オタクの迷宮~映画と舞台と音楽と Chaos-α

変わり者よと言われても 今日もオタクで生きてゆく

「宮本から君へ」真利子哲也監督と言えば「ディストラクション・ベイビーズ」ですが😊

 主題歌であるエレカシ「Do you remember❔」もいよいよ解禁、ますます期待に胸膨らむ(笑)映画「宮本から君へ」ですが、監督は現代日本映画の最先鋭ともいうべき真利子哲也監督。真利子監督と言えば鮮烈に思い出されるのが、「ディストラクション・ベイビーズ」(2016)

 

  これはもう、かつての「勝手にしやがれ」(ジャン・リュック・ゴダール)、「俺たちに明日はない」(アーサー・ペン)、さらには「時計じかけのオレンジ」(スタンリー・キューブリック)に匹敵する、日本映画の名作と言っても過言ではありますまい。

 

  そこには、少年犯罪を扱った日本映画にありがちな、少年たちの暴力衝動や犯罪を、その不幸な家庭環境や生い立ちに原因を求めるような湿った、甘い情緒はありません。かつてキューブリック監督が、「時計じかけのオレンジ」、原作者は「主人公の少年アレックスが強制治療の結果その暴力衝動を骨抜きにされ、改心するという結末」にしていたのを、あの恐るべきラストに書き換えたのと同じ。登場する子どもたち~ディストラクションベイビーズ~は理由もなく、ただひたすら破壊しまくり、自らの破滅へとひた走る。それを見据える、冷徹で乾いた真利子監督の眼差し。そこには、徹底的な不条理が存在するのみ。

 

  もうひとつの見事さは、今日本映画を牽引するニューエイジの揃い踏み。まるで異世界から降臨した化け物のように暴れ回り、自らもさんざん殴られて血まみれになりながら、なおも陽光の中で、まるで爽快なスポーツの後の如くニヤニヤと薄笑いを浮かべる柳楽優弥。その尻馬に乗ってか弱い女性にしか手を出せず、いざとなるとヘラヘラと逃げ腰になる菅田将暉の見事なクズ小者っぷり、二人の暴力衝動に飲み込まれ、翻弄されたと見せかけて、さらなるモンスターに再生していく小松菜奈の恐ろしさ…。その他、今回主役を張る池松壮亮村上虹郎北村匠海吉村界人岡山天音…それぞれ適材適所、これでもか❗って言うくらい、豪華な布陣。あの映画ほど、血糊がウソっぽくなく、人を殴る音が擬音ではなくリアルで、ゾッと背筋が寒くなった映画はありませんでした。

 

ドラマ版「宮本から君へ」も、ただの熱血モノには決して終わらない、どこか乾いた、冷徹に社会の矛盾を切り取る視線が心地良かったので、映画版への期待はいや増すばかりの今日このごろでございます❗