オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・ライブ鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログ。

イヤミスの極致❗❓~Netflix「エイリアニスト」

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(From Pixabay)

  大好きな女優、ダコタ・ジョンソンが準主役級で出演していると知って見始めたアメリカのドラマ「エイリアニスト(原題 The Alienist~Angel of Darkness)」(Netflixで配信中 : 第1シーズン全10話)。やっと見終わりました。

 

  見始めたのはいいものの、のっけから残酷でグロテスクなシーンの連続で度肝を抜かれます😅…なんで、ちょっとお休みしていたんですけど(笑)規制の少ないケーブルTV局の製作だけあって、リアルで驚くような描写が多いですね。

 

   舞台は19世紀も終わろうとしているニューヨークの街。英国の腐敗と古き因習を嫌い、自由を求めて新天地に移ってきた人々の集合体であったはずが、いつのまにか貧富の格差はますます拡大し、上流階級や警察本部の実態は腐敗を極めていました。

 

  そんなニューヨークの街で、貧しさがゆえに男娼として夜毎街角に立つ少年たち(ストリートチルドレン)ばかりを狙った連続猟奇殺人が発生します。あろうことか、彼らの眼球と心臓は無惨にも抉り取られているのでした…((( ;゚Д゚)))

 

  犯人特定に乗り出すのが、当時の警察本部長フランクリン・ルーズベルト(後の合衆国大統領)の友人であり、エイリアニストのラズロー(ダニエル・ブリュール) 当時精神病患者は人間の本質を失った者と見なされ、彼らの治療にあたる精神科医はエイリアニストと呼ばれていました。ドラマの中でも、当時の患者に対する非人道的な処遇が度々出てきます😢

 

  ラズローはそんな医学界の流れに真っ向から反発し、犯人の心理を分析・推理し、理解・共感することによって犯人像に近付こうとします。言わば、現代のプロファイラーの祖とも呼ぶべき人なんですね。彼の協力者が、犯人の似顔絵を担当する写生家のジョン(「美女と野獣」「ホビット」などでお馴染みの英国人俳優ルーク・エヴァンス)、そして我らがダコタ嬢演じる、ルーズベルト本部長の秘書サラ。このサラは、アメリカの初代女性警察官がモデルになっているそうで、華やかなドレスに身を包み、超美人なのに肝が据わっていて、右往左往する男たちを一喝(笑)強い意思を秘めた瞳…めちゃくちゃカッコいいっす😊

 

  その昔、ショーン・ペンが知的障害のパパで、ダコタがその娘を演じた「アイアムサム」もう、号泣感動作でしたよねぇ😭あの時のいたいけな可愛い子役の女の子が、こんなにも素敵な大人の女性に成長するなんて…。オバサン、感激(笑)

 

  ドラマの展開は結構ゆっくりめですが、個人的には、その緩やかなテンポが、殺人鬼がヒタヒタと迫ってくる感じに呼応して、怖さ倍増な気がするんですが…😅捜査を続けていくうちに、主役3人の暗い過去が次第に露わになっていき、犯人の心理とクロスオーバーしていくところが興味深いです。過去のトラウマから脱け出せず、犯罪を重ねていく者と、それを乗り越え社会に貢献しようとする者。その両者の違いはどこにあるのか❓自分と犯人は鏡のように表裏一体だと気付いた時、初めてラズローは事件解決の糸口を掴むのです。単にサスペンスだけで終わらない、深いテーマがあるような気がします😊

 

エミー賞では撮影、衣裳、美術賞など6部門ノミネート(そのうち視覚効果賞を受賞)ゴールデングローブ賞では作品賞に加え主演のダニエル・ブリュールが、ベネディクト・カンバーバッチヒュー・グラント等に並んで主演男優賞ノミネートされただけあって、見応えのある骨太なドラマです。特に19世紀ニューヨークの街の陰鬱な美(視覚効果賞を授賞しただけあって、画像処理も素晴らしい😍特筆すべきはイントロダクションの画像❗耽美主義の極みであります)、調度品のリアルさ、ダコタ嬢が次々と身に纏う衣装の豪華さ…陰惨な事件とは対照的な美しさに引き込まれます。(Netflixでは何故かミステリーではなく、歴史ドラマに分類されてます)

 

  シーズン2の制作が決定したとか。楽しみです❗