オタクの迷宮

変わり者よと言われても 今日もオタクで生きてゆく

面白うて、やがて哀しき人生かな~『アイ・アム まきもと』

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 牧本壮(阿部サダヲ)は、のどかな庄内地方の市役所で、引き取り手のいない(大概は孤独死の)ご遺体の「お見送り係」を務めています。とはいえ、係に所属しているのは彼一人。空気読めない、会話が成り立たない、思い込んだら猪突猛進で、おそらくはどの部署に配属されてもはみ出してしまうであろう彼に、上司(篠井英介)が温情から割り当てた役職です。それでも牧本はそれを天職と思い、通常は荼毘に付したらすぐに無縁墓地行きのご遺体を見るに忍びず、今一度遺族と話し合い、引き取りが無理な場合は自腹を切ってお葬式を出しているのです。……しかしそんな彼の天職も、都会からやって来た効率第一主義の局長(坪倉由幸)から一刀両断、今手掛けている蕪木幸一郎(宇崎竜童)のお見送りを最後に、「お見送り係」は廃止❗と宣告されてしまいます。その時から彼の、蕪木が生前関係のあった人たち……かつての職場の同僚(國村隼松尾スズキ)、路上生活時代の仲間(嶋田久作)、一時期同棲していた女性みはる(宮沢りえ)、そして20年前に棄てた娘(満島ひかり)に会って話を聞くことで、蕪木の人生を、彼の人となりを辿る旅が始まります。これほどまでに、一人の人生に深く関わることは牧本にとって初めてで、何もかもが新鮮な体験です。それによって少しずつ、牧本の人生も変化を見せていきますが……❗

 

  何しろ日本を代表する演技巧者の阿部サダヲを中心に、上に挙げた人たちの他に、松下洸平やでんでんも加わり、キャストが芸達者というか名優たちばかりで、会話のテンポや間合いや呼吸がそりゃあ見事なもんです。

 

  例えば、牧本がみはる(宮沢りえ)の孫の赤ちゃんを一時預かる時に……

みはる「あんた、子供いる?」

牧本「いりません❗」

そばにいたおじさん「あんた子ども持ってるかって聞いてんだよ」

牧本「持ってません❗」

ヲタク、思わず吹き出す😅

 

 

 他にも、刑事の神代(松下)が牧本の懸命さにほだされ、本当は部外秘の書類をわざと床に落として「5分経ったら取りに戻ってきますから」と言って部屋を出て行こうとするのに牧本が、「なんで今持っていかないんですか❓」と言う時の「間」。もう、何もかもが絶妙❗……もっとも、ヲタクのヘタな文章ぢゃ、面白さが半分も伝わらない(汗)ぜひ、映画を見て、面白さを味わって下さい。

 

  蕪木が家を出て行ってから、母親と二人で生きてきた一人娘・塔子(満島ひかり)。母親はとうに亡くなり、彼女は毎日、養豚場で懸命に働いています。しかし彼女の独り暮らしの家はきちんと片付けられ、茶葉から丁寧に入れた紅茶は素晴らしく美味しかった。その日から牧本は、今まで炊飯器とフライパンから立ったまま直接食べるのを止めて、きちんと器に盛り付けて食べるようになります。真似をして紅茶を入れてみたけど、いまいち美味しくなさそうに首、傾げてます(笑……ティーバッグだったからかな❓😅)彼女に対する淡い想いや、彼の中で少しずつ芽生えていく「何か」。その後に彼を襲う運命を考えると、切ないです😢

 

面白うて、やがて哀しき人生かな。

……でも、身体は消え失せても、その人が懸命にいきた証しは、必ずどこかに痕跡を残す。

 

  突然不条理に終わってしまう人生でも、看取る人もなく人様から見れば「寂しい」と言われる人生でも、諦めることなく、一生懸命生きよう❗最後に、「がんばった、がんばった」と自らに言えるように。

 

  原作はイタリアの作品だそうですが(ウベルト・パゾリーニ監督・脚本『おみおくりの作法』。ちなみにヲタクは未見です)、イタリア的な乾いたユーモアと、日本の湿った情緒が適度に融合した、秋に見るに相応しい佳作といえるでしょう。

 

★今日の小ネタ

イケオジの代表格・宇崎竜童さん、写真だけのカメオ出演かと思いきや、ご本人登場~~🎉✨😆✨🎊スタイルちっとも変わらない、カッコいい😍ラストクレジットに流れるジャズふうアレンジの『虹の彼方に~Over the rainbow』も素晴らしいです❗切なくも感動的なラストをさらに盛り上げてくれます😊

ジャレッド・レト、次回作でカール・ラガーフェルドを演じる

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下 : 2014年「パリ・ファッションウィーク」シャネル・ショウの舞台裏で撮影されたカール・ラガーフェルドジャレッド・レトのツーショット。

 

 ジャレッド・レトが、伝説的なファッション・デザイナーであり、かつてシャネルのアート・ディレクターであったカール・ラガーフェルド(2019年没)を演じることが発表されました❗

 

  ヲタク的には先日、映画『イブ・サンローラン』(主演・ピエール・ニネ)を見た時、当時の保守的なパリ・モード界を批判し、新風を巻き起こそうとしている若き日の、尖ったラガーフェルドを見て大いにソソられたところだったので、嬉しい♥️考えてみれば、ジャレッド・レトほど、異端の天才ラガーフェルドを演じるのに適任の人物はいないのでは……❓と思います。彼は同時に、自身の映画製作会社パラドックスを通じて、プロデューサーも務めるようです。

 

 

カールは1つの時代を築き上げた芸術家だ。ファッション・デザイナーであり、写真家であり、アーティストだった。彼を一言で言い表すことなんてとてもできないし、言わば創造力の発電所みたいなものだからね。

と語るレト。

 

企画はごく初期の段階で、まだ監督も決まってはいませんが、カール・ラガーフェルド財団の全面的なバックアップを得ることは決まっていて、レトは50年もの長きに渡りファッション界で現役だったラガーフェルドについて、様々な交遊関係、関係者の取材を行い、からその人物像を掘り下げていくつもりのようです。実際、ラガーフェルドに最も近い3人の人物をエグゼクティブ・プロデューサーとして招き入れる予定のようです。

 

殆どの人たちは、セレブというと、その内面を深掘りしようとはしない。表面上捉えられるのは、その人物のごく一部だ。我々人間は様々な美徳と同時に欠点も持ち合わせている。普段は仮面を被って生きていても、ふとした瞬間にその仮面が外れることがあるものだ。僕はいつも、その瞬間に興味を覚えるんだよ。

 

ひとつの役を演じるのに、徹底的にその人物をリサーチし、内面を探求し、完璧に人物像を造型することで、「演技派」「カメレオン俳優」の名を欲しいままにしてきたジャレッド・レト。彼がどんなラガーフェルド像を見せてくれるのか❓

 

  続報を楽しみに待ちましょう❗

 

映画『Women Talking』~キャストが素敵すぎる、楽しみすぎる❗……怖すぎる❓


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『Women Talking』のゴージャスすぎるキャストたち。左からルーニー・マーラクレア・フォイジェシー・バックリー、ベン・ウィショー、フランシス・マクドーマント。

 

『Women Talking』は、2018年に発売されベストセラーとなったミリアム・テーブスの同名小説を映画化。小説は、2005年から2009年にボリビア・マニトバ居住区で実際に起きた事件を取り上げている。居住区に暮らすメノナイト(キリスト教の教派の一つ)の女性たちが、夜中に記憶のないままレイプされるという不可解な現象が起き、初めのうちは「悪魔の仕業だ」と思われていた。のちに同じ居住区に住む男たちの犯行であったことが発覚し、被害者数は数百人に及んだという。小説ではこの事件後、女性たちが集まり、自身と娘たちを守るために立ち上がる。

「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」の作者マーガレット・アトウッドが、「実話に基づいた素晴らしくて、悲しい、ショッキング、でも感動的な話です」と絶賛している物語。

Cinemacafe netより抜粋

 

 女性たちのキャストが、ご存知アカデミー賞女優のフランシス・マクドーマント(『スリービルボード』『ノマドランド』)、ルーニー・マーラ(『キャロル』『ドラゴン・タトゥーの女』)、クレア・フォイ(『ザ・クラウン』『蜘蛛の巣を払う女』)、ジェシー・バックリー(『ロスト・ドーター』『ロミオとジュリエット』)と、これ以上のキャストはない❗っていうくらいの豪華なメンツ😍いやー、楽しみすぎる(わくわく)。

 

  先日A24製作のホラー・ファンタジー『LAMB /ラム』の感想を書いたばかりですが、主演がノオミ・ラパス。彼女は、ミステリー史上最も過激なヒロインと言われるリスベット・サランデルを最初に演じた人。リスベット役ってそのヴィジュといい性格といい行動といい破天荒すぎるので、演技力のない人が演じるとウソっぽくなっちゃうんですよね。『Women Talking』では、2代目リスベット(ルーニー・マーラ)と3代目リスベット(クレア・フォイ)が揃い踏み❗初共演じゃないかな、この二人。


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上から、ノオミ・ラパスルーニー・マーラクレア・フォイのリスベット。3人とも、殆ど原型を留めてません(笑)

 

そしてもうひとつ、楽しみというか、怖いというか……なのが、ヲタクの推しの一人、ベン・ウィショーがキャストに名前を連ねていること。いやだって、上記のきら星の如き女優さんたちは、レイプの被害者で、真相究明の為一致団結して立ち上がる……というのは明らかだけど、ただ一人、男性のキャストである我が愛するベン・ウィショーはどんな役なの❓演技上とは言え、レイプ犯だったらさすがにヤだなぁ……😅

