オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・ライブ鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログ。

『決戦は日曜日』~続編、作って~!


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  あらすじ読んで、(おっ、日本には珍しいポリティカル・コメディだ❗)と思って食指が動いて。舞台『泥人魚』観たばかりでその魅力に眩惑された宮沢りえがコメディ初挑戦って書いてあるし。こりゃー、見るっきゃないっしょ❗…というわけで、横浜ブルグ13で『決戦は日曜日』。

 

  保守系のベテラン議員、川島昌平(小林勝也)が衆院選を目前に脳梗塞で突然倒れ、周囲はてんやわんやに。そんな中、地盤を引き継ぐ為に指名されたのは、政治のイロハも全く知らない川島の一人娘、有美(宮沢りえ)。有美は根拠のないナゾの熱意はあるものの、失言は繰り返すわ、後援会の重鎮たちとはケンカするわ、空回りばかり。(しかも彼女、いろいろワケあり過去の持ち主のようで…😅)そんな彼女を支える役目を仰せつかったのが、長年昌平の私設秘書を務めていた谷村勉(窪田正孝)。しかし彼はといえば、秘書を足掛かりに政界に打って出よう…なんて野心はさらさらなく、有名私立幼稚園に入った娘の為に稼ぐだけ…と割り切って淡々と仕事をこなすのみ。有美が政治の裏側、選挙戦の現実に直面して、「こんなの、納得いかない❗」と憤っても、勉は「これが政治、これが選挙ってものですから」と、顔色も変えず受け流すだけ。そんな「噛み合わない二人」が、選挙戦を共に戦ううちに心通わせ、次第に政治の理想に目覚めていく過程がこの映画の最大の見所でしょう😊

 

  最初は(これって和製『スミス氏都へ行く』かな❓)と思って見始めたのですが。勉が、今まで持て余し気味だった有美のことを理解しようと努力するきっかけになるのが、思想や正義感ではなく、父親である昌平の有美への愛情を垣間見た時…というのが何とも日本的でね。日本の今の選挙戦の在り方をちくりちくりと皮肉ったパロディであると同時に、ちゃんと日本特有の湿った情緒があり、『男はつらいよ』みたいな人情喜劇になってるとこがニクいなぁ…と思いました😊あっ、副題は『秘書はつらいよ』でも良かったかも(笑)

 

  宮沢りえのコメディエンヌぶりは期待を裏切らないし、エキセントリックな彼女に振り回される窪田正孝くんの受けの演技もとっても魅力的で、初共演とは思えないほど息はピッタリ。「さあこれからいよいよ決戦だ❗」ってとこで終わっちゃう、含みを持たせたラスト。二人がこれから真のバディとして、ドロドロな政治の世界でどう共闘していくのか、続きを見てみたい気がするなぁ😊

 

  有美の父親、川島議員役に小林勝也。この方、舞台『アルトロ・ウイの興隆』で、主役のアルトロ・ウイ(草彅剛)がデマゴーグに成り上がっていくきっかけを作るシェイクスピア役者を演じてましたね。そしてそして、昨年大注目のライジングスター、赤楚衛二くん。有美の事務所で働く代議士二世の新人秘書。もの柔らかな物腰、キュートなスマイル、だけどそのじつ、いちばん黒いんじゃないの❓ってゆう(笑)チェリまほの恋するオトメンから、『コールドケース』の最低のクズ男まで、振り切った演技に目を見張るものがありましたが、今年もますますキそうですよね、彼🎵

 

  主人公二人はもちろん、赤楚クンをはじめ、有美の事務所の愛すべきスタッフたち(音尾琢真、田村慈、小市慢太郎)。彼らのその後も気になる、気になる。

 

ぜひパート2期待してます❗