オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・コンサート鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログです。

ニューヨークを舞台にしたおススメ映画〜PART1

 コロナ禍からやっと解放され、数年前の日常に戻りつつある昨今。来たるべきGWには海外旅行の計画を立てている方もいらっしゃるかもしれませんね。ヲタクも❗……と言いたいところですが、そんなお金も暇もないので(笑)GWにはおうちにお籠り、映画三昧になりそう。そこで今日は、おうちに居ながらにして旅行気分になれる映画をご紹介しましょう。まずは憧れの街、ニューヨークから。

 

★『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』

(2019年 ウッディ・アレン監督)
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故郷のマンハッタンを離れ、州北部の緑深い大学に通うギャッツビー(ティモシー・シャラメ)は、大学新聞の記者でジャーナリスト志望のアシュレー(エル・ファニング)とアツアツの恋人同士。そんなある日、アシュレーがさる有名な映画監督に取材をすることに。アリゾナ出身のカントリーガール、アシュレーはマンハッタンで有名人に会える幸運に有頂天。それに便乗してギャッツビーは、「マンハッタンをボクが案内してあげる❗二人で週末を過ごそう」と提案します。 

 

ギャッツビーは最初ホテル「ザ・カーライル」に宿をとろうとしますが、実家のママと犬猿の仲のギャッツビー、カーライルは実家に近いから危険…と考え直して、ピエール(   ザ・ピエール・ア・タージホテル~The Pierre, A Taj Hotel  セントラルパーク前の5つ星ホテル)のスィートを予約します。欧米ではいくらセレブの息子でも親のおカネでスイートルームなんて言語道断なんだけど、ギャッツビーはプロ並に最強のギャンブラーで、ポーカーでボロ儲けして旅行の資金を調達した…っていう設定になってます。

 

  しかし二人で過ごすはずの素敵な週末、アシュレーのインタビューが思わぬハプニング続きで次々と邪魔が入り、恋人たちは離れ離れに。結果、取り残されたギャッツビーはショボくれて、雨のニューヨークの街を一人彷徨い歩くハメに…。さて二人の恋の行き着く先は…❗❓

アシュレーとすれ違いの末、ギャッツビーはチャン(セレーナ・ゴメス)とメトロポリタン美術館でデートをすることに。

 

 都会人のニューヨークっ子、ウッディ・アレン監督特有のオシャレで皮肉なエピソードが満載。…しかし何より、この映画のクライマックスは、シャラメがピアノを弾きながら歌うジャズのスタンダードナンバー※「Everything happens to me」❗確実に骨抜きにされて腰砕けになります(笑)

※『Everything happens to me』

何かことを起こそうとすると不運に見舞われるっていう可哀想な歌。シャラメ演じるギャッツビーが大ファン、っていう設定のサックス奏者チャーリー・パーカーも名盤ですし、ピアノならセロニアス・モンクビル・エヴァンスがおススメ。ビリー・ホリデイも歌ってますね。個人的には、ホリデイのヒリヒリしたこっちが緊張しちゃうような歌声より、『ニューヨークのため息』と呼ばれたヘレン・メリルのメロウなハスキーヴォイスが好き😍

 

 ニューヨークを舞台にした映画…と聞いて真っ先に思い浮かぶのが、ウッディ・アレン監督の作品群。古くは『アニー・ホール』(1977年)。初めて観た時にはヲタク、ヒロインのダイアン・キートンのマニッシュな服装(ラルフ・ローレン)やニューヨークの街、パーティーで交わされる会話…全てがなんてお洒落だろうと思って。憧れましたねぇ、ニューヨークに。1979年の『マンハッタン』もステキな映画❗モノクロの画面に浮き上がるマンハッタンの街。全編に物憂げなジャズのスタンダードナンバー『ラプソディー・イン・ブルー』が流れてサイコーです✌️

 

★『アメリカン・サイコ

(2000年 メアリー・ハロン監督)
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 R指定で、ホラーあるいはサスペンスに分類されているこの映画、ヲタク的には超クレイジーなブラック・コメディに分類したい。

 

  ある企業の御曹司ベイトマン(クリスチャン・ベール)は地位こそ親がかりで副社長であるものの、実際には仕事に身が入らず、さしあたっての興味は自分の筋肉を鍛えることと、いかにしてトレンドのオシャレなレストランを押さえてランチをするか…ということだけ。同じような友人連中との会話も、どこかから拝借してきた薄っぺらな内容のものばかり。ベイトマンは最近、殺人衝動を抑えられなくなっていて、ついにある日、狙っていたレストランの予約に先を越されたのがきっかけで、友人のポール・アレン(ジャレッド・レト)を斧を振り下ろして惨殺してしまいますが…。


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作品に登場する80年代ヤッピーの典型的ファッション。ハイブランドのスーツに派手めのタイ、ビッグシルエットのカシミアコート。

 

  公開当時、一連の殺人は果たして実際の出来事なのか、ベイトマンの妄想なのか❓とずいぶん議論になりましたね。じぶんは妄想派かな(ってゆーか、妄想であってほしいよ😅)ポール・アレンの遺体を袋に無造作に入れてずるずる引き摺るベイトマン。床にその血の跡がついているのに、それを虚ろな目で追っているだけの超無関心な警備員のオジサン。現実だったらそっちこそ怖すぎる((( ;゚Д゚)))…。

