オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・コンサート鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログです。

オースティン・バトラーがラブコール💕を送るポール・トーマス・アンダーソンって❓


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  ポール・トーマス・アンダーソン監督の新作『リコリス・ピザ』。ヲタクの家の近くで見るとすれば、「キノシネマ横浜みなとみらい」。今年のアカデミー賞レースの時に面白そうだなぁと思ってはいたけど、なかなか上映時間が合わなくて😅動画配信でもいいかな‥‥と思い始めたところに(小声)、推しのオースティン・バトラーの「これからのキャリアを考えると、もっと深くて暗い方向に行きたいと考えている。一緒に仕事してみたいのは、ポール・トーマス・アンダーソン」という発言が❗ひゃあ‥‥そうなんだ、オースティン‥‥。これじゃいかんと心を入れ替え、時間を何とかやりくりして、来週には絶対見に行こう❗と心に誓うヲタク(⬅️ゲンキンすぎる‥‥😅)

 

  さて、『リコリス・ピザ』。これまでの アンダーソン監督の作品と言えば、ヲタク的には、社会の、そして人間の心理の深部を独自の切り口で抉り出す、衝撃の問題作‥‥と言った印象。まさにオースティンが言うところの「深くて暗い方向」。そんなアンダーソン監督が、なんていうんだろう、こういう青春映画を撮るなんてね。それもですよ、撮影方法や演技はもちろんのこと、ロケ場所や小道具の一つ一つに至るまでこだわり抜く監督が、演技初体験の新人二人を使って、しかもどこかのインタビューで、「主役の二人が素晴らしすぎるから、何も指示せず好きなようにやらせた」みたいなことを言ってた気がする😅

 

  『リコリス・ピザ』観賞後は感想をUPするつもりですが、今日はその前に、オースティン・バトラーが言うところの、「深くて暗い」アンダーソン監督の作品をご紹介しましょう。

 

★『ザ・マスター』(2012年・R+15)

 トム・クルーズもハマった(‥‥過去形❓現在進行形❓😅)と言われる新興宗教サイエントロジーをモデルにしたと言われる『ザ・マスター』。教祖のランカスター役にアンダーソン監督映画の常連、フィリップ・シーモア・ホフマン。人心を操る「マスター」であるランカスターが、洗脳しようとしてしきれない、野獣のような男フレディにホアキン・フェニックス。この二人の、愛憎が入り交じった奇妙な相互依存の関係が、現代アメリカの病理を映し出します。新興宗教の教祖役と言えば、やはりアンダーソン監督の作品『マグノリア』の、欲望でギラギラしたトム・クルーズの怪演が衝撃的でしたけど、高邁な理想を説きながら理詰めで反論されるとすぐキレたり、そのくせ秘書役の奥さん(エイミー・アダムス‥‥この奥さんがまた不気味でコワイの~(>_<))やフレディにべったり依存しているさまが‥‥なんというか、めちゃくちゃリアルだった。その他にもランカスターの信者にローラ・ダーン、実の息子にジェシー・プレモンス(直近では『パワー・オブ・ザ・ドッグ』。キルスティン・ダンストのパートナー)、娘婿にラミ・マレック‥‥と、共演陣も超豪華❗

 

  折しも我が国でも、新興カルト宗教と政権との癒着が物議を醸しています。10年前に製作されたとは思えない、up to dateな1本❗
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★『ファントム・スレッド』(2017年)


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その始まりは1950年代ロンドン、とある高級仕立て店。店を訪れる優雅な貴婦人、優雅な調度品、BGMに流れる優雅な音楽‥‥。英国紳士の見本みたいな仕立て屋の主人レイノルズ(ダニエル・デイ・ルイス)と、娘ほど年の違うアルマ(ヴィッキー・クリープス)の激しい恋。‥‥あれ❓これ、ヴィスコンティの映画だっけ❓と思いながらぽーっと見ていると、さすがアンダーソン監督、たちまち足元をすくわれます(笑)

 

  このレイノルズ、紳士の見本かと思いきや、ドレスの製作に身も心も捧げ尽くし、他の事柄にはめちゃくちゃ冷血😅さて、そんな彼に「惚れてしまった」アルマが、どうやって彼を「モノにするか」のお話しがスリリングに展開していきますが、まずもってその方法が怖すぎる(笑)「愛とは一種の戦いである」とは、古代ローマの詩人、オウィデウスの言葉ですが、まさにまさに❗今ではヲタクは年老いて、愛の為に戦うなんてン十年も昔に止めてしまったけどね(笑)‥‥しっかしこの映画、若い未婚の男性が見たら、結婚するのが怖くなると思う、確実に😅

 

  こうして並べてみると、「これが同じ監督の作品か❗❓」って言うくらい、作品の題材も作風も違いますねぇ‥‥😮ベルリン、カンヌ、ヴェネチアと、世界三大映画祭の監督賞を総なめにしたアンダーソン監督。撮りたいものを自由に撮って、それが出来上がってみたら名作ばかり‥‥なんて、天才の天才たる所以でしょうか❓

 

  アンダーソン監督、いつかオースティンのラブコールに応えてくれないかしらん💕映画製作においては超完璧主義で、微塵も妥協を許さないことで有名な監督。『リコリス・ピザ』は特例で、たぶん次作は本来のお姿に戻られるでしょう(笑)しかし、細部にこだわり抜く点においては、我らがオースティン・バトラーも負けちゃあいない(笑)二人が映画作ったら大変なことになりそうだ😅

 

★今日の小ネタ

リコリス・ピザ』、映画の中ではリコリスのリの字も出てこないので、一体なんじゃらほいと思ってネットで調べてみたら、

1969年から1980年代後半にかけてカリフォルニア州南部で店舗を展開していたレコードチェーンの名前から取られたもの。

‥‥だそう。これはアレね、ニルヴァーナカート・コバーンの『Smells Like Teen Spirit 』的手法(笑)直近ではロバート・パティンソンの新生バットマンで劇中曲で使用されてます。詞に一言も出てこない題名を堂々とつけちゃう‥‥っていう。ちなみにTeen Spiritとは、当時発売されていた10代女子向け、お手頃価格のシャンプーの商品名らしいです。