オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・ライブ鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログ。

ウカシュ・ジャルが『ハムネット』の撮影監督に❗


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 今ヲタクが公開を楽しみにしている映画の1つに、クロエ・ジャオ監督の新作『ハムネット』(主演 ポール・メスカル&ジェシー・バックリー)があるのですが、撮影監督をあのウカシュ・ジャルが務めると聞いて、またテンション爆上がり(笑)現在日本で公開中の『関心領域』も彼が撮影監督を務めていて、ヲタクは近日中に観に行こうと思っていたから、just in timeなNEWS❗

 

『ハムネット』は、マギー・オファーレルによる同名のベストセラーの実写化です。この作品は、謎の多い英国の文豪シェイクスピア(ポール・メスカル)の家庭生活を、妻のアン・ハサウェイジェシー・バックリー)の視点から描いたもの。シェイクスピアにはジュディスとハムネットという双子の兄妹がいましたが、一人息子であるハムネットを11歳で亡くしています。あの4大悲劇の1つである『ハムレット』が発表されたのは、息子の死から4年後のことでした……。

 

 夫がロンドンに働きに行って長期不在の間、夫の実家で義理の両親と子ども達を守り、ペストが蔓延する英国の田舎で奮闘する逞しい女性、アグネス(もちろん、アン・ハサウェイがモデル)。彼女は不思議な能力を持っている設定。薬草のエキスパートであるだけでなく、未来を予知し死者の魂をも感じることもできる。そんな彼女が、最愛の息子の死を予知できなかった筈はありません。原作は、裕福な家に生まれたアグネスが、8歳も年下の、横暴な父親から精神的虐待を受けているラテン語教師(もちろん、シェイクスピアがモデル…原作にはなぜか名前が出てこない(^.^;)と恋に落ちていく過程と、結婚後母として奮闘する姿をタイムリープしながら描いており、「自立した女性の魅力を余す所なく描いた」として、英国に一大旋風を巻き起こしました。

 

 

 今作で撮影監督を務めるポーランド出身のウカシュ・ジャルは若干43才にして、撮る映画撮る映画、欧米の各映画賞総ナメの映像の天才。公開された『ハムネット』のティザーフォトを見ると、彼が以前撮ったモノクロ映画の傑作『COLD WARあの歌、2つの心』、『イーダ』(2作とも監督は同じポーランド出身のパヴェウ・パヴリコフスキ)を思い起こさせますね。一方、『ゴッホ最後の手紙』や『もう終わりにしよう。』の鮮やかな色彩感覚も素晴らしい。さて今作はモノクロなのかカラーなのか?はたまたタイムリープものということで両者を混在させるのか?……そういえば、ヒロイン役を演じるジェシー・バックリーとは以前『もう終わりにしよう。』で組んでますね。ジェシーは主人公をさんざん翻弄するファム・ファタル的な役柄でしたが、素晴らしく綺麗に撮られていた記憶があります。

 

 監督がクロエ・ジャオ(『ノマドランド』『エターナルズ』)で、主演がポール・メスカル(『After sonアフターサン』『異人たち』)とジェシー・バックリー(『ロスト・ドーター』『MEN 同じ顔の男たち』)ってだけでも凄いのに、ウカシュ・ジャルがそこに加わるとなれば名作の予感しかしない。


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※主役を務めるアイルランド人俳優、ジェシー・バックリー(上)とポール・メスカル(下)

 

 しかしそれにしても、英国を代表する文豪が主人公の映画に係る人たちが、中国(クロエ・ジャオ)、アイルランド(ポール・メスカル&ジェシー・バックリー)、ポーランド(ウカシュ・ジャル)って、なかなかに今の世相を反映してますな(笑)

 

★今日の小ネタ……ウカシュ・ジャルが手がけた作品


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※『イーダ』(上)と『COLD WAR あの歌、2つの心』(下)特に『イーダ』は、その静謐且つ冷徹なリアリズムに貫かれたモノクロのカメラワークが、ブレッソンを支えたギスラン・クロケ(ベルギー…『少女ムシェット』『バルタザールどこへ行く』)、あるいは『ダムネーション 天罰』や『サタンタンゴ』でハンガリーの名匠タル・ベーラと組んだ撮影監督メドヴィジ・ガーボルを彷彿とさせる……と思うのはヲタクだけ❓^^;

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※全編、鮮やかな映像美に溢れた『もう終わりにしよう。』(Netflix)。監督は、『マルコビッチの穴』『エターナル・サンシャイン』など、シュールで難解なストーリー展開で知られるチャーリー・カウフマン