 

1980年代のニューヨークの話なので、バブルの匂いプンプン。当時の軽佻浮薄なヤッピー連中(yuppie, YUP〜「young urban professionals」の略。ニューヨークのような大都市に住む、若いエリートサラリーマンの意)に対して、痛烈な皮肉をブチかましております。ボディメンテに精を出し、一見セルフコントロールに秀でたように見えるベイトマンがじつは、殺人衝動を全く抑えられないサイコパスという苦い矛盾。娼婦二人と3○の真っ最中、様々な角度から鏡に映る自分の筋肉を眺めて薄笑いを浮かべながら悦に入っているベイトマンは…キモイ、の一言です(^_^;)こういう人たち、日本でも六本木のタワマンあたりに生息したりしてるのかしらん?(笑)

 

★『ティファニーで朝食を

(1961年 ブレイク・エドワーズ監督)


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 ヒロインのホリー・ゴライトリー(オードリー・ヘップバーン)は14才で初めての結婚、以来、生きるために数多くの男性と関係を持つなど、自由奔放なコールガール。物事の判断基準はお金で、知らないうちに犯罪の片棒を担がされちゃうようなタイプの女性なんだけど、アラ不思議、オードリーが演じると、そんな人生の影など全く感じさせない、上品でピュア女性のイメージのまま。原作者のトルーマン・カポーティは、「オードリーは全くホリーのイメージじゃない」といたくご立腹だったと伝えられていますが、そんなお堅いこと言わないで〜。どう見てもコールガールに見えないところが、全くの想定外でいいんぢゃありませんか(笑)


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  ヘンリー・マンシーニの華麗なテーマソング『ムーン・リバー』、ジバンシィのゴージャスな衣装、オードリーの美しさに、ティファニーの前でパン・オ・ショコラ?(オ・レザン?)をかじり、紙コップのコーヒーを飲むあの有名すぎるオープニングに、ただただ理屈なしに酔えばいいと思う😊そんな映画の楽しみ方があってもいいよね❓


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★『華麗なるギャッツビー』

(2013年 バズ・ラーマン監督)


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  初めて近代兵器が使用さかれた大規模な戦争である 第一次世界大戦。当時の若者の心に大きな傷跡を残し、それまでの価値観は一挙に覆され、彼らは刹那的な享楽に走り、ジャズエイジと呼ばれました。『華麗なるギャッツビー』の原作者スコット F フィッツジェラルドもそんな一人でした。

 

  舞台はニューヨークのロングアイランド。豪奢な大邸宅に暮らす、素性も職業も謎に包まれたJ ギャッツビー(レオナルド・ディカプリオ)は、夜な夜な狂乱の大パーティーを開いていました。しかし彼の心の奥底には、ある女性への満たされぬ渇望にも似た想いが…。

 

  刹那的な享楽に溺れながらも、心の奥底に純粋な想いを秘めた謎めいた大富豪は、レオ様のイメージぴったり。

 

ところがどっこい(笑)


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 肝心のデイジーがさぁ、冷淡でナルシストでスノッブ、モロ同性に嫌われるタイプ。観ているほうとしては(なんであんな女の為に人生棒に振ってんのよ、目覚ませバカヤロー)ってちょっとイライラしちゃうんですねー。アメリカの当時のセレブリティのライフスタイルやファッションがお洒落でとっても素敵な映画ですけど…。ヲタク原作も読んだけど、まあ原作のデイジーも似たような感じ。

 

 デイジーを演じたキャリー・マリガン、最近は『プロミシング・ヤング・ウーマン』や最新作『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』で、世の中の悪と戦う女性のイメージですが、もしかしてこの時の反動!?(笑)

 

 …っていろいろ書きましたが、ロングアイランドの美しい海と、当時のセレブリティの豪奢な生活を描写する、バズ・ラーマン監督特有のケレン味たっぷりの「華麗な」演出は一見の価値アリ。

 

 

★『タクシー・ドライバー』


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(1976年 マーティン・スコセッシ監督)

  ニューヨークの片隅、人とコミュニケーションをとれず極度の不眠に悩まされ、次第に本物の狂気に囚われていくタクシードライバー、トラヴィス(ロバート・デ・ニーロ)。

 

  今ではハリウッドの巨匠中の巨匠、マーティン・スコセッシも、この映画を製作した時は若干30代前半。ベトナム戦争を契機に、それまでのアメリカの『世界のリーダー、夢が実現できる憧れの国』のイメージが徐々に崩れていきますが、主人公トラヴィスベトナム戦争の帰還兵です。

 

彼の行き場のない怒り。

鬱屈した感情の爆発。


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 彼が、自分をないがしろにする社会を制裁する武器として手に取ったのは、銃。ニューヨークの、貧しく閉鎖的なイタリア移民街で育ったスコセッシ監督自身の、抑圧された感情も反映されているように思います。ホアキン・フェニックス主演の 『ジョーカー』にも大きな影響を与えたと言われる本作。トラヴィスの抑圧された苛立ちと狂気は、銃を以てしか、解放され得なかったのか?

 

今見返しても古さを感じさせない名作です。