 

  なもんで、『Women Talking』、ヲタクにとっては、素敵すぎて楽しみすぎて、同時に怖すぎる映画……というわけ。

 

 まっ、それにしてもあちらでも12月に少数館での限定上映らしいから、ヲタクが日本でその真相を確認できるかどうかは未知数ですが😅(⬅️悲観的)

 

 

 

 

 

ただいま~、帰って来たよ❗~映画『ダウントン・アビー / 新たなる時代へ 』

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  待ってました~❗日本で言えば朝ドラみたいな悲喜こもごも、「それでもやっぱり生きるって素晴らしい」人生賛歌の貴族バージョン『ダウントン・アビー』の映画版第2弾❗

 

  ドラマでは主要な登場人物がまだ若くて元気だったから、朝ドラっぽい……とはいえ、様々な欲望や怒り、羨望や妬みの感情が渦巻いて少々ドロドロしてましたけど😅、ひと区切りがついて映画になると、みんな良い意味で人生の成熟期あるいは老境を迎え、英国ふうの皮肉めいたユーモア満載、個人的には映画版のほうが好みかも😊

 

  ドラマではどちらかというと「貴族のお城」という閉鎖的な世界の中の、主人たる伯爵家家族と使用人たちの内輪の話が主だったのだけど、映画版では、外部から人が入り込んできて(前作では、初めて国王陛下ご夫妻が大勢のお付きの者を引き連れ、お城におなりになるというてんやわんや)、全員が一致団結して「今そこにある危機」を乗り越えるさまが描かれます。

 

  さて今回の「外部からの闖入者」は誰かと言えば、お城を撮影現場として使いたい……と申し入れのあったサイレント映画の撮影班。当主の伯爵(ヒュー・ボネヴィル)は「由緒あるお城をそんな目的で……」と苦い顔ですが、「屋根が雨漏りで酷い惨状なのよ(確かに、お城中のバケツと洗面器が総動員😅)。使用料で屋根を修繕したいわ」というメアリーの一言でゴーサインが。今作では伯爵は半引退状態?で、名実共にメアリーが、祖母であり先代伯爵夫人であるバイオレット(マギー・スミス)から、女当主としてのバトンを渡されることになります。しかし、伯爵にもましてメアリーは、いつもお城の維持の金策や使用人の管理に頭を悩ませてる気がする😅『ダウントン・アビー』見るたびに、貴族とかトンでもないお金持ちの家に生まれなくて良かったなー、と思うんですわ。ホント、お気楽な庶民で良かったって(笑)

 

  サブストーリーとして、バイオレットが、大昔の知己であるフランスの侯爵が亡くなり、遺言により、彼の別荘の相続人に指名されるという事件?が勃発、バイオレットの相続手続きの代理人として、伯爵夫妻、次女イーディス夫妻、新婚の※トム・ブランドン夫妻が南仏のリヴィエラへ赴き、侯爵の妻(ナタリー・バイ)とその息子から、若き日のバイオレットの秘めたる恋を聞かされる……という顛末が描かれます。

アイルランド人運転手としてお城に入り、民族、身分の違いを乗り越え、伯爵家の三女シビルと一途な恋を貫いたトム(アレン・リーチ)。しかしそれも束の間、シビルは生まれたばかりの我が子と愛する夫を残して帰らぬ人に……😢今作では、彼がモード・バグショーの娘ルーシー(タペンス・ミドルトン)と再婚するシーンで始まります😊ヲタク的にはトムの行く末が気になっていたから、新たな幸せを見つけてくれてホッとした(笑)

 

  もう一人、ヲタクが気になっていた人物は「元祖こじらせ男子」、トーマス・バロウ(トム・ジェームズ=コリア)。野心家で、陰謀を巡らせて下僕から従者、そしてついには執事にまで上り詰めたバロウ。しかし彼は同性愛者で、前作の映画では同性愛者たちのパーティーに参加して警察に連行されたりして(当時の英国では同性愛は犯罪行為で、取り締まりの対象だった)、常にどこか翳が付きまとう男。しかし今回は、彼の人生に新しい展開が用意されています。バロウを演じているイケメン俳優トム=ジェームズ・コリア、今回の役を足掛かりにしてハリウッド進出を狙ってたみたいなんですが、バロウが暗い性格の同性愛者で、しかも悪役的な立ち位置だったため、イメージが固定されてハリウッドからお呼びがかからない……ってインタビューに答えてたけど、そうかなぁ。バロウってオイシイ役だと思うけど。彼は「明るく爽やかな正義のヒーロー」を目指してるのかな😅まっ、ひねくれたヲタクみたいな少数派の意見は参考にならないか(笑)

 

……あっ、気になる人物と言えば、主にコメディパートを担う愛すべき人物、モールズリーさん(ケヴィン・ドイル)❗今回もいろいろやらかして笑いを誘いますが、彼に思わぬ才能があるのが発覚します。これからちょっとした小金持ちになりそうな気配。じぶんに自信がついて、長年の想い人のフィリスさんにもプロポーズできたし、良かったね❗

 

  今まで、様々な危機を乗り越えてきたダウントン・アビー。「戦争(注・第一次世界大戦のこと)を乗り越えられた私たちだもの。今度もきっと乗り越えられる」っていうメアリーのセリフがあるんだけど、彼女は、僅か10年後、再び大きな戦争に英国が、欧州が飲み込まれてしまうことを知らない。でも冷静で鋭い知性の持ち主であるメアリーのこと、ダウントン・アビーの実質的な女当主として、立派に乗り越えていくことでしょう。

 

★今日の小ネタ

メアリーの2度目の夫ヘンリー役のマシュー・グード、確かキャストには名前載ってたような気がするんだけど、今回は一瞬たりとも出てこなかったゾ(笑)映画『キングスマン/ファースト・エージェント』やドラマ『ディスカバリー・オブ・ウィッチズ』等々、出ずっぱりだもんねー、無理もないか😅しかしヘンリー・タルボット❗あんたの留守中に奥さんまた別の男性に言い寄られてたわよ。「私は古いタイプの女だから、感情のままに流されることはないの」って受け流してたけど……。ということは、多少なりとも気持ちが動いたってことよね?!(・◇・;) ?たまには帰って顔見せないと夫婦の危機だよ(笑)

 

 

 

  

 

 

歴史上のイケメン列伝④~フランツ・ヨーゼフ1世


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ドラマでフランツ・ヨーゼフを演じるのは、ドイツ・ミュンヘン出身の俳優、フィリップ・フロワッサン。ドイツの国民性って地域でかなり違いがあって、ミュンヘン等南のほうは、解放的な性格の人が多い気がします。

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実物もかなりのイケメン😍

  予告編を見て、めっちゃ楽しみにしていたNetflix『皇妃エリザベート』。いよいよ配信開始となり、見始めたんすが……

もう、これがめちゃくちゃ面白いっす❗

 

  オーストリア・ハンガリー帝国最後の皇帝、その※68年にも及ぶ在位期間から、「国父」とも称されるフランツ・ヨーゼフ1世。エリザベートは彼の妻で、その美貌や才気煥発な性格、波乱の生涯と悲劇的な最後などでフィクションの中では彼女にスポットライトが当たる場合が多いのですが、今回Netflixのドラマ(6話のミニシリーズ)では、フランツ皇帝の人となりもしっかり描かれているので、ヲタク的には嬉しい♥️

※長い間、史上最長の在位期間を誇る君主でしたが、英国のエリザベス2世が初めて越えたわけですね。

 

  エリザベートがフランツ・ヨーゼフに初めて会った時、首筋にみみず腫れのような深い傷痕を見つけ、問いただすのですが、ヨーゼフは「何でもない」と理由を言いません。しかし実際は、皇帝23才の時、政府によるハンガリー暴動鎮圧を恨んだハンガリー人の仕立て屋によって首から胸を刺された時の傷痕だったのです。この暗殺未遂事件により、首の骨を損傷するほどの重傷を負いましたが、ヨーゼフ皇帝は瀕死の状況にありながら、「(犯人を)殺してはならぬ。傷つけてもならぬ。(法によって裁かれるべきである)」と、お付きの者に対して叫んだと言います。

 

  フランツ・ヨーゼフ1世は、いわゆる「ノブレス・オブリージュ」の典型のようなお方で、幼少期よりあの※メッテルニヒの指導の下、6カ国語、歴史、哲学、土木工学、天文学、数学、水泳、乗馬……等々、朝6時から夜の9時まで帝王教育は続き、最も過酷を極めたのは軍事教練であったと言います。

ナポレオン没落後のウィーン会議(いわゆる「会議は踊る」ですよね)を主宰、ヨーロッパの連合と正統主義による支配を目指した。

 

 母親の 皇太后ゾフィーの命より、イタリア独立戦争で戦うラデツキー将軍に預けられたフランツ・ヨーゼフは、皇帝の身分を慮って安全な場所で指揮を執るよう勧めるラデツキー将軍の進言を退け、自ら戦争の最前線に赴きます。

 

陛下は幾度となく、迫りくる砲火のもとに身をさらされ、しかも平然と落ち着き、冷静そのものであられた。

これは私のいたく喜びとするところである。敵の砲弾が陛下のごく間近にまで飛来したにもかかわらず、微動だにされなかったのを、私は実際に目にした。

……と、当時ラデツキー将軍は書き記したと言います。

 

  肖像画を見ると、貴族の女性もかくや……と思うほどの華奢な柳腰。優しげな風貌と細身の身体のどこに、そんな豪胆なご気性が潜んでいたものか😍

 

