オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、鑑賞後の感想を呟いたりしています。今はおうちで珈琲片手に映画やドラマを観る時間が至福。

ソーダバーグのブラックジョークサクレツ!〜『ザ・ランドロマット パナマ文書流出』

 
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 Netflix『ザ・ランドロマット パナマ文書流出』鑑賞。

 

 オープニング、原始人たちが狩りの獲物を頬張っているところに、真っ白なスーツに身を固めたスタイリッシュなイケおじ2人(ゲイリー・オールドマンアントニオ・バンデラス!)が出てきて「カネのない時代は物々交換だった。自分の持っているものを欲しいものと交換してた。ところがカネが生まれてからというもの、モノを持ち歩く必要がなくなった。それどころか未来を買うこともできる。債権、ファンド、ローン、デリバティブ空売り、株……」と、おカネの話を滔々とし始めます(え?これ何の話だったっけ?)って頭ぐるぐるしてると、場面は突如変わってある老夫婦の話に。


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※悪徳弁護士を演じるゲイリー・オールドマン(左)とアントニオ・バンデラス(右)

 

 ジョー・マーティンは、妻エレン(メリル・ストリープ)と共に、結婚40周年記念の旅行に出かけようとしていました。老いて足元も覚束ないジョーを支えながら、遊覧船に乗り込みます。隣の客と会話を楽しみながら景色を眺めていた2人ですが、それも束の間、突然高波が起こり、船は転覆、乗客は次々と湖に投げ出されます。エレンはやっとの思いで泳いで助かりましたが、ジョーはそのまま帰らぬ人に。結果的に21名が死亡する大惨事となりました。エレンはあまりのことに呆然としますが、早速弁護士が家にやって来て、訴訟などは起こさず、船会社が保険に入っている筈で、賠償金が出るからそれで示談するように話し、エレンはそれを呑みますが、実際の賠償金の額の少なさに愕然とします。船会社が契約していた保険会社は、西インド諸島にある「ユナイテッド再保険」を再保険契約を結んでいたため、賠償額に納得のいかないエレンは「ユナイテッド再保険」を訪ねて直接交渉を行おうと決意、はるばる西インド諸島に飛びます。ところがところが、メモした住所を尋ねると、そこはなんと郵便局でした。「ユナイテッド再保険」は、じつは富裕層が税金逃れのために立ち上げたペーパー・カンパニーで、その種のオフショア企業の登録案件を一手に取り仕切っているのがパナマにある「モサク・フォンセカ」という弁護士事務所だったのです。共同経営者がモサク(ゲイリー・オールドマン)とフォンセカ(アントニオ・バンデラス)というわけ。


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※金融業界の闇に気付いて調査を開始するにわか主婦探偵エレンを演じるのは、ご存知名女優のメリル・ストリープ。実は彼女、この作品では二役を演じていて、ラストの種明かしでビックリ仰天(゚Д゚)お楽しみに。

 

 この2人の悪徳弁護士の悪事がバラされる顛末と、その顧客たちの、※色と欲にまみれたエピソードが、監督のスティーブン・ソーダバーグのブラックジョーク満載で、次々と(しかもどこかスタイリッシュに)展開していきます。

※娘の親友との不倫現場を娘に目撃された実業家が口封じのため2000万ドルの無記名株を譲渡するものの、果たしてその株の現在の価値は……!?といった話や、英国人実業家とペーパーカンパニーの取引をしていた政府権力者の妻が、政府当局にバレそうになったため、その英国人に殺鼠剤を飲ませる話など。

 

 モデルになった「モサク・フォンセカ」はこの件が明るみになったおかげで解散に追い込まれましたが、さらにNetflixを「本作は極めて中傷的な内容である」と、名誉毀損および商標権侵害で提訴しているようですね。評論家や一般の映画ファンの間でも評価は真っ二つ、賛否両論のもよう。

 

 ヲタクの場合は……

 

 先日観た『ダム$マネー ウォール街を狙え!』は株式市場の「闇」を正攻法で、しごく真っ当に描いていたから、観終わってからも(何よ、株式市場も結局一握りの金持ちにいいように牛耳られてるんじゃない!)って憤懣やる方なかったんだけど、今作ではおカネの亡者化した富裕層と、それに取り入って甘い汁を吸おうとするワルのえげつなさと滑稽さをソーダバーグが思い切りふざけ散らかして描いているもんだから、(こんな生き方するくらいなら、よぶんなおカネなんていらないや。コツコツ働いて真面目に生きていこう)って思っちゃったんだよねー。

 

 ……ん?これってヲタク、まんまとソーダバーグの術中にハマっちゃったってこと!?(笑)

 

・おススメ度…★★★☆☆

評判通り、評価が分かれる作品かも。それにしてもメリル・ストリープがダサい中年のオバサン、ゲイリー・オールドマンアントニオ・バンデラスがチンケな小悪党をノリノリで演じてる。(しかも3人とも群像劇のOne of Themで、演技力の発揮どころは少なし^^;)こんな贅沢なキャスティングはソーダバーグならでは。

 

 ……それにしても題名のランドロマット(コインランドリー)、作品の内容とどう繋がるの?ソーダバーグさん、おせーて!

 

 

 

 

 

『アクアマン/失われた王国』プレミアム配信開始〜BGMはステッペンウルフ

 
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 単独の『アクアマン』シリーズ待望第二弾『失われた王国』が早くもプレミアム配信開始〜〜〜ぱちぱちぱち。ヲタクはスマートTVのプレステからAppleTVで観ました。やっぱり解像度が違う!キレイだわ〜。


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 前作では仲良しゲンカばかりしていたアクアマンことアーサー・カリー(ジェイソン・モモア)とメラ(アンバー・ハード)ですが、いつのまにやら結婚して赤ちゃんができてたのにはびっくり。やるな、アクアマン(笑)赤ちゃんのアーサー・ジュニアがまた可愛くて可愛くて…٩(♡ε♡ )۶夜泣きが酷くてもオムツ替えの時オシッコひっかけられてもアーサーはジュニアにメロメロ、子育てがんばってます(笑)シングルファザーばりにジュニアの世話を1人で背負ってるふうのアーサー。アトランティス王国の王妃でもあるメラはアクアマンのママ、元アトランティス王妃のアトランナ(ニコール・キッドマン)と同様、海底に常住しているのかと思いきや、突如人間のカッコしてジュニアとアーサーのところに現れたりして、いまいち設定がナゾ(笑)例のジョニデとの泥沼法廷闘争でその渦中にいたアンバー・ハード、極力出番を減らされたらしいけど、その影響もあるのかな。


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※ジョニデとの泥沼離婚裁判で、出演時間を20分以下に減らされちゃったらしいアンバー・ハード。メラ役にぴったりだったんだけどなぁ……残念!

 

さて、本題。

 

 もともと「海底王国の王さまなんてガラじゃないや、ぼくちん」ってヤサグレてたアーサーなので、「地球の温暖化により災害が多発、海底でも謎の疫病が流行り始めた、どうするべきか?」という大事な議題を海底諸国評議会で話し合っている途中も居眠りしてメラにドツカレる始末(^_^;)ジュニアのお世話でいつも寝不足だからしょうがないよね…。

 

 さてそんな中、温室効果ガスを大量に放出する危険物質オリカルクムがアトランティスの保管倉庫から盗まれる事件が発生、それを防ごうとしたメラは返り討ちにあって重傷を負ってしまいます。犯人は、極悪海賊の首領だった父を殺された恨みから逆ギレして、地の果て……いやもとい海の果てまでアクアマンを追いかけ、彼を殺す機会を伺っている超粘着質なブラックマンタ(ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世)。そんなブラックマンタが、かつて地上と海底征服を狙い、南極氷河の奥深くに封印されていた「失われた王国」を蘇らせ、世界を滅亡に導く危険な古代兵器ブラック・トライデント(邪悪な矛)を手にしてしまったものだからさあ大変。かつてないほどの危機に直面したアトランティスですが、アクアマンが真っ先に考えついたアイデアが、自ら王位を剥奪して幽閉した弟のオーシャンマスターことオーム(パトリック・ウィルソン)を解放して協力してもらおう……というのだから、ママのアトランナをはじめ周囲はビックリ(^_^;)さすがアクアマン、性善主義すぎるし楽天家すぎる(笑)しかし対するオームも、MCUのロキ(トム・ヒドルストン)なんかと違ってひどく真面目なカタブツキャラなんで、観ているこっちも(コイツどっかで裏切るんじゃないか!?)ってハラハラ感がなくて良き。また、幽閉中のオームが、ギリギリ生きられるだけの水を与えられ、妖怪みたいなおっかない兵士たちに殴られ蹴られ……の過酷な毎日を過ごしていた描写を事前に入れて、その後のオームの活躍を、観ている側がすんなり応援できるように持っていったのは、上手いなぁと思います。勧善懲悪のヒーローものには、こういうとこはちゃんと押さえて欲しいんだよね。さすが『ワイスピ』のジェームズ・ワン監督、人間模様もキッチリ押さえる職人肌。

 

 ……でも、「助けに来たぞー」って牢に飛び込んできたアクアマンに、「元はと言えばオマエが幽閉したんだろっ!」ってオームが突っ込み入れるシーンには思わず吹いちゃったけど(笑)幽閉されてる間にヒョロヒョロガリガリになってしまったオーム。(え?いつまでこのビジュアル?)って思ったヲタクでしたが、海水浴びたとたん、アクアマンにも負けないくらいバッキバキの元のオーム復活!(MCUキャプテン・アメリカの変身シーン思い出した)心配してソンした(笑)。その後も、ブラックマンタの海底要塞にオリカルクムを取り戻しに行くまでの2人の珍道中がめちゃくちゃ面白くて最高!
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※前作では敵同士でしたが、今作ではアトランティス最大の危機に力を合わせて立ち上がる兄アクアマン(右)と弟オーム(左)。

 

