オタクの迷宮

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歴史は繰り返す❓~Netflix『ミュンヘン: 戦火燃ゆる前に』

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  Netflixで『ミュンヘン/戦火燃ゆる前に』観賞。ヒットラー率いるナチスドイツが強大な軍備を背景にヨーロッパで勢力を急速に拡大していた1938年。英国、フランス、イタリア、ドイツの首脳が出席して、いわゆる「ミュンヘン会談」が開催されました。ヒットラーは、ドイツ系住民が多数を占めるズデーテン(当時チェコスロバキア)の自国への帰属を強硬に主張し始めました。この経緯、何かを想起させませんか❓‥‥そう、今現在、世界が直面しているウクライナ問題ですよ❗歴史は繰り返す😢

 

当時の英国の首相ネヴィル・チェンバレン第一次世界大戦によって疲弊したヨーロッパ諸国をこれ以上戦火に晒したくないという確固たる意志を以て会談を主導、これ以上の領土要求を行わないことを条件に、ヒットラーのズデーテン帰属要求を全面的に受け入れました。

対話か?制裁か?

‥‥‥‥チェンバレンは対話を選んだ。

 

結果、1938年9月29日付で、4か国による「ミュンヘン協定」が締結されたのです。後世の歴史学によれば、この時のチェンバレンの決断はヒットラーをさらに増長させ、第二次世界大戦の端緒となったとして批判されています。

 

 本作品は、オックスフォード大学で共に学んだ親友同士、チェンバレン首相の私設秘書ヒュー・レガート(ジョージ・マッケイ)とドイツ人外交官ポール・フォン・ハートマン(ヤニス・ニーヴーナー)が、ヒットラーの陰謀を明らかにした機密文書をチェンバレン首相に手渡すべく、ナチスドイツの監視をかいくぐって奮闘する政治スリラー。自らの命をかけて機密文書を盗み出すポールと、MI6の命を受けてスパイ活動を行うヒュー。激しいアクションがあるわけではないのですが、虚々実々の駆引きと情報戦に手に汗握ります。(見ている間、ヲタク緊張して歯をくいしばっていたらしく、今けっこう脱力感  笑)また、青年二人の、母国を思い、平和を希求する心がすっごく胸アツで、見終わった後じーん😢ポールの恋人ラウラのユダヤ人ゆえの悲劇も‥‥。


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  チェンバレン首相って、映画やドラマの中ではとかくチャーチルと比較されて、日和見主義者、優柔不断な描かれ方することが多いんだけど、今回、彼は英国の指導者として、あくまでも武力ではなく、対話による解決を目指すという自らのポリシーを貫いたのだ‥‥ということがよく理解できました。しかし一方、いまだにさまざまな面で第一次世界大戦の後遺症に苦しむ国民を、2度と戦場に送り出したくないという穏健政策が、ヒットラー侵略戦争への好餌を与えてしまったのも事実。うーーん、政治戦略って本当に難しい。彼の失敗は、ヒットラーが、彼の想像をはるかに越えた怪物だった、ってことなんだろうなぁ‥‥。

 

  この映画の中の、ヒットラーの行進を陶酔しながら声を上げ、熱狂するドイツ民衆の姿を改めて見て、世の常識の通じないモンスターが強大な権力・戦力を手中にする恐ろしさに、改めて背筋の寒くなる思いでした。これは決して過去の話ではない。厄介な隣人北朝鮮や、ロシアにも今まさに息づいている恐怖なのです。


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  チェンバレン首相を演じるのが、英国の名優ジェレミー・アイアンズ。若い有為な青年たちから機密文書を得ながらも、政治的配慮から路線を崩すことのできないリーダーの苦悩と悲哀を、抑制の効いた演技で魅せてくれます❗その他、ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ(そう、『ダウントンアビー』のレディ・シヴィル❗ヲタクの推しジャック・ロウデンとも『イングランド・イズ・マイン』で共演してた。彼女も作品ごとに印象の違うカメレオン女優ですよね🎵)、アレックス・ジェニングス(この人、ヲタクの見る英国のドラマや映画の殆どに出てる😮それだけ多作なのか、それともヲタクと作品選びのシュミが似てる❓笑)等々、演技達者な面々が、若い主役二人をもり立てています。

 

  ヨーロッパの歴史ドラマでありつつ、現代に通じるテーマを内包した良質なドラマです❗