  しかし、幼少の頃から熾烈な帝王学を叩き込まれ、わずか18才で皇帝に即位、まず帝国、まず民衆を考えるべし、自分自身は二の次と身を挺して実践してきたフランツ・ヨーゼフが、自分自身とは正反対の、「個」をまず優先する野性的な自由人エリザベートに牽かれたのも、むべなるかな。(フランツがエリザベートに向けた「君といると、息ができる。生きている気がする」というセリフがあるんです。彼の過去を思うと、ぐっと来るセリフですね)

 

  ドラマでは、英仏を駆逐しようとするロシアのニコライ1世から、クリミア戦争に参戦を迫られ、苦悩するフランツ皇帝の姿が描かれます。結局彼は参戦はしない、中立を守るという決断をします。軍事評論家の中には、この判断は失策だと批判する向きもあるようですが、彼は領土拡大の為の軍事費を、帝国内の鉄道建設に回そうと思っていたんですよね。ヲタク的には、よほど近代的な考えの君主のように思えますけどね。

 

  さっ、また『皇妃エリザベート』の続きを見ようっと🎵

 

 

 

 

 

ロバート・エガース版『ノスフェラトゥ』、新キャストはリリー・ローズ・デップとビル・スカルスガルド


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ヲタクが最も新作を待ち望んでいる監督の1人、ロバート・エガース(『ライトハウス』『バットマン』『ノースマン 』)。次なる作品は映画史上不朽の名作『ノスフェラトゥ』のリメイクと聞き、情報を今か今かと待っていましたが、公表されていたキャストのうち、まずはハリー・スタイルズが降板😢、続いてヒロイン役のアニャ・テイラー=ジョイが「製作日程のゴタゴタ」を理由に続いて降板してしまったとの報が……。

 

  主役二人が降板してしまい、どうなることかと思いきや、代わりに発表されたキャストが、リリー・ローズ・デップとビル・スカルスガルド❗

 

いいぢゃん、いいぢゃん❗

雰囲気的にこっちのほうがいいかも(小声 😅)

 

タイトルの『ノスフェラトゥ』、吸血鬼を指します。吸血鬼といえばルーマニアのドラキュラ伯爵が有名ですが、初めて吸血鬼をテーマに無声映画ノスフェラトゥ』を撮ったのがドイツ人監督ムルナウ(1922年)。モノクロの沈鬱な映像美と、美とグロと恐怖の融合‥‥ヲタクは大好きな映画で、無声映画ベスト3を選ぶとしたら、『ノスフェラトゥ』『メトロポリス』『戦艦ポチョムキン』かな❓映画学科の学生とかなら、一度は見てるんじゃないでしょうか。

 

  1970年代に一度リメイクされていて、ヒロイン役のイザベル・アジャーニがめちゃくちゃ色っぽくて綺麗だったけど、映画の出来としてはムルナウのオリジナルに比較すると[@#/:-)($¥☆&😅。今回ヲタク的には、またリメイク❓って感じだったけど、監督の名前を聞いて気が変わりました😊『ライトハウス』のロバート・エガースがメガホンを取るなら期待しかない❗

 

リリー・ローズ・デップ、非常に独特な、今時珍しく頽廃的な香りのする女優さんなので、今回のエガース作品にはぴったりかもしれない。ティモシー・シャラメやオースティン・バトラーなど、当代きってのイケメンたちを手玉……いやもとい😅トリコにした魅力をぞんぶんに発揮して頂きましょう😊

 

  問題は、ビル・スカルスガルドがヒロインの気弱な夫役か、吸血鬼役かってところ。ビルといえば、『IT/イット』のペニーワイズ役の印象が強烈だから、ノスフェラトゥの役かな❓

ちなみに元祖『ノスフェラトゥ』のヴィジュはコチラ⏬⏬⏬⏬⏬⏬

特殊メークもそれほど発達してなかった時代にこれはスゴいよね。

 

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結末は誰にも話しちゃダメ❗~ホラーファンタジー『LAMB / ラム』(A24)

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  ああ、またやってくれました、A24❗なんでこう、ヲタクのツボど真ん中の作品ばかり次々と繰り出してくるんでしょうか(笑)

 

  アイスランドの急峻な山々の奥、羊の放牧を生業にしてひっそりと暮らすイングヴァル(ヒルミル・グナイル・グドゥナソン)とマリア(ノオミ・ラパス)夫婦。冒頭、季節は冬。一寸先も見えないアイスランドの激しい雪嵐の中、羊小屋には何やら不穏な空気が。何者かわからぬ不気味な息遣い、怯える羊たち。この冒頭のシーン、見終わってから(ああ、そうだったのか❗)ってなりますから、注意深く見ておいて下さい😉


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(アイスランド……Pixabay)

  時は過ぎ、ある雌羊が出産を迎えます。赤ちゃんを取り出した夫婦は目を見張ります。……なぜなら、その赤ちゃんは頭は羊、体は人間の子どもの姿をしていたから。しかし二人は慌てるふうもなく、「神さまの贈り物だ」と大喜びして、大事に育てることにします。幼くして死んだ一人娘と同じ、「アダ」という名前をつけて。

 

  このストーリー展開から言っても、この映画はファンタジーであり1つの寓話なのだな……ということが明確になっています。個人的には、映画の持つ視点がはっきりしていたほうが好きかも。同じ北欧の映画で『ボーダー』という作品があったのですが、「異形の人々」を題材にして、差別やマイノリティのリアルな問題に斬り込んでいく作品かと思いきや、唐突に(何の前振りもなく😅)ラストでファンタジー化しちゃったので、肩透かしされたことがあったので。いやまあ、好きな作品の1つであることは間違いないんですが😅

 

  このアダの造型がもう、愛くるしすぎて。声もしぐさもみんな可愛くて😍マリアが溺愛して夢中になって、アダ以外のことは目に入らなくなるのも納得です。

 

  マリアがアダに夢中になる一方で、アダを産んだ母親羊はアダを求めて母屋の軒先で徘徊しながら、鳴き声を上げ続けます。(私の赤ちゃんを返して)と言わんばかりに。その哀しげな鳴き声は次第にマリアを追い詰めていきます。そんなある日のこと、ライフルを持ち出したマリアは母羊を撃ち殺してしまうのです。降りしきる雨の中、一撃で羊を倒し、その重たい体を引き摺って行く時の、ノオミ・ラパスの形相の恐ろしさよ。鬼子母神とはまさに、このことなり((( ;゚Д゚)))彼女が母羊を撃ち殺した瞬間から、この夫婦の運命は決定づけられたと言っていいでしょう。行くも地獄、戻るも地獄。


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(アイスランド……Pixabay)

 

 愛らしいアダを挟んで、夫婦がいくら嬉々としてはしゃいでいても、見ている私たちには、彼らには破滅しかないことが明らかです。愛する者のためなら、どんなに他者を犠牲にしてもかまわない、地獄に堕ちても、それが何だって言うの。……げに恐ろしきは、母性なり。

 

  しかししかし、ラストに彼らを襲うカタストロフィは怖すぎる、恐ろしすぎるヽ(;゚;Д;゚;; )

 

冒頭の羊小屋の禍々しさ、全編を流れる不穏な調べ、それが形となって現れた時にやって来る、目を覆うばかりの惨劇❗しかもそれが全編、アイスランドの美しく雄大な自然~蒼い山並みや抜けるような青空をバックに繰り広げられるから、物語の悲劇性が際立つのです。

 

……衝撃的な結末にヲタク、しばらく席を立てませんでしたよ。

 

昨今の 映画界に旋風を巻き起こしている A24が、再び世に問う問題作です。

 

★今日の小ネタ

製作総指揮・主演も務めて大活躍の才女、ノオミ・ラパス。そう、かの『ミレニアム』シリーズ三部作で、ミステリー史上最も過激なヒロインと言われるリスベット・サランデルを演じたアノ人。同じ役を演じたアノルーニー・マーラ(『ドラゴンタトゥーの女』)やクレア・フォイ(『蜘蛛の巣を払う女』)も熱演だったけど、やはりノオミのド迫力には負けてましたよね😅『ラム /LAMB』では、一転して、無口で平凡な妻の役。とても同じ人物とは思えません(笑)

 

 

  

 

  

 

  

彼女の魂の叫びが聞こえる~Netflix『ブロンド』(主演 : アナ・デ・アルマス)


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  待ちに待ったNetflix『ブロンド』(主演 : アナ・デ・アルマス)、本日(2022年9月28日)からいよいよ配信開始❗

 

  20世紀最高のセックス・シンボル、時代のアイコンだったマリリン・モンローの生涯を新しい視点で掘り下げた、アンドリュー・ドミニク監督の野心作です。冒頭から、幼少期のノーマ・ジーン(マリリンの本名)が、精神を病んだ母親から虐待を受け、果ては浴槽に沈められてあわや……という衝撃の幕開け。

 

  母親はノーマ・ジーンを身籠った時相手の恋人に逃げられ、一人で出産、ノーマが成長するに連れ重度の妄想や暴力衝動を含む精神障害に悩まされるようになります。結果的に母親は精神病院に収容され、ノーマは養護施設へ。(※その後親戚に引き取られ、そこでレイプされた……等という悲惨な出来事もあったと記憶していますが、今作では描かれていません)

ヲタクは昔むかし、「ハリウッド・バビロン」という、ハリウッドの裏側を描いた一種の暴露本を読んだことがあって、煮え湯を飲まされたような気分になったことがあるのてますが、そこに書いてあった記憶があります。

 

