オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・ライブ鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログ。

間もなくヴェネチア国際映画祭開幕〜上映作品は❓

 本年度の欧州映画祭シーズン、ついに開幕〜〜❗トップを切って、8月30日〜9月9日の10日間に渡り、例年通りイタリアのリド島でヴェネチア国際映画祭が開催されることが決定しました。

 

 「Variety」誌のサイトに上映作品の情報が載っていましたので、今日はその記事を元にして本年度ヴェネチア国際映画祭の概要をご紹介しましょう。今年は、作品の監督たちに熱視線が集まっているようです。それもそのはず、『伯爵 El Conde』のパブロ・ラライン、『フェラーリ Ferrari』のマイケル・マン、『プリシラ Priscilla』のソフィア・コッポラ、『哀れなるものたち Poor Things』のヨルゴス・ランティモス、『メモリー Memory』のミッシェル・フランコと、錚々たるメンツが揃い踏み❗少なくともこれらの作品は、コンペティションに出品されるのが決定したもよう。

 

★『伯爵 El Conde』

(もちろん、ドラキュラ伯爵の伯爵ですね(^.^;)
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パブロ・ラライン監督(『スペンサー ダイアナの決意』の最新作『伯爵 El Conde』は、チリの有名な独裁者アウグスト・ピノチェト元大統領(1915〜2006)を、なんと250才の吸血鬼として描いたダーク・コメディだそう(^_^;)主役を演じるのは、チリのスター、アルフレードカストロ

 

 ロバート・エガース監督がサイレント映画の傑作『ノスフェラトゥ』をリメイクしたり、ニコラス・ケイジがドラキュラ伯爵を演じたり……と、昨今は再び吸血鬼ブーム❗❓

 

★『哀れなるものたち Poor Things』
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 当ブログでも何度かご紹介していますが、ヨルゴス・ランティモス監督が、『女王陛下のお気に入り』以来、再びエマ・ストーンとタッグを組んだ『哀れなるものたち Poor Things』。「シュールなSFロマンス」と銘打っていますね。(確かに、ポスター見ただけでも、シュールなのはわかる 笑)1992年に出版されたスコットランドの作家アラスデア・グレイの同名の小説を映画化したもの。エマは、死産した自らの子どもの脳を移植された、いわば「フランケンシュタイン女性版」とも言えるベル・バクスターを演じます。共演はウィレム・デフォーマーク・ラファロ、クリストファー・アボット、マーガレット・クアリー。

 

★『フェラーリ Ferrari
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 アダム・ドライバーフェラーリの創設者エンツォ・フェラーリを演じる『フェラーリ Ferrari』。フェラーリの妻ローラ・フェラーリペネロペ・クルス、愛人のリナ・ラルディをシェイリーン・ウッドリー、仲間のレーサー、ピエロ・タルフィをパトリック・デンプシー(俳優であると同時にチーム・オーナーでありレーシング・ドライバーでも有名)、※ピーター・コリンズをジャック・オコンネル(ネトフリ版『チャタレイ夫人の恋人』で、純朴かつ野性的な森番メラーズを演じて、見ている女子たちの胸をときめかせたカレです)がそれぞれ演じます。

フェラーリチームの一員で、エンツォから実の息子のように可愛がられた英国人ドライバー。しかし走行中の事故で、26才で非業の死を遂げた。

 

 1957年の夏。フェラーリの創設者であるエンツォ・フェラーリは、伝説的な自動車レース・ミッレミリアに参戦しようとしていました。1898年生まれのエンツォは当時59才。演じるアダム・ドライバーは38歳。20才年上のカリスマ的人物を演じたことになります。彼の演技が見ものだなぁ。

 

★『プリシラ Priscilla
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 ソフィア・コッポラ監督の『プリシラ』(A24)は、1985年にプリシラプレスリーが出版した回想録『エルヴィスと私』を元に製作されたもの。彼女自身の人生と、彼女の夫「キング・オブ・ロックンロール」エルヴィス・プレスリーとの波乱万丈の夫婦生活を綴った作品。ヒロインのプリシラを演じるのは、ケイリー・スピーニー(『メア・オブ・イーストタウン ある殺人事件の真実』)、対するエルヴィス役にはジェイコブ・エロルディ(『ユーフォリア』)がキャスティングされました。

 

