オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・ライブ鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログ。

ますます面白くなってきたゾ〜Apple TV Plus『窓際のスパイ』シーズン3

 
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 待望のAppleTV『窓際のスパイ』シーズン3、ついに配信開始〜〜パチパチパチ\(^o^)/

本日(2023.12.27)の時点で、全6エピソードが配信済みとなりました。

 

 『窓際のスパイ』、元々の原題は『Slow Horses(鈍足の馬)』あるいは『Slough House(泥沼の家)』。ミック・ヘロンの原作は、版によって題名が違うのが面白いんですが、MI5(英国情報局保安部‥‥国際問題を扱うMI6とは違い、英国国内の治安維持に務める)の中の、「泥沼の家」と呼ばれる窓際部署に寄せ集められた、スパイの落ちこぼれたち(鈍足の馬)という二重の意味になっています。

 

 何せこのドラマ、ヲタクの最愛の推し、ジャック・ロウデンの数少ない出演作。日本では彼の認知度はまだまだ低いので(しかも彼、ハリウッドの商業主義的大作にはハナも引っ掛けないし(^.^;)本国英国で公開されても、日本では映画館はおろか、配信でも観る機会はまれ(泣)……なので、『窓際のスパイ』は例外中の例外。まっ、主演が御大ゲイリー・オールドマンだし、原作はミック・ヘロンの大人気スパイ小説だもんね。(少なくとも英国では)ヒット間違い無し。納得できる作品に出会えてよかったよね、ジャクロ😍『窓際のスパイ』でジャクロは、MI5史上最も高名な伝説のスパイを祖父に持ち、MI6の007ことジェームズ・ボンドに憧れ、前途有望なエリートとして入局したものの、新人訓練の時にある失敗を「やらかして」しまい、「泥沼の家」に左遷されてしまったリヴァー・カートライト役。リヴァーは性善説を信じるおぼっちゃまくんなので、「誠意と正義」のため、任務に忠実に行動したつもりがそのためにドツボにハマるパターンが度々。MI5は駆引きと裏切り、陰謀の巣窟(^.^;ラムをはじめとする、一癖も二癖もある「鈍足の馬たち」や出世主義、拝金主義な元同僚、そしてひいてはMI5という「魑魅魍魎なモンスター」に、(今回も)いいように引っ張り回されてます。


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※リヴァー・カートライト役のジャック・ロウデン。ジャクロはリヴァー役で、本年度BAFTA(英国アカデミー賞助演男優賞ノミネート❗今回のシーズン3ではリヴァーの男気が十分に発揮されて、LOVE😍

 

  この作品、シーズン1前半は、「鈍足の馬たち(スローホース)」の人となりの紹介に費やされたきらいがあり、展開がそれこそスローでしたが(個人的には面白かったけどね)、シーズン2 はスリリングな尾行シーン、カーチェイス、所轄機関から防犯カメラのデータを盗み出すシーン…等、手に汗握るシーンも度々登場、ようやくザッツ・スパイドラマ❗になってきました。シーズン3も2の流れを汲んで、冒頭からハラハラな展開です。

 

 時は2年前、所はトルコのイスタンブール。異国情緒溢れる街の片隅で、英国の女スパイと黒人青年の激しいラブシーン。およよ、のっけから濃いなぁ…と思っていたら、女性のほうはキャサリン・ウォーターストンじゃあーりませんか❗ハイ、ファンタビシリーズ、ニュート・スキャマンダーの彼女、ティナ役。ティナはニュートより男前で、色気のイの字もないキャラだから、そのあまりの落差に目を白黒させるヲタク(笑)キャサリン演じる女スパイ、アリソン・ダンがシャワーを浴びに行った隙に、黒人青年ショーンはやおら起き上がって部屋中何かを探し始めます。「何を探してるの?目的はそれだったのね」哀しそうな眼でショーンを見つめるアリソン。どうやら彼女はある目的から、重大な機密文書を漏洩しようと目論んでいたようで、それを事前に察知した英国政府から命令を受けたショーンが、色仕掛けという古典的手法でアリソンの部屋に忍び込んだ……というわけ。政府に自分の目論見がバレたことを知ったアリソンは漏洩計画実行を前倒しすることに決め、追ってくるショーンとカーチェイスを繰り広げます。とある立体式駐車場でショーンはアリソンに追いつきますが、彼女は機密文書を渡した後すでに何者かに殺害されていたのです……❗(※キャサリンがソッコー退場でビックリ(^.^;)

死亡後、自死としてMI5の歴史の闇に葬られたアリソン。彼女が何者かに渡した重大な機密文書とは一体何なのか❓

それが2年も経ってから、英国政府を揺るがす大事件に発展していくのはなぜ❓

※ソッコー退場と言えば、ヲタクがこの作品でジャクロの次に推してたアノ美形俳優がシーズン3で早くも……😭ネタバレになっちゃうからこれ以上言えないけど……ジャクロとのツーショットめっちゃ萌えてたのに……残念❗

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※悲劇の女スパイを演じるキャサリン・ウォーターストン

 

