナショナル・シアター・ライブ)の醍醐味です。

 

 そして、ルカが自己成長していくのと反比例して、「良き指導者」を自認していたジェームズの隠れた差別観や尊大さが次第に暴かれていくブラックな展開にはちょっと戦慄。

 

★ジャック・ロウデン vs. マーティン・フリーマン2人の演技の化学反応を目撃せよ❗️

 実は最初にこの劇がエディンバラ国際映画祭で上演された時、ジェームズ役は他の俳優さんだったの。だからウェスト・エンドで上演が決まった時、ジャクロの相手役がマーティン・フリーマンだって聞いてビックリした。

 

 マーティンはエミー賞を受賞するなどTVや映画では大活躍の俳優さんだけど、若い頃に舞台で失敗した経験があり、それ以来舞台恐怖症になった⋯って聞いてたから。

 

 でも今回はジャクロと息もぴったり、素晴らしい演技を見せてくれた。これで彼の舞台恐怖症もすっかり治癒したんじゃないでしょうか😅

 

👇️2人の息ぴったりな演技の秘密に迫る

『ジャック・ロウデンはone trick ponyだよ(笑)マーティン・フリーマン』

https://www.rie4771.com/entry/2025/01/24/%E3%80%8C%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%82%A6%E3%83%87%E3%83%B3%E3%81%AFone_trick_pony%E3%81%A0%E3%82%88%EF%BC%88%E7%AC%91%EF%BC%89%E3%80%8D%EF%BC%88%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%86

 

 アルコール依存症患者の更生⋯という、一見重苦しいテーマですが、2人の軽やかな演技も相まって、社会風刺や毒のあるユーモア満載の芝居になっています。

 

 英国人とおぼしき若い男性が日本人の奥様❓️彼女❓️と一緒に見に来ていて、さかんに爆笑していたのが印象的でした😅ヲタクも一緒に爆笑したかったけど、なぜか日本人の習性に従ってしまい(笑)ニヤニヤ笑いで留めました。

 

 

 脚本・演出を担当したデヴィッド・アイアランドは北アイルランド出身。劇中で見られるユーモアはしかし、ただのユーモアで終わりません。

 

アイルランド人は気骨、もしくは奇骨の民族である。
死神のように低温の自虐的なユーモアを持ち、起き上がった病み犬のような痛ましい威厳を感じさせる独自の修辞を供えているのが典型らしい。

と、司馬遼太郎が随筆『愛蘭土紀行』で述べた、長らく大英帝国から搾取され、貧困に喘いできたにも関わらず、「悲劇を喜劇で終わらせる逞しさを持つ」と言われるアイルランド人。彼ら特有の「絶望の淵の楽観主義」が随所に見て取れるような気がしました。

 

 どんなに過酷な環境にあっても、明けない夜はない。信じて進むところに、道は拓ける--------と。

 

 NTL(ナショナル・シアター・ライブ)『フィフス・ステップ』はまだ始まったばかり。お近くに上映劇場がある方はぜひ❗️

 

おいみんな、絶対観に行けよ(笑) 

byゲイリー・オールドマン

 

 

 

 

コンシェルジュは見た❗️〜タワーマンションに潜む夫婦の真実〜

 ブログ「オタクの迷宮」管理人としてのヲタクは、直前の記事でも書いたように、滅びの美学を追求する、自称「デカダン的ロマン主義者」。歴史や映画のスクリーンといった「異界」を揺蕩う遊び人😅

 

 しかし現実世界では、代行派遣の※マンション・コンシェルジュ。常勤のコンシェルさんが有給を取ったり、急に体調を崩したりした時にスポットで数日現場入りしたり、はたまた何らかの事情で急きょ辞職された場合には、次の常勤さんが決まるまで数カ月、時には1年近く勤務することも--------。

※仕事内容は、宅急便預かり、タクシー予約・手配、クリーニングの預かり・お届け、各種サービスの紹介、共用施設(ゲストルーム、ラウンジ、キッチンスタジオ、トレーニングルームなど)の予約、さらにはショップやカフェが併設されている場合はその運営---------と多岐にわたります。

 

 ヲタクが心おきなくブログという「異界」で遊べるのもコンシェルジュの仕事という現実世界があるからだし、またそこで触れる人間模様がブログを書く際の参考にもなる-------というわけで、今日はちょっぴり、コンシェルジュの現場で見聞きしたこぼれ話をひとつ。

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★コンシェルジュは見た❗️〜夫婦の真実

 ある日のこと。クリーニング屋さんがコンシェルジュデスクに納品にやって来ました。手には1本のボールペンが。

「◯◯号室◯◯様の旦那さんのジャケットの中に入っていた忘れ物ですよ」

その方、チーフやらイヤホンやら服の中の忘れ物が多いので今さら驚かないんですが、見ればPARKER Sonnet Premium——
持ち主の趣味が、ふと透けて見えるような一本です。

