オタクの迷宮

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2023年トロント国際映画祭の注目作品〜PART1

 2023年トロント国際映画祭が9月7日〜17日の10日間にわたって開催されます。

 

 カナダ最大の都市トロントで開催される当映画祭が始まったのは1976年。最大の特徴は、非コンペティティブ形式であるということ。まさに「映画のお祭り」。会期中にはいつも約400の作品が上映され、来場者数は約30万人をゆうに超えるようです。エディンバラ国際フェスティバルと並んで、ヲタクがいつか行ってみたいと思っているイベントの1つのなんですよねー。「スポットライト〜世紀のスクープ」、「ラ・ラ・ランド」、「スリー・ビルボード」など、最高賞であるピープルズ・チョイス・アワード(観客賞)を受賞した作品が、以降の主要な映画祭で受賞するケースが多く、業界からも注目度大の映画祭。審査の主役が観客である私たち…っていうところがミソ。

 

 ……というわけで、注目の上映作品を観ていきましょう。

★Wicked Little Letters(テア・シャロック監督)


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 テア・シャロック監督の『Wicked Little Letters』(悪意の手紙…とでも訳すのでしょうか)。この監督の名前、どっかで聞いたことあるなぁ……と思ったら、当ブログでも度々話題にしているドラマシリーズ『ホロウ・クラウン〜嘆きの王冠』の中の『ヘンリー5世』(主演 トム・ヒドルストン)の演出を担当した方ですね。元々は舞台出身のようです。

  舞台は、英国のとある小さな街。街の住人たちのところに匿名の手紙が次々と届いたことから、ある醜聞に火がつき、住人の間に緊張感が高まっていく……というストーリー。

 主演はジェシー・バックリーとオリヴィア・コールマン。この2人、『ロスト・ドーター』で共にアカデミー賞にノミネートされましたが、同一人物を演じたため、ガチの共演は初めてかな❓共に、最近の英国映画には欠かせない演技派女優。2人の演技合戦が楽しみです。

 

★The End We Start From(マハリア・ベロ監督)


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  当ブログでも以前ご紹介したことのあるサバイバル・サスペンス。

 メーガン・ハンターの小説『The End We Start From』(『終わりから始まる』『始まりの終わり』とでも訳すのかな。翻訳は出ていないみたいですね。胸絞られる作品……って書いてある)の映画化で、メガホンを取るのは、BAFTA(英国アカデミー賞)受賞経験のあるマハリア・ベロ監督(『エレン』、『レクイエム』、『長き歌 /The LongSong』)で、脚本はやはりBAFTA受賞者であるアリス・バーチ(『普通の人々 /Normal People』、『メディア王~華麗なる一族 /Succession』)。

 ロンドンに未曾有の大洪水が襲い、家族が離ればなれになる中、生き残った若い母親が、生まれたばかりの赤ちゃんと共に必死に生き抜き、我が家を目指す物語。

 主演は一人芝居『プライマ・フェイシィ』の演技で、ジェシカ・チャスティン等並み居る強豪を押しのけ、本年度のトニー賞主演女優賞を見事勝ち取ったジョディ・カマー。共演者には、マーク・ストロングベネディクト・カンバーバッチ……と、ビッグネームが名を連ねています。

 

★North Star(北極星クリスティン・スコット・トーマス監督)


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 英国を代表する女優クリスティン・スコット・トーマス(『ウィンストン・チャーチル』『窓際のスパイ』)の監督デビュー作。恋多き母親の3度目の結婚式に集まった3人の姉妹(スカーレット・ヨハンソンシエナ・ミラー、エミリー・ビーチャム)の物語。エキセントリックな役柄が多いイメージのスカヨハですが、ヲタク的には彼女、『マリッジ・ストーリー』みたいな等身大の役が案外似合っているような気がするんですけど。エミリー・ビーチャムは『リトル・ジョー』(2019年)でカンヌ国際映画祭の主演女優賞を受賞しています。『リトル・ジョー』で見せた彼女の、冷徹な科学者の内面に潜む情念の表現が凄く好きでした。大女優である監督が紡ぐ3人姉妹の物語…さてどんな作品になっているでしょうか。


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※典型的な英国レディの風情……クリスティン・スコット・トーマス

 

★Close To You(ドミニク・サヴェージ監督)


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 家に帰りたいと渇望しながらも、昔も今も自分を認めず拒否し続けている家族との再会に不安を抱く若きトランスジェンダーの青年。

 主役を務めるのは、かつて女優として活躍(エレン・ペイジ名義。『JUNO ジュノ』の演技が絶賛され、アカデミー賞ノミネート)し、2020年にトランスジェンダーであることを公表して以降男性の俳優・監督として活躍しているエリオット・ペイジ。

 

…続報がありましたらまた、お知らせしますのでお楽しみに❗