オープニングは1970年代ペルーの熱帯雨林。アメリカ人女性コンスタンスは臨月近い身重の身でありながら学者たちのチームと共に、人間の細胞を活性化させる毒を持つという希少種の蜘蛛を探していました。しかし彼女はその希少な蜘蛛「ラス・アラニャス」を発見して歓喜したのも束の間、チームの一員で蜘蛛の持つパワーを独占しようとしたエゼキエル(タハール・ラヒム)から拳銃で撃たれてしまいます。その様子を見ていた密林に住む種族が、陣痛の始まった彼女から女児を取り上げますが、コンスタンスはそのまま息絶えてしまいました。
場面は変わって2003年のニューヨーク。救急救命士のキャシー・ウェブ(ダコタ・ジョンソン)は同僚のベン・パーカー(アダム・スコット…ハイ!ご存知『スパイダーマン』のベンおじさんの若い頃)と共に、一人でも多くの命を救うため日夜奮闘を続けていました。ある日、キャシーは救命作業中に事故に巻き込まれ、ハドソン川に投げ出されてしまいます。息もできない水の中で何故かキャシーは意識を取り戻すのですが、目の前には一面、蜘蛛の糸が張り巡らされた光景が広がっていました。その後キャシーはベンから救い出されたものの心停止していたようで、(あの光景は臨死体験だったのか?)と疑います。それからというものキャシーは、ふとした瞬間に近未来がフラッシュバックのように襲ってくるという体験をするようになり、次第に混乱をきたし、恐怖に見舞われるようになります。そんなある日、地下鉄に乗ったキャシーは、壁を高速で這い回る黒い蜘蛛男が、乗り合わせた3人の少女たち…ジュリア・コーンウォール(シドニー・スウィーニー)、アーニャ・コラソン(イザベラ・メルセド)、マティ・フランクリン(セレステ・オコナー)を次々と殺していく場面を予見し、彼女たちに声をかけて無理やり地下鉄から連れ出します。しかし彼女たちの眼の前にはキャシーが予知した通りの黒い蜘蛛男が立ちはだかり……!
MCU初のサスペンスと銘打つだけあって、予知能力だけを頼りにモンスターから少女たちを守ろうと奮闘するキャシーにめっちゃハラハラドキドキ感情移入しちゃうし、その健気さに泣けてくる。・゚・(ノ∀`)・゚・。観てるうちに画面に乗り込んでって角材でも振り回したくなったよ(笑)加勢したくなるヒーローって、アメコミ映画史上お初じゃなかろうか。
「駄作だ」「ガッカリだ」って騒いでる人たちの意見を総合してみると、アクション場面が少ない、キャシーがMCUヒーローのクセに弱っちい……っていうのが大半かな。でもさ、演じてるのがあのダコタ・ジョンソンだよ?たおやかで優美で、どんなにセクシャルな役柄を演じても決して上品さを失わないダコタだよ?ブリー・ラーソンやフローレンス・ピューみたいに男顔負けのバイオレンスアクション期待するほうが無理だっつーの!!(ヲタクは何を隠そう、ダコタの大ファンなのだ。イチャモンつけるヤツは許さないわよ 笑)それにコミックのマダム・ウェブは筋無力症の設定で、もともと車椅子なんだよねぇ。それに比較すれば映画のマダム・ウェブは母親がキャシーを出産した時にラス・アラニャスに咬まれたせいで健康体で生まれ、しかもドライビングテクニックは超一流。じゅうぶん現代的解釈が加えられていると思うけどなー。
※ワールドプレミアでのダコタ・ジョンソン。こんなドレスで下品にならないのはダコタ・ジョンソンだけ!(断言)
ラスト、メアリー・パーカーがピーターを出産する場面が出てきて感激(≧∇≦)b『スパイダーマン・ゼロ』的な雰囲気です。今後スパイダーマンとヴェノムとモービウスがクロスオーバーする世界観SSU(ソニー・スパイダーマン・ユニバース)が展開すると言われていますが、『マダム・ウェブ』も勿論その一環。キャシーのアパートの駐車場にしっかりビヨンセの看板立ってたしね(笑)「マダム・ウェブ軍団」の今後の活躍が楽しみです!
前列3人は……
(左)スパイダーウーマン、マティ・フランクリンを演じるセレステ・オコナー。
(中)スパイダーガール(スパイダーウーマンの妹分)アーニャ・コラソンを演じるイザベラ・メルセド。
(右)スパイダーウーマン、ジュリア・コーンウォールを演じるシドニー・スウィーニー。