オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・ライブ鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログ。

なんか、ゾワゾワする〜NHKドラマ10『燕は戻って来ない』第1回


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 うー、なんかゾワゾワするドラマだったなぁ。「ゾワゾワする」……gooの辞書によれば、
嫌悪や不快、また、感情の高ぶりのために身震いするさま。鳥肌が立つようなさま。ぞくぞくする。

って感覚らしい。うーーん、言い得て妙❗まさにしょっぱなからゾワゾワさせられたよ。

 

 ヒロインの大石リキ(石橋静河)は29歳。派遣社員で病院の受付事務をしていますが、手取り14万の給料では古ぼけたアパート代を払って食べていくのがやっと。夢も希望もない毎日に疲れ果てていましたが、同僚の照代(伊藤万理華)から、生殖医療エージェントに卵子を提供して稼がないかと誘われます。奨学金500万(彼女の親は、生活費も上乗せして借り入れていたらしい…)の返済のため、夜はキャバクラで働く照代は、「卵子なんてただのタマゴだよ。献血と同じじゃん」とあっけらかんと言いますが、リキは倫理的な抵抗感から照代のようには割り切れません。しかし生活は日に日に逼迫していき、事務の仕事の契約終了時期も迫っています。そんなある日、リキは自転車の置き方に端を発して、同じアパートの住人(酒向芳)からしつこく絡まれ……。


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※自身が性的に搾取されていることへの1種の復讐心から、卵子提供を決意する照代役を巧みに演じるのは、伊藤万理華。ヲタクは、映画『もっと超越したところへ。』がお初だったけど、あの時の彼女も振り切った演技が素晴らしかった。

 

 1話は、リキが米国の生殖医療エージェント「プランテ」日本支社を訪れ、代理母出産を決意するまで。彼女の契約相手となるらしいのが、元バレエダンサーの草桶基(稲垣吾郎)と悠子(内田有紀)夫婦。悠子は不育症を患い、3人の子を流産で失っていました。社会で活躍するバリキャリにも関わらず、子供を産めないことを姑(黒木瞳)に責められ続け、萎縮する悠子、親の借金のために風俗で働く照代、貧困に苦しむリキ……と、このドラマに登場する女性たちは皆女性であるがゆえの生きづらさを抱えており、見ているヲタクは同じひとりの女性として胸が痛い😭


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※元バレエダンサーって、ゴローちゃんにぴったりの役❤ドラマ中に出てくる現役時代の写真がめちゃくちゃカッコいい❗一見ジェントルマンな理想の夫に見えるけど、これから彼が1番欲望を露わにしていきそうで……コワイ(^_^;)2面性のある、危うい役も巧いからなぁ。

 

 原作は読んでないけど、作者は桐野夏生だもんなぁ(^_^;)これからどんどん登場人物たちの、心の奥底に潜む欲望と闇深さが剥き出しになって来るんだろうな。ポスターでも、内田有紀の悲しげな表情とは対象的に、ヒロインの石橋静河とゴローちゃんがどこか不気味に微笑んでいて…。彼らの「笑い」は、作品のテーマを象徴しているような気もする。彼女の小説を読むと、自分が今まで、どうしようもないどす黒い悪意や憎しみを抱くことがなかったのは、出逢う縁に恵まれていたに過ぎなかったんじゃないか……って気分にさせられるのよね。このドラマも心して見続けなければ(笑)

 

 さすがNHK、キャストがめっちゃ豪華で、カメオ出演黒木瞳と酒向芳だもんねー。またさ、この2人がやな役なんだわ。特に酒向芳の変態オヤジっぷりは、気持ち悪い通り越して恐怖でしかない

((((;゚Д゚))))

 

 これから森崎ウィンや戸次重幸も登場するみたいで、第2回以降が楽しみ❗