オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・ライブ鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログ。

ドラマ『拾われた男』~奇なるかな、奇なるかな、松尾諭の役者人生


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今年6~8月にNHKBSプレミアムで放映され、月間ギャラクシー賞にも輝いた、名作の呼び声高いドラマ『拾われた男』。ディズニー+でイッキ見も可能になったようですが、地上波の再放送で第1話を見たヲタク、これは続きをワクワク楽しみにしながら丁寧に見たいドラマだと思ったので、これから再放送で毎週見ていくことにしました。……なので、今日は第1話の感想文です😊

 

「事実は小説より奇なり」

名バイプレーヤー松尾諭の半生は、最初からして、そんな言葉しか浮かばないほど、奇想天外なものですヽ(゚д゚ヽ)(ノ゚д゚)ノ

 

  生まれ故郷の兵庫県西宮で舞台演劇を鑑賞し、スポットライトに包まれた役者たちの姿を見て、突如役者を目指すことを決意する若き日の松戸諭(仲野太賀)。芸能事務所に勤める女性から「演劇やるなら東京でしょ」というアドバイス❓をやみくもに信じて、後先も考えず、先に上京してカットモデルをしている幼なじみ杉田(大東駿介)のアパートに転がり込みます。ヘタな鉄砲もナントカ……で、片っ端から劇団に連絡をとるも、殆どの劇団はオーディションが終わっていて相手にしてくれません。やっとの思いで受けた劇団「東京乾電池」の入団試験を受け、渾身の演技を披露しますが、審査員たち(柄本明ベンガルがご本人役で登場~❗)の反応は微妙😅そんなある日、自動販売機の下に落ちていた航空券を拾った諭。換金しようとする諭に、杉田は「ちゃんと警察に届けろ」と言います。素直に従って警察に届けた諭ですが、なんと持ち主は芸能事務所の社長(薬師丸ひろ子)でした。社長は諭の「兵隊さんみたいな昭和顔」が気に入って、自分の事務所入りを勧めますが、そこは井川遥をはじめとしてモデルがハバをきかせているところで……。

 

  なんといってもこのドラマの一番の魅力は、主人公松戸のキャラ❗松尾さん本人がまさにこういう人なんでしょうが、めちゃくちゃ素直……というか、人を全力で信じる人なんですね。上京のきっかけもそうだし、航空券を警察に届けるところも。事務所採用のきっかけも、薬師丸ひろ子演じる社長の一種の気まぐれで😅敏腕マネージャー(鈴木杏)からは最初からジャマ者扱い(笑)それでも、他のモデルたちに混じって一生懸命歩き方の練習をする松戸に、思わず「ファイト❗」って声をかけたくなります。役者の伝記モノ……というより、胸アツの青春ストーリーの味わい。また仲野太賀がね、もうサスガの演技で、巧くて巧くて。

 

  ドラマの冒頭に松尾さんが登場して、自分の半生を自虐混じりに「拾ってもらった人生だから……」って呟くんですが、彼の人柄の素直さ、純粋さがこれからどんな「奇なる」出逢いを引き寄せていくのか、楽しみに見ていきたいと思います❗仲野太賀、草彅剛……と来て、諭の妻役が伊藤沙莉だなんて、楽しみすぎる♥️ほんのチョイ役でも、綺羅星の如き面々が次々と登場して、「サスガNHK」のゴージャスさ(笑)

 

★今日の小ネタ

①諭の不思議な魅力を持つ兄に、草彅剛。この人はやっぱり凄い役者で、黙ってそこに佇んでいるだけで、独自の世界を作り上げてしまう。表情に一種の神々しさを感じてヲタク、(この人、演技者としてどこまで行くんだ❓)と思って、ちょっと背中ゾクッとした(笑)

 

  草彅さんと松尾さんと言えば、何と言っても舞台『アルトロ・ウィの興隆』❗ナチスドイツを街のギャングに置き換えた風刺劇。ヒットラー役の草彅さんのオーラは圧倒的でしたが、松尾さんが演じたのは、ゲッペルスとの勢力争いに負けて粛清されてしまうエルネスト・ローマ役。ダンスの場面がけっこうあるんですが、あの体躯(失礼❗😅)で、まるで背中に羽があるかのように軽々とステップ踏んでました。「拾ってもらった人生」と謙虚な松尾さんですが、ヲタクから見たら、舞台に賭ける情熱、底力、ハンパないと見た。彼を落とした「東京乾電池」、見る目なかったよね(笑)

 

②杉田のアパートに貼ってある1枚の映画のポスター。……そう、『バッファロー'66』(1988)❗杉田がヴィンセント・ギャロのファンだという設定。ヲタクも当時けっこうハマりました、あの映画。ストーリーも映像も音楽もめちゃくちゃオサレで。ギャロは監督、主演、美術、音楽全てを担当、これから名作を連発か……❗❓と思いきや、その後はアレレ❓な感じで😅彗星のように現れ、激しく光芒を放ちながら消えていった天才……というイメージです。


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杉田の部屋に貼ってあったポスター。映画は、成り行きで女性(クリスティーナ・リッチ)を拉致したものの、愛し方がわからず戸惑う不器用な男(ヴィンセント・ギャロ)の物語。そんな映画が好きな杉田が、恋人を次々とアパートに連れ込んで同棲しているという設定がなんとも皮肉😅恋人役に岸井ゆきの。出番僅かなのに凄いインパクト。

 

③我が青春の「ザ・スズナリ」が一瞬映った❗懐かしい~~😊大人になってからは何故か、下北沢からは足が遠のいちゃった。なぜだろう❓理由は今でもわからない😅