オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・ライブ鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログ。

バレエ&ダンスオタクも納得❓〜『ダンサー in Paris』


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 KINOシネマ横浜みなとみらいにて、フランス映画『ダンサー in Paris』鑑賞。

 

 

 幼少の頃から全てを犠牲にしてバレエに人生を賭けてきたエリーズ(マリオン・バルボー)。パリ・オペラ座バレエ団でエトワールを目指して今日も舞台に立っていましたが、出番の直前、恋人の裏切りを目撃した彼女は精神を乱し、舞台で躓いて足首を痛めてしまいます。初めは単なる捻挫かと思われましたが、実は重度の剥離骨折だったことが判明します。これから2年はバレエを踊れない。しかし2年経っても現場に復帰できる可能性は低い……。エリーズは失意の中で、新たな人生を模索し始めます。エリーズと同様プリマの道を諦め、BFとキッチンカーを始めた友人サブリナの手伝いを始めたエリーズ。キッチンカーの出張先は、様々なアーティストのパトロンとして自宅を開放しているジョジアーヌのブルターニュ州の邸宅でした。オペラ歌手や合唱団など様々な芸術家を受け入れているジョジアーヌ。そんなある日、フランスのコンテンポラリーダンス界の鬼才、ホフェッシュ・シェクター(なんと、本人が本人役で出演🫢)の率いるダンスカンパニーがやって来ます。彼らの、まるで大地からつき上がってくるようなダイナミックなダンスに、自分自身の中に忘れかけていた舞台への情熱が蘇えってくるのを覚えるエリーズでしたが……❗


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※『ラ・バヤデール』で舞姫ニキヤを踊るエリーズ。恋人に裏切られるニキヤと同様の悲しみに直面するエリーズですが…。

 

 冒頭の15分ではパリ・オペラ座クラシック・バレエ『ラ・バヤデール』公演、メディ・バキのコンテンポラリー&ブレイキン融合のド迫力ダンスバトル、そしてラストではホフェッシュ・ダンスカンパニーのダイナミックなパフォーマンスが披露されるという大サービス❗クラシック・バレエは天上界を目指して飛翔するが、コンテンポラリーは大地の鼓動と一体となり、自然に融合するもの…といった比較芸術論も展開され、マニアックなバレエ&ダンスファンにも納得の出来といえるでしょう。

 

 ヒロイン・エリーズ役のマリオン・バルボーは実際にオペラ座のプルミエールで、クラシックとコンテンポラリー両方に力を入れている人のよう。今回のヒロイン役にピッタリですね。そればかりか、エリーズに再び生きる希望を与える振付師ホフェッシュは、イスラエル生まれの英国人。また、エリーズの新たな恋のお相手メディ・バキ(今大注目のフランスの若手ダンサー。ホフェッシュ同様、彼も本人役で出演)はブレイキンの名手……と、この映画、なにげにボーダーレス、コスモポリタンな映画なんですよ。ヲタク的には、フランス人って自国至上主義なんでは❓という思い込みがあったんだけど、彼らの意識って最近変化しているのかしら❓それとも、ニューヨーク大学で映画製作を学んだ監督、セドリック・クラピッシュの個性なんだろうか。


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※マリオン・バルボー(上)とメディ・バキ(下)は言うに及ばず、ダンサーたちの鍛え抜かれた肉体の美しさも必見❗

 

 今作の特徴といえば、ジャポニズムっぽさもなかなかでござるよ(笑)サブリナのBFのシェフ、ロイック(彼は最近、豆腐を使ったヴィーガン料理に凝っているらしい^^;)が「名古屋ふうチキンのキモはショウガと柚子なんだ❗なのにここ(ブルターニュ)には柚子がナイっ」って叫ぶシーンとか、メディがブレイキンを踊るシーンのBGMが、日本人のダモ鈴木がボーカルを務めるCANの『VitaminC』だったり…。もしかしてフランスって、欧州いちの親日国なんでは❓(笑)



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※ホフェッシュ・ダンスカンパニーの迫力あるダンスシーン

 

 それにしてもフランス人って、家族でも友人でも恋人同士でも「初めに言葉ありき」って感じで、食べながら飲みながら、政治、文化、文学、音楽、そして人生、恋愛について語る、語る。本国では140万人が熱狂したというこの映画、コスモポリタンな雰囲気の一方で、「フランスらしさ」も随所にうかがえる、贅沢さ🎵

 

★イケメン・ダンサー、メディ・バキ

 この人、どこかで見たことあると思ったら、AirPodsのCM「Bounce」に出てた人だ〜❗

Bounce」は、第99回ニューヨークADC賞(ADC 99th Annual Awards)の「ベスト広告」と「GOLD CUBE」を受賞しています。
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