 

 クリーニング品と共にお部屋にお届けしました。

 

 ご主人様はお留守らしく、奥様が出てこられましたが、ボールペンを見た途端、雑誌等でよくお見かけする美しいお顔の色が変わりました。

「こんなボールペン、主人の持ち物じゃない❗️」 

思わず叫んだ奥様、ヲタクの怪訝な顔に気付いたのか慌ててニッコリされ(マスコミに登場する時のあの感じ)、「ありがとう、一応私が預かっておきますね」と品物を受け取られました。

 

 --------そして数カ月後、突如としてご主人の不倫スキャンダルがマスコミを賑わせました。しかし芸能記者の突撃を受けた奥様は泰然自若、いつものようにニッコリ笑って、「そんなの噂に過ぎませんわ。私は主人を信じてます」と仰ったそうな。

 

 そしてそんな中、渦中のご主人がコンシェルジュデスクにクリーニングバッグを預けに来られました。職業柄、マスコミでマイナスな話題になっている方の対応をすることも多々ありますが、とにかくそういう方には表情を変えず、ビジネスライクに接するようにしています。それでなくてもご本人はピリピリしてらっしゃいますから。

 

 いつものように預かり品をクロークに入れた直後、ご主人が血相を変えてコンシェルジュデスクに突撃してきました。

「わ、悪い❗️さっきのジャケットもう出しちゃった❓️」

「いえ、まだ集配には来ておりませんが…」

「ひゃー、良かったぁ、出して出して」

ご主人はバッグをヲタクの手からひったくると、ラウンジの革張りソファの上でバッグの中身をひっくり返し、何やら探し始めました。オイオイ…(笑)

TVで見るあのイケメンはどこへ行ったんだ…😅

 

探しものが見つかったらしく(ヲタクはそっちを見ないようにPCの居住者用クラウド作業に集中していたので詳細はわかりませんが)ご主人は晴れ晴れした顔で

「ごめんねー、二度手間で。またお願いね」と言いながら、ヨレヨレのTシャツ姿で去っていきました。

 

 その後ご夫妻がモメている話はとんと聞きませんし、ご主人の不倫話もいつのまにか立ち消えに。

 

さて、あのPARKAR Premiumの行方がどうなったのか——
それを知る術は、コンシェルジュにはありません(笑)

 

 

滅びゆくものに、美は宿る——オタクの迷宮1500記事

 気づけば、「オタクの迷宮」も、いつのまにか1500記事に辿り着いていました。
——けれど不思議なことに、この数字には、あまり実感がありません。
 

 むしろ今、はっきりと言葉にできるのは——
「私は、なぜ書き続けてきたのか」ということです。
 
 映画、ドラマ、舞台、そして美しい俳優たち。
 歴史上の人物なら、T.E.ロレンス、チェーザレ・ボルジア、土方歳三。
 時代も国も違う彼らに、私はなぜこれほどまでに惹かれてきたのか。
 
 1500記事を書いてきて、ようやく気づきました。
 
 ——私は、「滅びゆくもの」に宿る美を愛でているのだ、と。

 

栄光の絶頂ではなく、その終わり際に現れる、あの一瞬の光芒。


 完全ではないからこそ放たれる、危うく、歪で、どうしようもなく美しい光。
 
 それはたぶん、世間一般で言うところの「幸福」とは、少し違う場所にあるものです。
 
 けれど私は、その光から目を逸らすことができない。
 
 あえて名前をつけるのなら——
ヲタクはきっと、※「デカダン・ロマン主義者」なのだと思います。

※学術上、メインストリームな用語ではありませんが、ロマン主義の末期的な退廃要素や、世紀末の耽美主義・デカダンス(退廃主義)を指す言葉として、関連性の中で言及されることはあります。 

 

「オタクの迷宮」は、そんな美しさを追いかけながら、観て、感じて、考えたことを綴ってきた場所。
 
 そしてこれからもきっと、変わらない。
 

◆歴史に見る"滅びの英雄"たち

・理想に焼かれた男------トマス・エドワード・ロレンス(1888〜1935)

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アラビアの砂漠に身を投じ、アラブの独立という理想に生きた大英帝国の軍人。
しかし彼の理想は、大国の思惑の中で裏切られていく。
彼自身もまた、英雄でありながら、どこか壊れていくような影を帯びていた。
勝利の中にすでに破綻を孕んでいた存在。
その矛盾こそが、ロレンスという人物の美しさなのだと思います。

 

・美と権力の頂点で滅びた男-----チェーザレ・ボルジア(1475〜1507)

