オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、鑑賞後の感想を呟いたりしています。今はおうちで珈琲片手に映画やドラマを観る時間が至福。

『ミセス・ハリス、パリへ行く』幾つになってもオシャレは大事♥️

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※みなとみらいは早やクリスマス仕様に。

 

  KINOシネマ横浜みなとみらいで『ミセス・ハリス、パリへ行く』鑑賞。

 

  舞台は1957年、ロンドン。 第二次世界大戦で出征した夫を待ちながら、家政婦の仕事をかけもちして日夜働いているミセス・ハリス(レスリー・マンヴィル)。しかしある日のこと、夫の乗った飛行機は1944年に撃墜され、残ったのは指輪1つだった……という知らせが届きます。覚悟はしていたものの、放心状態のミセス・ハリス。しかしそんな時、働き先のお金持ちのおうちで、夢のように美しく、ゴージャスな一着のドレスに出会います。 ドレスの裏には、今まで彼女が見たことも聞いたこともなかった、クリスチャン・ディオールという名前が縫い付けてありました。一目でそのドレスに「恋した」彼女にとって、その瞬間から、「いつかパリへ行って、ディオールのドレスを買う❗」ことが生きがいになるのですが……。
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  時代設定が1957年というのがニクイですね。ミセス・ハリスがメゾン・ディオールに到着した日はちょうど10周年のコレクションの日で、メゾン中が大わらわ。貴族やら大富豪やら、お得意客が続々と到着するなか、現金を握りしめてドレスを買いに来た「得体の知れない英国女性」を、支配人のマダム・コルベール(イザベル・ユペール)は「あなたの来るところじゃないわ」と追い出そうとしますが、若い会計係フォーヴェル(リュカ・ブラヴォー)やモデルたち、お針子たちは、同じ労働者の立場にあるミセス・ハリスに同情的で、あれやこれや取りなしてくれます。それもそのはず、当時のパリはあちこちでゼネストが多発、アルジェリアをはじめとしてアフリカの植民地が次々と独立し、政府の労働政策の転換が叫ばれていた頃。ディオールも、今までの世界各国の貴族や富裕層ばかりを対象としたオートクチュール限定の商法だけでは立ち行かなくなり、岐路に立たされていました。ちょうどそんな中に飛び込んでいったミセス・ハリスが、持ち前の明るさと人の良さで、「メゾン・ディオール改革」に一枚噛むエピソードは、愉快痛快😊……しかし、映画の中で若い人たちの革新的な考え方を受け入れる度量の大きさを見せたムッシュディオール、史実としてはこの年に亡くなっているんですよね😢マエストロの死を契機にイヴ・サンローランがメゾンを引き継ぎ、より一層ディオールは新しいフェーズへと突き進んで行くわけです。

 

  レスリー・マンヴィル(ハイ、ゲイリー・オールドマンの最初の奥様ですねぇ。)とイザベル・ユペール(フランソワ・オゾンのミューズとしても知られた彼女、冷たく取り澄ました裏に情念を燃やす役柄が似合います)、イギリスとフランスの二大女優の演技合戦もお見事。ヲタク、二人とも大好きな女優さんだからもう、二人の共演っていうだけでワクワク。最初は全く相容れずいがみ合いながらも、様々な出来事を通じてお互いを理解し合い、最後は「私たち、似た者同士なのよ」(by ミセス・ハリス)と言うまでになる、そのプロセスも胸アツ❗

 

  生真面目な会計係に、『エミリー、パリへ行く』や、直近では『チケット・トゥ・パラダイス』でトホホなパイロット役だったリュカ・ブラヴォー。七三分けに黒縁メガネだから、サンローランの役かと思ったら違った(笑)クリス・エヴァンスと真剣交際中……と、最近ゴシップ紙を賑わしたポルトガル人女優アルバ・バチスタが、サルトルが好きで実存主義に傾倒しているという変わり種のモデル・ナターシャ役で印象的な演技を見せてくれます。

 

  ヒロインのレスリー・マンヴィル、『ファントム・スレッド』ではロンドン一の仕立屋の経営者役で、ちょうど今回のイザベル・ユペールの立ち位置でしたね。ところがこの作品で仕事着を着るとアラ不思議、お掃除のオバサンにしか見えません(笑)まっ、だからこそ、ディオールのドレスに身を包み、バッチリメークした時の効果絶大なわけですけど……。

 

しかしあれね、今日の教訓はやっぱり、人間幾つになってもオシャレは大事、自分磨きをあきらめちゃダメってことだわ👊✨ヲタクもしかと、胸に刻みましたことよ(笑)