  彼女は雑誌のモデルをきっかけにハリウッドのプロデューサーの目に止まり、映画出演への足掛かりを掴みますが、そのきっかけがいわゆる枕営業で、性的搾取が日常的に行われた当時のハリウッドの裏側が生々しく描かれ、ヲタクは観ながら、行き場のない怒りが沸々と沸き起こってきました。女性は精神的に不安定な時は見ないでね😅

 

  彼女の初めての大役は、スリラー映画『ノックは無用』の精神を病んだベビーシッター役。カメラテスト時のマリリンは鬼気迫る名演(すなわちアナ・デ・アルマスの演技がね)で、このまま行っていたら、アカデミー賞も夢じゃない、超演技派になっていたんじゃないでしょうか。マリリンは自分の生い立ちから学歴コンプレックスがあり、それを補う為か非常な読書家であったことは有名な話ですが、カメラテストの時も、彼女がドストエフスキーの話題を出すと、スタッフたちから(読んだこともないくせに)と冷笑される場面が出てきます。

 

あー、フラストレーションたまる場面の連続だなー(イライラ💢💢)

……でも結局、これが当時の映画業界の実情だったんだろうな……。

 

出来ることなら、タイムマシンで50年前のハリウッドに飛んで、(マリリン、あなたの方向性は正しいのよ❗男どもの言うことなんて気にせず、頑張れ❗)って励ましてあげたい👊✨

 

 映画の中で俳優は所詮ジグソーパズルのピースにしか過ぎないの。

ピースを当てはめるのは監督だもの。

それよりも私は、舞台で一つの役を演じきりたい。

チェーホフの作品とか。

……と、後に夫となる野球選手のジョー・ディマジオに語る場面があるのですが、実際は、映画のイメージとは真逆の、知的で感性の鋭い人だったんだなぁ……と改めて思いましたね。

 

  しかし、彼女の意思に反して、待望の赤ちゃんを堕胎してまで(その経緯は本編をご覧下さい)撮影に臨んだ映画『紳士は金髪がお好き』で、彼女のその後のパブリックイメージ「Dumb Blonde(ダム・ブロンド……少々おツムの軽い金髪の女性)」が決定づけられてしまうのです。

 

  映画のプレミア会場で、「スター誕生❗」とばかりに盛大なスタンディングオーベーションの中、1人呆然とするマリリン。

 

あれは、私じゃないわ。

赤ちゃんを諦めてまで手に入れたものがこれなの❓

 

  そして、人気と名声がうなぎ登りに高まって行くに従い彼女は、ノーマ・ジーンとマリリン・モンローというアンビバレントな人格の間で、次第に引き裂かれていくのです。

 

  差別と、性的搾取と、男権社会の典型だったハリウッドで、悶え、苦しみながら、真摯に「自分らしい生き方」を求め続け、その途上で矢折れ力尽きた一人の女性の魂の叫びが聞こえてきそうな気がします。

 

……ほぼ全編、胸が痛くなるようなシーンの連続なんですが(特にジョー・ディマジオとの※悲惨な結婚生活など)、マリリンの人生に温かなひかりが差し込んだ瞬間も。それは作家のアーサー・ミラー(エイドリアン・ブロディ……イメージぴったり😊)の戯曲のヒロイン、マグダ役をマリリンが演じ、(あのマリリン・モンローにはマグダ役は無理)と当初先入観で彼女を見ていたミラーが、チェーホフの『三人姉妹』のヒロイン、ナターシャとマグダを見事に比較対照してみせたマリリンに感動する場面。男女を越えた心の交流が、心地よかった。しかしそれも一瞬。ミラーとの結婚でつかの間の心の平安を得た彼女でしたが、生来のコンプレックスから、彼の知識階級の友人たちと馴染めず、せっかく授かった赤ちゃんが流産したことでミラーとの結婚生活も破綻。

ディマジオが、マリリンの『七年目の浮気』、地下鉄の排気口でスカートを巻き上げるシーンに嫉妬して暴力を奮ったエピソードは有名ですが、ヲタクはそれよりも、ディマジオの親戚の女性たちが、料理がからきしダメなマリリンを、わざとイタリア語で嘲笑する場面がなんともイヤだったなぁ。

 

その直後に撮影開始となった『お熱いのがお好き』(ビリー・ワイルダー監督)時のマリリンを演じるアナは神がかってます😮映画史に名を残すコメディのうち、ヲタク的にはベスト3に入るこの作品ですが、ミラーとの結婚生活の破綻と流産によって次第に精神錯乱に陥っていく時期の作品だったと今回知って、ちょっと複雑な気分になりましたけどね😅

 

  ま、つらつらいろんな事書きましたけど、とにもかくにもヲタク的には、キューバ出身で自国の訛りに苦しみながら発音の猛特訓を受け、ほぼ毎日の髪のブリーチの痛みに耐え、撮影(+R18)でも全てをさらけ出してマリリンに成りきったアナ・デ・アルマスに盛大な拍手を贈りたい❗ヴェネチア国際映画祭で、最長の14分間のスタンディングオーベーションを受け、号泣したというアナ。来年のアカデミー賞は、主演女優賞はアナ・デ・アルマス、主演男優賞は※オースティン・バトラー(映画『エルヴィス』)で決まりっしょ😉

彼はカンヌ映画祭で12分間のスタンディングオーベーション♥️

 

 

 

  

2022年9月25日エレファントカシマシ日比谷野音ライブ

  宮本さんの「縦横無尽 完結編 バースデーライブ」アリーナ9列目という夢のような席に当たったヲタクはその日のブログに、「今年の運を全て使いきった気がする」と書きましたが、不吉な予言は早くも当たり、今日の日比谷野音は見事大ハズレ(笑)……しかし、リアルタイムのストリーミング配信という文明の利器のおかげで、自宅のリビングで開演を今か今かと待っております。

 

きゃー、始まったぁぁぁ~🎉✨😆✨🎊

 

今宵の宮本さんはいつも通り元気いっぱい❗「縦横無尽」の頃より髪が大分伸びて、個人的には好きな長さ♥️

さて、今夜のセトリは……

1 過ぎゆく日々

2 地元のダンナ

3 デーデ

4 星の砂

5 ふわふわ

6 偶成

7 月の夜

8 珍奇男

9 昔の侍

10 I don't know たゆまずに

11 未来の生命体

12 なぜだか、俺は祈ってゐた

13 この世は最高

14 悲しみの果て

15 RAINBOW

16 東京の空

17 武蔵野

18 風に吹かれて

19 赤い薔薇

20 ズレてるほうがいい

21 俺たちの明日

22 So many people

23 星の降るような夜に

24 友達がいるのさ

25 ファイティング・マン

 

  最初の2曲で、何か自分の心を言い当てられた気がしてちょっとドキッとした。高みを目指してはいてもなかなか思うようにいかず、それでも日々の暮らしは、人生は、否応なしに続いていく。最近、仕事も少々マンネリぎみで、惰性に流されてる自分。(おい、しゃきっとしろや)って、しょっぱなから宮本さんに背中押されたきぶん(笑)

 

  ご存知のようにエレカシは活動歴30年以上、そのうえ宮本さんは超多作の天才だから(宮本さんの曲って、艱難辛苦の末にやっと作り上げた感がぜんぜんしない。モーツァルトみたいに、何か降りてくるのかしら😅)、エレカシのコンサートに行くと、その時の自分の状況にぴったり当てはまって、いろんな感情が胸に迫って泣きたくなる曲が必ず出てくる。それが毎回違う曲なんで、何故だろうといつも思う。……まあ、何千回聴いても必ず泣ける『悲しみの果て』みたいな例外もあるんだけど。

 

  そして一方、エレカシのコンサートは、宮本さんとその仲間たちの、半世紀に及ぶ人生の軌跡を、エレカシ自身と観客の私たちが共に辿る「旅」でも、ある。

 

  世の中のみんなは真昼に汗水流して働いているというのに、我は昼間寝て、夜月を友として、何者にもなれず無為な生活を送っている(『月の夜』)という若き日の絶望感、友達なんかいなくたっていいさ、金さえあればおっけー(『デーデ』)の自虐、一体俺には何が足りないのかと自らに問いかけてみても答えはなかなか見つからない(『偶成』)。人とは違う、珍奇な存在であっても、落語の登場人物であるかのように、気にせずのんしゃらんと生きられたらどんなにいいかと思いながらも。(『珍奇男』)

 

  しかし、悶え苦しみ絶望の中にあってもなお、今日も明日も歩みを止めなかったことで(『赤い薔薇』『友達がいるのさ』)、人生の先には微かな光明が射し込み(『悲しみの果て』)、ついには……

陽だまりも宇宙も  喜びも悲しみも

全部この胸に抱きしめて駆け抜けたヒーロー

それが俺さ 嘘じゃないさ

『RAINBOW』

と、究極の自己肯定、再生の果ての人生讃歌に至る❗

 

  余談ですが、ヲタクは『So many people』の出だし……定めなき世の定めだぜ  かりそめでいい喜びを……のくだりを聴くと、必ず背中がゾワゾワしてくるんですね。あんまり宮本さんの声が色っぽいもんで。なんだろう、このパブロフの犬的な現象は  笑

 

 『RAINBOW』で歌い上げられた如く、究極の自己肯定の境地に至ったとしても、やっぱり宮本さんは、エレカシは、そしてエレカシを追いかける私たちは決して、歩みを止めることはない。宮本さん自身も、『友達がいるのさ』の間奏で、「歩くのはいいぜ❗後ろ向きでも、立ち止まっても、ナナメでも  笑」って言ってたもん😊

 

先日、ロッキンの宮本さんインタビューの記事読んだ時、「お客さんに元気をもらう」みたいなこと宮本さん言ってて、読んでるヲタクはひどく感動したものだけれど、考えたら宮本さんは私たちにメッセージをちゃんとくれてたね。

