オタクの迷宮~映画と舞台と音楽と Chaos-α

変わり者よと言われても 今日もオタクで生きてゆく

NHKって攻めてるな~😮『黒い画集~証言』

 録画してあったNHK『黒い画集~証言』(5/9 NHKBSプレミアム)遅蒔きながらやっと見れた😅いやー、NHKのドラマってさ、前から思ってたけど、攻めてるよね、先鋭的だよね。

 

  舞台は古都、金沢。妻の実家の医院を継ぎ、美しく従順な妻(西田尚美)と子どもたちに恵まれ、何不自由のない暮らしを享受している主人公、石野貞一郎(谷原章介)。彼には誰にも話せない秘密があった。彼は男性しか愛せず、美大生の梅沢智久(浅香航大)と不倫関係にある。智久との旅先で、偶然元患者と遭遇。元患者が殺人の容疑者として逮捕され、アリバイ証言を求められた彼は、智久との関係を知られたくない為に、元患者とは会っていないと偽証してしまう…。

 

  原作では不倫相手はもちろん女性。それを若い男性にしたことで、全体的なイメージもガラッと変わったし、主人公の苦悶も感情移入がしやすかった。なんでそんなに自分を偽って生きていかなくちゃいけないの…?と疑問に思う向きもあるかもしれないけど、それは金沢という街の風土もあるんじゃないかな。古き良き伝統を保ちながら、ともすればそれが人の心を縛る因習になってしまう。大学時代、金沢から勘当同然に上京してきた造り酒屋のお嬢が同じゼミにいたんだけど、郷土の街を嫌いだと公言しながら、そのじつ一番縛られているのは彼女自身じゃないかな…と思いながら見てた。貞一郎の姿にふと、遠い学生時代のクラスメートを重ねるヲタクなのでした😅

 

  閑話休題

 

地位も名声もお金も持つオトナの男、谷原章介を狂わせ、破滅へと引き摺り込む浅香航大のファム…いやもとい、オム・ファタールっぷりが凄いよ。ドキドキしちゃう😅二人のラブシーンは、ヲタク的には『セカンド・ヴァージン』鈴木京香長谷川博己以来の濃厚さで、(やるな、NHK❗)って思わず心の中で叫んだヲタク😅

 

  久々に吉村界人谷原章介の息子役で出てて、嬉しかった。(テレ東のドラマ24『Giver~復讐の贈与者』ハジケっぷりが記憶に新しい😊)

 

  そしてそして、今回のドラマのMVPはなんと言っても西田尚美でしょう❗こういう、一見従順・貞淑そうで、心の奥に冷たい鬼火をちらちらと燃やしているような役、巧いですよねぇ。まさに、外面如菩薩・内面如夜叉、愛と言う名の暴力。フジテレビの深夜ドラマ『ぼくは麻理のなか』で、その愛情で、ギリギリとヒロインの心を締め上げていく母親の役、めちゃくちゃ怖かったけど、今回もその時以来のインパクトでした❗

 

  松本清張って、さまざまな時代に何度も映像化されているけど、結末が分かっていてもつい引き込まれて最後まで見てしまうのは、どんなに時代が変わっても、(自分を正当化したい、本当の自分と対峙したくない)という、人間本来の弱さや愚かさは私たちの裡に常に内在していて、ふとしたきっかけで誰もが罪を犯す可能性があるのだ…と、警鐘を鳴らしているから。

 

  だからこそ私たちは、ともすれば鈍る心、弱る心を叱咤して、正しく生きていく努力をしなくてはならない…と。