オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・ライブ鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログ。

エマ・コリンが『チャタレイ夫人の恋人』に挑む(Netflix)


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 『ザ・クラウン』のダイアナ元皇太子妃役で鮮烈な印象を残したエマ・コリン。無垢な少女が、王室というある意味伏魔殿に何も知らないまま飛び込み、傷つき、精神を病んでいく過程を繊細に演じていました。傷つきながらも未来を渇望する意思の強さ、ダイアナの秘めた激情に焦点を当てたクリステン・スチュワート(『スペンサー~ダイアナの決意』)とは対照的でした。もちろん、二人ともひどく魅力的でしたが。

 

  そんなエマが、今度は『チャタレイ夫人の恋人』(D.H.ローレンス原作)のヒロイン・コニーを演じるというのですがら、ちょっとビックリです😅戦場で負傷し、下半身不随になってしまったチャタレイ卿。その貞淑な妻は夫を尊敬しながらも、一方ではやりきれなさに悶々とする日々。そんな彼女が森番のオリヴァー・メラーズに女性としての悦びを教えられ、心も体も解放されていく……というストーリー。発表当時からその過激な性描写がスキャンダラスな話題を呼び、日本では発禁処分になった曰く付きの書。ヲタクはあんまり得意な分野ぢゃないし(笑)、映画化作品も、あのシルビア・クリステル(『エマニュエル夫人』)がヒロインを演じてたりして、見る前から内容が想像できたので(笑)ずっと食わず嫌いでした。

 

  ところが、名作ドラマ『ボディーガード~守るべきもの』の監督ジェド・マーキュリオが監督・脚本、同じく『ボディーガード』のリチャード・マッデンが森番のメラーズを演じるというので初めて見てみた『チャタレイ夫人の恋人』(2015年)。

 

これが物凄く良かったんですよ❗

 

ヲタクの先入観に反して、骨太の社会派ドラマに仕上がっておりました😮まずもって主役3人(チャタレイ卿、妻のコニー、森番メラーズ)のキャラの掘り下げ方が素晴らしかった。チャタレイ卿は、英国貴族としての「ノブレス・オブリージュ」から第一次世界大戦の戦場でも指揮官の立場だったのですが、戦略的能力が欠如しているため、部下を大勢死なせてしまい、自らも負傷してしまいます。おまけに戦後経営する炭鉱も傾いて……。貴族としての特権を享受していても、それに見合う能力を持ち合わせていないと、誰よりも自覚しているのが彼自身……というのが、ツライです。演じるのが英国若手ピカ一の演技派ジェームズ・ノートンですからね、彼の、妻の不倫を知った時の絶望感が観ているこちらにもひしひしと伝わってきました😢一方、不倫相手のメラーズ(リチャード・マッデン)は、いわゆる「デキル男」。戦場でもチャタレイ卿より遥かに戦功を立てているわけです。しかし、労働階級出身であるがゆえに森番以上の地位は望めず、愛する人と結ばれる未来もない。彼の、何かを渇望しても得られないとわかっていても求めずにはいられない、不安と焦燥を秘めた瞳にきゅんです😍またね、二人の間で揺れ動くチャタレイ夫人コニーを演じたホリデイ・グレインジャーが、淑やかな中にも、静かな情熱と意思を秘めた英国女性を演じて秀逸でした。


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BBCドラマ版『チャタレイ夫人の恋人』(2015)リチャード・マッデンとホリデイ・グレインジャー

 

  つい先日、エマ・コリン版チャタレイ夫人の予告編が公開されました。コニーが性の悦びに目覚め、女性として解放される……といったイメージですね。森の映像の美しいこと❗歴代のチャタレイ夫人は、成熟した大人の女性が多かったような気がしますが、細身で少女っぽい雰囲気のエマがどんな「新生」チャタレイ夫人を見せてくれるのか?


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※メラーズ役はジャック・オコンネル。『ナチス第三の男』で、ハンガリーレジスタンス活動家を演じていた彼。チャタレイ夫人もメラーズも一気に若返ったね(笑)

 

 

楽しみです❗