 息もつかせぬ高速アクションのド迫力(IMAX4Kで観たかったなー)、そしてクジラやシャチの超音波を利用して応戦するアイデアがアクアマンらしくて◎!またアーサー・ジュニアよろしく気に入らないとオシッコひっかけるタコちゃんキャラ「トポ」(注・意外にも表情が愛くるしい。フィギュア売ってるのかな。けっこう欲しいかも、トポフィギュア 笑)や、巨大なタツノオトシゴライダーら海洋生物総動員での大決戦シーンなど見どころ満載の『失われた王国』は、2013年から続いてきたDCUのラスト(2022年にジェームズ・ガンが新CEOに就任、向こう8年間の新たな制作方針が発表されたため)を飾るにふさわしい作品と言えるでしょう。2m近いムキムキ偉丈夫で、大学では海洋学を学んだという、まさに「アクアマン」そのものだったジェイソン・モモア。DCUで彼に(たぶん)もう会えないと思うとめっちゃ哀しいけど(;_;)/、諸行無常は世の常。『ジャスティス・リーグ』の仲間たちに目を向けても、新作に向けて準備万端だったガル・ガドットは『ワンダーウーマン3』の制作中止を突如として言い渡され、ヘンリー・カヴィルもまた『ウィッチャー』シリーズを降板してまでスーパーマン復帰に賭けたというのに、別俳優がキャスティングされたり……と、みんなかなり酷い目にあっているので、こんな素敵な作品でアクアマン卒業?の花道を飾れたのは、良しとしなくてはいけないのカモ……ですね。


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※アクアマンが乗ると「ひひ〜〜ん」って鳴いてハイスピードで泳ぎ出すタツノオトシゴタツノオトシゴがひひ〜〜んって…。わけわかんなくて最高!!(笑)

 

 個人的にはラストにステッペンウルフの『Born to be Wild(ワイルドで行こう!)』(映画『イージー★ライダー』(1969)のオープニングで使われた曲) が突如流れたのにめっちゃコーフンしたなぁ。MCUマイティ・ソー バトル・ロイヤル』で『移民の歌』(レッド・ツェッペリン)が流れた時と同じ症状(笑)。

 

 前作『アクアマン』を遥かに超えるスケールと面白さの『失われた王国』。家族皆で楽しめる良作です。(まだ映画館で上映している所もあるようです)


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※1970年代、全盛期のステッペンウルフ。カッコよかったなぁ……(*˘︶˘*).。.:*♡

・おススメ度……★★★★☆

現DCUラストを飾る超大作!

 

 

 

 

 

女性の解放とコルセット〜『ピアノ・レッスン』4Kデジタルリマスター版

 
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 ジェーン・カンピオン監督の名作『ピアノ・レッスン』が「公開30周年」の今年、4Kデジタル・リマスター版で再上映されるという嬉しいニュースが飛び込んできました!30年ぶりの上映とのこと。あれからもう30年経ったのかぁ……(遠い眼)。男性優位の社会に様々な面で抑圧されている女性が、性の愉悦を通じて心身共に開放されていくストーリーは、まあ『チャタレイ夫人の恋人』の二番煎じ……と言えなくもないんだけど、『チャタレイ夫人〜』の場合、原作者のD. H.ローレンスも男性だし、何度も映画化されてるけど監督も皆男性……ってことで、ヲタクからすると(ヲタクもいちおう女性のハシクレ)(なんかそこ、違うんだよなぁ〜)ってところがちょこちょこあったわけ。その点カンピオン監督の『ピアノ・レッスン』はまんま女性の観点から描かれていて、鮮烈でしたよね。当時かなり衝撃を受けたことを覚えています。


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※ヒロインが抱える様々な葛藤を、主として眼の表情だけで表現し尽くしたホリー・ハンター(左)は各映画賞の主演女優賞を総ナメ。一世一代の名演技でした。女性として目覚めていく母親を複雑な思いで見つめる思春期手前の娘フローラを演じたアンナ・パキン(右……当時なんと11才!)も素晴らしかった。

 

 時は19世紀末。スコットランドから、幼い娘フローラ(アンナ・パキン)を連れ、遠くニュージーランドに嫁いで来たエイダ(ホリー・ハンター)。口がきけない彼女の、唯一の感情表現はピアノを弾くこと。砕け散る高波の中、命の次に大事なピアノと共に海辺へ辿り着いたエイダとフローラでしたが、入植者である夫ジョージ(サム・ニール)は、その時海辺へ迎えに来てはいませんでした。満潮で荷物が流される中、一晩肩を寄せ合って真っ暗な海辺で過ごす母娘。あくる朝迎えに来たジョージは、湿地帯の中ピアノを家に運び込むのは大変だからと、なんと現地語の通訳を務めるベインズ(ハーヴェイ・カイテル)が所有する土地と物々交換することをアイダ本人に相談もせず独断で決めてしまいます。絶望するエイダ。一方、ふとしたきっかけから、自分が譲り受けたピアノが彼女にとって命にも代えがたいものだと知ったベインズは、「自分にピアノのレッスンをしてほしい」と願い出ます。それは単なる名目で、アイダに自由にピアノを弾かせ、彼女が奏でる音楽にうっとりと耳を傾けるベインズ。彼にとって、それは生まれて初めての体験でした。読み書きも満足にできず、原住民のマウリ族に馴染むために顔にイレズミを入れている無骨なベインズを当初は軽蔑していたエイダでしたが、彼の不器用な性格に隠れた優しさに触れるうち、次第に心を開くようになります。そして、運命の日が訪れて……!


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※無学だが、ヒロインに不器用で純粋な愛情を注ぐベインズを演じたハーヴェイ・カイテル。どんな女性の中にもおそらく、「男権社会から自由になりたい。一個人として自立したい」という欲求と、「女性として崇拝されたい、愛されたい」という感情のせめぎ合いが存在すると思うんですが、カンピオン監督はやはりそのへんの複雑な女性の感情を巧みに描いていたように思います。ベインズの人物像にもそれがよく現れていたような……。

 

 心の内奥に強烈な自我を秘めながら、ピアノという唯一の自己表現手段を奪われ、圧倒的な孤独感と様々な抑圧の下で生きるエイダ。そんな彼女がベインズによってはじめて本来の自分を認められ、ついに最後には笑顔を取り戻すプロセスは感動的。作品の中で、エイダを強烈に縛っている様々な軛(くびき)の象徴とも言うべきものが、当時の女性の身だしなみに必須であった「コルセット」。エイダを演じるホリー・ハンター、(もしかしてウェスト40センチ代じゃないの?)っていうくらい物凄い柳腰でね。カンピオン監督、彼女の後ろから何度も撮って、その細さを強調してましたよね。コルセットで上半身を締め上げて息もできないとか、失神しそうになる場面って、古くは『風と共に去りぬ』とか、新しいところだと昨年公開の映画『エリザベート1878』にも登場していました。『1878』のエリザベート皇后は※自分に押し付けられるルッキズムに反抗して、まるで鎧のようなコルセットを自ら脱ぎ捨てていましたが、エイダの場合は、生涯はじめて心を通わせた、そして自分を理解してくれた男性に「裸になってくれ」って懇願されてコルセットを脱ぎ捨てることで、本来の自分自身を取り戻すことができた……というね。

ウーマン・リブの黎明期には、女性解放の象徴としてブラジャーをつけない「ノーブラ運動」なんてのもあったんですよ(^_^;)今考えればウソみたいな話だけど(笑)


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※妻と恋人の愛の交歓を覗き見するジョージ(サム・ニール)。こういう、一見紳士面してじつはゴリゴリの男尊女卑主義者っていう役、サム・ニール上手いよねぇ。『それでも夜は明ける』のベネさまの嫌らしさと双璧(笑)

 

 観る側が男性か女性かによって評価が分かれるかも^^; あなたが女性だったら、かなり刺さるかも。4Kデジタルリマスターの美しい映像で、3月22日より全国ロードショー公開です。

 

・おススメ度……★★★★☆

ニュージーランド海辺の映像美と、全編を彩るマイケル・ナイマンの流麗な音楽で★1つ追加!(笑)

 

 

日本も他人事じゃない〜『ダム$マネー ウォール街を狙え!』


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ダムマネー(Dumb Money)は、日本語で「愚かな資金」とも呼ばれ、マーケットにおいて、冷静な状況判断ができない投資家の資金をいいます。

冷静な状況判断ができる投資家の資金である「スマートマネー(賢い資金)」とは反対のもので、その時々のマーケットの雰囲気(世論)に左右され、例えば、マーケットが加熱して天井付近にある時でも強気になって投資されたりします。

……金融情報サイト「i Finance」より

 

 『ダム$マネー ウォール街を狙え!』鑑賞。

  

 いやもう、面白かったっすよ!

 

 原作は、わずか3年前アメリカで起きた※「ゲームストップ株騒動」を題材にしたベン・メズリッチ(『ソーシャル・ネットワーク』)の著作『反社会的ネットワーク /The Antisocial Network』。本になったのも映画化されたのも(ついでに)日本公開も超スピードだったね(笑)

※「ゲームストップ株騒動」とは、アメリカのゲーム販売会社「ゲームストップ」社の株価が、昨年2021年1に突如急騰、その後急落したという怪現象。そのからくりといえば、ネットで集まった投資家たちがウォール・ストリートヘッジファンドを暴落させる目的で、株を集団で買い上げたことが要因とされ、下院で公聴会まで開かれる国家的大問題に発展した。


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※『フェイブルマンズ』のスピルバーグのお父さん役のようにアメリカの良心の代表みたいな役を演じるかと思えば、『バットマン』のリドラーなど真性サイコパスも演じるポール・ダノ。彼の神演技にも注目!

