(Photo of New York from Pixabay)
タレントの渡辺直美さんがニューヨークに拠点を移して、今後芸能活動を行っていくというニュースが今朝TVで流れていました。ニューヨークってクリエイティブな仕事に携わっている人にとってはもう、最高の街なんでしょうね。
映画オタクのワタシからすれば、N.Y.を舞台にした名作ってそれこそ数限りなくあって、10本の指では数えきれないですが、今日はその中でロバート・ワイズ監督の「ウェストサイド物語」❗拙ブログの「オープニングが印象的な映画」でも取り上げました。もともとこれはブロードウェイの名作舞台で、ストーリーは誰でも知っているシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」今でも上演されているようですし、宝塚や劇団四季版をご覧になった方も多いのでは❔
その名作舞台を、ワイズ監督が「これぞ映画❗」このミュージカルは映画の為に作られたのではないかと思うほどの一級品にしてくれました。まず画面が、オーケストラの奏でる作中のミュージカルナンバーに合わせて次々と色を変えていく。そこに浮かび上がっている無数の縦の線。音楽が止まるとその線が、バッと海から見たマンハッタン島のスカイスクレイパー群に切り替わる、映画史上有数のオープニングだと思います。館内でこの瞬間みんながびっくりして息をつめる瞬間が好き❤️映画館でもう何度も見て、仕掛けはわかっているはずなのに、その度にワクワク感で息が苦しくなる(笑)
カメラはマンハッタンのビルを俯瞰撮影しながら追っていく。かすかに聞こえる口笛の音。そして、少年たちがバスケットボールをしている広場に急降下していって、指を鳴らすリフ(白人不良グループジェット団のリーダー。演じるのはラス・タンブリン)のアップ。もうね、この始まりの10分位でもう、ワタシは「ウェストサイド物語」アディクトになっちゃいました。この映画、ほとんどロケで撮影されたんじゃないかと思いますが、まぎれもなくもうひとつの主役はニューヨークの街。あのスピルバーグ監督がリメイクするというので話題になっていますが、ここまで映画として完成されたほぼカンペキな作品をどう作り直すのか❔それはそれでちょっと興味はありますけど…😅
マンハッタンを舞台に繰り広げられる白人不良グループ・ジェット団と褐色の肌を持つプェルトリコの移民グループ・シャーク団との抗争。ジェット団リーダー、リフの親友トニーと、シャーク団リーダー、ベルナルドの妹マリア(若くして亡くなったナタリー・ウッド。ひたすらキレイで可愛い😢)が一目で恋に落ちたことから、悲劇は幕を開けます。
もうこの映画の見所は、ワイズ監督のスピード感溢れる演出と、圧倒的なダンスパフォーマンス❗❗これはもう中毒性があるので、要注意(笑)現代版ロミジュリ、トニーとマリアが初めて出会う体育館でのダンスパーティのシーン、ジェット団のほうは、アクロバティックな、今でいうストリート系のダンスで、プェルトリコ系のシャーク団はスパニッシュダンス、この対比がもう、見事です。
ワタシ的に一番好きなダンスシーンは、「クール」抗争の結果、両方のリーダーが死に、ベルナルドを刺殺したトニーは警察から追われる身に。どうしてこんなことになってしまったのか。不安と怒りでパニック状態になるジェット団のメンバーたち。それを副団長のアイス(いつも冷静沈着なので、このニックネームがついてるんでしょうね😊ワタシのイチ推しはなぜかこの人😅)がガレージに皆を追い込み
Boy, boy, crazy boy,
Get cool, boy!
Got a rocket in your pocket
Keep coolly cool, boy!
Don't get hot
'Cause man, you got
Some high times ahead
Take it slow and Daddy-O
You can live it up and die in bed!
アツくなってるけど
冷静になれよ
ポケットにしまっとけ
クールを気取るんだ
熱くなっちゃいけない
いつかはいいことあるさ
慎重にやれよ
精一杯生きろ
どうせオレたちいつかは死ぬんだ
と歌い出し、天井の低い狭いガレージで、鬱屈した怒りをぶつけるような激しいダンス。今見てもちっとも古さを感じさせない。オープニングと、この「クール」のシーンが始まると、何度見ても背筋に戦慄みたいなものが走る。映画の力って、スゴイです❗
素晴らしい歌とダンス、疾走感のある演出、そして、今もアメリカが悩み続ける暴力と人種の社会問題。動画配信サイトやレンタルビデオでももちれん楽しめますが、以前拙ブログでも取り上げた「午前10時の映画祭」のラインナップにも入っていますので、これを機会に大画面でぜひ❤️