オタクの迷宮

海外記事を元ネタに洋画の最新情報を発信したり、映画・舞台・ライブ鑑賞後の感想をゆるゆると呟いたりする気ままなブログ。

映画に見る名演説シーン ベスト10~PART 1

推しのトム・ヒューズが、8月7日(金)公開の新作『ジョーンの秘密』(平凡なイギリス人の老女が、半世紀前のスパイ容疑で逮捕されるという衝撃の実話)でカリスマ的魅力を持つロシア人留学生レオに紛し、ケンブリッジの学生を前に長演説をぶち、彼らを洗脳していくシーンがあると知ったヲタク。(この役はキミにしかできない)と、トレバー・ナン監督に口説き落とされたそうで、演説シーンはなんと、14テイクに及んだそう😮今日はそんなトムくんにちなんで、『映画に見る名演説シーン』について呟いてみました😊

 

第10位『ビリーブ  未来への大逆転』

  女性初の最高裁判事ルース・ギンズバーグの実話に基づく物語。ルース(フェリシティ・ジョーンズ)は、結婚・出産を経てハーバード大学法科大学院に入学しますが、女性はわずか9名。授業中、一生懸命手を挙げても、男子学生優先で発言の機会さえ与えられません。苦闘の末に、掴み取った弁護士資格。しかし、彼女が最初に担当したのは、敗訴100%と言われた性差別の裁判でした。法廷弁論で彼女は、「ハーバードの法科大学院には当時女性用トイレがありませんでした…。」と切り出します。女性であるがゆえに、ユダヤ人であるがゆえに、誰よりも優秀なのにそれに見合う職種や地位を否定され続けた彼女。それでもなお、希望を失わないルースの弁論は、爽やかな感動を呼びます。また、生涯にわたり彼女のキャリアを支え続けた夫(アーミー・ハマー)との夫婦愛も感涙モノ😭


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第9位『嘆きの王冠  ホロウ・クラウン~ヘンリー5世

 7月31日(金)からシネリーブル池袋で順次公開される『嘆きの王冠ホロウ・クラウン』シリーズ(シェイクスピア原作)。その中から、 ヘンリー5世の名スピーチを。前作『ヘンリー4世』では、悪友フォルスタッフたちとロンドンの歓楽街で放蕩に明け暮れていたハル王子(トム・ヒドルストン)。父の死によって王位を継いでからの、冷徹で統率力に溢れた王者への変身は、それはもう見事なものでした。内憂外患、生涯の殆どを戦いに明け暮れたヘンリー5世。大国フランスとのアジャンクールの戦い。数の上では圧倒的不利、負け戦を予想して怯み、絶望するイギリス人兵士たちを一人一人王自ら励まして回り、側近の諸侯に対しては、あの有名な演説をします。

今一度 突破口を突撃せよ 諸君 今一度
さもなくば城壁をイギリス人の死体で覆い尽くしてしまえ
平和時には礼儀正しさと謙遜さが
紳士のたしなみともなろうが
ひとたび戦いの嵐が我らの耳に吹きすさぶや
猛虎のように振舞うがよい

英国人というとジェントルマン、というイメージですが、いつもの紳士然とした穏やかさ、物柔らかさをかなぐり捨てたトムヒの迫力の演説❗一見の価値アリ…ですよ😉

 

第8位『嘆きの王冠 ホロウ・クラウン~リチャード2世』

 続いてやはり『嘆きの王冠』から、『リチャード2世』。何と言ってもシェイクスピアは名演説の宝庫です😊このリチャード2世のスピーチ、ヘンリー5世のように、人々を勇気づけ、鼓舞するような内容ではなく、むしろ真逆。王位を保ち続けることに疲れ、反乱を起こしたヘンリー・ボリングブルック(のちのヘンリー4世)に自ら王位を譲っておきながら、いざ王冠を渡す儀式となると、急に態度を変え、自己憐憫と家臣への恨み辛み、ボリングブルックへの呪いの言葉を長々と吐き続けるリチャード2世(ベン・ウィショー)。この台詞がまたね、美しいんですよ、ひじょうに。

王冠は君のものだ

だが悲しみはまだ私のものだ

降りよう、降りよう、太陽神フェイトンのように

卑しい暴れ馬どもを御しきれずに

これ、全ての台詞が韻を踏んだ詩の形式で書かれていて、内容の俗性との対比が何とも強烈な皮肉になっている…シェイクスピアってやっぱりスゴイ❗リチャード2世を演じたベン・ウィショー(007シリーズのQ役、只今公開中『リトルジョー』、Netflix『ロンドン・スパイ』)、ヲタクは密かに『ナヨ系イケメン』って呼んでるんですが😅この役はナヨすぎて、もはや…イケメンの範疇越えてます。鼻水と涙でウィショーくんの顔、ぐちゃぐちゃだし。しかし、王も所詮は人の子。一度は手離した筈の王冠を握りしめ、駄々っ子のように泣くリチャード2世の愚かさ、憐れさを演じ切ったウィショーくん、英国アカデミー賞主演男優賞も、むべなるかな😊

 

第7位『ドリーム』

 全ての女性に見てもらいたい映画『ドリーム』❗1960年代、アメリカ初の有人宇宙船マーキュリー・アトラスの打ち上げに尽力した、NASAの3人の黒人女性の物語。市内のあらゆる場所で白人と黒人の分離政策がとられていた1960年代のヴァージニア州。3人は、差別をものともせず、持ち前の明るさとファイティングスピリッツで、次第に周囲の信頼を勝ち取っていきます。

 その中の1人メアリー(ジャネール・モネイ)は、NASAの技術者としてステップアップを目指し、技術学校の講座を受講しようとしますが、当時は白人にしか門戸が開かれていませんでした。夫をはじめ周囲に反対されても諦めきれないメアリーは、単身裁判所に乗り込んでいって判事に直談判😅「肌の色は変えられません。だから私が前例を作るしかないんです。判事もいかがです?前例を作った判事として100年後に名を残されては?」と理詰めの弁論で迫るメアリー。見ながらヲタクは、(さすがNASAの技術者😮)と、感心したものです(笑)

彼女たちの苦労がお涙頂戴にならず、コメディタッチで描かれているのがかえって爽やかでしたね😊


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第6位 『我が闘争~若き日のアドルフ・ヒットラー

ヲタクが密かに『ドイツのカメレオン俳優』と呼んでいるトム・シリング。ウィーンの内気な画学生…だった筈のアドルフ・ヒットラーが、いかにして史上最悪のデマゴーグに変貌していったか、鬼気迫る演技を披露。ストーリー展開としては、ヒットラーの滑稽さを揶揄するシーンも満載で、恐怖と笑いのミックスしたようなシュールな作品になってます。しかし当時彼が住んでいた芸術家たちが集まる安下宿で、肉屋の手伝いの女の子1人を前に演説をぶつシーン。自らの話術に陶酔して次第に偏執狂的になっていくさまがただただ恐ろしく、トム・シリング、カメレオン俳優の面目躍如です。


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  5位~1位はまた後日、お楽しみに~😊