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ルネサンス期イタリアに現れた、冷酷無比にして魅力的な権力者。彼は法王の私生児でした。


知性、戦略、美貌、カリスマ——
法王の権力を盾に全てを掌握した瞬間、彼の運命はあまりにも急激に転落していきます。
その姿はまるで、頂点に達した瞬間から崩れ始める彫像のよう。
完全であるがゆえに、長くは続かない。
ボルジアの人生は、まさに“完成と崩壊が同時に存在する美”でした。

 

・滅びを自ら選んだ男-------土方歳三

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 時代が終わるとわかっていながら、なお戦い続けた男。
新選組副長として、最後まで旧幕府に殉じ、箱館で散ったその姿は、
まさに日本的な「滅びの美」を体現しています。

 生き延びる道がなかったわけではない。
それでも彼は、あえて滅びる側に身を置いた。
その選択にこそ、燦然と輝く美がある。

 

★『オタクの迷宮』そして、これから 

 このブログは、ヲタクが自分のアンテナに引っかかったもの、本当に心が動いたものだけを置いている小さな図書館のようなもの。

 

 その偏愛の覚書を読んで、少しでも感じて、考えて頂ければ幸いです。

 
 これからも『オタクの迷宮』は

映画を観て、舞台に心を震わせ、
誰かの演技に魂を揺さぶられながら、
 
 その中にある「滅んでゆく前の、一瞬の輝き」を探し続けていくのだと思います。
 
 

今日もどこかで、
滅びゆくものの中にある美を探して、
ヲタクは迷走中😅

 


 

 

 

 

 

 

なぜ私はアイルランド俳優に惹かれるのか——ケルトの情念と“滅びの美”

ケルトの十字架(ハイクロス)は、神性、永遠の愛、大地、そして魂の再生を意味する。

 

 

 前回、ジェシー・バックリーが『ハムネット』でアカデミー主演女優賞を受賞したことについて記事を書きました。ジェシーはデビュー直後から、その卓越した演技に魅せられてずっと追いかけてきた女優さんですが、なぜこんなにも彼女に惹かれるのか。

 

 答えを探し続けていたヲタクは一つの答に行き着きました。それは-------

アイルランド。ひいては、ケルト文化。


ジェシーだけでなく、スクリーンの中でヲタクがこれまでどうしようもなく魅了されてきた俳優たちには共通点があります。

 

どこか壊れそうな危うさ。
その奥に潜む、言葉にならない陰影や、ふとした瞬間に噴き出す、マグマのような情念。

 

ケルトの血を引く彼らに、無意識のうちに私は、強く惹かれていたのです。

 

◆スクリーンに宿る"滅びの美"

ケルトの情念を体現する俳優たち

 

気高き孤高の人、ピーター・オトゥール

その源流を辿るなら、やはりこの人に行き着きます。ヲタクにとって、所謂「推し活」の元祖はピーター・オトゥール。


映画『アラビアのロレンス』(1962年 監督:デヴィッド・リーン)で彼が演じたのは、
理想と現実の狭間で引き裂かれていく男。
青い瞳に宿るのは、英雄の輝きと同時に、どこか危うい狂気。

 

 その立ち姿はあまりにも美しく、そして同時に、
崩壊へと向かっていくことを予感させる。
気高く、孤独で、そして壊れていく。
ピーター・オトゥールの演技には、
すでに“滅びの美学”が宿っていました。

 

 高校の頃、ピーターの演技を通じて、彼が演じた実在の人物トマス・エドワード・ロレンスにも夢中になり、受験勉強そっちのけで彼の大書『Seven Pillars of Wisdom(知恵の七柱)』を辞書首っ引きで読みふけり、挙句の果てには高3の夏休み、予備校をサボって横浜から熱海の小さな映画館に『アラビアのロレンス』を観に行きました。-------しかし、ヲタクが観に行ったその日だけその映画館は「夏休み親子映画大会」で、アニメ上映中だった…という悲惨な結末(笑)

 

静寂の中の密やかな狂気------キリアン・マーフィ

 一見すると抑制的で、理知的。
けれどその内側には、決して消えることのない、ヒリヒリとした緊張感がある。

 

 キリアン・マーフィの演技は、
爆発するのではなく、静かに“ひび割れていく”。
その微細な揺らぎが、私たちの心をざわつかせる。
その均衡の危うさこそが、彼の魅力です。

 

感情の臨界点------アンドリュー・スコット

 そしてもう一人。
アンドリュー・スコットの演技には、
抑えきれない感情が、常にぎりぎりのところで揺れています。
静かに語っているだけの場面でさえ、
どこかに破裂寸前のエネルギーが潜んでいる。
その感情は、美しく、そしてどこか危険です。
まるで、触れれば崩れて、しかも人を傷つける凶器にもなるガラスのように。