 

 コロナ禍真っ最中の2020年、アメリカ。人の心は将来への不安と緊張で荒みきっていました。そんな中、マサチューセッツ州の会社員兼投資系ウェブサイトWSBの運営者キース(ポール・ダノ)は、全財産の5万ドルをゲームストップ株につぎ込んでいました。ゲームストップ社はゲームソフトの販売会社ですが、オンラインショップ全盛の昨今、従来の小売店方式を頑なに守っていたため業績はどん底、さらには長年億万長者たちの「空売り」攻撃を受けており、もはや倒産間近と噂されていました。しかし真性オタクのキースはそんなゲームストップ社が大好き(^_^;)ここはゲームストップ社のためにひと肌脱ごうと赤いハチマキで気合を入れ、ネコのTシャツを着た「ローリング・キティ」(彼の別アカウント名「ディープ・ファッキンバリュー」を聞いて、ヲタク吹き出す 笑)にヘンシン、ゲームストップ株がきわめて過小評価されているとネット民に大演説。見るからに誠実そうなキース(何せ演じているのがダノくんだからね、説得力あり)の主張に大勢の個人投資家が共感、ゲームストップ株を買い始め、ジワジワと株価が上昇。明くる2021年初頭には、「どうにもとまらない」株価の大暴騰。ついには、彼らの含み資産など「ダム・マネー」だとせせら笑っていたゲイブ・プロトキン率いるヘッジファンド運営会社メルビン・キャピタル・マネジメントが倒産危機にまで追い込まれる羽目に。1番びっくりしたのはキースご本人だったことでしょう。追い詰められたプロトキンは親友のケン・グリフィン(シタデルCEO)に「どうにかしてくれ」と泣きつきます。グリフィンは小口投資家たちが使っている株式売買サイト「ロビンフッド」の創業者ブラド・テネブ(セバスチャン・スタン)に圧力をかけ、サイトを一時閉鎖させて挽回を図ります。しかしそのことが小口投資家の逆鱗に触れ、取引再開後は再び彼らの「買い」意欲を燃え上がらせ、株価はついに天井高に。「ゲームストップ騒動」はアメリカ全土を巻き込み、株式市場を牛耳る一握りの億万長者たち(ライオン)と、彼らを倒そうとする名もなき投資家たち(ハイエナ)との全面戦争を呈していきます。この熾烈な戦いは果たしてどのような結末を迎えるのか……!?


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※我らがセバスタ(右)は、ロビンフッドの創業者役。ギレスビー監督のお気に入りなのか、監督作品に登場するのは『アイ,トーニャ ~史上最大のスキャンダル』、『パム & トミー』に続いて3作目。ヲタク的には、ブルガリア移民からのし上がったハングリーさの中にふと弱さを垣間見せる今回の役、めっちゃ好みかも〜〜٩(♡ε♡ )۶

 

 まずは主人公のキースを演じたポール・ダノが最高!このマネーゲームを始めたきっかけが金儲けというよりは、ゲームショップ応援のための「オタク魂の爆発だ〜」だったことが良かったよ、うん。彼が投資詐欺の疑いで起訴され、下院金融委員会の公聴会の尋問に答えた時、「貧しい家庭で育ち、名も無い大学を卒業したものの7年間就職浪人を経験した過去」を語ったくだりでヲタクはウルウルし始め、「かつて株式市場は誰もが知恵を絞って戦える平等な場所だった。しかし今は、ほんの一握りの大金持ちにいいようにされている」と熱弁を振るったところで大拍手〜〜!!ヲタクもローリング・キャットの信者になっちゃった(笑)……しかしキースが切々と訴えた、アメリカンドリームなんてもはや虚しき夢のまた夢、貧富の差が極限に達したアメリカのシビアな現状は決して他人事じゃない。日本もそうなりつつある、いや、もうなっているかもしれない(泣)


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※キースの強く賢い妻役にシェイリーン・ウッドリー(『ビッグ・リトル・ライズ』)。大事な局面でキースがいちいち奥さんにお伺いをたてるのがカワイイ。

シェイリーン・ウッドリー、直近に見たのは『愛しい人から最後の手紙』の、不倫に走るセレブ妻役だったけど、今回は真逆の役ですね。この人もポール・ダノ同様、憑依型のカメレオン俳優だなぁ。

 

 監督は、前述の『アイ,トーニャ ~史上最大のスキャンダル』や『パム & トミー』、『クルエラ』など、スキャンダラスなワルたちを描写させたら天下一品のクレイグ・ギレスビー。株とか資産運用にはとんと疎いヲタクのような人間でも、ハラハラ泣き笑いしながら、同時に金融業界や株式市場の裏側もお勉強できたワ。マニアックになりがちな題材を極上のエンターテイメントに仕上げたギレスビー監督に脱帽です!

 

★今日の小ネタ…株の空売り

公式サイトが株式市場の用語集を載せてくれているんだけど、それによれば空売りとは

ショート
株価の下落局面で利益を得ようとする投資手法。下がると見込んだ企業の株を、信用取引などを利用して“借りて売る”ことを指す。実際に下落した時点で買い戻すとその差額が利益になるが、逆に株価が上がると損失を被る。

……らしい。

そう言えば今思い出したんだけど、ホリエモンが「以前僕も空売りで稼がせてもらいました。……別に違法じゃありませんから」って言ってたよ。日本の株も一握りの金持ちに牛耳られてるのかよ、チクショー(笑)

 

・おススメ度…★★★★☆

2時間弱があっと言う間。中身の濃い1作。

 

 

女縁バンザイ!〜『彼女たちの革命前夜』

 
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 Amazonプライム・ビデオにて『彼女たちの革命前夜』(BBCフィルムズ)鑑賞。

 

 1970年、戦時下のベトナムアメリカの有名なコメディアン、ボブ・ホープミス・ワールドと共に登場、彼女にさりげなくボディタッチしながら「帰って家に彼女がいたら、共産主義者も戦争やめるだろ」なんて、今じゃ炎上必至なセリフを吐いて、兵士たちがやんやの大喝采…というシーンからこの映画は始まります。いかに性差別の酷い時代だったかということをこの冒頭のシーンだけでさりげなく伝える方法がニクイです。

 

 場面は変わって英国のロンドン。本作のヒロイン、シングルマザーのサリー(キーラ・ナイトレイ)は歴史を学び直したいと一念発起、見事合格したものの、同級生は(もちろん)はるか年下の男子学生ばかり。ゼミの討論でも主任教授は彼女をガン無視、論文のテーマに「女性の労働史」を選べば、「そんなテーマは限定的すぎる」と全否定。憧れの大学生活の理想と現実の落差に毎日鬱々とするサリーでしたが、折しもロンドンで初開催の女性解放運動のイベントで、ウーマン・リブ活動家のジョー(ジェシー・バックリー)と知り合います。ジョーはコミューンの仲間たちと共に、当時英国で1番の話題だったミス・ワールド大会を妨害しようという計画を立てていました。サリーは、志は同じでもジョーの「何でもかんでも実力行使」的なやり方に不安と反発を覚えましたが、ジョーから半ば強引に活動に引きずりこまれ……。


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 何せウーマン・リブも黎明期なもんだから活動そのものが行き当たりばったり(^_^;)、志は高くても実際は、女性蔑視なポスターにスプレー吹きかけるだけとかいまいちプリミティブ(笑)そんな彼女たちが「ミス・ワールド世界大会」の妨害なんて大それた計画を立てちゃったものだからさあ大変。事態は思わぬ方向に転がっていき、そのプロセスにハラハラドキドキ。若さゆえか、かなり危なっかしい彼女たちなので、おばさん心配なのよ(笑)。

 
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※ヲタク大好き、ジェシー・バックリー。彼女が画面に出てくるとつい目が行っちゃう。こういう、ちょっとヤサグレた役が似合うのよね(笑)

 

 何と言ってもサリーやジョーをはじめとする女性活動家たち、そしてミス・ワールドの参加者たちの共闘が最大の見どころ。「男性にモテたい」とか「選ばれたい」って思うと女同士はみんなライバルになっちゃうけど、彼女たちは当然そういう縛りはないわけで。「女性解放」っていう同じ目的のため(立場や方法論が違うのでたまに衝突はするんだけど)純粋に共闘する姿が描かれていて、見ててスカッとした❗

 

 ウーマン・リブの闘士たちの側だけではなく、ミスコンの出場者たちのキャラもしっかり描かれていて良かったなぁ。参加者の中でも一番人気のスウェーデン代表サンドラが実は、それを全く喜んでおらず(彼女は実は英国の大学で学び直すための資金作りのために参加しただけなのです)、「1列に並ばされてスリーサイズを測定されるなんて牛の市場と同じじゃん」と吐き捨てるかと思えば、「美を品評される」ことを逆手に取って、客室乗務員からTVキャスターに転身を狙う野心家のジェニファー(ググ・バサ=ロー)が、カリブ海の島グレナダ代表の黒人であるがゆえに記者たちからも無視されるなど、悲喜こもごもの場面が次々と展開します。女性解放の活動家によるミスコン妨害事件を『Misbehavior(不正行為…原題)』と名付けながらも、登場人物全てを是非だけで断罪せず、あらゆる視点から描いている群像劇といえるでしょう。


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カリブ海の小国グレナダ代表・ジェニファー役のググ・バサ=ロー。ジェニファーの存在によって、ミスコン自体が決して「悪」なのではなく、向上心の強い(特に発展途上国の)女性たちに、世に出るチャンスを与えるという役割を担ってきたのだという事実も垣間見ることができました。

 

 今作はBBCの製作なんだけど、こういう実話を基にした社会派のドラマ、ヲタクはだんぜん英国製が好き。アメリカ映画のこの手の作品って、アメリカ本来のピューリタン的な容赦の無さや、若干正義感の押し売りがハナについて重苦しい(暴言お許し下さいm(_ _)mあくまでも個人的な意見です)。様々な主義主張がぶつかり合う作品には、(うん、そういう考え方もあるよね)っていう、清濁併せ呑むオトナの余裕が欲しいんです。本作品では、ところどころにクスッと笑える皮肉とユーモアが滲んでいて、けっしてハッピーエンドとは言えないほろ苦い結末を救っています。2014年のやはりイギリス映画『パレードへようこそ』を思い出したなぁ……。ボブ・ホープの妻役にレスリー・マンヴィル、大会創設者の妻役にキーリー・ホーズと、英国を代表する名女優たちを脇に配したのも、質の高い作品になった理由の1つなのではないかと思います。

 

 女性解放運動の始まりや※アパルトヘイト問題など、背景となる当時の世界情勢も興味深く、現代史のお勉強材料としても◎!