 

お前の力必要さ  俺を俺を力づけろよ。

Baby, ファイティングマン

Baby, ファイティングマン

ってね(笑)

 

★今夜の小ネタ

ソロの時は、セクシーな大人のエンターテイナーな感のある宮本さんが、エレカシの時はいきなり中坊化しちゃうのはなぜ❓(笑)

今日も石くんの帽子やグラサン奪って、おでこむき出しにする宮本さん😅40年間、同じことしてきたんだろーなー(笑)

 

 

 

 

 

お騒がせカップルのドタバタ劇……と思ったら、全然違った❗ドラマ『パム &トミー』


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 カリスマロックバンド「モトリー・クルー」のドラマーでバンド一の暴れん坊トミー・リーと、モデルで女優のパメラ・アンダーソンが新婚旅行中に撮影したプライベートビデオが、その頃まだ一般的ではなかったインターネットを通じて次々と闇で販売され、アメリカ全体を巻き込む一大スキャンダルとなったその顛末を、彼らの波瀾万丈な結婚生活を絡めて描いたドラマ。

 

  改装中の大邸宅に業者が出入りしていているというのに、大声を上げながらメイクラブ中の二人。トミーはアイデアを次々と業者に申し出ますが、「今さら変更はできない」と、大工のランド(セス・ローゲン)は猛然と反発、怒ったトミーは彼をクビに。費用も回収できず困り果てたランドは、ある夜、彼らの愛の巣に忍び込み、現金や時計、ライフル等を盗み出しますが、その中には1本のビデオテープが…。

 

パメラ・アンダーソンモトリー・クルーのトミー・リーは知ってたけど、奥さんのことは全く知らなかったので、ドラマを見る前にネットで調べてみたんですね。ふむふむ、カナダでフィットネスインストラクターをしていたところをPLAYBOY誌のプレイメイトに抜擢され、豊胸手術を受けてアメリカのシチュエーションコメディに出演かぁ……。この文章読んだだけで、ヲタクの頭の中には、パメラ・アンダーソンの人物像が、先入観としてインプットされてしまったのですが……。

 

ドラマに描かれたパメラ像は、ぜんぜん違うものだったの❗

ネット記事だけで先入観を持ってしまい、ヲタクは自分を恥じましたことよ(/-\*)

 

  トミーと結婚した頃のパメラは、『ベイウォッチ』で人気女優への足掛かりを掴み、初の主演映画を撮了したばかりの時期。『ベイウォッチ』撮影中も、自らの「イット・ガール」化を避けようと台詞について演出家に意見を言いに行ったりして、世間のイメージに反して、かなり意識高い系の女子であることが見てとれます。「将来の目標は、セックスシンボルから出発して演技派に転身し、政治活動に関わり、ビジネスでも成功しているジェーン・フォンダ」と語り、『王様と私』を繰り返し見ては感動して涙するパメラ。……しかしそんな彼女の夢は、1本のビデオテープのために全て狂わされていくのです。

 

  「ベイウォッチ」の撮影現場で、スタッフたちが笑いながらセックスビデオを見ているところに居合わせた時の、彼女の驚きと絶望。彼女にゾッコンのトミー・リーは、あらゆる手段を通じてテープを回収しようとしますが、彼女の絶望をシンから理解することはできません。なぜって❓……それは彼が男だから。

パメラ「あなたの場合は、キャリアに傷つくことはないわ。ちょっとヤンチャした、で許される。でも、私はもう絶望的よ」

(きょとんとした顔で)

トミー・リー「どうして❓」

(イライラして)

パメラ「それは、あなたが男で、私が女だからよ❗」

 

  ニュースショウのキャスター(もちろん、男性)が、彼らのセックステープを笑いながらネタにして、「パメラは裸だけど、裸も彼女にとっては衣装の1つだからね。彼女の2つの浮遊物はデカイなぁ。水中でもよく浮かぶだろうな」って言ってるのをテレビで見て、パメラが真っ青になるシーン、ヲタクも頭に血が上りました🔥血圧、相当上がったと思うわ。

 

  アメリカ社会にはまだまだ、性的搾取や女性蔑視の風潮が残っていたこと、インターネットの黎明期であったために、問題が起きた場合の危機管理システムや法的な整備がなされていなかったこと等がこの事件の泥沼化に拍車をかけ、彼らを精神的に追い詰め、結婚生活の亀裂をさらに加速することになります。


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左がご本人たち、右がセバスチャン・スタンとリリー・ジェイムス

何はともあれ、特殊メークも駆使してパメラになりきったリリー・ジェイムスと、全編ほぼパンツ一丁(トミー・リー、自宅ではいつもこのカッコだったらしい😅)、さらにはマッパの※フル◯ン姿までご開帳のセバスチャン・スタン、二人の大熱演に乾杯❗✨🍻🎶

※パメラに一目惚れ、その日のうちに彼女との結婚を決意するトミー・リー。自分の分身たるムスコくんに相談する場面は爆笑モノ😅ムスコくん、自由自在に動くんですけど。と、当然、CGよね❓まさか、セバスチャンにそんな特技ないわよね❓(笑)

 

  落ち込むパメラを元気づけようと、せっせと料理を手作りするトミー・リーが泣かせます😢ヤンチャで、子どもがそのまま大人になったみたいなトミー・リー。(まあ、ロック・ミュージシャンあるあるですが😅)パメラが訴える男女差別や性的搾取の問題にもピンと来ないんだけど、一生懸命理解しようとする姿がカワイイです♥️なにげにセバスチャン・スタンってカメレオン俳優だよねぇ……。

 

  不幸にして、ビデオ流出事件から彼らの関係は少しずつギクシャクしていき、結局は破綻してしまうのですが、あれがなければ、今でも仲良く暮らしていたかもしれないなぁ……。当然、ハデなケンカは避けられないにしても(笑)

 

なんだかんだ言いましたけどこのドラマ、ある意味とんでもなくピュアな二人の純愛物語なのかもしれない。

 

★今日の小ネタ

ビデオ流出事件は、メタルの代表的存在だったモトリー・クルーの人気にも陰りが出始めた頃。トミーが音楽雑誌の「これからの音楽の中心はシアトルだ❗」って記事を読んで、「ちっ、グランジめ❗」って呟く場面が、ヲタク的にはちょっとツボ。確かにニルヴァーナの登場はものすごく新鮮で、ヲタクも中毒みたいに※『Smells like a teen's spirit』を聞いてた時期があるから。ゴメンね、トミー・リー(笑)

※最近、映画『ブラック・ウィドウ』や、『バットマン』(主演・ロバート・パティンソン)の劇中で使用され、再注目されてますよね。

 

 

  

 

  

『グラス・オニオン : ナイブズ・アウト』予告編初公開❗


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ダニエル・クレイグがケンタッキー訛りのオトボケ探偵ブノワ・ブラン(ケンタッキー出身なのに名前はなぜかフランスふう😅)を演じる『ナイブズ・アウト』第2弾、『グラス・オニオン』の予告編と場面写真が初公開されました❗

 

ゴージャスなキャストによるクローズドサークルミステリーだった第1作と同様、今回の舞台は、あるテクノロジーで財を築いた大富豪(エドワード・ノートン)が所有するギリシャの孤島。そこで起きた殺人事件の謎にブラン探偵が挑みます。前作は雪深い山中に聳え立つ豪奢な邸宅でしたが、今回はギリシャの煌めく陽光にひとっ飛び❗というわけですね。

 

予告編では冒頭に監督のライアン・ジョンソン が登場します。監督の説明によれば、大富豪から彼の古い友人たちに届いた複雑怪奇なパズルボックスがじつは、絢爛豪華な孤島ツアーへの招待状のようです。「初めは楽しいゲームから始まったのが、次第に禍々しいものに変化していく」ストーリーだとか。

 

 

 エドワード・ノートン演じる大富豪によって島に招かれた客人たちが、ジャネール・モネイ(『ドリーム』『アンテベラム』)、ケイト・ハドソン(『あの頃ペニーレインと』『10日間で男を上手にふる方法』)、キャスリン・ハーン(『10日間で~』で、ケイト・ハドソンの職場の同僚を演じてました)、ブロードウェイの大スター、レスリー・オドム・ジュニア(『ハリエット』)、ジェシカ・ヘンウィック(直近では『グレイマン』のCIAエージェント役。この時はブロンドに染めてたからずいぶん印象が違いましたね)、マデリン・クライン(Netflix『アウターバンクス』)、デイヴ・バウティスタ(ご存知、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のドラッグス❗ダニエル・クレイグとは、『007 』でも共演してましたよね)…という、超ゴージャス、且つ一癖も二癖もありそうな人たち😅

 

予告編では、ケイト・ハドソンデイヴ・バウティスタレスリー・オドム・ジュニア、キャスリン・ハーン、ジェシカ・ヘンウィックの面々がパズルボックスに挑戦するシーンが。見事答えをヒットするとボックスが開き、中には光耀く「ガラスの玉ねぎ」が❗さらにその中に招待状が入っているしくみ。彼らは嬉々として招待状を手に取ります。恐ろしい死の招待とも知らずに……。

ひぇぇぇ、怖い😱

 

  招待状にはそれぞれ、「君たちの推理能力を見込んで、殺人事件の謎を解いてほしい」とあるのですが、はて、その裏にはどんなワナとからくりが潜んでいるのでしょうか❓

 

日本での公開が待ちきれませーーーん❗

 

 

 