 

昔から言われています。
アイルランド人俳優が舞台に立つと、舞台が燃える*と。


 それは決して誇張ではありません。 


彼らの中には、
理性では制御しきれない“何か”がある。
それは、古代から受け継がれてきた
ケルトの情念そのものなのかもしれません。

 

 そしてこの感覚は、やがてひとつの言葉へと繋がっていきます。
——“滅びの美学”へ。

 

★全てはあの場所から始まった---アイルランド西海岸

 すべての始まりは、あの場所だったのかもしれません。


 30年前、ヲタクはアイルランドを旅していました。
ロンドンからコークへ飛び、
キラーニーの森と湖、中世の城の廃墟を巡り、
ディングル半島の荒々しい海岸線を走り抜けて、
たどり着いたのが、最西端の断崖——

 そこに立ったとき、ヲタクは言葉を失いました。
目の前に広がるのは、どこまでも続く大西洋。
空と海の境界すら曖昧な、灰色の世界。
風は容赦なく吹きつけ、
足元の崖は、ただまっすぐに海へと落ちていく。
——この先には、もう何もない。
そんな感覚が、身体の奥に静かに広がっていきました。

まるで子どもの頃に夢見ていた“異世界”に、
自分が立っているような気がしました。

ケルトの人々が、海の向こうに異界を見た理由が、
そのとき初めて、体感として理解できた気がしたのです。

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 終わりの気配を孕んだ風景。
永遠ではないことを知っているからこそ、美しく見える世界。

 

 だからヲタクはその後も、
映画の中に、
俳優の演技の中に、
歴史の人物の中に、
同じ感覚を探し続けてきたのだと思います。

アイルランドの断崖で感じた、あの“何か”を。

 

 

舞台が燃える女優――ジェシー・バックリー、アカデミー主演女優賞へ

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 かつてオリヴィア・コールマンに

私の頭に浮かぶなかでは最高の俳優

と称されたジェシー・バックリーが『ハムネット』(クロエ・ジャオ監督)の演技で、ついにアカデミー賞主演女優賞を受賞‼️

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 ヲタクが最初に彼女の演技を見たのは、激推しジャクロことジャック・ロウデンが、ロシア貴族ニコライ・ロストフを演じたBBCのドラマ『戦争と平和』。ニコライが家の再興のため、政略結婚の相手として選んだ資産家の娘、マリヤ・ボルコンスカヤを演じていたのがジェシーなんですよね。恋する相手に愛されない哀愁と、それでもなお地に足をつけて生きていこうとする勁さを、抑制の効いた演技で表現していて、見事でした。

 

 マリヤ役のイメージから、堅実で落ち着いたタイプの女性かと思いきや、次に見た『ワイルドローズ』での、感情を一気に爆発させるようなマグマみたいな演技に、ヲタクは目を白黒(笑)シングルマザーのカントリー歌手の役で、パワフルな歌声にもビックリ🤯

 

 その後は彼女、演技派スタァへの道をまっしぐら。役柄も、有能なキャリア秘書(『ジュディ 虹の彼方に』)、実在しているのかしていないのか、まるで幻想のようなリアリティの無い女性(『もう終わりにしよう。』)、戦前アメリカの良妻賢母(『クーリエ:最高機密の運び屋』) 、母親と女性、2つのペルソナに引き裂かれる女性(『ロスト・ドーター』)、夫からの激しい暴力に苛まれる妻(『ウーマントーキング 私たちの選択』)…と、あってあらゆる役柄を演じきり、当代きってのカメレオン女優となりました。出演作も良作揃い。脚本選びの慧眼にもオドロキです。

 

 また、彼女を語る上で忘れてはならないのが、彼女がアイルランド人だということ。

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※当代随一の演技派女優を生んだアイルランドのキラーニー。ヲタクは30年前にアイルランドを旅した時、立ち寄りました。森と湖に囲まれた、童話のように美しい土地です。

 

 端正で理性的な英国人俳優と違い、アイルランド出身の俳優は感情爆発、情念剥き出しのタイプが多いんです。そしてその一方で、沈むゆく夕陽の民族と言われたケルト人の血が騒ぐのか、壊れそうな繊細さ、時には狂気を垣間見せる。

 

 男性で言うなら、古くはピーター・オトゥール(『アラビアのロレンス』)まで遡ります。現在、中堅〜ベテラン勢ではキリアン・マーフィ、コリン・ファレル、アンドリュー・スコット、エイダン・ターナー、若手では『ハムネット』でジェシーの相手役を務めたポール・メスカル、バリー・コーガン、女性ならシアーシャ・ローナン、そして我らがジェシー・バックリー❗️……ね、何だか系統が見えてきたでしょう❓️