※南アの黒人代表(当時南アに対して国連総会がアパルトヘイト廃止を求める強硬姿勢をとっていたため、大会の運営側が急遽参加を追加した)が政府から、反アパルトヘイト派のジャーナリストや政治家に接触したら本国に帰れなくなると脅迫されたエピソードにはゾッとしました。

 

 ラスト、サリーたちはゲストのボブ・ホープの女性蔑視極まりない下品なスピーチに耐えきれなくなり、「ボブ・ホープ、恥を知れ!」と叫びながら立ち上がるんですが、それをTVで見ていた奥さん(レスリー・マンヴィル)の表情が何とも言えなかったよね。作品のテーマが凝縮されているように感じた。原題は『Misbehavior』(不正行為)だけど、邦題を『彼女たちたちの革命前夜』にしたのは言い得て妙、素晴らしかったと思います。革命は成功しなかったけど、確実にそれは始まりだった……っていうね。ラストに登場人物のその後と「現在」を映してくれたのも粋な演出でした。そう言えば、エマ・コリンがキャストに名を連ねていたけど、どこに出てたんだろう……?最後までわからなかった(笑)


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※ミス・アメリカ役にスキ・ウォーターハウス。スキと言えば、交際中だったロバート・パティンソンと先日婚約発表しましたね。

 

・おススメ度……★★★★☆

ヲタクもオンナのはしくれ。女縁讃歌には弱いんだよねぇ。

 

 

イケメンしか出てこない〜華流ドラマ『君子盟』

-NEXTで、中国時代劇ドラマ『君子盟』(全29話)ついに配信開始〜〜!

 

 華流イケメンオタク?の間では以前から密かに評判になっていた『君子盟』。中国ドラマの場合、撮影が終わってから審査があるので、放送・配信されるまで1年程度期間が空きます。『君子盟』はそれ以上の時間がかかったようで、日本のCS衛星劇場で放映されたのが昨年(2023年)7月、そしてこの度晴れてDVDの発売、動画配信サイトで配信開始となったわけです。


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※竹を割ったような性格で、真実を解明するためには猪突猛進の張屏(左…ソン・ウェイロン)と、熾烈な朝廷の権力闘争に身を置き、冷血漢の仮面を被りながらも、実は魂の清らかさを失わない、まさに「蘭の貴公子」蘭珏(右…ジン・ボーラン)。

 

 「敵国に自国の機密情報を売り渡した」売国の罪で処刑された父の汚名を濯ぐ……という悲願を胸に秘め、雍(よう)国の朝廷で礼部侍郎という高い地位にまで上り詰めた蘭珏(らんかく…ジン・ボーラン)。幼い頃から父に「君子の心構え」を教えられて育った蘭珏にとって、父が売国奴などとは到底信じ難く、父の無実を証明することは、自分の命よりも大切なことだったのです。しかしそのために彼は、自身もかつての父と同様雍国の高級官僚でありながら、敵国で今は国交断絶状態にある南棟国と密かに通じなければならないという大きな矛盾を抱えていました。蘭珏は父が処刑された当時の状況を調べるため、南棟国宛に密書を送りますが、途中で金銭目当ての機密売買人洪羅に奪われてしまいます。蘭珏は知恵を絞り、隠密を使って密書を洪羅から奪い返しますが、偶然にも、その一部始終を見ていた貧しい挙子(科挙を目指す受験生)張屏(ちょうへい…ソン・ウェイロン)にそのからくりを見破られてしまいます。実は張屏は頭脳明晰、大理寺(最高裁判所)で働くことを夢見る、中国のシャーロック・ホームズとも言うべき、市井の名探偵だったのです。蘭珏が事件の黒幕と見抜いた彼は、真相を明らかにすべくある行動を起こしますが……。


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※左から、グオ・チョン、ソン・ウェイロン、ジン・ボーラン、ホン・ヤオの「イケメン四天王」笑

 

 性格も生い立ちも身分も全く違う張屏と蘭珏。初めは反目し合っていた2人が、朝廷に起きる奇々怪々な事件の数々や、科挙を巡るドロドロな陰謀等々……を共に解決するうち、互いに理解し合い、深い友愛の情を培っていく過程が胸アツ。まさに「君子盟(A League of Noblemen)」なのです!

 

 まあでも、本来中国はブロマンス(あるいはそれ以上(^_^;))の本場だもんねぇ〜。日本BL古典の代表作『菊花の約(きっかのちぎり)』(上田秋成作『雨月物語』のエピソードの一……衆道の契りを交わした恋人との再会の約束を守るため、約束の日の夜、自刃した男が幽霊となって現れる)は、中国の怪奇譚『古今小説』が元ネタだし…ムフフ。でも昨今の中国の情勢を鑑みると、よくこの内容で審査通ったなぁ〜って思うわ。彼らが解決していく事件の数々も、「吊り下げられたまま焼かれた美女の謎」とか、「優美な舞の途中で血色の霧が降り、身体中に亀裂が入って息絶えた踊り子怪死事件」とか、けっこうお耽美なのが多いんですよ。個人的には、こういう「美と恐怖」「(隠れ)エロとグロ」のアンサンブル、めっちゃ好きなんですけど。本編ももちろんですが、オープニングのモノクロ映像が、夢か現か幻か…って感じで素晴らしく美しい。張屏は「鏡花水月」っていう、人が普段無意識に抑圧しているトラウマや触れられたくない過去を引き出す術(まんまフロントの催眠療法みたいなもん^^;)の使い手なんですが、まるでそれを具現化したような幻想美溢れる映像です。



 なにせ、イケメン桃源郷とも言うべき贅沢時代劇。こんな国があったら住みたいわ(笑)しかしその代わり、女子といえば、朝廷で皇帝の代わりに絶大な権力を振るう皇太后をはじめとして、強くて怖くて一筋縄じゃいかない人たちばかり(^_^;)まっ、腐女子のハシクレとしては、おセンチなラブロマンスが織り込まれるより全然おっけー(笑)。


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※ミステリアスなイケメン辜清章(左…ワン・ドゥオ)は、物語後半の最重要人物!彼が登場してからストーリーは急展開。蘭さまを巡る恋愛……もとい、ブロマンス模様にドキドキ。

 

 何しろイケメン・パラダイスなんであちこち目移りする(^_^;)ヲタクも最初は、冷血漢を装いながらも傷つきやすい心を隠し持つ蘭さまか、はたまた直球勝負の正統派張屏か……って感じだったたんだけど、見ているうちに、蘭珏の盟友、王硯(おうけん…ホン・ヤオ)に目移りしちゃった。王硯は刑部侍郎(司法次官)の武闘派で、蘭さまひとすじ。朝廷の暗闘に巻き込まれた張屏を庇ったがゆえに皇太后の逆鱗に触れた蘭珏が捕らえられた時の王硯の取り乱しようときたら…。

 

イケメンには苦悶の表情がよく似合う(笑)

 

 前半でもじゅうぶんにイケパラなんですけど、後半になって、蘭さまの古い友人・辜清章(こせいしょう……ワン・ドゥオ)が登場、この2人の雰囲気がもう曰くありげで色っぽくてね、たまりませんわ(笑)それまでは謎解きいのちで、対人関係にはとんと疎く、少々コミュ障ぎみの張屏が、2人の様子を見て無意識に焼きもち焼く場面、ソン・ウェイロンの「年下の男の子」キャラ爆裂で可愛かった。ストーリー展開も三分の一位までは中国ドラマあるあるで少々ゆったりめですが、それ以降は風雲急を告げ、蘭さまの父の冤罪事件、張屏の出自と故郷の秘密、宮廷社会の暗黒……等々が絡み合い、ジェットコースター並みにイッキ見モードに突入するので、途中で見るのを止めないでね(^_-)

 

どこを切ってもイケメンしか出てこない『君子盟』ですが、はてさてみなさんはどのイケメンがお好み❓


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※ヲタクが選ぶ独断と偏見の1枚。王硯役ホン・ヤオの現在のお姿。こうして見てみると、彼はイマドキのイケメンですね。一方、ジン・ボーランは古典的なお顔立ちで、時代劇でこそ映える秀麗な美貌です。

 

・おススメ度……★★★☆☆

イケメン度は5つ星なんだけど(笑)



 

尋問室での息詰まる心理戦〜Netflix『クリミナル:イギリス編』


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 Netflix『クリミナル:イギリス編』鑑賞。(シーズン1は3話、シーズン2は4話の構成)

 

いやー、面白かったっす!

 

 舞台は尋問室とマジックミラーで隔てられた隣の部屋(尋問の担当者以外のチームの面々が見守っている)、廊下の3箇所のみ。狭い尋問室の中で、刑事、被疑者、弁護士の三つ巴の苛烈な心理戦が繰り広げられる。ヲタク大好きワンシチュエーション&ワンショット、まるで良質な舞台劇を見ているよう。ヘタなミステリーよりよほど手に汗握りますね。

 

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スコットランドの至宝、デヴィッド・テナント

 

 刑事側は、例えば確たる証拠が不十分な場合、わざと尋問者が部下に捜査資料を持ってこさせ、被疑者の前で頷きながら読み出して不安を掻き立て、焦らして、相手側の自白を引き出そうとしたり、一方では尋問者の策略を確認した弁護士がそうはさせじと休憩をとり、わざとマジックミラーの外に聞こえるように被疑者に注意を与えて刑事チームを牽制するなど、虚々実々の駆け引きが展開、見ていてハラハラします。


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※冒頭7分ワンショット、カメラを向いて喋りっぱなしのキット・ハリントン。サスガ!

 

 イギリス編は全7話構成。密室での全編会話劇だから、どうしても、ゲスト(被疑者役)の演技力がモノを言いますよねぇ。その意味から言うと、7エピソードのうち1番のおススメエピソードは、デヴィッド・テナントが被疑者を演じた『エピソード1〜エドガー』かしらん。しょっぱなからテナント大先生を持ってくるなんて、やるなNetflix(笑)ヲタク的には、NTL(ナショナル・シアター・ライブ)『善き人』の、自らの意思に反してナチスに取り込まれていく誠実で知的なドイツ人教授の印象が強いので、その時とはまるで違う、今回の真性サイコパスは衝撃でした。

 

 デヴィテナを推したついでに?おススメゲストの2位3位を発表しましょう!