『東京国際映画祭 2022』この映画だけは見逃さないゾ❗~ガラ・コレクション編

  第35回東京国際映画祭が間近に迫ってきました❗ヲタク的には第33回以来2年ぶりで、映画『写真の女』(串田壮史)に衝撃を受けたあの瞬間が、つい昨日のことのようです(遠い眼)。

 

  今日は、ヲタクが(東京国際映画祭、この映画だけはぜってー見逃さねーぞ👊✨)って、力こぶ入っちゃってる作品の数々をご紹介します。日本映画は、ネットで検索すればプロのライターの方が情報を多数発信して下さっていますので、海外の映画に絞りました。ヲタクが今まで海外のネット記事を元ネタにしてブログで取り上げたものが中心です。

 

★White Noise / ホワイト・ノイズ


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『マリッジ・ストーリー』で昨年ヴェネチア映画祭に華々しいデビューを飾り、オスカーではローラ・ダーン助演女優賞をもたらしたノア・バームバック監督の最新作。主演はアダム・ドライバーとグレタ・ガーウィク(最近は監督としての活躍が目立つ彼女ですが、『フランシス・ハ』等、女優としても大好きなので、ヲタク的にはめちゃくちゃ嬉しい😍)ニューヨーク映画祭のオープニング作品にも選ばれているみたいですね。ジャンルは…海外のネット記事によれば……アポカリプス・コメディ❓レオさまの『ドント・ルック・アップ』みたいなストーリーってことかしら。アダム・ドライバーのヴィジュアルが別人みたいってネットに書いてあったけど…気になる、気になる(笑)

 

日本版ポスターのキャプションには

死の気配は  日常にあふれている。

……って、なにそれ、めちゃくちゃコワイんですけど(笑)

 

 

★バルド


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Netflixからは、レオさまに悲願のオスカー像をもたらした『レヴェナント  蘇りし者』から7年、久しぶりのアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督の最新作『バルド』がお目見え。『レヴェナント』、『バードマン』で、イニャリトゥは2年連続オスカー監督賞受賞という快挙を成し遂げました。『 バルド 』は、監督が20年ぶりに祖国メキシコで全編撮影を行った作品。著名なメキシコ人ジャーナリストが故郷に帰り、自身のアイデンティティや家族との関係、過去の過ち、そして母国の現状を見つめる作品で、監督自身の姿がかなり色濃く投影されているようです。

 

★ザ・メニュー


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今や飛ぶ鳥を落とす勢いのアニャ・テイラー=ジョイと、ブルー・グリーンの瞳の英国イケメン俳優ニコラス・ホルトカップルで、御大レイフ・ファインズが高名なシェフというサイコサスペンス&コメディ❓『ザ・メニュー 』も、参戦が発表されましたぁ~🎉✨😆✨🎊

 

なかなか予約が取れない、ある孤島にある豪奢なレストラン。(まずもってこのクローズドミステリー的な、あるいはアガサ・クリスティちっくなシチュエーションが不穏😅でも料理がめちゃくちゃ美味しそう♥️)そんなレストランにやって来たカップル、アニャとニコラス。ヲタクはオリジナルの予告編見たんですけどね、ニコラスったら、料理の見事さに「ちょっと感動しちゃって」と涙目になってる。か、可愛ええ……😍(注・極めて個人的な感想です  笑)それを見ているアニャはめちゃくちゃ冷めてる😅倦怠期カップルの設定❓しかし、場面は一転、「はい、シェフ!」というスタッフの声が響いたかと思うと、頭を抱え、怯え、何者かに追われて次々と逃げ惑う人々。

な、なんなの?これー❗

ハリウッド版『注文の多い料理店』ってわけ~~❓

 

 カギを握るのがたぶんレイフ・ファインズ演じるシェフなんだろうけど、考えてみたらレイフ・ファインズって、ちょっと怖くない❓(小声)無表情で何考えてるかわからないし、善人だか悪人だかもいつも謎😅今回はどんなキャラなんだろう……。レイフ・ファインズニコラス・ホルトも英国人だし、英国ミステリっぽい仕上がりかな。

 

★イニシェリン島の精霊


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マーティン・マクドナー監督の『イニシェリン島の精霊/The Banshees of Inisherin』

スリー・ビルボード』のマクドナー監督がアイルランド西部の孤島を舞台に描く戦慄の物語。長年の親友(ブレンダン・グリーソン)から突然絶縁状を突き付けられた男(コリン・ファレル)。親友は、今すぐ自分と縁を切らなければ、自分の指を全て切り落とすと恐ろしいことを口にする。そして、島には、死の臭いを嗅ぎ付けるという精霊(バンシー)到来の予感が……❗

 

  アイルランド🇮🇪大好きヲタクとしては、アイルランドの西の孤島が舞台……ってだけで、期待でゾクゾクする。アイルランドの人たちって、今でも精霊の存在や超常現象を信じていると言われています。奇妙な風習もいまだに存在するみたいで……。ヲタクが好きなアイルランド西部出身の劇作家ジョン・ミリントン・シングの作品には、死者の荒ぶる魂を鎮めるため、他人の葬式に行っては声を限りに泣き叫ぶ「泣き女」が登場しますが……。

 

  マクドナー監督のこと、プロットはきっと二転三転、一筋縄ではいかない作品に仕上がってそうですね。ヴェネチア映画祭では見事、脚本賞を受賞しています。

 

★ドント・ウォーリー・ダーリン


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カリフォルニア州の砂漠にあるコミュニティーで暮らす主婦アリス(フローレンス・ピュー)は、身辺で不可解で奇妙な出来事が続くことに気づき始め、やがて自分は精神に異常をきたしたのではないかと疑うようになっていく。アリスの夫ジャック(ハリー・スタイルズ)は、心からアリスを愛している‥‥と見えたが、実は彼、妻にも明かせない大きな秘密を抱えていた❗

‥‥という心理スリラーだそう。カリフォルニアの砂漠にあるコミュニティ‥‥ってカルト宗教がらみかしらん❓フローレンスの出世作ともなったA24製作の『ミッドサマー』を思い出す設定ですよね。『ミッドサマー』でも、次第に心理的に追い詰められていく女性を迫真の演技で魅せたフローレンス。また、謎めいた秘密を抱える優しい夫役のハリー・スタイルズ、フローレンスとは激しいラブシーンがあるそうで、ハリーのファンからは「心の準備ができていない」と、悲鳴があがっているとか(笑)

 

  ファンだけじゃなくて、この映画の撮影がきっかけでハリーと恋人同士になった監督のオリヴィア・ワイルドが嫉妬してフローレンスと犬猿の仲になったとか……公開前にゴシップが先行してしまってちと残念な感はありますが、作品自体の力で、そんな口さがないウワサも吹き飛ばしてほしいものです😊

 

 ★ノースマン~導かれし復讐者


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この映画、今年の夏に公開が決まった❗とどこかで聞きつけたヲタクが、海外のネット記事を参考にしてブログを書いたのは、今年の4月のことでした。それからとんとウワサを聞かないなーと思っていたら、最近急に、来年1月に日本公開との告知がされました❗来年まで待てないから、今回東京映画祭でぜったい見るゾ❗👊✨

 

4月に書いた紹介記事です⏬⏬⏬⏬⏬

良かったら、読んでみて下さい😊


[https://www.rie4771.com/entry/2022/04/04/%E3%80%8E%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%B3%

 

男たちのやりきれない愛と孤独~映画『ブエノスアイレス』レストア版


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 横浜のミニシアター「ジャック & ベティ」でウォン・カーウァイ監督の『ブエノスアイレス』観賞。20年ぶりに観たこの映画、撮影監督クリストファー・ドイルとの神タッグで、手持ちのカメラでズームして追いかけるように撮っていく躍動感(特に主人公ファイ(トニー・レオン)が職場の仲間とサッカーに興じるところ)、「香港はブエノスアイレスの反対側にある。足の下に香港があるんだ」ってファイ呟いた途端に映像が引っくり返るシーン等々、スタイリッシュな映像美が未だに色褪せてないことにビックリです。

 

なにせ、ウォン・カーウァイの映画ってカッコいいんだよね😊

 

  それまで祖国香港を舞台に映画を撮り続けてきた監督が、初めて海外、それこそファイが言うように地球の反対側に飛び出した……っていうことで当時もずいぶん話題になりましたね。一説には香港の中国返還問題をテーマにするのを避けるため……云々と言われましたが、よりにもよってブエノスアイレス(笑)

 

  でもだからこそ、祖国を捨て、地球の反対側まで逃げてきて、異国の街の片隅で身を寄せ合うようにして生きる男たちの絶望と孤独が

惻惻と胸に迫って、観ているこっちもどうしていいかわからなくなる😢しかも、彼らは同性愛者。自らが異端であり、社会に疎外されている感覚は、さらに深くなっていきます。

 

  主人公のファイは、お父さんの友人の会社で働いていたところが、会社のお金を盗んで逃亡。家族絶対主義の儒教的考え方からすれば、親の、そして家名に泥を塗ったわけで、それこそ「許されざる罪」。ファイはそれを悔やみ、飛行機代を稼いでいつかは父親に許しを乞い、祖国に帰ることを夢見ています。一方、ファイの恋人ウィン(レスリー・チャン)は、その出自は最後まで謎のままですが、その日暮らしで刹那的に生きる男。彼には、倫理観も、人生の指針も、希望も抜け落ちていて、心にぽっかり穴が空いているようです。ファイはウィンとの関係を清算しなくては……と思いながらも、ウィンの常套文句「今度こそやり直そう」に逆らうことができず、ズルズルと同棲を続けています。面白くないことがあるとプイと家出して、何日も帰って来ないウィン。置き去りにされ、欲望を持て余したファイが、公衆トイレで相手を探すシーンは……切ないです。また、トニー・レオンはこういう悲哀というか、切なさの表現が天下一品だからなぁ……。

