オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、鑑賞後の感想を呟いたりしています。今はおうちで珈琲片手に映画やドラマを観る時間が至福。

生だ、本生だ、セルゲイ・ポルーニンだッッ❗


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(開幕前の、このドキドキする瞬間が大好き💕)

 きっとこれから、バレエ界のレジェンドになる(に違いないとヲタクは信じている)セルゲイ・ポルーニンのことを書こうと言うのに、あまりにも芸のないお題でスミマセン😣💦⤵️しかししかし、これ以外思いつかない。ついに、ついに、生で見たーーっ❗

 

 渋谷文化村はオーチャードホール、 バレエ界の既にレジェンド、アリーナ・コジョカルがプロデュースした『ドリーム・プロジェクト』❗セルゲイは今回、ゲストとしての出演です😊プログラムはABCと3つに分かれていて、今日はBプロ❗バレリーナとして致命傷と言われた首の怪我を執念のリハビリで乗り越え、不死鳥の如く蘇ったアリーナ・コジョカル。今回も練習中にお怪我をされたようで、当初予定されていた『追憶』の上演は取り止めとなり、最後にセルゲイと踊る『マルグリットとアルマン』のみのご出演。完全復活されたとは言え、やはり大怪我の後、激しい練習でどこか無理をされているのではないかと、こちらもちょっとハラハラしながらの観賞でしたが…。

 

  なんの、なんの、もはやアリーナ・コジョカルともなれば、踊る技術を遥かに超えた圧倒的な何かがある❗


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  『マルグリットとアルマン』は、あのマーゴット・フォンティーンとルドルフ・ヌレーエフの伝説的名演の為長く上演を封印され、2000年になってやっと英国ロイヤルバレエ団のシルヴィ・ギエムによって再演を見たという、曰く付きの作品。

 

  いみじくも一緒に観に行った友人がため息混じりに呟いた言葉…。

「まるで無言劇を見ているみたい😮…圧倒されたわ」

それまでは、ダンスの名手たちが繰り広げる華やかなテクニックにやんやの喝采を送っていた私たちも、この演目が始まると水を打ったように静まり返り、アレクサンドル・デュマ原作の『椿姫』生活の為高級娼婦に身を落としたマルグリット(アリーナ・コジョカル)と、マルグリットを愛しながらも父親の猛反対にあって彼女を信じきれず、愛憎に見悶えるアルマン(セルゲイ・ポルーニン)の悲劇的な行く末を固唾を飲んで見守ったのでした。

 

  アクロバティックな派手さを極限まで抑制し、視線、手の動き、その佇まいそのもので表現する、マヤ・プリセツカヤの『瀕死の白鳥』にも相通ずるであろう、バレエ芸術本来の叙情性。コジョカルの胸を借りて、あのバレエ界の手負いの獣、反逆児ポルーニンが、クラシックバレエの極みとも言えるロマンティシズムをここまで表現できるとは…。

 

  英国ロイヤルバレエ団、史上最年少でプリンシパルの地位まで上り詰めながらその直後に電撃退団、心の空白を埋めるように、くまなく全身に彫り込んだタトゥー。ドキュメンタリー『セルゲイ・ポルーニン~世界一優雅な野獣』では、「もう、踊る意味が見出だせない」と語っていたセルゲイでしたが、今日の踊りを見ると、彼なりに踊る意味を見出だし、粛々とその道を歩んでいるんだなぁ…とわかって安心しました😊

 

  迷いながらでもいい、これからもぜひ踊り続けて欲しい。客席の片隅でドキドキしながら見守っているヲタクの為にも(笑)