オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、鑑賞後の感想を呟いたりしています。今はおうちで珈琲片手に映画やドラマを観る時間が至福。

ドラマ『風よあらしよ』~キャスティングが最高すぎる!

f:id:rie4771:20220908222609j:image

 NHKドラマ『風よあらしよ』第1話。これ、半年くらい前に8Kで放送され、悔しい思いしたやつ。ヲタクの家のテレビは8K対応ではないので。このヤキモキ、『スパイの妻』以来だわ~。こうなると、8K買わなきゃダメかなぁ、いよいよ。

 

  ……というわけで、待望のNHKドラマ『風よあらしよ』。大正時代の女性解放運動の思想家であり活動家であり欧米の運動家の著作の翻訳者でもあった伊藤野枝(吉高由里子)の、全速力で駆け抜けた28年の生涯を描いたもの。九州の極貧の家庭に育った彼女は、叔父から東京の女学校の学費を出してもらう代わりに、無理矢理隣村に嫁がされますが、「これは人身売買と同じ」と初夜が明けた翌日に着の身着のまま出奔、女学校時代の恩師、辻潤(稲垣吾郎)の家に転がり込みます。辻の勧めで、平塚らいてう(松下奈緒)の主宰する青踏社の社員となった野枝は情熱の赴くままエネルギッシュに執筆活動を続け、青踏社でめきめきと頭角を現し、らいてうの片腕と称されるまでに。彼女が世間の注目を浴びるのとは反比例して、教職も辞し無為な生活を送る辻との間にはすきま風が吹き始めます。そんな時、青踏社主催の講演会で火を吹くような演説をした野枝に熱い視線を送る一人の男が。彼こそが、野枝の同志であり、最愛のパートナーとなる運命の相手、大杉栄(永山瑛太)でした。第1話は、そんな大杉が突然、野枝を訪ねて来るところで終わっています。

 

  ほぼスッピンで、土の匂いのするような野育ちのヒロインを演じた吉高由里子。もしかしてこの役の為に体重増量したのかな?彼女が話すたび、動くたび、熱いエネルギーが立ち上るよう。野枝の演説を聞いた大杉栄が、「これまでの女性解放運動はお遊びだ。しかしあの女(野枝)は違う。本物だ」と、盟友である渡辺政太郎(石橋蓮司)に呟く場面。……なんだろう、永山瑛太がめちゃくちゃセクシーだったんですけど❗大杉って、自分の主義主張(アナーキズム)の活動資金は愛人たちに貢がせてたらしいんだけど、危うくて、何をしでかすかわからない、だけど目が離せないカリスマ男を、瑛太はクラクラするくらい魅力的に演じてます。あれじゃあね、貢ぎたくもなるわ(笑)

 

  大杉栄とは対照的に、思想や人生全般における野枝の師を自認しながらも、野枝が世間の注目を浴び始めると、今度は彼女に対して嫉妬とも淋しさともつかぬ複雑な感情を抱き始める辻潤。これまた稲垣ゴローちゃんがぴったりハマっているのよねぇ。「動」の野枝や大杉に対して「静」の難しい役どころですが、最近のゴローちゃんの演技、彼独自の役者ワールドを展開していて、誰も真似できない「匠」の境地に達している感があります。それにしても彼、中折れ帽似合いすぎ😍

 

  またね、平塚らいてう松下奈緒が見事で。取材しに来た記者に、「青踏社など所詮裕福な家に生まれたあなたのお遊びだ」と断罪されるらいてう。確かに当時の青踏社って、言ってみれば「意識高い系、ファッショナブルで知的な都会の女たち」の集まりだったわけです。地方出身でしかも極貧家庭の生まれ、バリバリの活動家である野枝は明らかに異質な存在なんですよね。後に野枝と大杉を取り合い、「日陰茶屋事件」を起こす神近市子(美波)なんて、野枝に面と向かって「田舎者」と言って憚らないし😅ヲタク的には、らいてうが野枝を見る時の、愛情と少しばかりの妬み(淋しさ?)を含んだ、複雑な眼差しがぐっと来ましたね。

 

  ますます波乱の第2話が楽しみです❗