 

 第2位は、日本では『ゲースロ』のジョン・スノウで知られるキット・ハリントン(エピソード5『アレックス』)。ヲタク的にキットと言えば、直近で見たやはりNTLの『ヘンリー五世』、ハル王子時代の放蕩生活から足を洗って名君ヘンリー五世へと成長するタイトルロールが忘れられない。カッコ良かった……はあ。キットもデヴィテナおじと同様、今作ではいつものイケメン・イメージを投げ打ち、スノウやヘンリー五世とは似ても似つかぬ、強制わいせつで訴えられた俺さま系のクズ男をノリノリで演じてます。『ゲースロ』を見てキット沼に落ちた方々はご注意を(笑)。

 

リーダーのナタリー・ホブス警部補(キャスリーン・ケリー)と部下のトニー(リー・イングルビー)2人がコンビを組んで彼を尋問している最中、キット演じるアレックスがナタリーに向かって「ちゃんと記録とっとけよ」ってぞんざいに言うんですね。するとナタリーが「私のほうが上司よ。なぜ私に向かって記録しろって命じたの?私が秘書だと思った?なぜ?」とすかさず突っ込むんです。何気ない一言で、被疑者の潜在意識(この場合は女性蔑視)を引き出していく…。そんなシーンが随所に見られて、めっちゃ面白い!

 

 そしてそして第3位は、大英帝国勲章第三位・第四位OBEを叙勲している、英国の誇る大女優ソフィー・オコネドー。セレブやキャリア役が多い彼女ですが、今作では、ゲイの夫が愛人の青年を殺害した疑いで逮捕され、人生に絶望した中年女性の役を巧みに演じていました。何しろ、滂沱の涙を流すシーンが幾度となくあり、ワンショット&ワンシチュエーションであの演技って……。素晴らしいの一言です。

 

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※素顔は、ケンブリッジ大学&王立演劇学校卒の知性派美女ソフィー・オコネドー

 

 全編ドキュメンタリータッチで撮られているので、見ているこっちは(イギリスではこんなふうに犯罪が捜査されて、立件に持ち込まれるのか……)と興味シンシン。同じ尋問室の設定で、他にもフランス、スペイン、ドイツ編もそれぞれ作られているようなので、これから見るのが楽しみ〜〜!

 

 尋問の仕方も、お国柄でそれぞれ違ってくるのかしら(・・?

 

・おススメ度……★★★★☆

英国演劇界の第一線で活躍する俳優たちの熱演に圧倒されます。

巨星墜つ〜『ふたりのマエストロ』と小澤征爾


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U-NEXTで『ふたりのマエストロ』(2023年)鑑賞。

 

 オープニング、ヴィクトワール賞を受賞した主人公のドニ(イヴァン・アタル)がスピーチをしますが、その話し出しが……。

 「才能のない芸術家を慰めるために賞がある」とある作家は言った。だから僕は野次のほうがいい。オザワもスカラ座でブーイングを浴びた。スカラ座で野次を浴びれば、偉大な指揮者になれる。

まさか冒頭から、主人公が「世界のオザワ」の名を出してくれるとは…。昨日小澤征爾氏の訃報に接したばかりだったので、その偶然に驚いてしまいました。そして、スピーチ全体に漂う粋なエスプリ!皮肉なユーモアに満ちた英国ふうスピーチも好きだけど、フランスのそれは余裕ある大人だけが語れるセリフ。残念ながら日本の映画ではなかなかお目にかかったことがない。

 

 ……とまあ、こんなお洒落な始まりで観る者をたちまちのうちに魅了してしまうこの作品は、パリのクラシック界で活躍する指揮者の親子2人……輝かしい経歴を持つ父フランソワ(ピエール・アルディティ)と、今や人気・実力共に父を凌ぐ勢いの息子ドニ(イヴァン・アタル)が、ある事件をきっかけに人生の機微を知り、自分自身の過去・現在・未来、そして互いの存在を見つめ直すまでを軽妙なタッチで描いたもの。

 

 権威あるヴィクトワール賞を受賞したものの、心のどこかで受賞式に姿を現さない父にこだわる息子と、彼に自らのキャリアを脅かされるような気がして息子の成長を喜べない父親。2人の間には、気まずさと緊張感が漂っているよう。……そんなある日、フランソワへ一本の電話がかかってきます。それは、音楽監督としてミラノ・スカラ座音楽監督に就任して欲しいとの依頼でした。長年夢に見たスカラ座音楽監督就任に、喜び一杯のフランソワ。年齢的に、彼にとって最後のチャンスであることは明らかです。しかし、そんな父の姿を見つめるドニの心情はなんとも複雑、悔しさを隠し切れません。ところが翌日、事態は一変。なんと今度はドニに、スカラ座の総裁から呼び出しがかかったのです。そこで初めて、実は父への依頼は同じ姓だったがゆえの間違いで、ミラノ座の音楽監督に抜擢されたのは、息子のドニのほうだったことが明らかになります。さあ大変。ドニは、父に真実を伝え、自らの人生と向き合わなくてはいけなくなり……。

 

 この映画の主人公は息子のドニで、「権威ある父を超えるために、自身の中にある臆病さとどう向き合うか」という永遠のテーマが描かれるわけだけど、ヲタク自身はもう年寄りの部類なんでドニよりも、自分自身年老いてきたのを無意識に感じるながらもそれを認めたくない、まだまだ若造に負けない……って肩ひじ張ってしまう父親のフランソワのほうに感情移入しちゃいました(^.^; 真実を知った時のフランソワの表情がさぁ…(涙)奥さんをタクシーに乗せて、夜のセーヌ川のほとりを歩いて行くシーン、切ないよね。

 

 お互い反目し合っているように見えて、曲の解釈では共通点が多々あること(フランソワは『第9』を溌剌と踊るように、と言い、ドニは『ラウダーテ・ドミヌム』を豊穣と祝祭だと解釈するなど)が伏線となり、ラストの感動的で、しかも粋な「オチ」に繋がっていきます。

 

 また、この種の映画を観る楽しみは、全編を彩る名曲の数々でしょう。本作にも、ベートーヴェンの『交響曲第9』、モーツァルトの『ヴァイオリン協奏曲第5』、『フィガロの結婚』、『ラウダーテ・ドミヌム』、シューベルトの『セレナーデ』等々、クラシックの珠玉の作品群が登場します。特にフランスの音楽映画には、※趣向を凝らしたサプライズが潜んでいることが多いのですが、今回ヲタクにとって1番のサプライズは、最初にお話した通り、先日逝去された日本の誇る大指揮者、小澤征爾氏の話題が出たこと。さらにさらに、スカラ座でジュリオ・カッチーニの『アヴェ・マリア』を指揮する小澤氏の映像をドニが眺める場面まで登場します。

※昨年(2023年)公開された『テノール!人生はハーモニー』で、フランス屈指のテノール歌手、ロベルト・アラーニャが突如本人役で登場したシーンなど。

 

 気さくで、型にはまらない自由奔放な指揮スタイルで世界に進出する日本人の先駆者とも言うべき小澤征爾さん。ご逝去は、まさに「巨星墜つ」。心よりご冥福をお祈りします。

 

★今日の小ネタ…小澤征爾氏、スカラ座でのブーイング

 ドニが冒頭で言及したのは、パヴァロッティと組んだ「トスカ」の時のエピソードです。小澤氏は後年、自身で述懐しておられます。

  

パヴァロッティと仲が良かったものだから、彼に誘われてミラノに行ったんです。(ブーイングを受けた時には)パヴァロッティが僕を慰めてくれたんです。セイジ、ここでブーイングをされれば一流のしるしだぞって。何日かしたらブーイングが消えた。少しずつ小さくなって、ある日ぱたりと消えました。

 

おススメ度★★★☆☆…原題は『MAESTRO(S)』。フランス映画らしいエスプリが効いてます。邦題は『ふたりのマエストロ』で、なんというか……まんまですね(笑)

 

アウグスト・ピノチェトが吸血鬼?〜Netflix『伯爵』


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 Netflixで『伯爵 El Conde』視聴。昨年、ヲタクのブログでも「ベネチア国際映画祭の注目作品」としてご紹介しましたね。

 

 実はヲタク、吸血鬼映画に目がありません。何せ昨年、当ブログでも「オタクおススメ!〜ドラキュラ(吸血鬼)映画&ドラマ5選」なんて記事を書いてるくらいですから(笑)思えばヲタクが吸血鬼に目覚めた?のは、小学校3年生くらいに見たアメリカのTV番組「ショック!」でした。「ショック!(原題)Shock Theater 」は1930年~40年代にユニバーサル映画が制作したホラー映画の数々をTV用に再編集した1時間番組で、ボリス・カーロフの『フランケンシュタイン』をはじめ、ベラ・ルゴシの『魔人ドラキュラ』、ロン・チャニー・Jrの『狼男』や『ミイラの墓場』が次々と放映されましたが、特にヲタクがハマったのがベラ・ルゴシの『魔人ドラキュラ』で、それ以降ン十年、あってあらゆるドラキュラモノを見てきましたが、その長い歴史の中でも、今回Netflixで配信開始となったチリの鬼才パブロ・ラライン監督の『伯爵』は、その視点の斬新さ、シュールさ加減から言ってピカ一でしょう(断言)。

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※この映画で、吸血鬼はコウモリのように飛翔します。

 