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※ケルトの情念を宿したアイルランド人俳優たち。

(上段左から)エイダン・ターナー、キリアン・マーフィ、コリン・ファレル

(中段左から)ポール・メスカル、アンドリュー・スコット

(下段左から)シアーシャ・ローナン、バリー・コーガン

 

 またアイルランドには、イェーツやグレゴリー、ジョン M. シングを輩出したアビー座(Abbey Theatre)をはじめとした舞台文化の確たる伝統があるので、映画やTVで活躍するアイルランド人俳優も、舞台出身の人が多いんです。ジェシーもまた名門・王立演劇学校の出身で、シェイクスピアをはじめとして数々の舞台を踏んできました。

 

 ヲタク、NTL(ナショナル・シアター・ライブ)で、ジェシーとジョシュ・オコナーの『ロミオとジュリエット』観ましたけどね、ジェシーのジュリエット、情念の爆発、凄かったですよ。なんかジュリエットの情熱にロミオが巻き込まれ事故…みたいな感じで(笑)

 

 昔から、アイルランド人俳優が演じると、「舞台が燃える🔥🔥」って言われてるらしい😅ジョシュ・オコナーも、苗字(オコナー)から見るとアイルランド系な筈なんですが、出身はイングランドのチェルトナムだよなぁ…。生粋のアイルランドっ子の炎には敵わなかったかな(笑)

 

 今回のアカデミー賞受賞式のスピーチでも彼女、ありったけの喜びと、関係者や家族に感謝を爆発させていましたよね。特に、遠くアイルランドから駆けつけたご両親を前にしてのスピーチ-------

 お父さん、お母さん、夢を見ることを教えてくれてありがとう。

自分自身の情熱を貫くことを教えてくれてありがとう。

は、聴く者全員の心を打ちました。

 

 アカデミー賞の前にジェシーは、『キャバレー』のヒロイン、サリー・ボウルズ役で、2022年英国演劇賞の最高峰と呼ばれるローレンス・オリヴィエ賞(ミュージカル部門)を受賞していますが、それも彼女のキャリアを考えると象徴的ですよね。

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※2022年、エディ・レッドメインと共にローレンス・オリヴィエ賞を受賞したジェシー・バックリー

 

★そして、ジェシー・バックリーのこれから

 彼女の演技人生で最高の演技を見せていると言われている、アカデミー主演女優賞の対象作品『ハムネット』(シェイクスピアの息子ハムネットの死と、それを乗り越えようとする夫婦を描いた歴史ドラマ)彼女は作中で、文豪シェイクスピアの良き妻アン・ハサウェイを演じています。(日本公開は4月10日)

 

 そのすぐ1週間前(4月3日)に公開されるのが、これまた『ハムネット』とは対極、アバンギャルドでぶっ飛んだフランケンシュタインの花嫁を演じる『ザ・ブライド❗️』

 

 ジェシーとはすでに『ロスト・ドーター』でタッグを組んだマギー・ギレンホールが脚本・監督を務め、怪物フランケンシュタインを演じるのがあの名優クリスチャン・ベール。男女の違いはあれど、同じカメレオン俳優のガチ対決ですね。こちらも楽しみ。

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 古代ケルト人にとって炎とは、単なる暖房や照明ではなく、「清め」「保護」「再生」を象徴する神聖なエネルギーでした。
 

 そんなケルトの情念をその身に宿した女優、ジェシー・バックリー。これから彼女がどんな炎をスクリーンに放つのか、ヲタクはまだまだ追いかけ続けたいと思います。

 

👇️ジェシー・バックリーのことがもっと知りたい方はコチラ👇️

 

『なぜ今ジェシー・バックリーなのか❗️❓️

前哨戦制覇の理由がわかる映画5選+番外編』

https://www.rie4771.com/entry/2026/01/06/%E3%81%AA%E3%81%9C%E4%BB%8A%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%81%AA%E3%81%AE%E3%81%8B%EF%BC%9F%E5%89%8D%E5%93%A8%E6%88%A6%E5%88%B6%E8%A6%87%E3%81%AE

 

 

横浜元町で出逢った紅茶と、遠い日の珈琲〜ラ・ティエールとバンドホテル

 横浜元町で、忘れられない紅茶に出逢いました。

「ラ・ティエール」のオリジナル『元町ブレンド』

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 ラ・ティエールは、バンドホテルの跡地に建ったドン・キホーテの横にある、小さな小さな紅茶専門店。

 

 先日馬車道にあるフレンチ・レストラン「ビストロ・コヴェル Bistro Covell」でランチコースを頂いた時、食後のデザートと共にサーヴされた紅茶があまりにも香り高く美味で、シェフに思わず聞いてしまったのです。

