(Buckingham Palace From Pixabay)
前から気になってはいたけれど、最近やっと見始めたNetflixオリジナルドラマ『ザ・クラウン』。ご存知、グレートブリテン北アイルランド連合王国の現女王、エリザベス2世の物語です。
物語の始まりは、エリザベス女王(クレア・フォイ)と夫君のフィリップ殿下の結婚式から。エリザベスの結婚の時、父君のジョージ6世は既に肺がんの末期。絶え間ない咳と喀血に悩まされています。ジョージ6世と言えばそう、兄上のエドワード8世がアメリカ人女性ウォレス・シンプソンと激しい不倫愛の末わずか1年足らずで退位した為、突如国王になったお方。生来の吃音を血の滲むような努力の末克服した経緯は、映画『英国王のスピーチ』で感動的に描かれましたね。(主演のコリン・ファースはアカデミー賞主演男優賞受賞)また、第二次世界大戦では時の首相ウィンストン・チャーチルとの固い絆により、ナチスドイツに屈せず英国民を勝利に導いた名君としても知られています。(ゲイリー・オールドマンがチャーチルを演じた『ウィンストン・チャーチル~ヒトラーから世界を救った男』参照)
そんなノブレス・オブリージュのお手本を見て育ったエリザベスは、若くして女王としての責務を背負って生きる賢明な一人の女性として描かれています。父君が逝去された時、エリザベスは代行として、当時英国の植民地だったケニアを訪問していたんですね。通信状況の悪い1950年代のこと、彼女がラジオニュースの後で父君の死を知る場面は切ないです。
若き日のエリザベスを演じるのはクレア・フォイ。ヲタク、彼女の演技を初めて見たのは、映画『蜘蛛の巣を払う女』。ミステリー史上最も過激なヒロインと言われるリスベット・サランデルを、それこそ体当たりで演じていました。(第1作の『ドラゴン・タトゥーの女』ルーニー・マーラから彼女が引き継いだわけです)『ザ・クラウン』の初登場シーンでは、とてもリスベットと同一人物だとは思えなかった…(゚A゚;)つくづく女優さんってスゴイ。
何度も保守党党首再選を繰り返したチャーチルと、さまざまな事柄について虚々実々の駆け引きを繰り広げ、ついにはチャーチルをして「利口な女王だ」と彼に言わしめるエリザベスは爽快❗
エリザベス女王とは真逆、美しく奔放で、王族よりもむしろ一人の女性として生きようとする妹君のマーガレット王女に、今注目のヴァネッサ・カービー(『私というパズル』で、本年度アカデミー賞主演女優賞にノミネート)。最近になって、インポスター症候群(自分の能力や実績を自分で認められない、自己不信の状態)に悩んでいることをカミングアウトした彼女。自由気ままに生きているように見えながら、どこか傷つきやすく繊細なマーガレット王女役にピッタリ。
しかし、英国王室の裏側、こんなに忌憚なく描いちゃってイイの❗❓って感じなんですけど。まあ裏を返せば、それだけ国民に親しまれ、愛されてるってことなんだろうなぁ。エリザベス女王ご自身もこのドラマを楽しみにされているそうで…。その器の大きさ、素晴らしいわ。
それにしても、1950年代には石炭や火力発電所の排出する有毒ガスのせいで、イギリスでも何万人もの人々が命を失ったという事実、初めて知った…😢我が国ではそれから20年ほど遅れて、光化学スモッグの被害が報じられることとなります。現代においても、地球温暖化を防ぐ為CO2削減が人類の課題となっているわけですが、ぜひ『ザ・クラウン』で、この1950年代のイギリスの苦しみを知ってほしい。歴史を知ることは未来を考えること。我々が今、子孫の為に何をなすべきか、考える1つのきっかけになると思います。
さて、シーズン2では、そのマーガレット王女の夫で、ドロドロの愛憎関係を繰り広げるスノードン卿役に、推しのマシュー・グードがいよいよ登場❗
クズ男の役もきっとあの端正な美貌にピッタリね♥️楽しみすぎる❗