はっきり言って好き嫌いが分かれるドラマだと思うけど…。
ヲタクは大好きです、この解りづらさが、モヤモヤ感が(笑)
一緒に8話見終わった夫は「え?これで終わり?完全に不完全燃焼なんだけど」って隣でまだブツブツ言ってる(# ̄З ̄)完全なる不完全燃焼って…シャレのつもりなんだろうか(笑)
BSのAXNミステリーチャンネルでアイルランド発の新作ミステリ『ダブリン悪意の森』全8話一挙放送❗原題は"Dublin Murders"といたってシンプルだけど、ヲタクは邦題けっこう好き。処女作でいきなりエドガー賞というタナ・フレンチの原作を映像化しただけあって、重厚な本格推理ドラマになっています。「エメラルドの島」という異名を持つアイルランドの深い緑や美しい山並み、そこに点在する廃墟等がいながらにして見ることができるのも、映像作品ならでは。
アイルランドのダブリン郊外にある広大な森である日、バレリーナを目指すいたいけな少女の遺体が発見された。森は古代遺跡発掘の対象となっており、少女の遺体は古代遺跡の祭壇の上に捧げ物のように安置されていた為、何やら猟奇性も疑われる。そしてその森は、21年前に同じ年頃の少年少女が、まるで神隠しに遭ったかのように忽然と失踪した同じ場所だった。そして捜査の過程で、今回殺された少女の父親が、過去の失踪事件時に犯行を疑われて事情聴取を受けていたことが判明する…。
事件を追うのは、潜入捜査官から殺人課の刑事に転身したキャシー・マドック(セーラ・グリーン)とアイルランド生まれのイギリス人ロバート・ライリー(キリアン・スコット)。ロバート、愛称ロブは大きな秘密を抱えていて、彼の出自、アイルランド生まれのイギリス人…というのがストーリー展開のキモになってます。二人とも過去のトラウマによる深い心の闇を抱えていて、そのこじらせ具合がハンパない。古典的な探偵小説に出てくるようなヒーローじゃない、迷い悩み、時には犯罪スレスレの捜査に手を染めるような人間的な弱さも持ち合わせているから、見ている私たちも彼らと一緒にどんどんミスリードされて、幾重にも絡まった謎の迷路に迷い込んでしまうしくみ。この、キリアン・スコット演じる刑事ロブが、冷血なフリして本当は傷つきやすい困ったちゃん、個人的にはちとソソられる(笑)
ヲタクはいつの頃からかケルト系のアイルランドに惹かれ、大学時代の卒論もジョン・ミリントン・シングというアイルランドの劇作家を選びました。ゼミの教授には変人扱いされましたが…。念願叶ってアイルランドを訪れた時には奇妙なデジャヴに襲われたことを覚えています。いまだにその原因はわからずじまいですが…。
かつては同じ国だったイングランドとは民族も違うし、言わば水と油。ドラマの中にも、お互いの差別観がちらちら見えて、複雑な気持ちになります。
アイルランドは太古のドルーイド教の名残がそこかしこに残っているせいか、どこかまだ「人間ならざるもの」の存在を信じているような風土なんですね。森はキリスト教の信仰が届かない、異端の場所。主人公のロブの夢の中に度々現れて彼を苦しめる森のイメージも、どこか異端の匂いがして背筋が寒くなる。21年前の失踪事件を追っていた刑事の謎のメモ…
ここには我々に対する憎悪が宿っている。
子どもたちは代償として連れていかれた。
永遠に見つからず 森が我々を笑っている。
見終わった後、これを大きなヒントだったと解釈するか、「なんだ、結局謎が回収されてないじゃん」と受けとるかは、意見が分かれるところでしょう。
単なる犯人探しではなく、犯人がなぜ罪を犯したのか、それを突き詰めていくプロセス、そして取調室における刑事と犯人の心理的攻防戦が見応えがあります。映画『羊たちの沈黙』の、FBI訓練生クラリス(ジョディ・フォスター)と、サイコなシリアルキラー、ハンニバル・レクター博士(アンソニー・ホプキンス)の面会場面をちらっと思い出しました。
BBCの製作であちらではかなりヒットしたらしく、第2シーズンの製作も決まったみたいです😊
アイルランドの森で少女の他殺体が発見。
— AXNミステリー (@AXNMystery) 2021年2月7日
この森では21年前にも少年少女の失踪事件があった・・・
「そして誰もいなくなった」などの脚本を手掛けるサラ・フェルプスが、エドガー賞受賞作家タナ・フレンチの小説を映像化‼️
📺本日夕方4時より日本独占初放送!
『ダブリン 悪意の森』#AXNミステリー pic.twitter.com/qOMnRBHbgu