 この事件にラムが絡んでいるのはいつも通りの展開。MI5の重要案件には必ずラムが一役買ってるよね。そんなキレモノの彼が何ゆえに「鈍足の馬たち」みたいな落ちこぼれ軍団を率いているのか、未だにナゾである。しっかしシーズン3にきてラムの体臭はますますクサくなってるみたいで(「泥沼の家」にいつも泊まりこんでいて、風呂入んないからね(^.^;)1、2シーズンでは、MI5でのライバルであり盟友でもある副長官ダイアナ・タヴァナー(クリスティン・スコット・トーマス)に「あなた、臭うわよ」と眉をひそめられる程度だったのが、シーズン3ではかかりつけのクリニックで他の患者からホームレスと間違われてたし(^.^; 「あいつをつまみだせ!妻の容体が益々悪化する」だって。でも、いくら臭くて出腹テプテプ、見かけは冴えないおっさんそのもののラムが、観ているうちに、その頭のキレッキレ具合と冷静沈着さ、イザという時の爆発的行動力で、どんどんカッコよく思えてくる。これって、超名優ゲイリー・オールドマンマジックか❗❓


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※相変わらずラム(左…ゲイリー・オールドマン)から毒舌吐かれまくりなリヴァー(ジャック・ロウデン)ですが、リヴァーも打たれ強くなってきたし(あるいはM男化❓笑)、なんだかんだ言って名コンビになってきた2人。

 

 また、英国のスパイものの王道を踏んで、ストーリーがスリリングに展開する一方で、当の登場人物たちはどこか余裕をカマしており、イジワルで皮肉たっぷりな英国式ユーモア満載の会話が飛び交うシーンもヲタク好み❤


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※リヴァー(右)と、ストーカーのセクハラ男で性格めっちゃ悪くて、でもどこか憎めない天才ハッカーのホー(クリストファー・チャン…左)。ラスト、ホーはスタンディッシュとラムを救出するためにトンデモナイことをヤらかしてしまいますが、もうその場面が爆笑モノ(^.^;

 

特に今回お気に入りの会話を2、3紹介すると‥‥‥。

 

 お喋り好きで、要領を得ない部下のくどくど説明に対するタヴァナーMI5副長官のキツーイ1言。

「考えてから話すか、口を閉じるかどちらかにして」

部下が「お言葉は理解しました」と返すと、「だったらさっさと実行しなさいよ」たはは……(笑)
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※デキル女の代表格、タヴァナーMI5副長官を演じるクリスティン・スコット・トーマス。そのうえなんと、長官のイングリッド・ティアニー役はソフィ・オコネドーだからね、最強すぎる…。ティアニー長官はシーズン2で初登場、今回のシーズン3から本格的に参戦❓タヴァナーとティアニーはMI5の覇権をかけて、熾烈なる女の戦いを繰り広げます。2人の会話がコワイのなんの……(ゾゾゾ)


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※MI5ティアニー長官役のソフィ・オコネドー。クリスティン・スコット・トーマス同様英国を代表する名優ですが、画面に出てくるだけで圧がスゴイ(笑)彼女自身ケンブリッジ出身の才媛なので、キャリスーツがバッチリ決まってる。タヴァナーのフェミニンなファッションとは対照的で、そのへんも興味深いところ。

 

 タヴァナー副長官はもちろん、ラムをはじめとする「泥沼の家」の面々にも容赦ありません。今回、よんどころない事情から、ある機密文書を盗みに古巣のMI5本部に忍び込むハメになったリヴァー(ジャクロ)。それを見咎めたタヴァナー、

「あなたが来ると空からカエルが降ってきて水道から血が出るわ。このまま海へ歩いていって口を開けたまま海に飛び込んでちょうだい❗」

早口で喋りまくるタヴァナーに1言も言い返せず、目を白黒させるリヴァーの表情が、かわゆす……😍あ、それから、生活全般頼り切りの秘書スタンディッシュが欠勤し、おぼつかない手つきでお茶を沸かしているラムを物陰から見て、「あっ、ラムがお茶入れてるぞ❗初めて見たー。写真、撮っとこ。ヤケドするかもだし、うひひ」って言ってるリヴァーもチャーミングすぎる🤤


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※ラムとアイスクリームって…。これ以上似合わない組み合わせはないね(笑)

 

 ラムが情報屋と繰り広げる毒てんこもりの会話シーンも好き❤機密文書漏洩には、民間の警備会社が関係していることを掴んだ情報屋。

情報屋「ストームブレイク社か、ストライクフォース社か」

ラム「センスのない名前だな。カチカチンポ社にすればいいのに」相変わらずお下品なラム……(^.^;

情報屋「それともスライ・モンティスのチーフテン社かもしれん」

ラム「ふん。名前で判断したくはないが、そいつぁポン引きか❓」 

ヲタク、思わず吹き出しました。ポン引きスライ。確かにしっくりくるわな(笑)ちなみにストライクフォースアメリカの格闘技団体、チーフテンは英国の戦車の名前です(^.^;…それにしても今回のシリーズで登場するMI5関連の「タイガー作戦」や「グレイ・ブック」って本当に実在しちゃってたりして。(興味を持たれた方は、ぜひAppleTVで本編をご覧下さい 笑)

 

 既にシーズン4の制作が発表された『窓際のスパイ』。ゲイリーはこのドラマが終了したら俳優引退を仄めかしているので、不世出の名優ゲイリー・オールドマンを引退させないためにも、ジャクロ推しのヲタクを満足させるためにも(笑)シーズン10くらいまでイッちゃって〜〜〜❗❗❗