 

これ、どこのブランドの紅茶ですか⁉️

 

 シェフの答えは意外なものでした。ヲタクが想像したマリアージュフレールでもフォションでもなく(華やかな香りはヨーロッパのティーメゾンかと思ったのです)、元町の小さな紅茶専門店のオリジナルブレンドであるとか。

 

 

 人ひとりがやっと通れるほどの狭く細長い店内には、70〜80種類ほどの紅茶の瓶が所狭しと並んでいます。レジを担当していた若い店長さん❓️に、ビストロ・コヴェルで出された紅茶に感動して買いに来たことを伝えると、凄く喜んで下さって「ありがとうございます。嬉しいです」って何度も言って下さって、こちらの方が恐縮しちゃいました😅ラ・ティエールの店長さんもビストロ・コヴェルのお料理のファンで、「あんな素敵なお料理の役に立っているなら嬉しい」と仰っていました。

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 『元町ブレンド』は、キームンとスリランカの紅茶をベースに、従来のアールグレイのベルガモットとローズフレーバーはそのままに、マローブルーやローズレッドをプラスして華やかさを加味したそう。

 

 爽やかな横浜らしい海風を感じるすっきりとした味わいは独特な文化を育んできた元町らしさを表現しています。「元町ブレンド」はテイエールのスタンダード・アールグレイです。

-----お店の公式HPの商品紹介より

 

 山下公園のほうから吹いてくる春めいた海風に吹かれながら、ふとしたことから結ばれた素敵な出逢いに感謝する今日のヲタクなのでした。

 

 今日のカテゴリーは「大人の再発見旅」。え❓️近くの紅茶屋さんにただ紅茶買いに行くのがなんで旅なの、ですって❓️

 

 ヲタクにとっては列車や飛行機に乗って遠くへ行かなくても、視点を変えて新たな美しいものを発見できれば、それが近所のお店でも、見慣れた川のほとりでも、立派な「旅」なんですね😉

 

 これからも時折、こんな小さな発見をブログに書き綴っていきますので、もしよろしかったら、お付き合い下さいませ。

 

★よこはま、たそがれ

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 今はドン・キホーテになっていますが、1929年から1999年まではバンドホテルが建っていました。大学の同級生が卒業直前、故郷の金沢に帰る前に横浜見物したい…というので、2人でバンドホテルに一泊して、ヲタクが元町や港の見える丘公園、外人墓地を1日案内しましたっけ。半世紀近く前、大学生はみんな貧しくて😅今思えばあれが私たちの卒業旅行だったんだね。

 

 ホテルの喫茶室で2人で大人ぶって飲んだコーヒーが凄く苦かった。本当はクリームソーダ飲みたかったんだけど(笑)

 

 バンドホテルはまた、五木ひろしの名曲『よこはま、たそがれ』のモデルになったホテルでもあります。

 

よこはま たそがれ ホテルの小部屋

…って歌詞ですね。

 

バンドホテルももはや過去の幻。金沢の友人とも今は音信不通になってしまった。

 

 あの時ふたりで飲んだ珈琲の苦さだけが、半世紀経った今でも、ふとした拍子に蘇る。

 

 

宮本浩次『俺と、友だち』Blu-ray感想〜原点のSHELTERからさらに高みへ

 宮本浩次さんが、ベーシストのキタダマキさんと 2025年10月8日、 下北沢のSHELTERで決行した「俺と、友だち」ライブがBlu-rayになりました❗️

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★宮本浩次にとって特別な場所、下北沢SHELTER

 2013年、当時特発性難聴で療養中の宮本さんは、日比谷野音でのコンサートで完全復活を目指していました。下北沢SHELTERは、そんな宮本さんが野音の直前、サプライズ登場して、『めんどくせえ』を力強く歌い上げ、復活の狼煙を上げた場所。

 そしてまたSHELTERは、ASIAN KUNG-FU GENERATION、マカロニえんぴつ、THE BLUE HEARTSなど、数多のロックバンドがここから世に羽ばたいていった、日本ライブハウス文化の象徴とも言える場所でもあります。

 

 多くの新人ミュージシャンたちがひしめき合い、しのぎを削り合い、世に出ていったSHELTERで、宮本さんほどのキャリアと名声のあるミュージシャンが、再び原点に立って新たな出発をしようとしている-------。

 

 そんな真摯な姿を画面越しに見るだけで、ヲタクはもう胸いっぱいになります🥲

 

★Blu-ray『俺と、友だち』セットリスト

・夢を見ようぜ

・going my way

・It’s only lonely crazy days

・悲しみの果て

・孤独な旅人

・明日に向かって走れ

・恋に落ちて-Fall in Love-

・No more cry

・ガストロンジャー

・赤い薔薇

・今宵の月のように

・Hello, I love you

・風と私の物語

・First Love

 