 なんてったって、あのチリの悪名高き独裁者アウグスト・ピノチェトが吸血鬼だった……って設定自体ぶっ飛んでるよね(^.^; 陸軍軍人だった彼は、チリ史上初めて自由投票により樹立されたサルバドール・アジェンデ政権を軍事クーデターで転覆させ、チリ全土に即刻戒厳令を敷き、人民連合系の市民2700名をサンティアゴ・スタジアムに集めて容赦なく虐殺、以来20年近くに渡って独裁者として君臨しました。しかし今作では世間から忘れ去られ、老妻と執事と3人で過去の栄光に縋りながら鬱々と日々を送る、足腰もおぼつかない哀れな老人(ハイメ・バデル)として登場します。毎年大統領官邸を訪れ、自分の胸像がいまだ飾られていないことに悶々とする老醜極まりない末路。そんな自らの人生に絶望した彼は、吸血鬼として人間の血を啜らなければ死に至ると知り、緩慢な自死を遂げようとしていました。ところがそんな彼に膨大な隠し財産があると睨んだ子どもたちや、キリスト教会から彼の財産目録を隠密に調査するよう命じられた修道女カルメン(パウラ・ルフジンガー)が彼の元に押しかけてきたことから、彼の自死願望は次第に崩れていき、生への欲望が復活してきます。さらに彼はカルメンとの老いらくの恋に溺れ、壮大なるドロドロ愛憎劇が幕を開けるのでしたが……。


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 修道女カルメンが自分を会計士と偽り、ピノチェトや子どもたちと面談を行って、ピノチェトの過去の悪行を暴いていく過程がめっちゃエグいっす。そもそもピノチェト社会主義者を殺したことについては何の恥じることはないと思っていて、公金をせしめた泥棒などと言われるのは侮辱だ、国際司法裁判所など潰すべきだと、独裁者あるあるのセリフを吐きまくるので、冒頭から見ているこっちはイラッとします(笑)。

 

 妻の運営する慈善団体CEMA(母親センター)に兵器を売って得た利益を横流しするわ、国営企業を軍に売却してその利益を125に上る海外の隠し口座に入れるわ、あるいはダーウィン種の起源」原本やナポレオンの帽子、※1オイギンスの剣などを買いまくるわ……で、そのハチャメチャぶりに口あんぐりですが、これって史実なんでしょうか?……あまりにもひどすぎる。挙げ句の果てには息子までもが「父のやったことは※2フルヘンシオ・バティスタよりはマシだ!」などと言い出す始末。何をか言わんや…。

※1 ベルナルド・オイギンス…スペインからの独立戦争を主導したチリの英雄

※2キューバ革命で失脚したキューバの独裁政治家

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※吸血鬼退治の為にピノチェト邸に送り込まれたエクソシストカルメン(パウラ・ルフジンガー)。彼女の色香に文字通り血迷ったピノチェトは、血を啜って若返ろうと必死になります。ラライン監督は、カルメンの篤い信仰心をかなり皮肉を込めて描いていますが、ひょっとして監督、キリスト教会がお嫌い?(^.^;

 

 ……と、こんなふうに説明してくると、まるで政治・歴史風刺のブラックコメディみたいに聞こえるでしょうが、一方でメインのストーリーとその耽美的な映像は、優れた吸血鬼映画の王道をしっかり踏まえているのが今作品の秀逸な点。特に、ヴィヴァルディのニ短調チェロ・コンチェルトやヴェルディの聖処女マリアへの讃歌などクラシック音楽が鳴り響く中、展開されるモノクロの映像美は特筆すべきもので、アンドレイ・タルコフスキータル・ベーラの一連の作品にけっして引けをとらない作品だとヲタクは考えます。以前吸血鬼をテーマにした記事でも書きましたけど、吸血鬼をはじめとするホラー映画はモノクロが最高!……だって、ホラー映画って流血シーンがけっこうあるでしょ?カラーだと血糊がね、ウソ臭いんですよ。モノクロだと怖くてゾクゾクしませんか?あのヒッチコックの『サイコ』の有名なシャワーシーン、あれがモノクロじゃなかったら、あれだけゾッとするような怖さは生まれなかったと思う。

 

 ヲタク的に最も気になった登場人物は、主役のピノチェトより、彼に噛まれて数百年間共に生きてきたロシア人の執事。彼はチリにいるロシアの共産主義者を多数虐殺、865年の刑を言い渡されたが、身代わりを刑務所に送り込んでピノチェトに仕えている設定。「拷問をする時は「これから拷問する」と相手に予告することが大事。より拷問が効果的になる」と平然と言ってのけるヒムラーみたいなサイコパスで、この人が冗談抜きに怖かった(^.^; ピノチェトの側近の誰かが実在の人物がモデルかしら?だとしたらよけい怖いんだけど(笑)

 

 映画の後半、歴史上超有名な政治家が重要人物として登場!そしてラスト、(えっ?そう来たか〜〜!)ってオチが待っていてビックリ。

 

 第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で最優秀脚本賞を受賞、第96回アカデミー賞では撮影賞にノミネートされた「怪作」です。

 

★おススメ度……★★★★☆

政治、歴史、ホラー好きを同時に満たす作品ってなかなかないよね!

 

キャスティングに萌える〜キーラ・ナイトレイ✕ベン・ウィショー Netflix『Black Doves』


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※左から、ベン・ウィショーキーラ・ナイトレイ、サラ・ランカシャー

 

 Netflixが2024年のラインナップを発表しましたね。その中でヲタクがいっちゃん楽しみにしているのがこれ!キーラ・ナイトレイベン・ウィショーが共演するスパイ・ミステリー『Black Doves』(6話完結のミニ・シリーズ)。そもそもキーラとベンが共演して、ストーリーがスパイもの……って意外じゃありません?しかもベンが腕利きのスパイって……(笑)スパイものに出演経験はあるけど、007シリーズではジェームズ・ボンドの頭脳たるQ役で研究室に籠もってるし、『ロンドン・スパイ』では陰謀に巻き込まれる一般人の役だったしね(^.^; あの柔らかな物腰でスパイ……ギャップ萌えだわ〜〜。

 

 『Black Doves』は、クリスマス時期のロンドンが舞台。この作品は、政治家の妻であり、優しい母親でもある、ヘレン・ウェッブ(キーラ・ナイトレイ)。しかしなんと、彼女はプロのスパイという裏の顔を持っていました。しかも何年もの間、政治家である夫の様々な機密情報を、彼女が属するスパイ組織Black Dovesに漏洩してきたのです。しかしある日、彼女の秘密を知る恋人のジェイソンが暗殺され、ヘレンは危険に晒されることに。ヘレンの保護を命じられたのは古くからのスパイ仲間、サム・ヤング(ベン・ウィショー)。ヘレンとサムは、誰がジェイソンを殺したのか、そして暗殺者はなぜ彼を殺したのかを探り始めます。しかし、彼らは次第に、一連の事件の裏にとてつもなく巨大な陰謀が蠢いているのに気づいて……。


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※キャ〜〜、ベン・ウィショーザ・スナイパーマイケル・ファスベンダー(『ザ・キラー』)の代わりに彼でも良かったんじゃない?(少数意見かしら(^.^;)『ウーマン・トーキング』でもそうだったけど、一見ナヨ系に見えて、実は愛する女性を守り抜く男気溢れる役が似合ってたりする。

 

 

 ベンは最後に請け負った仕事に失敗して、それ以来トラウマに悩まされている設定らしい。うん、ベン・ウィショーあるあるだけど(笑)彼らしい深みのある演技が期待できそう。ベンは『産婦人科医アダムの赤裸々日記』の卓越した演技により、前年度のBAFTA英国アカデミー賞主演男優賞を受賞したばかり。『産婦人科医〜』の軽妙な演技から一転して、今回はシリアスかな?ヲタク的に「カメレオン俳優」と言えばベン・ウィショー……なので、今回はどんな引き出しを開けて見せてくれるのか、めっちゃ楽しみ!


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※ヲタク的には「お久しぶり〜ね〜」なキーラ・ナイトレイ。アラフォーになっても相変わらずお美しい……。ヲタク、『彼女たちの革命前夜』まだ見てないんだよな。そうだ、この週末は『彼女たちの〜』を見よう!うん、そうしよう(笑)

ポール・メスカル✕ジェシー・バックリー✕クロエ・ジャオの強力タッグ〜映画『ハムネット』


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おお〜〜、ヲタク的にはめっちゃ興奮するニュースが飛び込んできたぁぁぁ(ぱちぱちぱちぱち)

 

 マギー・オファーレルのベストセラー『ハムネット』が満を持しての映画化!この作品は、謎の多い英国の文豪シェイクスピアの家庭生活を、妻のアン・ハサウェイの眼から描いたもの。シェイクスピアにはジュディスとハムネットという双子の兄妹がいましたが、一人息子であるハムネットを11歳で亡くしています。あの4大悲劇の1つである『ハムレット』が発表されたのは、息子の死から4年後のことでした……。

 

 夫がロンドンに働きに行って長期不在の間、夫の実家で義理の両親と子ども達を守り、ペストが蔓延する英国の田舎で奮闘する逞しい女性、アグネス(もちろん、アン・ハサウェイがモデル)。彼女は不思議な能力を持っている設定。薬草のエキスパートであるだけでなく、未来を予知し死者の魂をも感じることもできる。そんな彼女が、最愛の息子の死を予知できなかった筈はありません。原作は、裕福な家に生まれたアグネスが、8歳も年下の、横暴な父親から精神的虐待を受けているラテン語教師(もちろん、シェイクスピアがモデル…原作にはなぜか名前が出てこない(^.^;)と恋に落ちていく過程と、結婚後母として奮闘する姿をタイムリープしながら描いており、「自立した女性の魅力を余す所なく描いた」として、英国に一大旋風を巻き起こしました。

 

 それがそれが、ジェシー・バックリー(アグネス)とポール・メスカル(アグネスの夫)によって映像化されるっていうんですから!大、大、大好きな2人だから、今からもう、ドキドキ。


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※『アフター・サン』の若い父親役で日本でも認知されつつあるポール・メスカル(右)。次回作は『異人たち』(ヲタクは昨年秋の「東京国際映画祭」で一足先に鑑賞しましたが、日本では今年の春公開予定のようです)。この作品でのポールの色っぽさは、日本でもブレーク必至だと思うなぁ。

 

