オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・ライブ鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログ。

心洗われる涙を流したい~『ガーンジー島の読書会の秘密』

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  ヲタク的には、泣く…って行為は、それそのものに関しては良し悪しはなくって、汗などと一緒、一種の生理現象だと思っていて。生理現象なんだから、ガマンするのはカラダに悪いと思ってる(笑)だから、よく小さい男の子が「男の子でしょ❗泣くのよしなさいっ」って言われてるのは可哀想な気がする😅そういえば、「日本の中年男性に心筋梗塞が多いのは、小さい頃から『男が泣くのは悪』という通念があり、ストレスが知らないうちに積み重なっているから」なーんて俗説聞いたことがあります。

 

  …っていつものように前置きが長くなりましたが(笑)映画を見て、悲しい涙にせよ、感動の涙にせよ、思い切り泣けた時って、なんだか悪いツキモノが落ちたような、心が洗われて生まれ変わったような気がしませんか❓


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(ガーンジー島の紺碧の空と海~Pixabay)

 

 

  日頃のストレスが溜まって、リセットしたい時はこの映画をどうぞ❗『ガーンジー島の読書会の秘密』(2018年・英仏合作)。第二次世界大戦直後のイギリス。ヒロインは作家のジュリエット・アシュトン(リリー・ジェームズ)。敏腕編集者(マシュー・グード)の力もあり、売れっ子の彼女は、金持ちのアメリカ人マークから熱烈なプロポーズを受けており、毎日がファンの集いとゴージャスなドレスとロンドン社交界の集まり。まるで(リリーの演じた)『シンデレラその後』状態😅(彼女のロンドンのアパートは、彼から贈られた真っ赤な薔薇で埋め尽くされている=笑)。同性から見てもあらゆる幸せを手中にしているかのように見えるジュリエットですが、彼女自身はそれに違和感を感じていて、あまりハッピーではなさそう。そんな彼女はある日、イギリス海峡にある小さな島、ガーンジー島の豚飼いドーシーから1通の手紙を受けとります。戦争中生活の為にジュリエットが手放したチャールズ・ラムの名著『エリア随筆』が、ドーシーの手に渡っていたのです。それがきっかけでドーシーと文通を始めたジュリエットは、ガーンジー島そのものに魅力を感じ、何かに導かれるように島を訪れます。ドーシーは、戦中から近所の仲間たちと読書会を開いているのですが、そのメンバーたちはそれぞれ大きな秘密を抱えており、しかも以前メンバーだったエリザベスは、行方不明になっていたのです…。

 

  ガーンジー島第二次世界大戦中、英国で唯一、ナチスドイツの占領下にあった島。占領下で島民たちは唯一の産業である養豚も禁じられ、ジャガイモの皮だけで作ったパイを日常食にするような生活を強いられたのでした。映画の原題『ガーンジー島のポテトピールパイ読書会~Guernsey Literary and Potato Peel Pie Society』は、ここに由来しています。

 

  エリザベスはなぜ、島からいなくなってしまったのか❓そして彼女は今どこにいるのか❓ストーリーはミステリアスに進んで行き、ジュリエットがその謎を一つ一つ解いていくにつれ、観ているこちらはもう、涙、涙😢なぜならその謎をとく鍵は、隣人愛であり、未来への希望であり、思い遣りだから。謎解きが進むにつれ、ジュリエットもまた、「自分は何者なのか❓本当は何を望んでいるのか❓」に、少しずつ気づいていくのです。

 

  キャストがまた、『ダウントン・アビー』や『ゲーム・オブ・スローンズ』のファンならこたえられませんゾ😉まず『ダウントンアビー』からは、ストーリー展開のカギを握るエリザベス役にジェシカ・ブラウン・フィンドレイ(はい、あのレディ・シビルですね)、メンバーの一人で最初はジュリエットを敵視するかのようなアメリアにペネロープ・ウィルトン(メアリーの最初の夫マシューのお母さん)、そして忘れちゃいけません、英国の歩くイケメン彫刻マシュー・グードが、ジュリエットを理解し支える編集者役です。(ダウントンアビーでは、メアリーの2番目の夫役)そして、ジュリエットがガーンジー島に訪れるきっかけとなるドーシー役に、ゲースロからマイケル・ユイスマン❗マッチョで権謀術数に長け、ついにはデナーリス・ターガリアンの愛人にまで上り詰めるダーリオ・ナハーリス役を演じたマイケル。この映画では無口で純朴な農夫という、真逆の役柄を演じています。

 

  感動的なストーリーに加え、イングランドの穏やかな田園風景とは全く違う、ガーンジー島の紺碧の空と海、粗削りな大自然に目を奪われます。

 

心が洗われるような、清々しい涙を流したい時には、この映画をぜひ😍