オタクの迷宮~ 吉沢亮+宮本浩次+chaos-α

変わり者よと言われても 今日もオタクで生きてゆく

蜷川版「海辺のカフカ」東京凱旋公演観に行くことにした

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  来る5月、赤坂ACTシアター 、マチネのチケットGET❗長い劇の場合、横浜のド田舎から上京するのに長時間かかるワタシにはマチネが必須(天保12年のシェイクスピアで、ヒドイ目にあったので😅) パリのジャポニズム公演、スタンディングオーベーションで大成功だったそうですね。フランスは元々、日本への憧れが強くて、浮世絵を中心としたジャポニズムの歴史がありますから、パリは上演に最適な街だと思います。しかも名門歌舞伎一家の出である寺島しのぶさんが、パリで初めてこの作品にご出演…というのは、運命的なものを感じます。原作者の村上春樹さんも駆けつけたとか。蜷川さんもさぞかし喜ばれたことでしょうね😢

 

  主役は「世界一タフな15才になりたい」15才の少年カフカ。「父を殺し、母と姉と交わるべし」との呪いをかけられ、宿命から逃げようとするカフカと、カフカの父を殺すことにより、悪に取りつかれた木場勝己演じるナカタさん(60才くらいだったかな❔)が、パラレルワールドで交錯してゆく。ギリシャ神話です。ナカタさんの相棒の運転手役が高橋努。(吉沢さんの「Giver」バベルの章でキグルミに入ってた人😅というよりワタシの中では「冷たい熱帯魚」のヤクザなお兄ちゃん)

 

  オイディプスの神話は古今東西のアーティスト魂をいたく刺激するらしく、今思いつくだけでも、そのものズバリのギリシャ悲劇「オイディプス王」(ソフォクレス)、文学ではないですが、フロイトの精神医学オイディプス・コンプレックス(河合隼雄は男の子の精神的な父親殺しについて論文書いてますね)、日本のお耽美小説、赤江漠の「オイディプスの刃」なんてありました。赤江さんの本も昔は集めてたなぁ。今はほとんど絶版みたいですね😢

  

 

  カフカは呪いから逃れるために旅を続けていくのですが、異世界と現実世界を行き来するさまざまな人との出逢いと別れを繰り返します。寺島しのぶ演じる佐伯さんは本当にカフカの母なのか?カフカは結局どう呪いと向き合ったのか?

 

  蜷川演出の2012年版、カフカを21才の柳楽優弥くんが演じてますね。彼の初舞台。これは見たかったなぁ。ホントに見たかった❗是枝監督の「誰も知らない」の天才少年が、いっとき、アイデンティティを見失って、蜷川さんに再生のチャンスを与えられて鍛えられて、それがきっと、自分探しのカフカにシンクロして素晴らしかったんじゃないか…って。舞台は時間逆戻しできないからなぁ。かといって過去の舞台をDVDで観るのもね😅

 

  村上春樹によれば、舞台になる図書館は、「異世界の入り口」だそうですが、その番人のような司書の大島さんを2012年版では、長谷川博己が演じてます。ワタシの中でイメージ的には、長谷川博己は大島さんそのもの。大島さんって、人間ぽくないんですよ。半分異世界にいるから。長谷川博己って、ごはん食べてるとこが想像できない(笑)今回は岡本健一ですね。ワタシ的には意外なキャスティングですが、舞台俳優として素晴らしい才能の人だと思うので、どう演じてくれるか、とっても楽しみ❗

 

  主人公のカフカ、今回は、晩年の蜷川さんに見出だされた古畑新之。蜷川さんって、ホントにまっさらな、若い男の子を育成するのが好きだったんですよねぇ。藤原竜也だって、演技の経験皆無のサッカー少年だったんだもの😅その代わり、吉田鋼太郎横田栄司、今回のナカタ役木場勝巳みたいに、自分の信頼のおける演技巧者で脇を固める(笑)女優さんもどちらかといえば、育てるエネルギーの必要がない😅もともと演技上手い人を選ぶよね。「あまりにも蜷川さんが何も言ってくれないから、かえってツラかった」って言ってた女優さん、誰だったかしら…。鍛えようとしてる男優さんには、灰皿まで投げちゃうのに(笑)

 

  原作には、古今東西の名作の引用やメタファーがここかしこに散りばめられていて。特に印象的なのは、カーネル・サンダース(まんま、あのカーネルおじさんです😅)のセリフ「ロシアの作家アントン・チェーホフがうまいことを言っている。『もし物語の中に拳銃が出てきたら、それは発射されなくてはならない』ってな。どういうことかわかるか?」「チェーホフが言いたいのはこういうことだ。必然性というのは、自立した概念なんだ」中村文則の「銃」思い出しますね。

 

  また、村上春樹の愛読書という日本の古典「雨月物語」(これ、意外だったんですけど)ワタシは岩波ホール溝口健二監督の映画「雨月物語」(ヴェネチア映画祭銀獅子賞)を観て以来ハマりまして、原作読んでますますのめり込み(笑)余談ですが、ちょうどその当時、溝口健二監督と、彼のミューズであった名女優田中絹代の師弟?恋愛?関係を描いたドラマがあって、風間杜夫(溝口監督)と秋吉久美子(田中絹代)の火花散るような演技、凄かったなぁ。もう一度あのドラマみたいなぁ。ドラマの場合、映画と違って年月経つと見れなくなっちゃうからなぁ…ぶつぶつ。

 

  「雨月物語」は、幽霊と人間が共存している物語なんだけど、カフカとナカタも四国(=死国)を目指します。だからしょっちゅう、「雨月物語」の引用やメタファが出てくる。

 

  5月には素晴らしい俳優さんたちに非日常、いや、異世界に連れて行ってもらえるのね。それまでにもう一度、原作読み直そう🎵

 

(おまけ)村上春樹の原作、各国語に翻訳されてますが、装丁もホントにさまざま。左上のスペイン語訳は、原作のある場面を思い出させて、チョー怖い((( ;゚Д゚)))