 ポール・メスカルは今回のキャスティングについて…

 原作を読んだ時は本当に興奮したよ。まさか自分が(若き日のシェイクスピアを)演じる日が来るなんて…。一昔前の自分だったら信じられないだろうなぁ。ジェシーは素晴らしい俳優。マギー・ギレンホール監督の『ロスト・ドーター』では共演シーンはなかったしね。また、クロエ・ジャオ監督はかねてから一緒に仕事をしたいと思っていた人だから、すごく嬉しい。

 と語っています。『ロスト・ドーター』はポールの出世作で、ヒロインのオリヴィア・コールマンの、言わば人生を破壊してしまうダコタ・ジョンソンの若い夫役でしたね。一方、今回夫婦役を演じる

ジェシー・バックリーはコールマンの若き日を演じ、強烈な演技でアカデミー助演女優賞にノミネートされました。2人共もちろんシェイクスピア作品を演じた経験があり、お互いアイルランド人なので、きっと息もピッタリじゃないでしょうか。


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※舞台『キャバレー』の演技で、エディ・レッドメイン(右)と共に英国舞台の最高峰「ローレンス・オリヴィエ賞」を受賞した時のジェシー・バックリー。

 

 しっかしシェイクスピア夫妻を演じるのがアイリッシュで、監督がクロエ・ジャオ。すごくイマドキだね(笑)


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※『ノマドランド』でアジア人として初めてゴールデングローブ賞監督賞を受賞、アカデミー賞では作品賞と監督賞を受賞したクロエ・ジャオ。


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※マギー・オファーレルの原作は、小竹由美子さんの翻訳で、新潮社から出版されています。

オーストリア禁断のイケメン、ノア・サーベトラ見・参〜Netflix『フロイト 若き天才と殺人鬼』シーズン1


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 19世紀末のウィーン、催眠療法によって患者の深層心理を探るという、主にヒステリーの治療法を提唱するジークムント・フロイト(ロバート・フィンスター)は、ユダヤ人であることも相まって周囲からは変人扱い、勤務する大学病院でもつまはじき、家賃も滞納しているどん底状態でした。そんな時、ウィーンの街で娼婦の惨殺事件や、同僚の妹が誘拐・監禁された末に足の指を切り取られるという猟奇的な事件が立て続けに起こります。ひょんなことからこれら2つの事件に巻き込まれることになったフロイト。彼は独自の精神医学理論を駆使して事件を解決しようと奮闘しますが……。


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※当時の貴族たちの生活がリアルに描かれていますが、衣装、調度品等々時代考証も素晴らしく、見ているだけで楽しい♬ネトフリってやっぱりおカネあるのね〜(笑)

 

 19世紀末のヨーロッパといえば、初めて入院可能な精神科が設立され、患者たちが家族から引き離され、閉鎖病棟で暮らすようになった時代。それまでは家族や親戚のもとで、「ちょっと素っ頓狂なキテレツくん」とか「くるくるパー」とか言われながらも、単純な作業をあてがわれてそれなりに人生を送っていた人たちが、「精神異常者」(外に出してはいけない)「危険人物」という烙印を押され、二度と出れない場所に「幽閉」されてしまったわけです。むろん精神医学そのものが黎明期であるわけで、水治療や瀉血、温熱療法、時には穿頭術……と、今から見れば民間療法と何ら変わらないじゃないか的な治療が大学病院でも行われていたわけですから、さぞかし病院内部は混迷を極めていたことでしょう。そういった様子はフィクションの中でも度々描かれていて、直近では、同じくNetflix『エイリアニスト』や、映画『エリザベート1878』等がヲタク的には印象的でした。


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フロイトの盟友、アルトゥール・シュニッツラー(左)カタブツのフロイトとは真逆、酒池肉林好きな快楽主義者。シュニッツラーを演じるのは、オーストリアのイケメン俳優、ノア・サーベトラ。

 

 フロイトは、精神病を器質的疾患として捉えるのではなく、患者の無意識に着目し、ひいてはその根源をリビドー(性的欲求)の発露と幼少期の心的外傷に求めて、患者の人格を尊重しつつ、患者本人から結論を引き出すという「精神分析」の基礎を築いた人です。このドラマでは、数々の事件の背景には精神病患者の病理が深く関わっていた……という設定。当時のウィーン医学界から異端児扱いされていた若きフロイトが難事件に巻き込まれ、解決しようと奮闘する過程で、精神科医としても自己確立しようと苦悩するところは興味深かった。……かなりウジウジくんだし、シャーロック・ホームズばりに酷いコカイン中毒だし、サロメにクラッと来た結果、医学者でありながら心霊術の領域にも足を踏み入れちゃう等危うい面が多々あり……で、度々イラッとしたけどね(笑)。

 

 ストーリーはフィクションでも、実在の人物を多数登場させてフロイトの交友関係を克明に描き、リアル感を持たせているのがミソ。ヨーゼフ・ブロイアーとの「催眠療法」談義も面白かったな。ヒステリー患者に催眠をかける時、フロイトは患者に絶対に触れないんだけど、ブロイアーは「患者に触れることが重要。でないと患者は心を開かないぞ」って主張するわけ。ブロイアーの言葉に、生真面目なフロイトはかなり揺らぐんだけど、この話にはオチがあって、患者に触れながら治療していたブロイアー、しまいにはその患者と今で言う「不適切なカンケイ」になっちゃったっていう…(^.^;ブロイアー先生、ダメぢゃん!(笑)また、エディプス・コンプレックスをはじめとする、いわゆる精神医学の「性欲理論」はフロイトが祖だと思っていたけど、彼以前にジャン・バティスト・シャルコーっていうフランス人の神経学者がいて、「全ては性器に行き着く」って名言(迷言?)を残しているらしい。いろいろ勉強になるなぁ(笑)。まあ、ヲタク個人的には、ヒステリーや神経症の原因を過去の性的虐待や性欲の過度な抑圧のみに求めるのはどうかと思うのですが……。なんだか世間がニンフォマニアだらけみたいな気がしてくるじゃん(笑)


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※亡命ハンガリー貴族の養女で、当代随一の霊媒師フルール・サロメ(エラ・ランプフ)。ヒステリーと多重人格?を患う彼女に、フロイトは散々翻弄されることに。サロメ…一言で言えば、名前の如く「ヤバい女」(笑)

 

 当時のウィーンはオーストリア・ハンガリー帝国皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の治世。2重王国体制に持ち込んだもののハンガリー完全独立の機運はいまだ燻り続け、ボスニア・ヘルツェゴビナの併合によってセルビアの強い反発を買うなど、政治的には非常に不穏な時代です。このドラマにもそんな政治的背景が色濃く投影されています。後に男爵令嬢と心中(マイヤーリンク事件)の末30歳の若さでこの世を去ったルドルフ皇太子(フランツ・ヨーゼフ1世とアノ皇妃エリザベートの長子)も登場しますが、ヲタクが勝手に抱いていた「帝国の将来を憂う貴公子」のイメージからはかけ離れた、マザコンの差別主義者(しかもサディスト)として描かれていて、かなり驚き。ルドルフ皇太子って実はこんな人だったの!?っつう(^.^;ヲタク的には、マイヤーリンク事件を題材にした映画『うたかたの恋』のルドルフ皇太子役、オマー・シャリフのイメージが強いのよねぇ…。

 

 フロイト流に人間の深層心理を探っていけば、そりゃもう幾らでも出てくるでしょうよ、ふだん倫理観や社会通念や同調圧力によって抑圧されたドロドロした欲望のカタマリが。このドラマはサイコサスペンスという体裁で、私たちの心の奥底に潜む暗黒を抉り出して見せます。恐るべき殺人者たちは、「常人ならば抑圧している筈の欲望を実行してしまった者」として描かれているのです。……なので、全編に底無し沼みたいな冥〜〜いムードが漂っているのは致し方ないところ。(おまけに撮影時間はほぼ夜 笑)また、前半はサイコサスペンスなんですが、主人公のフロイトがどんどん心霊術に精神状態を侵食されるにつれて、ホラーふうに変化していきます。……しっかし、これで16+!18+にしなくていいの?ネトフリさん(笑)。かなり好みは分かれるとは思いますが、ハマればハマる作品。少なくともヲタクはイッキ見しました。

 

 ……でも早々にシーズン2の製作が発表されたところを見ると、世の中にはヲタクみたいなモノ好きがある一定数は存在するらしい(笑)

 

★今日の小ネタ

①ノア・サーベトラ


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 フロイトに多大な影響を受けたと言われる小説家・劇作家アルトゥール・シュニッツラー(『輪舞』『アナトール』『恋愛三昧』など)を演じるのは、オーストリアの美男俳優ノア・サーベトラ。ハイ、映画『エゴン・シーレ 死と乙女』(2017年)でタイトルロールを演じた超イケメン。シーレのロリコンなクズっぷりが凄かったよね。なのに美形だからよけい始末に悪いっつーか(笑)ヲタク、シーレの「死と乙女」はベルデヴェーレで見ましたよ〜、クリムトの「接吻」と一緒に。シーレもフロイトと同時代に世紀末のウィーンで才能を開花させました。ウィーンの世紀末って、つくづく絢爛たる時代だったんだなぁ…。

 (ヲタクに)強烈な印象を残したにしては、シュニッツラーくんの出番少なすぎ(笑)。シーズン2では彼の出番をもっと増やしてほしいなぁ。フロイトとバディを組んで殺人事件を解決するとか。あっ、彼主役のスピンオフでもいいゾ。

 

②『うたかたの恋』(1969年)


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 ルドルフ皇太子のマイヤーリンク事件は何度も映画化されていますが、一番有名なのはこれ!監督は名匠テレンス・ヤング(『暗くなるまで待って』『夜の訪問者』)。今も第一線で活躍するフランスの名女優カトリーヌ・ドヌーヴが令嬢マリーを演じています。

 

★おススメ度

★★★☆☆……かなりエグい。ストーリーの政治的・歴史的背景もかなり複雑なので、元気な時に見てね!フロイトのキャラがもちょっと魅力的なら★1つ増えたんだけどなー。

 

キメ過ぎないところが天才〜表現者としてのNumber_i


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 今年の元旦にNumber_i『GOAT』のMVを見て、ダンス、ラップ、楽曲のあまりのハイクォリティに仰け反ったヲタク。彼ら自身が言うように、児玉裕一演出のオフィシャルMV、またその後配信されたダンス動画は極めて中毒性があり、仕事休みの日はついつい何度も再生してしまうのですが、何度も見ているうちに1つ気づいたことがあります。それは……

 

彼らの表情の豊かさと、シリアスとコミカルさの使い分けの上手さ。

 

 冒頭、まるで『ブレードランナー』のようなディストピア的光景の中、大いなる野望を抱く3人の眼光鋭い若者たち。映画『RISE ライズ』(2005年)のキャッチコピー「踊ってるんじゃない、闘ってるんだ」を想起させる、身悶えするような激しいダンスを繰り広げた後は、場面は一転、彼らの夢が実際に叶ったのか、はたまた妄想の所産なのか、彼らはジョニデばりのセレブ男(平野紫耀)、『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』のマーティ・マクフライ神宮寺勇太)、ツンツンヘアーにスタイリッシュなグラサンのカエルちゃんみたいなトリックスター(岸優太)にヘンシ〜〜ン!