 

  初めてこの映画を観た時には、ホモセクシュアリティを真正面から描いたそのガチさかげんに度肝を抜かれました😮それも当時、人気・実力共にトップクラスのトニー・レオンレスリー・チャンが演じたんですから……観た夜はなかなか寝つけなかったことを、つい昨日のように思い出します😅

 

  ……しかし、当時は絶頂期で、煌めく星のように耀いていたレスリー・チャンはもう、この世にいない😭健在なら、現在のトニー・レオンみたいに渋い魅力のイケオジに絶対、なっていたに違いないのに。悔しい、ほんとに。 ラスト、ウィンは、祖国に向けて旅立ったファイの部屋で、彼の毛布を抱きしめて号泣します。その姿が、レスリーにとって最後の場所となった香港のマンダリンオリエンタルホテルの一室、同じように絶望に苛まれていたであろうレスリー自身の姿と重なって、涙が溢れて仕方なかった。

 

……でもいい❗映画の中の名優たちは、生身の身体はいつか消え去る日が来たとしても、こうやって何度も銀幕に蘇り、繰り返し、繰り返し、私たちに感動を与え続けてくれるから。

 

  ★今日の小ネタ

イグアスの滝、怖い

冒頭二人で、あの有名な「イグアスの滝」に向かっているシーンで始まるんですが、道に迷って辿り着けないんですね。結局、別れた後にファイが一人で行って、びしょ濡れになる。きっと泣いてたと思うんだけど。滝の飛沫でそれとはわからない。それにしてもイグアスの滝って一体何なの❗❓世界中の水集めたみたいで、見てるだけで怖いんですけど。……

 


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イグアスの滝と言えば、昔ロバート・デ・ニーロが主演した『ミッション』という映画、ポスターにも使われている、磔にされた人が滝壺に落ちるシーン、このスタントマンの方が亡くなった……って報じられたんだけど、確か製作者側は「そんな事実はない」と言い張って、結局真相は薮の中だったらしい。今では考えられない話だけど……。

 

・モノクロからカラーへ

  ファイとレスリーの心情が暗く絶望的な場面では白黒で、気持ちが高ぶって楽しい時には鮮やかな色彩に変化します。登場人物の心象風景を色彩のあるなしで表す手法は、『婚約者の友人』(フランス)でも使われてましたね。カーウァイ監督から影響を受けたかな❓

 

女だって強いってこと、教えてあげる~『ガンパウダー・ミルクシェイク』今日もほぼ小ネタ😅

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「ファーム」という名の暗殺組織で腕利きのヒットマンとして働くサム(カレン・ギラン……出演作『ガーディアン・オブ・ギャラクシー』❓❓(-ω- ?)あー、あの緑のネビュラかぁぁぁ~❗素顔はこんな美人さんだったんだ😮)。彼女の母親も「ファーム」で働くヒットマンでしたが、15年前にサムを置いて謎の失踪を遂げていました。

 

  ある日、「ファーム」の会計士が巨額の資金を持ち逃げする事件が発生。サムはボスのネイサンの命を受け、会計士を銃で撃って資金を取り戻しますが、盗みの理由が彼の8才の娘エミリー(クロエ・コールマン……このお嬢さん、『マリー・ミー』で、オーウェン・ウィルソンの娘役でしたね。賢そうな雰囲気ありますよね。芦田愛菜ちゃんみたい😊あの時は歯列矯正してたけど、終了したのかな)が誘拐されて身代金を要求された為と知り、義憤を感じたサムは、ネイサンの命令に背いて娘を取り戻しに誘拐犯のアジトに乗り込みます。

   一方、以前ファームに命じられた仕事で、マフィアのボスの息子を返り討ちにしてしまったサムは、マフィアから命を狙われるハメに。ところがネイサンは卑怯にも、手のひらを返して「あれはサムの暴走で、彼女が勝手にやったこと。うちの組織には関係ない」とサムを切り捨てます。サムは、彼女が撃った傷が元で父親が死んでしまい、天涯孤独になってしまったエミリーを連れて逃亡の旅に。途中、15年ぶりに再会した母親スカーレット(レナ・ヘディ……『ゲースロ』のサーセイ・ラニスターだ~❗)、図書館(……というのは仮の姿で、プロの殺し屋の為の武器庫😅)の司書3人(ミッシェル・ヨー(『シャン・チー』)、カーラ・グギノ(『シン・シティ』で、食人鬼のイライジャ・ウッドに腕食われちゃった人)、アンジェラ・バセット(『ブラック・パンサー』)……この人たちがオニ強いんだわ。ヒロインのカレンと同様、なにげにマーベルつながり🎵  )と共に、図書館に大挙して押し寄せるマフィアの軍団を迎え撃つことになりますが……❗❓

 

 

 ナボット・パブシャド監督はイスラエルの人らしいんだけど、映画オタクの匂いぷんぷん(笑)どこの国かわからない(ダイナーが登場するからアメリカだとは思うけど)エキゾチックな感じ、この色彩感覚は、個人的にはディアオ・イーナン監督の『鵞鳥湖の夜』(特に、ネオンに照らされた部屋に血飛沫が飛ぶところ)や『ラストナイト・イン・ソーホー』を彷彿とさせる。架空の街の創造……という点では、ウェス・アンダーソンか、『バットマン』のゴッサムシティか、はたまた『シン・シティ』か。

 

  監督はクェンティン・タランティーノや日本映画の影響も公言していて、確かにカレン・ギランのアクションは『キル・ビル』のユマ・サーマンを思い出させます❗……なんだろう、いろんな映画や映画人たちへの愛とリスペクトに溢れてて、見ててホントに楽しいの。また、いろんな武器が図書館のそれぞれの本に隠されてるんだけど、サムに貸し出されるのが、ジェーン・オースティンシャーロット・ブロンテヴァージニア・ウルフアガサ・クリスティ……っていうのも、小ワザが効いてますよね。ヲタク的にはエミリ・ディッキンソンあたりも加えて欲しかったけど。まっ、8才の賢い少女の名前に使ってくれたから、よしとしよう。(ち、違う❓😅)

 

  名前と言えば、ヒロインのサムはもしかして、アメリカの人気TV番組『奥さまは魔女』❗❓正式な名前はサマンサだけど、ドラマの中では、夫のダーリンだけがサマンサのことサムって呼んでた記憶がある。映画のサムの強さ、人間離れしてるもんね。お母さんのスカーレットは、言うまでもなく、アメリカのフィクション史上最強の女、「明日は明日の風が吹くスカーレット・オハラでしょう(『風と共に去りぬ』)。この親子、ぜったい負ける気がしない(笑)

 

 パブシャド監督、 日本映画が好き……って言っても、定番の黒澤明黒沢清の他に、梶芽衣子の『修羅雪姫』や『女囚さそり』シリーズ、『子連れ狼』を参考にして、主演のカレン・ギランにも見せた……って言うんだから、ガチのオタクだよね(笑)かと思えば、ミッシェル・ヨーが鎖でマフィアの一人を吊り上げて処刑?しちゃうシーン、隣で見てた夫は「必殺仕事人みたいぢゃん❗」って言ってました。……いくらパブシャド監督がガチの日本映画オタクとは言え、「必殺仕事人」を観てるかどうかは定かではないけどね😅

 

  また、監督は「アクションにはユーモアがなくてはならない」というポリシーの持ち主だそうで、それが如実に現れてるのが、シビレ薬を打たれて両腕が麻痺したサムが、エミリーを助手にして、ファームから送り込まれた3人の刺客と死闘を繰り広げるシーン。

 

……もう、最高っすよ❗

 

スリルに背中ゾクゾクしながら、お腹抱えて大笑いΨ(`∀´)Ψ……忙しいったら(笑)

 

  早速、続編の製作も決定したみたいですね。『355』とどっちが早い❓😉

 

★今日の小ネタ

図書館でマフィア軍団と女たちが死闘を繰り広げるシーンで流れるジャニス・ジョプリンの『心のカケラ』。もー、わかってるね、監督❗じわるわ~。

But what I'm gonna show you ,baby, that a woman can be tough.

だけどベイビー、証明してみせるわ、女だって強くなれるってことをね。

I'll say come on, come on, come on, come on, and take it.