★熟練ロックが爆発したSHELTERの夜

 若さに任せて突っ走るパンクでアナーキーなロックとは、またひと味違う。

 

 宮本さんにもキタダさんにも、歌を、技倆を、とことん突き詰めて、磨き上げた先にある自由奔放さが愉しげに躍っていた。そして2人は、その熟練のロックを、SHELTERの密度の濃い空間で爆発させる❗️

 

 2年前、ヲタクが生で見たアイアン・メイデンやジューダス・プリーストの奏でる音にも通じる名人芸。

それは原点回帰ともまた違う。

高みに登ってからの、さらなる飛躍。

 

★『新しい旅』ツァーで魅せた宮本浩次の別の貌

 ヲタクは下北沢SHELTER〜『俺と友だち』武道館公演が終わった後(残念ながら両方ハズレたのです😅)、『新しい旅』ツァー初日(武道館)に参戦しましたが、そこには、SHELTERでの剥き出しの野性とは全く異なる、ポップでスタイリッシュ、都会的な風貌で観客を魅了する宮本浩次が居ました。

 

★60歳を前にして、宮本浩次はどこまで高みに登っていくのか。

 折しも今夜は『新しい旅』全国ツァー千秋楽、札幌。

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 ドラムの玉田豊夢さんが

最高の旅になりました。

ありがとうございました。

という言葉と共に、Xにポストして下さった札幌文化芸術劇場の写真を眺めつつ、

CDに収録された『明日を行け』(俺と、友だちver.)を繰り返し聴きながら、

宮本さんのこれからに想いを馳せている今宵のヲタクです😉

 

👇️宮本浩次『新しい旅』武道館初日のライブレポはコチラ👇️

https://www.rie4771.com/entry/2026/01/10/%E5%AE%89%E5%BF%83%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%84%E3%82%88%E2%80%95%E2%80%95%E5%AE%AE%E6%9C%AC%E6%B5%A9%E6%AC%A1%E3%80%8E%E6%96%B0%E3%81%97%E3%81%84%E6%97%85%E3%80%8F%E6%AD%A6%E9%81%93%E9%A4%A8%E5%88%9D

 

愛すべき最低野郎の青春『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』感想

 相鉄線ゆめが丘駅前のシネコン「109シネマズゆめが丘」にて、ティモシー・シャラメ主演『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』初日❗️

 

 2日後にアカデミー賞受賞式が迫っているから、発表前に見れて良かったぁぁ。毎年この時期になると、このブログの中で、「あーーっ、ノミネートされてるあの作品もこの作品もまだ見てないっっ」って叫んでるヲタクだから。 

 

 監督賞、主演男優賞、脚本賞、撮影賞、編集賞、美術賞、衣装デザイン賞、キャスティング賞と、主要4部門を含む9部門にノミネートされているこの作品ですが、何と言っても最大の見どころは、30歳という若さで、2018年に『君の名前で僕を呼んで』、2025年に『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』と、すでに2度主演男優賞にノミネートされているティモシー・シャラメが、「3度目の正直成るか❗️❓️」という点。

 

 ヲタク、断言しましょう。

ティモシー・シャラメのアカデミー主演男優賞受賞の確率は90%であると❗️

 

 ティモシーの素晴らしい人物造型(それはつまり、誰もから愛される正統派プリンスの称号をかなぐり捨てたということ)、そして本物の卓球選手と見紛うほどの試合シーンは、手に汗握るド迫力です。

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これはアメリカンドリームを目指したサイテー男の成長を描いた、青春ドラマです。

(但し、制作はA24、監督はジョシュア・サフディであるため、正統派の青春ドラマではありません 笑)

 

 時は1952年、第2次世界大戦終戦から7年後のニューヨーク。マーティ・マウザー(ティモシー・シャラメ)は、親戚の靴屋で働きながら、卓球の世界チャンピオンを目指す青年。チャンピオンになって大金持ちになることを目指すも、ロンドン世界卓球選手権の決勝戦で無名の日本人選手エンドウにあえなく敗れて一文無しになったうえ、しかも勝手に選手宿舎を抜け出して最高級ホテルのリッツに宿泊したせいで、全米卓球協会から多額の罰金まで科せられてしまいます。

 

 それでも、今度は東京で開かれる卓球の世界選手権に出場し、打倒エンドウを目指すマーティは、あってあらゆる手段を使って日本への旅費を手にしようと奮闘しますが-------。

 