 

 僅か4分弱のMVの中で目を引くのは、彼らの変幻自在な身体表現と表情の多彩さ。ますますNumber_iに興味を持ったヲタクは、役者としての彼らに興味を持ったヲタクは、まず岸優太くん主演の※『Gメン』を見て、次に平野紫耀くん主演のドラマ『クロサギ』を視聴。

※『Gメン』の感想については別記事を書いていますので、もしよかったらお読みになって下さい。


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※アクションシーンでも頭抜けた身体能力を見せつけた岸くん。…それにしても岸くんって指が長くて細くて……ピアニストの役とかもアリ?松本清張の『砂の器』とか。

 

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※作中でも様々な人物になりすます詐欺師の役は、柔軟な演技力が身上の平野くんにはピッタリでしたね。滲み出る「人たらしな愛嬌」が、「この人になら騙されてもいい」って思わせちゃうんだな(^.^;

 

 彼らの2作品を見て驚いたのは、彼らの抜群のセンス。『Gメン』はバリバリコメディなんだけど、岸くん演じる主人公は過去の出来事に囚われている設定で、明るい雰囲気の中にもふと、哀しげな表情を漂わせるその一瞬が何とも印象的だったし、反対に平野くんは「詐欺師が詐欺師を騙す」というダークなストーリー展開の中、張り詰めた緊張がふと緩む、コメディすれすれの瞬間があって、その緩急自在さは名人級でしたね。とかく日本では、シリアスで重苦しい演技が評価されがちですが、ヲタク思うに真の演技巧者には、松尾芭蕉じゃないですが、独特の※「軽み(かろみ)」がある気がするんです。岸くんと平野くんの演技には、確実にその萌芽があった。これから経験を積んでいけば、あと15年位すると、2人共名人級になるはず(断言)。

※庶民性、通俗性を高揚深化し、軽快、瀟洒(しょうしゃ)、直截、平淡、卑近などを芸術化すること。

 

 また、2人に共通しているのは、表情の豊かさ+身体能力の高さ。演じるキャラに相応しい歩き方、呼び止められた時の振り返り方、食べ方……etc.があるわけですが、彼らは表情や声の出し方だけでなく、身体全体を使って演技しているんです。彼らを見ていると、演技もまたダンスと同様1つの身体表現だということがよくわかる。これから神宮寺くんの演技も見てみたいな。…そう言えば、音源化が決まった『GOAT』のジャケ写がどーのこーの…っていうくだらない記事(見出しだけ)見たけど、Number_iの3人は、アーティストとしても演技者とキメる時はキメる、しかしその直後に見せる何とも言えない抜け感、その変幻、緩急自在さが何ともスタイリッシュなんだよ!わかってないなぁ(笑)

 

 Number_iはしばらくはアーティストとして音楽活動に注思するんですかねぇ。役者としても素晴らしい可能性を秘めた人たちだと思うから、いち映画ファンとしては、いつかどこかで……。3人一緒に刑事モノ……なんてのも楽しそう。

 

 ……こんなふうに考えてくると、Number_iの3人はダイヤモンドの原石だね。それもフローレス(FC)……ね❓人気者だけに、様々な毀誉褒貶に晒されることもあると思うけど、大丈夫❗

 

ダイヤモンドは砕けない by 荒木飛呂彦

 

 

 

セバちゃん登場〜サンダンス映画祭『A Different Man』


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 アカデミー賞ノミネート作品が今話題だけど、ヲタク的には今回はあんまり萌えないなー。(暴言、お許し下さい(^.^;)やっぱりサンダンスよね!

 

 ……というわけで、先日の『THE OUTRUN』(シアーシャ・ローナン主演、ジャック・ロウデン製作)に引き続き今日ご紹介するのは、セバスチャン・スタン主演の『違う男 /A Different man』。セバちゃんは、人生をやり直そうと、美容整形によって「違う人間」になる男の役。しかし、新たな人生を歩む筈が、彼の整形前の人生が舞台化されることとなり、彼を演じる俳優(セバちゃんが二役を演じるもよう)に対して次第に異常な執着を抱き始め、現実と妄想が混在し始める‥‥というストーリーのようです。

 

  セバちゃんの出世作と言えば、言わずと知れたアベンジャーズフェーズ1のウィンターソルジャー役。愛国の兵士でキャプテン・アメリカの親友、バッキー。元はめちゃくちゃ明るいキャラだったのに、ヒドラによって殺人マシン化されてからの彼は、真逆へとキャラ変。自らの運命を呪いつつも、なんとかそれに抗おうと必死で闘っているさまがめちゃくちゃセクシーでした。

 

 彼はルーマニア移民の出身。ご他聞にもれず、少年時代はひどい訛りのせい貧困と戦いながら俳優を目指した苦労人。そんな過去を乗り越えて現在のポジションを掴んだ裏にはどれだけ血の滲むような努力があったのかと思うと、それたけで胸がアツくなる。そんなハンデがあるにも関わらず、彼は果敢に様々な役に挑戦しています。ヲタク的には、『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』ライバルの襲撃を計画した実在のトンデモスケート選手トーニャ・ハーディング(マーゴット・ロビーの怪演も凄かった)の、これまたトンデモDV夫や、かなり増量して臨んだ『悪魔はいつもそこに』の悪徳保安官、『パム&トミー』マッパの大熱演……etc.が強烈な印象。そんな「捨て身の演技派」セバスチャン・スタンが挑むA24のスリラー!まったくもって楽しみすぎる。

 

 共演は、『私は最悪』(2021年…監督はヨアキム・トリアー)で第74回カンヌ映画祭主演女優賞を受賞した、今大注目のデンマーク女優、レナーテ・レインスヴェ。


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※相手役のレナーテ・レインスヴェと。撮影現場のオフショかな?同じ非英語圏の出身だからか、セバちゃんリラックスして楽しそうだね。

 

 

ジャック・ロウデン✕Kōkiのタッグ『トルネード TORNADO』告知キタ〜〜!!


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 ジャック・ロウデンのインスタに、昨年5月にヲタクのブログでもご紹介した映画『トルネード TORNADO』の告知が〜〜〜パチパチパチ!いやー、ジャクロのニュース、立て続けに紹介できて、嬉しい。ジャクロ、いろいろEmoji使って相変わらず可愛い……。ポスターも英語と日本語の併記になっていて、ちょっとしたことだけど、こういう気遣い、嬉しいよね。

 

 昨年5月のDEADLINEの記事によれば、映画の舞台は1970年代の英国。「サムライ人形劇」(直訳するとこうなんだけど…。人形浄瑠璃のことかしらん(^.^;)の興行をしながら各地を旅する日本人の父と、若く意志の強い娘トルネード。彼らは、冷酷で無慈悲なシュガーマンと、その野心家の息子リトルシュガー率いるギャングの一味と関わったことで、危機的な状況に陥りますが、トルネードはなんとそれを逆手に取り、ギャングたちが強奪した金塊を奪い取ってやろうと…。

 

 タイトルロールのトルネード役にはなんとKōkiが大抜擢!ギャングの一味を出し抜く、ガッツな美少女…なーんて、めっちゃオイシイ役ぢゃん(笑)昨年この映画のニュースが出て以来、Kōkiのインスタも密かにチェックしていたんだけど、「監督のアドバイスに従って…」ってコメント付きで、彼女が木刀で殺陣の練習しているところ(場所はたぶん、スコットランドエディンバラ)が何枚かUPされてました。しかもその監督、西部劇『スロウ・ウェスト』(2015年 主演コディ・スミット=マクフィー、マイケル・ファスベンダー)でサンダンス国際映画祭グランプリを受賞、各界から絶賛されたジョン・マクリーンですからね。Kōkiちゃん、凄いよ!ぜひこのチャンスをモノにして、Japanese Actress代表として世界進出の道を拓いて欲しいですね。トルネードの父親役が平岳大で、我らがジャクロは冷酷非道なリトルシュガー、そしてシュガーマン役には大御所ティム・ロス(『海の上のピアニスト』)という豪華な布陣。

 

 ジャクロもね、素顔はどちらかというと童顔で可愛い感じだから、ちょっと気弱で繊細、優しい役柄が多いのね(^_^;)ご本人はけっこう男気溢れる人なんだけど……。どちらかといえばオレオレ系だから、ヲタク的には野心的なギャング役(しかもティム・ロスと親子)、ヴィランの立ち位置っていうのはオールオッケー。


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※『トルネード TORNADO』ではたぶん、役柄に合わせて男臭い髭面になると思うんだけど、ヒゲ剃ると、とたんに可愛くなっちゃうジャクロでした↑

 

 ジャクロ、昨年パートナーのシアーシャ・ローナンとお忍びで日本に来たんだけど、京都の町家に泊まったり、大相撲を見たり、箱根の金時山に登ったり、かなりツウな旅してた(笑)もしかしてこの映画にキャスティングされていたのも一因だったのかな。いずれにせよ、公開が待ち切れない!