だから来て、来て、来て、来てよ。そして取ってきゃいいさ、心のカケラを。

 

完璧に女性が失恋する歌で、男は家出して捨てられたのは女の筈なのに、ジャニスのドスの利いた声でcome on,come on……って歌われると、「アタシの心、取れるもんなら取ってみな」って言われてる感じで。聞いた男性はビビりそう(笑)

 

  (この歌、どっかで聞いたことあるなー)と思った方も多いんじゃないでしょうか❓……そう、ナタポのミス・ディオールのCMです。バージンロードを歩くナタポがウェディングドレスを脱ぎ捨て、ヘリコプターで脱出しちゃうCM。「花嫁の脱出」と言えば、映画『卒業』(マイク・ニコルズ監督)のラストシーン。映画では愛する相手(ダスティン・ホフマン)が迎えに来て、二人で手に手を取って逃げ出したけど、今どきは一人で決めて一人で実行する(笑)

 

  ラストに、このジャニス・ジョプリンへのまるでアンサーソングみたいに、ボブ・ディランの『これで終わりさ ~It's all over now, baby blue』が流れます。

         
  持っていきたいものがあるんなら 

        早く 持ってけよ
  残されるぼくは拳銃を持って
  燃え盛る太陽のように叫んでる
  気をつけろよ くれぐれも
  これで終わりさ ベイビー・ブルー

  高速道路は危険だ 気をつけるんだな

 

……同じ失恋でも、なぜか男のほうは未練たらたら(笑)

 

あ、もうひとつ、サムの母親スカーレット役のレナ・ヘディですが、性的暴行で訴えられたあの悪名高いプロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインからの性的要求をはねつけたために、仕事を干されちゃった人。ワインスタイン失脚後、『ゲースロ』の諸悪の根源……いやもとい、稀代のファム・ファタール、サーセイ役で見事復活❗まさに「女だって強いってこと、教えてあげる」ですわ😅

 

  

キット・ハリントンのNTL『ヘンリー五世』~イケメン演技派の登竜門❓


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池袋シネリーブルにて、『ヘンリー五世』観賞。休憩挟んで3時間20分の長丁場でございます。

 

  剣を取れば勇猛果敢、群雄割拠だった英国をひとつにまとめ、さらには当時大国であったフランスの軍勢を打ち破り、フランスの美姫を娶って両国の友好関係を築いたヘンリー五世。抜きん出た軍人且つ政治家でありながら、夢半ばにして病に倒れたヘンリー五世(1386~1422 : あの、百年戦争の時代であります)。ヲタク的には、このシェイクスピアの史劇の主人公って、なにげにイケメン演技派の登竜門のような気がしてるんですが😊ヲタクが観ただけでも、トム・ヒドルストンティモシー・シャラメ、我が国では松坂桃李……。ねっ、きら星のようなメンツでしょう❓この目映い面々に、今度はキット・ハリントン(『ゲーム・オブ・スローンズ』『エターナルズ』)が加わったというわけ❗もー、観る前からドキドキするわー(笑)

 

 

  冒頭に上演開始前のキットのインタビューが❗彼は「ヘンリー五世は、ヒーローにもヴィランにも成りうる人物だ」と語ります。確かに今回の舞台では、王位に就いた途端に昔の仲間を切り捨てたり、敵国のフランスに通じた貴族に対し、彼らが後悔し命乞いをするにも関わらず死罪に処す冷徹さが強調されていたように感じます。但し、今回の舞台では時代が現代に置き換えられているので、現代人の我々の目から見れば、王の偉業も1つの蛮行に映る……ということなんですけどね。

 

  曾祖父であるエドワード黒太子に倣い、フランスの王権を主張するヘンリー五世に対し、フランス王はテニスボールを送りつけて侮辱します。(さんざん放蕩を重ねた遊び人なぞテニスでもして引っ込んでろ❗って意味らしい)その頃のイングランドというのは、フランス王のセリフにもあるように「曇天ばかりの陰気な場所で、薄いビールを飲んでいる」とバカにされる小さな島国でしかなかったわけですね。そんな島国の王が、ほぼ5倍のフランス軍と戦って勝利するという奇跡を起こした。

 

   季節は凍てつく冬。戦い前夜、フランスの街を陥落させる為に勢力を使ったイングランド軍は疲弊していました。ヘンリー五世は、一諸侯に変装して野営する兵士たちの群れに忍び込み、兵士たちの士気が著しく低下しているのを見、強制的に徴兵されたから仕方なく戦うのだと呟く若い兵士の言葉を耳にします。この場面がシェイクスピアのスゴイところで、「戦争なんて俺たち庶民にゃ何の得にもならん」という痛烈な皮肉も利かした二重構造になっているんですね。

 

  そしていよいよアジンコートの戦いの朝、「ああここにもう一万のイギリス兵が駆けつけてくれたら」と呟く側近に、王は「戦死するのは我々だけで十分。もし生き残れば、その名誉たるや甚大だぞ。敵に挑む勇気のない者は即刻立ち去るがよい。祖国に帰りたい兵は旅費をやるから帰るがいい。今日は聖クリスピンの祭日だ。生き残った者は、必ずやこの日に誇らしくその名を口にするだろう…」で始まる、『聖クリスピンの祭日』と呼ばれる有名な演説をします。圧倒的なフランス軍勢。しかし一番の敵は自分自身の中に巣食う怯む心。それを理解しながらも、捨て身の勇気を持てと諸侯を鼓舞し、聞き手の心を次第に高揚させていくヘンリー五世。


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  ヘンリー五世は兵たちの気分をその名演説によって奮い立たせ、 奇襲作戦で奇跡とも呼ぶべき勝利を手中に収め、フランスの姫キャサリンを娶ってフランスの統治権を得ます。しかしその勝利は汚泥と血糊、側近の貴族を初めとして、両軍の兵士たちの死屍累々の果てに得たものでした。

 

  ……これ、戦いに奇跡的に勝利したから英国史上の名君として讃えられるけど、もし負けていたら……。キット・ハリントンは、軍神の強力なリーダーシップと、その心の底に潜む闇と冷徹さ、そして王者たる者の圧倒的な孤独を巧みに描出していたように思います。(キットは冒頭のインタビュー中で、「同じ悲劇が今、ウクライナで起きている」と、呟いていましたっけ)そしてラスト、口上役が登場し、「ヘンリー五世は若くして亡くなり、その子のヘンリー六世の時代にはフランスも失い、さらには※内戦によって多くの同胞の血が流されました」と締めくくります。権力に固執し、多くの犠牲を払って得た勝利は所詮泡沫のように虚しい。そんな声なき声が聞こえてきそうでした。

薔薇戦争のこと。父の急逝により幼くして王位に就いたヘンリー六世は平和を愛する温厚な人物だったものの、軍事的・政治的な才には欠けていた為、薔薇戦争を引き起こしたと言われています。

 

 解釈の仕方によって、演出のスタイルによって、そして演じる俳優によって、いかようにも姿を変えるシェイクスピアの戯曲の登場人物たち。単なる「歴史」ではなく、今、世界のどこかで起きている物語として語られ、観ている私たちの心を熱くしてくれる。今宵もまた、シェイクスピアの奥深さと稀代の天才ぶりに改めて感動したヲタク😊

 

シェイクスピアよ、永遠なれ❗

 

キット・ハリントン主演『ヘンリー五世』は、シネリーブル池袋にて10月13日まで上映。

 

 

  ★今日のコネタ

ここでちょっと、これまでヘンリー五世を演じたことのあるイケメンたちにご登場願いましょう😉

 

トム・ヒドルストン

『ホロウ・クラウン~嘆きの王冠』

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実はこの『ヘンリー五世』って、その前の王の治世を描いた『ヘンリー四世』と対のようになっていて、のちのヘンリー五世は、皇太子ハルとして登場。若くてヤンチャで、悪友フォルスタッフ(シェイクスピアの戯曲に度々登場する名脇役)たちとロンドンの歓楽街で放蕩に明け暮れている様子が描かれます。ところが父の死によって王位を継いでから彼は一変し、冷徹で統率力に溢れた王者へと変身を遂げます。トムヒは、若い頃のパリピなハル王子と、王位に就いてからのヘンリー五世の落差が物凄くて、もう、アッパレの一言❗

 

……ただ、フランスの姫キャサリンにプロポーズする場面で、「戦いに明け暮れ、顔も黒く、無骨な武人で、ダンスも愛の詩もできぬ無骨な武人だが、私の妻になってくれますか?」っていうセリフがあるんだけど、キャサリンに向かってにっこりする白面の貴公子トムヒの笑顔があまりにもスイートで、どうひっくり返っても「女性の扱いに慣れない無骨な武人」にゃ見えないのが唯一の難点(笑)


ティモシー・シャラメ

Netflix『キング~The King』


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   父王ヘンリー四世からは疎まれ、自暴自棄になって、悪友のジョン・フォルスタッフと夜な夜な歓楽街で遊び歩くハルをシャラメは、決して好んで放蕩しているわけではなく、「若者の自分探しの途中……」といった感じで演じてました。それがまたシャラメの、傷つきやすい憂愁の貴公子然とした雰囲気にぴったりで……。その場にいたらきっと、剣を抜いて守りたくなるわ(笑)この時、傲慢で鼻持ちならないクセにチキンなフランスの王太子ルイを演じていたのが、アノロバート・パティンソン。ノリノリで演じてましたね😅イケメンなのに、こういう情けないクズ男を演じるの好きだよね~この人(笑)

 

  余談ですが、この映画でキャサリンを演じたのがリリー・ローズ・デップ。リリーとシャラメが、たちまちのうちに恋に落ちたのは皆さんご存知の通り😉

 

松坂桃李 『ヘンリー四世』(演出・蜷川幸雄)


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そしてそして、我が日本の誇る若き演技派・松坂桃李❗故・蜷川幸雄さん演出の『ヘンリー四世』ハル王子❗今では押しも押されもせぬ大スターですが、恥ずかしながらヲタク、当時は(朝ドラに出てた人❓)くらいの知識しかなくて、不安半分、期待半分。

 

  ところが、ところが❗180センチ以上はありそうな長身を生かした立ち姿の美しさ。あの長丁場の劇で全くブレない発声の確かさ、明確なセリフ回し。何より、これは天性のものなのか、王子にふさわしい気品。シェイクスピアの劇って、主人公ほとんどが王子とか貴族の息子ですから、何より「気品」が大事😅松坂くんにはそれが備わってた。そしてそして、あの、老獪な吉田鋼太郎(フォルスタッフ)に堂々と渡り合う、将来の王者の威厳さえ持ち合わせて、あまりの嬉しい衝撃に口あんぐり(笑)

 

  蜷川さん亡き後、吉田鋼太郎演出でヘンリー五世演じたんですよね、彼。ヲタクはチケット取りそびれて観てないんですが、今更ながらに悔やまれます(≧口≦)