★愛すべき最低野郎を魅力的に演じるティモシー・シャラメ

 家庭持ちの女性と不倫の末、子供ができると「ぜーったい、オレの子じゃないっ。自分で責任取れ❗️」と叫び散らし、その一方で旅費を稼ぐために往年の大女優(グウィネス・パルトロウ)を口説き落とす、どーしよーもない奴なんだけど、にっこり笑って「ごめんね」って言われるとつい許したくなる、愛すべきクズ野郎をシャラメが生き生きと演じています。さすが、プリンス・オブ・ハリウッドの称号はダテじゃない(笑)

 

★アメリカ的物質主義とアメリカンドリームの挫折

 主人公のマーティを取り巻く人々--------パトロンのペン会社の社長にしろ、浮気相手の大女優ケイ(グウィネス・パルトロウ)にしろみんなお金、お金、お金⋯と、物欲にまみれたモンスターたちばかりで、映画を見ているうちにヲタクは、(あ、あれ❓️1950年代のアメリカってこんな感じだったの❓️)って目を白黒🤯

 

 戦後のアメリカが、世界一の経済大国・軍事大国として突き進んでいた時代のイケイケ❓️な空気が、どこか皮肉を込めて描かれているようにも見えました。

 

 また、もう一つ面白かったのは、マーティがユダヤ人であること。監督のジョシュ・サフディ自身もユダヤ系で、映画の中ではユダヤ人が自虐的に揶揄されるような場面もたびたび登場します。(ロンドンの世界選手権準決勝で、マーティがやはりユダヤ人と戦うんだけど、「ヒトラーに代わって殲滅してやるよ」なんて言うんですよ。コード、ギリじゃない❓️😅)


 もちろんこれは外部からの差別というより、ユダヤ文化特有の“自己風刺”的ユーモア。アメリカ映画には昔からこうしたユダヤ系コメディの伝統があり、この作品もその系譜にあるのかもしれません。

 

 今作品は、最初はただ有名になりたい、おカネが欲しい⋯と、「アメリカンドリーム」の実現で頭いっぱいだったマーティがラスト、エンドウとのヤラセ試合を断って彼との真剣勝負に臨むことで、自分自身にとって一番大切なものに気付く⋯という、一人の青年の精神的成長を描いた、いわばビルディングスロマンなんですね。

 

 クセつよの人間たちが欲望のまま暴れ回る前半は、いかにもジョシュ・サフディ監督らしい混沌(カオス)ワールド。しかし物語はラスト、意外なほどまっすぐな青春ドラマへと一気になだれ込みます😅

 

★マーティの成長のきっかけになる日本

 マーティの、欲望に塗れた物質主義から精神主義への転換のきっかけとなるのが、日本人選手エンドウ。クズなチャラ男のマーティとは正反対、東京大空襲で聴力を失い、普段は一機械工として工場で働きながら卓球を続けていて、世界チャンピオンになったことで、敗戦で焼け野原になってしまった日本の復興のシンボルになった⋯という設定です。昨年の東京デフリンピックで銅メダルを獲得した川口功人選手が、サフディ監督の熱烈ラブコールで出演を決めたそうで、寡黙で生真面目なエンドウぴったりの熱演を見せています。

 

 『マーティ・シュプリーム』で描かれる日本人は、物静かで礼儀正しく、敵であるマーティにさえ拍手を送る人々。今、海外から日本人はこんなふうに見られるようになったんでしょうか❓️⋯なんだか嬉しいような、こそばゆいような(笑)

 

 これまでハリウッド映画が描く日本像は、時にステレオタイプになりがちだったけれど、この作品には、温かいリスペクトが感じられました。

 

なぜだろう❓️

 

 聞けば監督のジョシュ・サフディは昔から日本が好きで、5年間日本語を勉強していたこともあるそう。また、彼の曽祖父は、第二次大戦後の日本で弁護士をしながら、ステーキ店も経営していた人で、大叔父さんは1954年に東京でバル・ミツバ(ユダヤ系の13歳の男子のための成人儀式)を受けたそうです。一族揃って親日家なんですね。

 

 ジャパンプレミアでティモシーは-------

らはどうしても日本で撮影したいという目的意識を持っていました。

 もちろんニューヨークでセットを組んで、日本のようにみせるチートはできるけれど、この作品には日本や東京という要素が大きく関わっているから、きちんと日本で撮影することがすごく重要だったんです。

 世界のみなさんがこの作品を気に入ってくれているので、日本のみなさんもそれに続いてくださるといいなと思っています。

と、監督ともども日本への熱い想いを語ってくれました。

 

こんなに日本愛に溢れた作品、

日本人なら、応援するっきゃないでしょ❗️(笑)

 

 

ティモシーの新たな魅力に出逢いたい人には、

間違いなくおススメの1本です💗

(注:若いお嬢さんたちにはちょっぴり刺激が強いかもしれない 笑)