 ヒロイン役のスピーニーは、『メア・オブ・イーストタウン』で、実の父親との関係に悩み、幼い一人息子を溺愛した末に殺人事件に巻き込まれてしまうシングルマザーの役が印象的でした。ケイリーもジェイコブも大抜擢ですね❗ジェイコブは今、ジェームズ・ガン監督の『スーパーマン/レガシー』のオーディション真っ最中のよう。次代を担うライジングスター2人の夢の共演……といったところでしょうか。

 

 

★『メモリー Memory』
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ジェシカ・チャスティン。

ニューオーダー』で、2020年ヴェネチア国際映画祭審査員大賞及び同年のカンヌ国際映画祭銀獅子賞を受賞したミッシェル・フランコ監督の最新作『メモリー Memory』。主演はジェシカ・チャスティン。彼女は『タミー・フェイの瞳』でオスカーの主演女優賞を受賞して以来の映画出演となります。(チャスティンは『人形の家』の演技で、本年度トニー賞の主演女優賞にノミネートされてましたから、『タミー・フェイ』以降は舞台に力を注いでいたのかな❓)共演は、ピーター・サースガード。内容は謎に包まれており、英語作品で、ニューヨークで撮影が行われた…ということしか公表されていないようです。

 

★『チャレンジャーズ Challengers』
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 そしてそして❗コンペ対象ではありませんが、リド島で上映される作品の中でヲタク大注目なのが、ルカ・グァダニーノ監督の新作『チャレンジャーズ Challengers』〜〜〜❗❗


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うだつの上がらないプロテニス選手の夫(マイク・ファイスト)を何とかスターにしようと、トレーナーとして孤軍奮闘中の妻(ゼンデイヤ)。彼女の努力の甲斐あって、チャンピオン(ジョシュ・オコナー)との対戦にこぎつけたものの、実はこのチャンピオン、妻の元カレで‥‥というロマコメ。

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 つい最近、待望のティザーが公開されたばかり。ゼンデイヤ、ヲタク最愛の推しマイク・ファイスト、ジョシュ・オコナーのラブ・トライアングルがめちゃくちゃ色っぽくて、マイクとジョシュがサウナ入浴中……なんてサービスシーンもあったりして😍、サスガR指定になるだけのことはある(笑)

ヴェネチアのレカペに登場してくれるかな、マイク❤(ドキドキ)

 

 ★『幸運 Coup de Chance』


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 やはりコンペ対象ではありませんが、ウッディ・アレン監督の最新作『幸運 Coup de Chance』がヴェネチアで上映されることになりました。

パリで撮影された、全編フランス語作品。オールフランス人キャストによる恋愛モノで、ルー・ドゥ・ラージュ、バレリー・ルメルシエ、メルビル・プポーが出演。やはりアレン監督の『マッチポイント』(2006年)の流れを汲む「ロマンチックで毒のあるスリラー」らしいです。確かに『マッチポイント』でも、人生の「運」に左右され、欲望を剥き出しにする登場人物たちを、アレン監督は思い切り皮肉を込めて描いてましたっけ(^_^;)

 アレン監督は、2017年にハリウッドから世界的に広がった#MeToo運動で、彼自身の過去の養女への性的虐待疑惑が蒸し返されて、現在ハリウッドの映画業界からは締め出されている状況。今後は活躍の場がフランスに限定されそうですね。

 

★『ドッグマン Dogman』


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  リュック・ベッソン監督が2019年の『アナ Anna』以来4年ぶりにメガホンを取った作品。父に激しい虐待を受け、心身共に傷ついた少年ダグラスが、犬たちとの交流を通して救いを見い出し、成長していく壮大なストーリーだそうです。主人公ダグラスを演じているのは、2021年の第74回カンヌ国際映画祭で、『ニトラム/NITRAM』の演技で主演男優賞に輝いたケイレブ・ランドリー・ジョーンズ(『ゲット・アウト』、『スリー・ビルボード』)。「ベッソン監督最高傑作」の呼び声高い作品のようです。

 

★『The Theory of Everything』


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 ティム・クルーガー監督のドイツ映画。モノクロの、ヒッチコックばりのスリラー作品だそう。主演はヤン・ビューローとオリヴィア・ロス。

 

……と、今年も注目作勢ぞろいで、今から楽しみな「ヴェネチア国際映画祭」。続報が出たら、またお知らせします❗