U-NEXTでDCの『ブルービートル』鑑賞。これ、先月「東京コミコン」で幕張メッセに行った時に予告編見て(めっちゃ面白そう)って思ってたから(コミコンで本編の上映会もあったんだけど、見てたら終バスに間に合わないから諦めた)やっと見れて良かった〜〜!興行成績イマイチだったらしいけど……
めっちゃオモシロイやん!
メキシコの架空の街パルメラ・シティ。軍需巨大産業コード社に支配されたこの街は、ひと握りの富裕層と大多数の貧困層で成り立っていました。中でも最貧層が住むエッジキーズ出身の主人公ハイメ・レイエス(ショロ・マリデュエニャ)は、(たぶんアメリカの)大学法科を卒業し、これまで支えてくれた大好きな家族に恩返しをしようと、意気揚々と故郷に戻ってきました。しかし元々ボンビーだった家族は店が潰れてますますボンビーになっており、しかも家賃も払えず立ち退きを迫られている始末。とりあえずは働かなきゃとハイメが就職した先は、当のコード社新社長ビクトリア(スーザン・サランドン)の住む大邸宅。清掃中に彼は、ビクトリアと姪のジェニー(ブルーナ・マルケジーニ)の大ゲンカを目撃します。人間に寄生して、その人間を超人的な戦闘マシーンに変身させる宇宙外生命体「スカラベ」を手に入れ、OMACという未来型の軍事プロジェクト(人間の肉体と機械を繋げた最強の人間兵器製造)をまさに始動させようとしているビクトリアと、先代社長だった亡き父の遺志を継ぎ、平和的な事業を興そうとしているジェニーとは水と油。ケンカの仲裁に入ったハイメはビクトリアの逆鱗に触れ、即刻クビに(^.^; 気の毒がったジェニーから「コード社の私のオフィスへ来て。何か仕事を紹介する」と言われたハイメは、翌日早速コード社を訪ねますが、折悪しく?ビクトリアの野望打倒のためにスカラベを盗み出したジェニーとバッタリ遭遇、「これ持って逃げて!私が行くまで隠してて。絶対にフタは開けちゃダメよ」と、小さな箱を渡されたハイメ。わけもわからず?レイエス家に持ち帰ったハイメですが、好奇心まんまんの妹や叔父のルディにせっつかれてうっかりフタを開けてしまいます。ところがさあ大変、中から青いカブトムシが飛び出して、ハイメの身体の中に潜り込んでしまい……!
※新たなDCヒーローに抜擢されたのは、ラテンの濃い系イケメン、『コブラ会』のショロ・マリデュエニャ。
観客の「アメコミ映画疲れ」が囁かれている昨今。延々と続く叙事詩的なストーリーや、勧善懲悪から離れたダークな展開にみんな疲れてるのかな(^.^;現実世界はじゅうぶんダークだしね。ドリームに逃げ込みたいわな(笑)その点『ブルー・ビートル』は貧困層出身でしかもメキシコ人の青年が一発逆転、悪漢をバッタバッタとなぎ倒し、ついでにセレブで美人なGFも手に入れちゃう…っていうヒーローものの王道を踏んでおり、そこにラテンっぽい家族愛と主人公の「成長物語」が加味されてるんだから、つまんないわきゃない!
※スーザン・サランドン。御年77才とはとても信じられないほど若い!そして美しい。
とにもかくにもハイメが心優しい青年でめっちゃ平和主義者、敵をなかなかやっつけられないため、寄生したスカラベ(一応名前があって、カージ・ターと言うらしい)が「御主人様を守るため」勝手にバンバン武器を製造しちゃう設定が面白い。寄生型のヒーローモノですぐ思い浮かぶのはマーベルの『ヴェノム』だけど、何しろヴェノムは性格凶暴でわけもなく暴れまくるから、寄生されたエディ(トム・ハーディ)はいつも傷だらけ(^.^;大変なことになってるけど、スカラベは声からすると一応女性?で、御主人様が危機に陥らない限りはむやみに殺傷能力は発揮しないためエグいシーンはなく、安心して見ていられる。ファミリーで楽しめるヒーロー映画ですね。
なにせ、ハイメを取り巻くレイエス家の人たちのキャラが立ってるんですよね。中でも、国家の陰謀論にハマって妙な発明品ばかり作っている、自称「メキシコのドク」叔父のルディと、じつは昔むかし帝国主義打倒のゲリラ闘士だったというおばあちゃんが最高!ヲタクにも孫がいるけど、悪者に捕らえられた孫を、マシンガンぶっ放しながら助け出しに行く……って、世のおばあちゃんたち誰もが持つドリームじゃない?(……ち、違う?(^.^;)
※仲良しファミリー、レイエス家。家族の掛け合いが楽しい♬(ただし、下ネタ多め 笑)
主人公のハイメが性善説の持ち主で平和主義者のせいか、権力と野心に凝り固まったビクトリア以外はほぼ悪者はいない設定もいいよね。ビクトリアの手先、サイボーグ戦士イグナシオでさえ元はグァテマラ人で、さんざん搾取され辛酸を舐めた哀しい過去を持ってる。彼はお母さんを亡くした時のトラウマから自身の家族の記憶を封印して冷血なサイボーグになり切ろうとします。そして、家族思いのハイメに向かって当初は「家族愛はお前を弱くする」と言い放ちますが、家族を救うために必死に闘うハイメを見て、昔むかし幼少期の自分を思い出す…という展開も胸アツです。
※ヒロインを務めるのは、ご存知ネイマールの元カノでブラジル人女優のブルーナ・マルケジーニ。2人は何度もくっついたり離れたりを繰り返した末に、結局破局してしまいましたが…。
この作品唯一の悪役、コード社の新社長ビクトリアを演じるのは、大ベテランのスーザン・サランドン。サランドンと言えば、反戦運動や人権擁護運動に積極的に関わっているバリバリのリベラル派で有名ですが、そんな彼女を帝国主義の権化みたいな役にキャスティングしてるのもなかなか面白かった。
……でもって、モトリー・クルーの『Kickstart my heart』が(え?こんなとこで使っちゃっていいの?)って心配になるくらいちょっとおマヌケなシーンで使われてて(マッド・サイエンティストのルディ叔父さんがモトリー・クルーのめっちゃファンっぽい(^.^;)、それを知ったトミー・リーがまた暴れ回るんじゃないかとヲタク的には心配(笑)
ポスト・クレジットでは、ジェニーに関する驚くべき秘密が明らかになり、必然的に2へ繋がる流れにはなっているけど……公式の発表があるまでは期待しないでおこ。
★おススメ度
★★★☆☆(見て損した気分にはならないです🎵)